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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Deep Forest / Deep Forest 邦題 アフリカン コーリング (1992年)



今回紹介する名盤は様々な民族音楽を電子のビートに乗せて甦らす2人組ユニットのアルバムです。

ジャンル

ハウス
エレクトロニカ
ワールドミュージック
ニューエイジ

フランス

Michel Sanchez
Eric Mouquet



アーティスト

Deep Forestのコンセプトは失われつつある伝統音楽や口承音楽、民謡などにフォーカスを当てて歌声や生活音などをサンプリングし電子サウンドと合わせて1つの音楽にしていくというものです。

これまでにアフリカのピグミー族の民族音楽やソロモン諸島の子守唄、ジプシー音楽、西インド諸島の音楽、ラテン音楽、沖縄民謡など普段の生活では耳にしないような音楽を取り上げています。

Deep Forestでの活動以外にMichel SanchezはWes Madikoをプロデュースしたり、アバンギャルドなソロアルバムを発表したりしているアーティストでEric Mouquetは元ちとせのプロデュースやJosh Grobanとのコラボなど多方面で活躍しているアーティストです。

そんなDeep ForestはDaft PunkMoby、YMOなどに多大な影響を与えたドイツのハウスバンドTELEXの中心人物Dan Lacksmanをプロデューサーに迎え1992年に発表した「Deep Forest 邦題 アフリカン コーリング」は今までにないアイデアで世界を驚かせ、いきなりグラミー賞を授賞し、次作1995年発表の「Boheme」もまたグラミー賞を授賞するなど輝かしい歴史があります。

Deep Forestの代表曲「Freedom Cry」はホンダのCMで使用されたので聴いたことのある人も多いと思います。

2008年にDEEP PROJECTSというレーベルを立ち上げ、「旅」をコンセプトにこれまで「Deep Brasil」
「Deep India」「Deep Africa」と3作品発表しています。

アフリカなどの民族音楽を取り上げたDeep Forestより少し先に西欧のグレゴリオ聖歌を取り上げたEnigmaもおすすめです。

因みにDeep Forestのアルバムに必ず描かれているマークは中国の象形文字で「森」という意味があるそうです。

アルバム

本作は上記した通りDan Lacksmanをプロデューサーに迎え1992年に鮮烈なデビューを飾り、グラミー賞を授賞したアルバムになります。

本作の代表曲というかDeep Forestの代表曲「Sweet lullaby」が本作に収録されているのでDeep Forestに初めて触れるのに持ってこいです。

このサンプリングされてる声や音はピグミー族というアフリカの赤道付近の熱帯雨林に住み、成人しても150㎝ほどにしか成長しない特徴がある狩猟採集民族です。

本作を聴いて始めに感じたことは「本当に声をサンプリングしてるのか?」でした。
というのは、よくあるサウンドコラージュとは全く違い、あまりに調和がとれているので本当に歌っているかのように錯覚してしまったのです。

まさにアフリカの叫びにも似た歌唱をフレンチのフルコースで仕上げた名盤を是非。

Sweet lullaby


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The Wailers (Bob Marley) / Burnin' (1973年)



今回紹介する名盤はレゲエの神様達が最高にノリに乗っていた時期のアルバムです。

ジャンル

レゲエ
スカ

ジャマイカ

Bob Marley
Peter Tosh
Bunny Wailer
Aston "Family Man" Barrett
Carlton Barrett



バンド

Bob Marleyは白人の父(61歳)と黒人の母(18歳)の元に産まれ、白人の血と黒人の血が流れていることで難しい幼少期を過ごします。
そんな中10代から音楽活動を始め、ヒット曲を出すもレコード会社に売り上げの多くを徴収され、バンドの手元にはほとんど残らず自身のレーベルを立ち上げるも中々上手くいきません。

そんな時、後にレゲエを世界に知らしめた立役者Chris Blackwellと出会い1973年「Catch a Fire」で鮮烈なデビューをして、同年「Burnin'」の代表曲の1つ「I Shot the Sheriff」をギターの神様Eric Claptonがカバーし、Eric Claptonは初の全米1位を記録します。

その事で一躍スターダムにのし上がったのです。
たまに「音楽で世界を変える!」なんて非現実的なことを言っているミュージシャンを目にします。

私はそのたびに、そんなこと出来るわけ無いだろうに…と冷めたことを考えてしまいますが、唯一音楽で紛争などの争いを止めた人間がいます。
それがBob Marleyです。

1978年のジャマイカでは、政治的な紛争が絶え間なく起こっていました。
そんな時、彼は首相マイケル・マンリーとその反対党の党首エドワード・シーガを自身のコンサートに招いて、そのコンサートでBob Marley & The Wailersは最高の演奏と最高の唄で2人をもてなし、最後にこの敵対する党派の代表2人を舞台に上げ、互いに握手をさせ、平和を誓い紛争を止めました。

これは音楽史に残る伝説です。

70年代初頭にJohn Lennonは、やがてレゲエが世界を席捲するだろうと発言していたほどBob Marleyの存在、影響力は大きかったと言えます。
レゲエの活躍にはJohn Lennonに始まりThe ClashThe Police、Eric Claptonなど様々なアーティストが注目していました。

アルバム

本作はデビューアルバム「Catch a Fire」で世界的に大成功してたたみかけるようにわずか半年という短い期間で発表されました。

半年という短い期間でしたが、「Get Up, Stand Up」や「I Shot the Sheriff」などバンドの代表曲目白押しになっています。
ローリングストーン誌が選ぶオールタイムベストアルバム500では319位にランクインしています。
また、本作でPeter ToshとBunny Wailerは脱退してしまうので、以降の作品はいわばBob Marleyのソロ作品みたいな感じになるのでThe Wailersというバンドでのラストアルバムと言っても過言ではありません。

なので、Peter ToshとBunny Wailerがリードボーカルをしている曲もあり、本作で私はゆったりと流れるPeter Toshの「One Foundation」が1番好みです。

音楽界に天変地異を起こしたThe Wailersの珠玉の名盤を是非。

Get Up, Stand Up


関連記事
Bob Marley & The Wailers / Live ! (1975年)


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OKI DUB AINU BAND / OKI DUB AINU BAND (2006年)



今回紹介する名盤は日本の約2割の面積を占める北海道の民族「アイヌ」を代表するバンドのアルバムです。

ジャンル

ワールドミュージック
レゲエ
ダブ

日本

OKI
居壁太
沼澤 尚



バンド

私がOKI DUB AINU BANDを知ったのは新婚旅行で北海道一周をしている時にアイヌ民族博物館を訪れて、スタッフの人達が民族衣装に身を包みアイヌの踊りや歌や演奏を見せてくれた時でした。
その時女性が一人でマイクの前に立ち、口元で手を動かすとまるで電子音楽のような「ビョヨーン!ビョヨーン!」と音が鳴り、私は一瞬で惹き付けられました。

すぐに土産屋さんに向かうとその楽器はムックリという名前でとても小さな竹の板に紐が付いてるだけの質素な物でした。

その土産屋さんでOKI DUB AINU BANDのCDが置いてあったので試聴したら、私好みのあまりのかっこ良さにすぐに購入しました。
OKI DUB AINU BANDは北海道のアイヌ民族に伝わる伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIが中心に活動する世界でも珍しいアイヌルーツバンドなんです。

トンコリを電子化に改造して現代に甦らせ、そこにギター、ベース、ドラムといったオーソドックスなバンド編成でアフロビートやレゲエ、ダブ、ロックなどを巧みにミックスさせたサウンドに乗せてアイヌ語で歌う音世界は唯一無二です。

数多くの海外フェスでライブを行い、作品も定期的に発表して、2006年のアルバム「OKI DUB AINU BAND」にてついに日本上陸しました。

世界最大規模のワールドミュージックフェスとして知られる「WOMAD」に始まるアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地でツアーを成功させ、また日本国内も北海道を中心に数多くのフェスやイベントに出演し話題になりました。

2010年には「SAKHALIN ROCK」を発表し、国内ツアーと台湾、ネパールでライブをして、2016年には待望の新作「UTARHYTHM」を発表し、国内ツアーを行います。

アルバム
本作はOKI DUB AINU BANDのセルフタイトルの意欲作でジャケットには北海道を象徴する熊がデザインされています。
一発目「East of Kunashiri」からトンコリ独特の魅惑なサウンドに他にはない唯一無二感を感じるはずです。

トンコリにはフレットが無く全て開放弦というハープのような構造なんですが弦が5本しかなく、ギターのような空洞がなく音量の増幅もできないのです。
この不思議な楽器トンコリの理にかなっていないところが得も言えぬ魅惑さを感じさせるのかもしれません。

またトンコリのデザインは女性の身体をモチーフにしたと言われています。

北海道のような広大なサウンドと大自然のエネルギー、トンコリやムックリといったアイヌの魂が込められた名盤を是非。

East of Kunashiri


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Ronan Hardiman / Solas (1998年)



今回紹介する名盤はアイルランドの民族音楽であるケルト音楽とポップミュージックを掛け合わせたアーティストのアルバムです。

ジャンル

ケルト
ヒーリング音楽
アイリッシュ音楽

アイルランド

Ronan Hardiman


アーティスト

Ronan Hardimanは幼少期からロックやポップスを好んで聴いていた反面、家族や周りの人の影響で伝統的なアイリッシュ音楽にたくさん触れていました。
そんな少年時代を過ごしたRonan Hardimanはアイルランドの銀行で事務員として12年間普通に働いていましたが、音楽への熱は冷めておらず、仕事の合間にバンド活動をしていました。

仕事を辞めた後Ronan Hardimanはアイルランドの伝統的なケルト音楽とポップミュージックを掛け合わせた独自の音楽でラジオやテレビなどを通して少しずつ知名度をあげていき、アイルランドで有名なドキュメンタリー番組のテーマ曲を担当するほどになりました。

それ以降番組は勿論のこと、舞台や映画、フィギュアスケートなど活躍の場を広げていきました。
Ronan Hardimanを不動の地位にした作品がMichael Flatleyが監督していた舞台「Lord of the Dance」です。

Lord of the Danceはイギリスではロンドンウェンブリーアリーナ公演で連続21回ソールドアウトし、アメリカではアカデミー賞受賞式で超人的なパフォーマンスを披露し大盛況しました。
そんな大舞台の音楽を担当してRonan Hardimanの名は世界に知れ渡りました。

アイルランドのミュージシャンと聞いて1番初めに思い浮かべるのはEnyaではないでしょうか。
Ronan Hardimanの音世界もEnyaのような美しく神々しいケルト音楽なのですが、先ほどから書いてあるようにRonan Hardimanはポップミュージックにも影響を受けているので非常に聴きやすいと思います。

日本でもテレビやラジオでよく使用されているので、聴いたことがある曲が流れてくるかもしれません。

アルバム

本作はRonan Hardimanの代表作品1996年発表の「Lord of the Dance」と1999年発表の「Feet of Flames」の間に発表されたので世間的には少し影が薄い作品かもしれませんが、アルバムの完成度はこの2つの代表作に引け劣らないクオリティで本作が1番いい意味で聴きやすい作品かと思います。

調べてみると本作のタイトル「Solas」とはアイルランド語でシングルという意味を持つそうです。
このタイトルの意味を私なりに解釈してみますと、舞台音楽や映画音楽を主に作曲してきたRonan Hardimanがシングルカット出来る曲で構成したアルバムということではないでしょうか。

そう思えるくらい1曲1曲が粒揃いなのです。
Enyaのような壮大で神々しいサウンドが好みなら本作もきっと琴線に触れることでしょう。

アイルランドの人間にしか出せない音の空間の美しさを感じます。

結婚式などで流れてきたら感動間違いなしでワンランク上の結婚式になると思います。

聴いているだけで感動し、幸せになれる名盤を是非。

Heaven


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Nico & Vinz / Black Star Elephant (2014年)



今回紹介する名盤は2015年のサマソニで最高のパフォーマンスを魅せてくれた2人組のアルバムです。

ジャンル

アフロビート
ヒップホップ
R&B

ノルウェー

Nico (Kahouly Nicolay Sereba)
Vinz(Vincent Dery)


アーティスト

Nico & Vinzは2009年から活動を開始して、2010年の「The Emerging Festival」というコンテストで優勝し、ここから快進撃の始まりです。

北欧中にNico & Vinzの名前が轟き、2011年に「One Song」でデビューするとノルウェーのグラミー賞と言われるSpellmann Awardを受賞します。
そして、2013年発表の「Am I Wrong」が世界的にはほぼ無名ながらドイツのiTunesシングルプレオーダー歴代最高数を記録するなどヨーロッパを席巻し、全英1位全米4位を記録する大ヒットとなりました。

さらに次曲「In Your Arms」も大ヒットし、2013年末に行われたノーベル賞受賞式コンサートで、この2曲を披露して世界的アーティストとして認知されました。

Nico & Vinzとして紹介していましたがここまでの活動はNico & Vinzという名前ではなく「Envy」という名前で活動していました。

2013年発表の「Am I Wrong」が大ヒットし、世界に羽ばたくために2014年に自分達の名前であるNico & Vinzとして活動を始めていきます。

アフリカ系ノルウェー人なので民族的なリズムやサウンドの中に、北欧のオシャレなテイストが含まれていて「新時代のネイチャー・サウンド」と形容される独特な音楽に仕上がっています。

2015年のサマソニに行ったのですがNico & Vinzのパフォーマンスは最高でした。
快晴の夏空と入道雲を背にして、片手にビールというロケーションでNico & Vinzのライブを観ましたが、日々の疲れやストレスは汗と一緒に流れて消えてしまうほどの爽快感でした。

アルバム

本作は世界で勝負するためにNico & Vinzと改名してから初めてのアルバムなので、溢れんばかりの充実感です。

「Nico & Vinzのアルバム」というより「Am I Wrongが入ってるアルバム」という目的で本作を購入した人も多いはずですが、そういう人にはうれしい誤算があるでしょう。

それくらい他の曲も個性的で魅力的なのです。
「Am I Wrong」は勿論名曲なんですがハーモニカの音で明るく楽しくなる「Homeless」や徐々にスピードアップしていき疾走感のあるクールな「Last Time」など聴き所満載となっています。

21曲と曲数は多いですが、その内の7曲はアルバムの世界観を演出するための数十秒の民族音楽なので、トータルすると60分ほどです。

アフリカの血がたぎるほど熱いアフロビートに北欧のクールなサウンドが丁度いい名盤を是非。

Am I Wrong


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