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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

Orbital / Brown Album (1993年)



今回紹介する名盤は1990年代を代表するテクノ四天王の一人のアルバムです。

ジャンル

テクノ
エレクトロニカ
トランス
ブレイクビーツ

イギリス

Phil Hartnoll
Paul Hartnoll



アーティスト

OrbitalはHartnoll兄弟が組んだテクノバンドで1991年と1993年に「Orbital」を発表しました。
この2枚はジャケットの色で分けられ、1991年を「Green Album」1993年を「Brown Album」として分けられています。

この2枚のアルバムで一躍テクノ界を席巻し、UnderworldやThe Chemical Brothers、The Prodigyと並びテクノ四天王と呼ばれました。

また、日本のテクノ界の奇才 石野 卓球はAphex Twin「Ambient Works85-92」Hardfloor「TB Resuscitationorbital」Orbital「Brown Album」この3枚はテクノ三種の神器と称しました。

前作が圧倒的完成度だったため1994年に発表された「Snivilisation」はあまり評価されませんでした。

その後もドラムンベースに接近した「In Sides」原点回帰してファンを喜ばせた「The Middle of Nowhere」Orbitalの最高傑作にあげる人も多い「The Altogether」そして、これまでのOrbitalの軌跡を感じる「Blue Album」を発表した後に活動を一旦休止しました。

1995年に「Halcyon+on+on」が映画で使用されたのをきっかけにアルバム製作と平行して、「Event Horizon」「Octane」「Pusher」などの映画で音楽を担当したりもしました。

また、ゲーム好きな二人はゲームにも楽曲を提供したり、チャリティーアルバムに参加したりと様々な方面で活躍していました。

2009年に活動を再開するや否やあちこちのフェスで引っ張りだこになり、2012年に復活後初のアルバム「Wonky」を発表し、2014年に再度解散してしまいました。

アルバム
本作はテクノ三種の神器と称されOrbitalの最高傑作と言われるアルバムです。

Orbitalの代表曲が目白押しで美しさと力強さをあわせ持つ「Lush」映画でも使用され清涼感溢れる「Halcyon + On + On」といった名曲にも埋もれることのない他の曲のクオリティの高さに驚かされます。

1曲1曲のクオリティが高いだけでなくアルバム全体の流れや世界観の統一感が完璧過ぎて恐ろしく感じるほどです。

因みに「Halcyon + On + On」の女性の美しい声はOpus IIIのKirsty Hawkshawの歌声をサンプリングしたものです。

4つ打ちの気持ち良さとシンセの美しさが見事にマッチしたテクノサウンドの1つの完成形と言っても過言ではないと思います。

深く広がる電子音と気分の高揚するビートを掛け合わせた得も言えぬ麗しき名盤を是非。

Halcyon + On + On


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Kazumasa Hashimoto / Euphoriam (2007年)



今回紹介する名盤は日本より、むしろ世界での評価の方が高い音の錬金術師と形容される日本人のアルバムです。

ジャンル

フォークトロニカ
エレクトロニカ

日本

橋本和昌



アーティスト

Kazumasa Hashimotoと音楽の出会いは幼少期から始めたクラシックピアノで、その後は音大に進学し作曲を専攻し、音楽の基礎を築き20代後半から本格的に音楽活動を始めます。
そして、2003年のアルバム「Yupi」を発表し、鮮烈なデビューを果たしました。

というのも「Yupi」はイギリスのBBCで曲が使用されたり、アメリカのメディアにも多数紹介されたり、ドイツの音楽雑誌 DE:BUG誌にて5つ星を獲得したりとイギリスを始めとするヨーロッパやアメリカでとても高い評価を受けました。

音楽大国のイギリスとアメリカでの高評価に比べ、日本では音楽好きの間でしか話題になりませんでした。

その後は、これまた海外で評価の高いworld's end girlfriendや湯川潮音の作品にも参加したり、矢野顕子が羨むほどの歌声の持ち主Gutevolkの作品をプロデュースしたりと活動の幅を広げていっております。

そして、さらに活動の幅を広げ、「CURE」や「回路」などで知られる映画監督 黒沢清の2008年の作品「トウキョウソナタ」で音楽を担当し、この映画はその年のカンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞しました。

その他にはスペインのバルセロナで毎年行われるヨーロッパで最も大きい電子音楽とアートのフェス Sonarフェスティバルに参加したり、ヨーロッパツアーを行うなど、海外でも精力的にに活動しています。

生楽器のやわらかい音色ときらびやかな電子音で独特の浮遊感と暖かさのある音世界でなんだか幸せにしてくれる音楽です。
特に目立った独自性があるわけでもなく、わりとありそうな音楽なのに細部にまでこだわっているのでKazumasa Hashimotoの音世界は他にはない感じがするんです。


アルバム
本作はそんなKazumasa Hashimotoの4枚目のアルバムでこれまでと違いボーカル曲の比重の増えた作品になるので取っつきやすいかと思います。

因みにKazumasa HashimotoがプロデュースしたGutevolkも本作にボーカルで参加しています。
ピアノやギター、ベース、ドラムといった基本的な楽器は全て自身で演奏してチェロやバイオリンといった楽器はそれぞれの名手を迎え録音しています。

音楽だけ聴くとヨーロッパの下町をイメージするような牧歌的な音楽で本当に色彩豊かなカラフルな作品になっています。

本作も例に漏れず聴いていると幸せな気持ちへと誘ってくれます。

音が踊りだし普段の世界をファンタジーな世界へと色付けしてくれるカラフルな名盤を是非。

Londo


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Dominik Eulberg / Diorama (2011年)




今回紹介する名盤は無類の動物好きで中でも鳥が特に好きなDJのアルバムです。

ジャンル

エレクトロニカ
テクノ
ハウス
ミニマル

ドイツ

Dominik Eulberg


アーティスト

Dominik EulbergはSven Väthの活動拠点であるフランクフルトとミニマルテクノの総本山的レーベルのKompaktがあるケルンに挟まれた真ん中にある田舎町ヴェスターヴァルドで育ちました。

田舎で育ったDominik Eulbergは14歳になるまで音楽に興味を持たず、鳥のさえずりや動物の鳴き声、虫の音、木々が奏でる風の音などの自然の音を聴いて育ったのですが、ある時エレクトロニックミュージックを聴く機会があり「どうやってこんな音が出ているんだ?」と想像が付かないサウンドだと思う反面、いつも聴いていた自然の音にも似てると感じ音楽に興味を持ち始めました。

そんなDominik Eulbergの特徴はエレクトロニックミュージックと自然の音の融合です。

2007年に発表された「Heimische Gefilde」では鳥の鳴き声とエレクトロニカを掛け合わせ鳥の紹介をするという斬新な手法で話題になりました。

Dominik Eulbergは2004年にドイツのGroove誌で「The best of new comer in 2004」に選出され、一躍脚光を浴びてからプロデュースやリミックス作品が立て続けにヒットし、2006年にはドイツのダンス・ミュージック・アワードのベスト・プロデューサーにノミネートされたなどして休みなく世界中でライブして回るなど多忙な毎日を送っている売れっ子DJなのにも関わらず、動物好きが高じてドイツ国立公園を監視するレンジャーの鳥類学者として仕事もしているほど動物を愛しているのです。

CDのジャケットには必ずと言っていいほど動物が描かれています。
また、Rocco Brancoという名義でも活動しています。

アルバム

本作はそんなDominik Eulbergの2枚目のアルバムで大自然の絶景が美しいジャケットになっていて、私はジャケットに惹かれて聴いたら大当たりでした。
私にはジャケットのファンタジックな世界観が不思議の国のアリスを彷彿させます。

アンビエントに近い品のある美メロにミニマル譲りのずっしりしたビートは聴いていて気持ちいいです。
エレクトロニカの持つ美しいメロディー性とレイブの持つ芯のあるリズムを併せ持つ音楽は案外少ないと思います。

Aphex Twinの「Girl/Boy Song」「Flim」とかが好みなら琴線に触れると思います。

幼少期に自然に囲まれて育った感性で大自然が織り成す絶景を音楽に落とし込んだ名盤を是非。

Echomaus


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Bjørn Torske / Feil Knapp (2007年)



今回紹介する名盤はダンスミュージックを北欧ノルウェーに広めた第一人者のアルバムです。

ジャンル

ハウス
エレクトロニカ
ダブ

ノルウェー

Bjørn Torske


アーティスト

Bjørn Torskeは幼少期にThe Beatlesを聴いて音楽に興味を持ち始め、ロックとヘヴィメタルにのめり込みますが、10代の頃から少しずつエレクトロニカに興味を広げます。

その後、音楽の趣味はさらに広がりCount Ossie & The Mystic Revelation Of Rastafarなどのダブやレゲエといった北欧とは全く逆に位置する音楽、CANやKraftwerk、Faust、Clusterといったクラウトロック他にはBrian Eno、Grace Jones、Prince、The Residents、Sun Ra、Moon Dogといった様々な音楽に影響を受けます。

そのためBjørn Torskeの音楽はエレクトロニカ、アンビエント、バレアリック、コズミック、ジャズ、フュージョン、ラテン、アフロ、ソウル、ファンク、クラウトロックといった音楽ジャンルの壁をぶち壊し、ごった煮にした感じなのです。

北欧の冷たくキラキラしたオーロラのようなサウンドと南の国の陽気でエキゾチックなリズムが見事に融合されたオリジナリティは唯一無二です。

Bjørn Torskeの音楽はノルウェーのリスナーから徐々に人気に火が着きLindstrømやPrins Thomas、Todd Terjeといったアーティスト達に多大な影響を与えました。

すぐ死ぬ主人公として多くのユーザーに愛されるアイレム社のファミコンゲーム「スペランカー」のサウンドをサンプリングしたりなどユニークな音楽的挑戦を行っています。

またBjørn Torskeは80年代中期からDJを始めてから数え切れないオリジナルやリミックスを世に送り出していろいろな場所でDJをする傍らIsmistikやOpen Skiesといった別名義でも活動しています。
しかし、1998年に「Nedi Myra」2001年に「Trøbbel」2007年に「Feil Knapp」2011年に「Kokning」とアルバムとしては少なめです。

アルバム

本作はBjørn Torskeが前作「Trøbbel」から6年の歳月をかけて製作された作品です。
本作には上記したファミコンゲーム「スペランカー」のサウンドをサンプリングした「Spelunker」を収録されています。

本作は本当に様々なジャンルの音楽が聴けるんです。
ゲーム音楽ファンには「Spelunker」バレアリック系ファンには静かに盛り上がる高揚感が魅力の「Loe Bar」壮大なイントロからアダルトなダブへとシフトチェンジしていく「Kapteinens Skjegg」など本当にいろんな角度から楽しめます。

似たようなサウンドが溢れかえっているエレクトロニカ界でひときわ異彩を放つユニークなエレクトロニカサウンドを鳴らしています。

北欧の澄んだ星空のようなサウンドと分厚いベースに南国の陽気なパーカッションが気持ちいい名盤を是非。

Loe Bar


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Serph / vent (2010年)




今回紹介する名盤は空想上の宅録ジャズと称されるアーティストのアルバムです。

ジャンル

エレクトロニカ
ポストクラシカル
ドリーミーポップ

日本

Serph


アーティスト

Serphは僕の大好きなアーティストなのですが情報は少なくて書くのを躊躇っていました。
というのも、どういう人物かという写真は勿論のこと、本名も明らかにされていません。

わかっている情報は20歳を越えてからピアノを独学で始め、作曲も素人に毛が生えた程度にも関わらず、わずか3年でデビューアルバム「accidental tourist」を発表したことだけです。

聞くところによるとデビュー以前はDJをしていたそうです。

学生時代はUKロックを好んで聴いていましたが、影響を受けたアーティストにはDimliteやAlog、竹村延和、坂本龍一、Hanna、Max Brennan、Steve Reich、Susumu Yokota、菅野よう子、Prefuse 73、植松伸雄などをあげています。

言われてみれば坂本龍一っぽく聴こえるし、竹村延和やPrefuse 73にも聴こえるし、ファイナルファンタジーの世界観もあるし、それら全部合わさって1つの世界観が出来上がって独創性に溢れているんです。

ジャズ、UKロック、プログレ、ブレイクビーツ、ゲーム音楽、映画音楽など様々な音楽が複雑に絡み合っているのです。

簡単に言うとDimliteの持つジャズエレクトロニカの音世界と植松伸雄の持つファイナルファンタジーの世界観を合わせた感じと言えば伝わるかもしれません。

2012年にスカパラや栗コーダーカルテット、→Pia-no-jaC←、DAISHI DANCEなどが参加し発表された「FINAL FANTASY TRIBUTE 〜Thanks〜」にも参加しています。

独学で作曲やピアノを学んでいるので音楽の固定観念に洗脳されず、自由な表現が出来ているのもSerphの特徴かもしれません。

アルバム

本作はそんなSerphの2枚目のアルバム「vent」で、「vent」とは「adventure」を切り取って付けられたタイトルなのです。

まずアドベンチャーと聞いてジャケットを見ただけで、いろんな物語が膨らみます。
そして、音楽を聴いたらジャズ風味のゲーム音楽が流れてきてよりいっそう想像が膨らみます。

僕の大好きな電子音楽なのに暖かみのあるタイプのエレクトロニカなんです。
i am robot and proudとジャズを合わせた感じです。
オシャレな雑貨店で流れていてもおかしくないし、RPGゲームで使われていても違和感ない唯一無二の音世界なので男性も女性もどちらにでもおすすめできます。

魔法と剣で冒険するゲームのようなファンタジックな音の波をサーフする名盤を是非。

vent


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