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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Owen / Owen (2001年)



今回紹介する名盤はインディーロック界の重要人物キンセラ兄弟の弟のアルバムです。

ジャンル

インディーロック
アコースティック

アメリカ

Mike Kinsella



アーティスト
シカゴには素敵なバンドがゴロゴロいます。
その中から今回はシカゴのスーパー重要人物、キンセラ兄弟の弟Mike Kinsellaのソロプロジェクトです。

Mike KinsellaはCap'n Jazzを解散した後、The One Up Downstairs→Americanfootball→Owenとして活動していき、Owenは2001年からコンスタントに作品を発表しています。

それ以外にもJoan of ArcOwls、The Love of Everythingなどのキンセラファミリーバンドに参加したり、レーベル仲間のサポートをしたりしています。

現在はOwenでの活動の他にAmericanfootballとOwlsの再結成とTheir/They're/Therapyでの活動しているので、本当に多忙な毎日を送っています。
兄のTim Kinsellaのような個性溢れる奇想天外な音楽ではなく、アコギと柔らかいドラム音、そして少しの電子音で爽やかな音楽を奏でます。

私は一時期、音の重さや音の厚みばかりを気にしてKing CrimsonThe WhoYesLed Zeppelinのような音楽ばかりを聴いていた時期がありました。

すると、急に今まであんなに好きだった音楽が耳を受け付けなくなってしまいました。
それもそのはずです。
例えるならば、大好きなカレーライス、ラーメン、焼き肉みたいな高カロリーな食事ばかり食べていたら胃もたれを起こしてしまうような感じでした。

そんな時にOwenの音楽に出会いました。
Owenの音世界はまるで、爽やかな冷製スープのような音楽で体にスーっと入ってきました。


アルバム
本作はそんなOwenのデビューアルバムになります。

世間では2006年に発表された「At Home With Owen」が最高傑作だと言われていますが、(私もこれには異論はありません)個人的に一番好きなOwenのアルバムは本作なんです。

本作はOwenの中でも一番優しいサウンドでジャケットのように光に包まれるような音世界なんです。

丁寧に爪弾かれたアコギのアルペジオに霧がかったウィスパーボイス、そして煌めく少しの電子音が最高のバランスで構築されています。

好みだろと言われればそれまでですが、この絶妙なバランスは他にはありません。
勿論Owen以外にこのバランスを表現している人はいませんし、Owenの他の作品でもどうも違うなと感じるくらい本作はそれぞれの音のバランスが素晴らしいんです。

休日に朝早く目が覚めて二度寝しようかなという時に聴くと霞みがかった音世界が気持ちよく睡眠に誘ってくれます。

夢か現実か、白昼夢に誘われるような霞みがかった名盤を是非。

関連記事
Owen / At Home With Owen (2006年)
キンセラファミリーツリー

Places To Go


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Newton Faulkner / Hand Built by Robots (2007年)



今回紹介する名盤は日本の大晦日恒例行事紅白歌合戦に参加したことのあるイギリス人のアルバムです。

ジャンル

サーフロック
フォークロック

イギリス

Sam Newton Battenberg Faulkner



アーティスト
Newton Faulknerは13歳からギターを始め、16歳の時にアカデミー・オブ・コンテンポラリー・ミュージックという音楽学校に入学します。

Michael Hedgesにも引け劣らないアコギ奏者Eric Rocheの下で学んだことでタッピング奏法をものにします。
そして、インターネットを中心に少しずつNewton Faulknerの名前が広まり始めます。

満を持して2006年に発表されたインディー盤「Full Fat EP」はAmazonの英シングルチャートで1位にランクインして、その評判は一躍音楽業界に知れ渡りレコード会社との契約を手にします。

そこからはトントン拍子でメジャー契約後すぐに発表したシングル「Dream Catch Me」が全英8週連続トップ30入りの大ヒットとなり、デビューアルバムの「Hands Built By Robots」は全英チャートで3週連続1位、そして37週連続全英トップ40入りという快挙を成し遂げました。

その後数多くのフェスでJohn MayerThe John Butler TrioやPaolo Giovanni Nutiniなどと共演を果たしました。

そんなNewton Faulknerの音楽は数多くのアーティストからリスペクトされていて、一番有名なところではLed ZeppelinのギタリストJimmy Pageでしょう。
Jimmy PageからNewton Faulknerに駆け寄って「あなたの大ファンです」といった逸話があるほどです。

その他にもThe WhoのRoger Daltreyやハリウッド女優のScarlett Johansson、日本でも小山田圭吾や押尾コータロー、スキマスイッチの大橋卓弥、そして2009年に紅白歌合戦で共演したドリカムと様々なアーティストからリスペクトされています。


アルバム
本作は全英チャートで3週連続1位、そして37週連続全英トップ40入りしたデビューアルバムになります。

Newton Faulknerのギターの腕前は勿論凄いのですが、私はサーフミュージックによく合うソウルフルでハスキーな歌声が最高に好みなんです。

本作には全英8週連続トップ30入りを果たしたデビュー曲「Dream Catch Me」も収録されています。もし「Dream Catch Me」を目的で本作を購入した人も他の曲ほぼ全ての曲が気に入るくらいキャッチーで聴いていて楽しいです。

因みに本作にはMassive Attackの「Teardrop」を全く劣化させずにアコギと歌でカバーしています。

クセも無いので洋楽に興味がない人気にもおすすめ出来る作品です。

カラッとした初夏の風のように爽やかな名盤を是非。

Dream Catch Me


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Mogwai / Come on Die Young (1999年)



今回紹介する名盤はポストロックを開拓し、発展させてシーンを牽引するポストロックを代表するバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
シューゲイザー

イギリス

Stuart Braithwaite
Dominic Aitchison
Martin Bulloch
John Cummings
Barry Burns



バンド
ポストロックとは「ロックの楽器をロックとは別の目的で使用してギターをリフやコードのためでなく、音色や響きを作るために使う」や「静と動を基調としたインストサウンド」ということなのですが、Mogwaiはその全てを含んだ音楽をしていて20年もの間シーンの代表に君臨し続けています。

Mogwaiほどライブ栄えするバンドも少ないと思います。
というのもCDで聴くと「ふーん…」で終わってしまっても、ライブの大迫力の音の壁を経験してから聴くと全然違うと思います。

全てを吹き飛ばすくらい激しいノイズの洪水と、一転して河のせせらぎのような音の波を上手く操って独自の音世界を展開させています。

当時の流行りジャンルはブリットポップだったにも関わらず、メンバーの平均年齢18歳そこそこでこんな音楽を演奏し、1997年には「Mogwai Young Team」発表したことに驚かされます。

それは当時の流行りの音楽に全く共感出来なかったMogwaiが最も影響を受けたバンド「Slint」のようなシリアスなギターミュージックを演奏することという目標があったからでしょう。

現に「Mogwai Young Team」はNME紙の97年ベストアルバム第7位にランクインするほどの評価を受けました。

そして、1999年にはDave Fridmannをプロデューサーに向かえ「Come on Die Young」を発表します。
その後もコンスタントに作品を発表していき、現在ではポストロックの重鎮バンドとして活躍しています。

また、映画「Knock for Knock」やジダンのドキュメント映画「ジダン 神が愛した男」など映画の音楽を担当をしたりしています。


アルバム
本作はMogwaiとDave Fridmannが手を組んだ日本でのデビューアルバムでもあり、ファンの間でもMogwaiの作品の中で上位にくる名盤です。

「Punk Rock:」は静かなギターの旋律にスピーチをサンプリングした曲なのですが、このスピーチはパンクのゴッドファーザーことIggy Popのスピーチであります。

本作は全11曲ですが私はアルバム全体で1曲だと感じます。
そういう風に聴くと前半の静けさが急に緊張感を帯びてきて、後半に控えている「Ex-Cowboy」~「Christmas Steps」の爆風のような轟音の壁がより一層破壊力を持ちます。

中々このレベルの緊張感を音で表現出来る盤は少ないと思います。

嵐の前の静けさ、そして襲来する音の暴風雨の後にはカタルシスだけが残る名盤を是非。

関連記事
Mogwai / Mogwai Young Team (1997年)

Cody



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John Mayer / Room for Squares (2001年)



今回紹介する名盤は現代の世界三大ギタリストの一人であるプレイボーイのアルバムです。

ジャンル

ロック
ブルース

アメリカ

John Clayton Mayer



アーティスト
John Mayerは少年時代に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でChuck BerryのJohnny B. Goodeを演奏されているのを見てギターに興味を持ち、父親からギターを貸してもらいます。
そして、近所の人からStevie Ray Vaughanの曲が入ったカセットを貰ったのを切っ掛けに音楽に目覚め、Jimi HendrixStingを聴きギターの練習に明け暮れていました。

青年期の頃にはバンドを組んで活動したり、ソロで活動したりしていました。
そして、2000年のサウス・バイ・サウスウエストという大規模な音楽祭でJohn Mayerの演奏はレコード会社の目に留まり契約を交わします。

2001年にひっそりと「Room for Squares」が発表され、ツアーを行うと想像より反響が大きく「Room for Squares」でメジャーデビューさせるために発表し直すためにジャケットを新しいものと差し替えて、数曲を再び録音し直すという異例なことが起きました。

すると、ローリングストーン誌では注目すべき10人のアーティストの一人としてJohn Mayerの名前が挙げられました。

デビューして十数年の間でグラミー賞のノミネートコンサートでブルース界の巨人B. B. Kingと共演したり、Eric Claptonの70歳記念ライブで共演したりと凄い活躍ぶりです。

また、2015年からGlateful Deadのメンバーと組んだバンドDead & Companyにギタリストで参加しています。

John MayerはRed Hot Chili Peppersの元ギタリストJohn FruscianteとTedeschi Trucks BandのギタリストDerek Trucksの3人を現代の世界三大ギタリストとされているほどの実力者です。


アルバム
本作は大反響を受けたデビューアルバムでJohn Mayerの初期衝動が詰まっています。

本作は2001年の6月にひっそりと発表された後にツアーを行うと想像していたより反響があったため、数曲を再録音し直し、ジャケットを新しいものと差し替えて同年の9月に再発表しました。
すると、2002年には全米チャートの200位中最高9位までランキングが上昇し、80週連続でランクインを果たしました。

これほどまでのギターの腕前を持ってるのにテクニックに傲ることなく「曲」を大事にしているのでここまで大衆の心を奪ったのだろうと思います。

ギターの腕前は勿論凄いのですが、191㎝の長身から発せられるハスキーボイスが何とも言えないほど最高なんです。

古くからのブルースの世界に春風のような爽やかさでキャッチーなメロディーは人を選ばない洋楽入門にぴったりだと思います。

好青年の爽やかさがブレンドされたポップなブルースの名盤を是非。

No Such Thing


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Joan of Arc / Live in Chicago, 1999 (1999年)



今回紹介する名盤はシカゴのスーパー重要人物、キンセラ兄弟の兄Tim Kinsellaがずっと続けているバンドのアルバムです。

ジャンル

エクスペリメンタルロック
ポストロック
インディーロック

アメリカ

Tim Kinsella



バンド

この人の製作意欲は本当に凄くて、Tim Kinsellaが参加してるバンドはCap'n Jazzに始まりThe Sky Corvair、Joan of Arc、Owls、Friend/Enemy、Everyoned、Make Believeそして、ソロプロジェクトのTim KinsellasといったようにTim Kinsellaが参加してる作品は50を越えるはずです。

またTim Kinsella自体は関わっていなくても上記のバンドに影響を受けたバンドやアーティストは数え切れません。

そして、今回は数多くのバンドを渡り歩いているTim Kinsellaが1995年に結成して以降ずっと活動を続けているバンドです。
メンバーがとても流動的なので、Joan of Arcの音世界はアルバムによって違いますし、曲によっても違い、本当に説明が難しいんです。

Cap'n Jazzのようなバンドサウンドではなく音の空間を大事にしていて、音の1つ1つを大切に紡いでいくような繊細な音世界です。

ポストロックでも音響派でもインディーロックでもなく、Tim Kinsellaの頭の中にあるアンサンブルをその時集まったメンバーで奏でた唯一無二の音楽です。

ただ遊んで作ってるようにも思えますし、とても実験的にも感じるんです。
私はJoan of Arcを聴いて好きな音楽の幅がグンと広がりました。

Tim Kinsellaはその他の活動では短編映画「A LOVER’S DISCORSE」なんと音楽はこのブログでも取り上げたトクマルシューゴが担当しています。

長編映画「Orchard Vale」を制作していて映像作品という新たな領域にも挑戦しています。


アルバム

本作は数ある中でもJoan of Arcの最高傑作との呼び声高い作品です。

まず始めに言わないといけないのが、本作のタイトルが「Live in Chicago, 1999」ですが、ライブアルバムではなくスタジオアルバムです。

本作はTim Kinsellaの1つの到達点となる作品ではないかと思ってしまうくらい完成度が高いんです。
この曲順以外ありえないので、私は本作の曲をスキップしたり、シャッフルしたりは絶対しないです。

美しいメロディーの流れ、素晴らしい曲の流れ、麗しい音の流れ、全てが絶妙なバランスを保っているからこその完成度に感じます。

キャッチーな曲は無いですし、口ずさめるような曲も無いのに何か引き込まれる魔力のある作品です。

指揮者Tim Kinsellaによるオーケストラ「Joan of Arc」の最高の演奏を収めた名盤を是非。

(I'm 5 Senses) None Of Them Common


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