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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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吉田一郎不可触世界 / あぱんだ (2015年)



今回紹介する名盤はZAZEN BOYSの一時代を築いたベーシストのアルバムです。

ジャンル

ミクスチャーロック
オルタナティブロック
インディーロック

日本

吉田一郎



アーティスト
吉田一郎は小学校の時にMichael Jacksonを聴き音楽に興味を持ち、10歳頃まで習っていたピアノを習っていました。

その後、ジャズベーシストのRon Carterのライブ演奏を聴き衝撃を受けウッドベースを買ってもらったりして小学校時代を過ごします。

中学生になり、エレキベースを買ってもらいブラックミュージックをコピーしたり、CDショップでYesKing Crimsonに度肝を抜かれプログレッシブロックの世界に魅了されます。

高校生になり、周りがL’Arc-en-Ciel、GLAY、LUNA SEAなどのヴィジュアル系にハマる中、吉田一郎はLed Zeppelinなどを聴いていて、卒業後は音楽系の専門学校に入学します。

そこで自身のバンド12939dbを結成しますが解散してしまい、バンドメンバーを探し回っていた時に、ZAZEN BOYSのベーシストが脱退した事を知ります。

そして、Matsuri Studioにデモ音源を同封し手紙を送り加入して、2007年から2017年のZAZEN BOYSのベーシストとして活躍し、現在は脱退して「吉田一郎不可触世界」名義で活動しています。


アルバム
本作は吉田一郎不可触世界名義での初のアルバムで「あぱんだ」とはギリシャ語で「全集」という意味になります。

本作は吉田一郎が10代の頃から録りためていた曲達を50曲まで選曲し、それらを13曲まで絞り落として向井修徳に聴いてもらい「全体長いかもね」と言われ、さらに厳選してまとめた曲が収められています。

本作を聴いて、まず思ったことは「あれ?ベースは?」でした。
ZAZEN BOYSの吉田一郎をイメージしていたので、ベキベキ!バッチン!というベースをイメージしていました。

しかし、本作はZAZEN BOYSのようなベースは影を潜め、キャッチーなメロディーや小洒落たシンセサウンド、向井風ラップ、弾き語りなど多彩な曲が散りばめられていました。

ベーシスト吉田一郎ではなく、音楽家吉田一郎の全てを捧げた名盤を是非。

暗渠




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ZAZEN BOYS / すとーりーず (2012年)



今回紹介する名盤は「日本のロックシーンの第一線に立ち続け、無数のフォロワーを増やし続けている」と言われるバンドのアルバムです。

ジャンル

ミクスチャーロック
オルタナティブロック
プログレッシブロック

日本

向井秀徳
吉兼聡 通称 カシオマン
松下敦 通称 柔道二段
MIYA
(吉田一郎)
(アヒト イナザワ)
(日向秀和) 通称 町田のヤンキー



バンド
向井秀徳はNUMBER GIRLというバンドで活躍しており、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやBase Ball Bear、凛として時雨、9mm Parabellum Bullet、LUNKHEAD、WHITE ASHなど現在日本のロック界で活躍しているバンドに多大な影響を与えたバンドであります。

その向井秀徳が現在動かしているバンドがZAZEN BOYSであります。

どういうバンドかといいますと「法被を着たLed Zeppelin」と向井秀徳は例えております。

これは音楽性の話ではなくLed Zeppelinのように4人全員の個性の集合体という意味だそうです。
ZAZEN BOYSはhàlのバックバンドとして向井秀徳と54-71が組んだことが始まりでした。

そして、自分のしたい音楽を鳴らすためにNUMBER GIRL時代から相性抜群のアヒトを連れてメンバー集めを開始し、吉兼聡をメンバーに入れ本格的にZAZEN BOYSを始動させます。

DRY&HEAVYのライブを一緒に見ていた日向秀和をメンバーに誘おうと「自分さ、あんくらい出せんの?」と向井秀徳が問いかけると、挑発されたと勘違いしてしまい、なめられないよう「出せますよ」と言ったそうです。

後日、向井秀徳とアヒトと行ったセッションは死ぬほど緊張したそうです。
現在はアヒトと日向秀和は脱退し、松下敦と吉田一郎が加入し活動していました。

2017年に相性抜群だったベーシスト吉田一郎が脱退し、385のベーシストMIYAが加入し話題になりました。

向井秀徳のダサいラップ(勿論いい意味で)が日本特有の念仏のようで結果として他にはない音楽が生み出されています。

活動拠点は向井秀徳が設立した「MATSURI STUDIO」でレコーディングしたりしています。
因みにMATSURI STUDIOは当初BIKKURI STUDIOという名称だったのですが、向井秀徳自身が少しずつびっくりしなくなったのを理由に今のMATSURI STUDIOという名称で落ち着きました。

アルバム
本作、4年ぶりの最新作は当時の私にはあまり響かなかったんです。
というのも前作「ZAZEN BOYS 4」が良過ぎてハマりまくっていたので、本作をあまり聴けずにいたのですが、最近また聴き直してみたら、ビビビッ!ときてしまいどっぷりハマってしまいました。

1曲目「サイボーグのオバケ」2曲目「ポテトサラダ」曲名こそ可愛らしいですが、音の方はギターサウンドは鋭く尖っているのに、ドラム、ベースのビートは重たく響くZAZEN節満載です。

メロディーなんて可愛らしいものは無く、グルーヴとサウンドでこんなにも格好良くなるものかと舌を巻きます。

どの曲も針に糸を通すような、0,1秒の狂いも許されない演奏をしていて、しかもそれを一発録りという荒業をしていますから恐ろしいです。

鋭く尖った切れ味抜群の鈍器のような名盤を是非。

関連記事
ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS Ⅱ (2004年)

暗黒屋




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bloodthirsty butchers / NO ALBUM 無題 (2010年)



今回紹介する名盤は日本ロック界の至宝と評されているバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
ノイズロック
エモ
インディーロック

日本

吉村秀樹
射守矢雄
小松正宏
田渕ひさ子



バンド

bloodthirsty butchersは1986年に結成され、インディーズから「BLOODTHIRSTY BUTCHERS」と「I'm standing nowhere」をそれぞれ発表します。
そして、Fugaziが来日した時の共演を期に東京に拠点を置き、1994年に「LUKEWARM WIND」にてメジャーデビューします。

その後も多くのライブやフェスに参加して作品もコンスタントに発表し、2003年に元Number Girlのギタリスト田渕ひさ子が加入して△から□になり、より強固なサウンドへと昇華したbloodthirsty butchersは孤高の音楽活動を続けていきます。

しかし、bloodthirsty butchersのフロントマンである吉村秀樹氏は2013年5月27日に急性心不全のため46歳という若さで亡くなってしまいました 。
その訃報を聞いた多くのアーティストから追悼の声が寄せられた。

bloodthirsty butchersはNumber Girlを始め、HI-STANDARD、GREAT3、浅野忠信、會田茂、Fugazi、Rocket From The Crypt、BeckThe Flaming Lips、Rage Against the Machine、Dinosaur Jr.など世界中のアーティストからリスペクトされていました。

しかし、それとは相反してフォロワーは生まれませんでした。
それはSyrup16gの五十嵐隆に「一人オーケストラ」と評される、吉村秀樹氏のオリジナルコードで鳴らされるギターリフや、くるりのメンバーに「オリジナリティの塊」と言われた射守矢雄のルート音に加え3度や5度の音を加えたコード弾きやアルペジオなど、演奏の大部分で複数弦の音を鳴らす奏法によるオリジナリティーのせいでしょう。

そのあまりのオリジナリティーに誰もついてこれず孤高のバンドとも言われています。

因みにbloodthirsty butchersのバンド名の由来はAndy Milliganの映画「Bloodthirsty Butchers 邦題 血に飢えた断髪魔」からきています。

アルバム
本作はbloodthirsty butchersの11枚目のアルバムで田渕ひさ子が加入し、□になってからは4枚目になります。

bloodthirsty butchersが結成してから20年以上経ち、メンバー達の平均年齢は40歳を越えての作品です。
なぜこんなことをわざわざ言うかというと、ベテランバンドとは思えないほどのフレッシュさや初期衝動感を感じるからです。

どんな人も人生経験を積むと何となく色んなことがわかり、自然と子どもの頃の感覚を無くしてしまうのに本作は10代の頃の何でも楽しかった頃の記憶が蘇ります。

「ocean」なんて純度100%の爽やかさです。

△の頃の最高傑作が「kocorono」なら□になってからの最高傑作は「NO ALBUM 無題」と言っても過言ではないでしょう。

本作もbloodthirsty butchers特有の「音の良さ」があります。
高音質という意味ではなく、1音に込めた魂の重さで「音そのもの」が良いんです。

初心を忘れないベテラン達が全身全霊で鳴らす命のサウンドを収めた名盤を是非。

関連記事
bloodthirsty butchers / kocorono (1996年)

ocean


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eastern youth / 地球の裏から風が吹く (2007年)



今回紹介する名盤はNumber GirlASIAN KUNG-FU GENERATIONがリスペクトしているバンドのアルバムです。

ジャンル

エモ
オルタナティブロック
インディーロック

日本

吉野寿
田森篤哉
村岡ゆか
(二宮友和)



バンド

eastern youthは1988年に結成して1997年にシングル「青すぎる空」でメジャーデビューを果たし、この曲を収録した「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は大きな話題となります。

その後もコンスタントに作品を発表し、2015年には新作「ボトムオブザワールド」を発表して現在も精力的に活動を続けています。

あの山下達郎はeastern youthの新作が出ると必ず当日に買いに走るくらい熱心なファンだそうです。

bloodthirsty butchersやfOULと親交が深くライブで度々共演していたり、自身が主催している企画「極東最前線」では上記した2バンドを始め、Number Girlやゆらゆら帝国、あぶらだこ、54-71、少年ナイフ、にせんねんもんだい、toe、トクマルシューゴなど世界レベルの日本バンドと共演しています。

古き善き日本語の表現を用いた歌詞とエモーショナルなサウンドと吉野寿の絶叫ボイスがこのバンドの特徴ですが、他のバンドと最も違うことはインストバンドでもないのにボーカルがいないことでしょう。
それは何故かというと、吉野寿の独自の歌唱はボイスと言われているからです。

応援団さながらのボイスの力と詩人さながらの歌詞の力でどんなに気持ちが落ち込んでいてもeastern youthを聴くと鼓舞されて元気が沸々と沸き上がってきます。

例えるならば「やる気が出ない」という気持ちの時に一般的なポジティブな曲を聴くと「よし!やろう!」という気持ちになりますが、eastern youthを聴くと「やらざるを得ないッ…………!!」という感情になります。

eastern youthの歌詞カードは日本語を一番美しくみせるために縦書きで書かれています。
因みにASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞カードが縦書きなのはeastern youthの影響です。

アルバム
本作はeastern youthが結成してから20年近く経ちインディーズ時代の作品を含めて12枚目の作品になります。

そんなベテランバンドの曲とは思えないほど気持ちいい疾走感溢れる先行シングル「沸点36℃」はeastern youthの良さをギュッと凝縮したような名曲です。

一発目のコードをジャン!と鳴らしただけで聴く者の耳を支配するほどリフに魂を込めています。
何よりeastern youthはイントロが素晴らしい。

「五月の空の下で」のイントロは私的イントロランキングでトップクラスです。
少しずつボルテージを上げていき最高潮に到達した時のカタルシスは脳内アドレナリン出まくります。

どの曲の歌詞も素晴らしく、説明しだしたらキリがないので1つだけ取り上げます。

目を瞑るという表現を普通の人が思い付くのは「瞼を閉じる」や「瞳を閉じる」とかだと思いますが、詩人 吉野寿は違います。
「ばかやろう節」の歌詞で吉野寿は「風景を拒否する」という表現をしています。

声にならない歌を魂の叫びで地球の裏まで投げかける名盤を是非。

関連記事
eastern youth / 感受性応答セヨ (2001年)

沸点36℃

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The John Butler Trio / John Butler (1998年)



今回紹介する名盤は大きな大きな島国で育った実力派バンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
ブルースロック

オーストラリア

John Butler



バンド

The John Butler Trioは1995年から自国オーストラリアで活動を始め、1998年にデビューアルバム「John Butler」を発表し、オーストラリアで大ヒットして一躍注目を集めました。

その後もメンバーチェンジを繰り返しながら活動を続け、2004年に発表された3枚目のアルバム「Sunrise Over Sea」では初の全豪1位に輝き、自国だけで40万枚以上を売り上げた大ヒットとなりました。

すると各国のメディアで称賛され、同年8月にはThe Beatlesのカバー曲「Across the Universe」が収録されているEP「What You Want」がアメリカで発表となりました。
それを期にDave Matthewsとアメリカツアーを回り成功をさせて、2005年には全豪1位に輝いた「Sunrise Over Sea」を全世界に向けて発表され、その実力は全世界に認められました。

また、その年のフジロックに参加して日本を熱狂さたり、John MayerNewton Faulknerと共演したりと着々と知名度を上げていきました。

The John Butler Trioの音楽はブルースとロックをベースとして、そこにレゲエやカントリー、ファンク、フォークそしてヒップホップといった要素が絶妙なバランスで混ぜ込まれているんです。

オーストラリアならではのエアーズロックのような雄大でダイナミックな自然のエネルギーを感じる音世界なんです。
バンドサウンドの重厚さは当然凄いんですが、他と比べて何が凄いかというとアコギと歌声だけとは思えないほどのスケールのデカい音楽を聴かせてくれるところだと思います。


アルバム
本作はそんなThe John Butler Trioのデビューアルバムになります。

デビュー作だからといって侮れません、もうすでにThe John Butler Trioの音楽は完成されています。

特にThe John Butler Trioの良さがわかるのが代表曲の「Ocean」です。

この曲で使用される楽器はアコギだけなんですが、そんなことを感じさせないくらい音の広がりと音の塊を感じさせる曲になっています。
音源のやつも素晴らしいのですが、ライブの「Ocean」はさらにエネルギッシュな演奏を聴かせてくれます。

「Ocean」聴きたさに購入して他の曲にもハマって、The John Butler Trioにハマるということも考えられます。

キャンプやBBQなんかで流したら盛り上がること間違いなしの名盤を是非。

Ocean


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