忍者ブログ

『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

The Smashing Pumpkins / Siamese Dream (1993年)



今回紹介する名盤はグランジ全盛期に活動していたNirvanaの最大の被害者からのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
グランジ
インディーロック

アメリカ

Billy Corgan
Jeff Schroeder
Mike Byrne
Nicole Fiorentino

アーティスト

The Smashing Pumpkinsはローリングストーン誌の選ぶ歴史上最も過小評価されたギタリストで第22位のBilly Corganを中心に結成され、グラミー賞に10度ノミネートされた90年代を代表するオルタナティブロックバンドです。

The Smashing Pumpkinsがデビューした1991年は所謂NirvanaのNevermind旋風で音楽業界は荒れ狂っていました。
その結果、The Smashing Pumpkinsの実力は正当に評価されず、溢れかえっているNirvanaのパクりバンドの1つとしか評価を受けませんでした。

そのことでBilly Corganは次に成功しなければ、その次は無いと覚悟を決め、発表した「Siamese Dream」は全世界で600万枚以上を売り上げ評論家のみならず、一般の聴衆からも高い評価を受け商業的にも成功し、一躍The Smashing Pumpkinsの名を全米に響き渡らせました。

さらに、1995年発表の「Mellon Collie and the Infinite Sadness」はアメリカのみで1000万枚近くのセールスを記録し、グラミー賞では7部門にノミネートされ、タイム誌による年間ベストアルバムに選ばれるなど音楽的にも輝かしい評価を受けました。

しかし、翌年のツアー中にメンバーが薬物中毒で亡くなり、捕まり脱退を余儀なくされます。

そして、The Smashing Pumpkinsの勢いは弱まり2000年に1度解散しましたが、2005年に再結成し現在もオルタナティブロック界の重鎮として活躍しています。

アルバム

本作はBilly CorganがThe Smashing Pumpkinsが無くなるかもしれないプレッシャーの中で覚悟を決めて発表された作品です。

ドリームポップやシューゲイザー、ヘヴィメタルなど様々なジャンルの音楽を巧みに取り入れ昇華させ、激しいリフサウンドの中に甘美なメロディーが聴こえる作品です。

ローリングストーン誌が選ぶオールタイムベストアルバム500では362位にランクインしています。

本作のアルバムジャケットの女の子が今のベーシストNicole Fiorentinoだというのです。
運命的ですね。

3曲目の「Today」はDragon Ashがサンプリングしているので知名度は高いと思います。

Billy Corganが凄まじい重圧の中で捻り上げたサウンドを詰め込んだ名盤を是非。

Today


拍手[1回]

PR

Mae / The Everglow (2005年)



今回紹介する名盤は1つの物語をピアノエモでまとめたアルバムです。

ジャンル

ピアノエモ
インディーロック

アメリカ

Dave Elkins
Zach Gehring
Rob Sweitzer
Mark Padgett
Jacob Marshall


バンド

Maeというバンドをご存知でしょうか?
勿論知ってる人はたくさんいると思いますが、もっともっと認知されてもいいバンドだと思います。

それくらいキャッチーなメロディーを書くバンドなのです。

私がまだ実家暮らしの時、いろんな音楽を家で流していて唯一妹が「この曲好き」と言ってくれたアルバムです。(あと「面白いから」という理由で四人囃子の「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」がお気に入りでした。)

それくらい、いい意味で万人受けする音楽なのに日本ではあまり知られていません。

私は嫌いな言葉ですが、世に言う「捨て曲がない」という表現がぴったりだと思います。

Maeのアルバムを聴いた友達に、どの曲が一番好きか訊ねると皆バラバラでした。

でも、他の人が好きだと言った曲に「確かにいいね。」とそれぞれ共感してしまうのです。

それほどどの曲もメロディアスで素晴らしい出来なんです。


アルバム

本作は曲は勿論のこと歌詞、ジャケット含めて1つの物語になっています。

この統一感でこの完成度には驚かされます。

本作をかけるとプロローグで始まりエピローグで終わる音楽の旅に出かけます。

それはひとりの少年の切なく甘酸っぱいサクセスストーリーです。

忘れていた思春期を疑似体験できる名盤を是非。

The Everglow


拍手[1回]

Radiohead / OK Computer (1997年)



今回紹介する名盤は日本語の「どうも」の発音に定評のあるイギリスを代表するバンドのアルバムです。

ジャンル

エクスペリメンタルロック
オルタナティブロック
エレクトロニカ
ポストロック
アンビエント

イギリス

Thom Yorke
Jonny Greenwood
Colin Greenwood
Ed O'Brien
Philip Selway

バンド

Radioheadはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストにおいて第73位にランクインしています。

Radioheadの音世界はアルバム毎にかなり違うので一概に言えませんがオルタナティブロックをベースに、ポストロックや電子音楽、ジャズ、クラシック、現代音楽など様々な音楽を取り入れていてとても複雑な音世界を作り出しています。

Nirvana ー Smells Like Teen Spirit
Beck ー Loser
Radiohead ー Creep

この3曲はオルタナティブロックの代表曲としてよく挙げられます。

Thom Yorkeは村上春樹のファンで、2003年に発表された「Hail To The Thief 」の世界観は小説「ねじまき鳥クロニクル」や「アンダーグラウンド」からも一部インスパイアされたと公言しています。

また、村上春樹もRadioheadのファンで「海辺のカフカ」の中で2000年に発表された「Kid A」を登場させています。

Sigur Rósのファンであることでも有名で、Sigur Rósがまだ有名になる前に前座に起用して話題になりました。

アルバム

本作はローリングストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500では162位にランクインしています。

本作の曲ではギターやピアノ、シンセ、ベース、ドラム、ストリングスなどのサウンドを加工しまくって音像を構築しています。

曲としてほぼ完成しているのに、それを1度壊してまた再構築していくという感じです。

作曲と言うより、音を使った実験と言っても過言ではないでしょう。

コンピュータを駆使して作り出されたバンドサウンドが聴ける名盤を是非。

Airbag


拍手[0回]

ASIAN KUNG-FU GENERATION / ワールドワールドワールド (2008年)



今回紹介する名盤はアニメ「鋼の錬金術師」「NARUTO」のオープニングテーマで採用されるなどして今やメジャーになった通称アジカンのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
インディーロック

日本

後藤正文 
喜多建介 
山田貴洋 
伊地知潔

バンド

バンド名の由来は、ゴッチが好きだったバンド「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」からきています。

音楽的には「Number Girl」「eastern youth」から色濃く影響を受けています。

初期は本当にNumber Girlやeastern youthの影響が色濃く出ていましたが、最近はゴッチの音楽が確立されてきたように感じます。

アルバム

⚪ワールドワールドワールド
「ワールド」には「主観的なワールド」、「客観的なワールド」、「客観を超えた絶対的なワールド」とそれぞれに意味を持つのだそうです。

⚪アフターダーク
「街角 血の匂い 流線 遠く向こうから 何処かで聞いたような泣き声」
殺人事件や悲鳴を意味してるように思います。
「夢なら覚めた だけど僕らはまだ何もしていない」
そういう現実を知ったけど僕らは何もしていない

⚪旅立つ君へ
「黒い重油に塗れたような世界」
汚いことが蔓延している世界
「塞ぎ込んで何になった?」
このままでいいのかい?

⚪ネオテニー
「古着屋 USアーミー」
アーミー柄をお洒落と勘違いしている様子
「見とれるくらいの空に轟音で鳴くジェット機」
アメリカ軍基地がある沖縄の空
「時がたっても忘れないでよ 川沿いにゆれる風景」
川沿いから見た原爆ドーム

⚪トラベログ
「虚構の街を遠く眺めて画面をさすらう ふらふら」
情報操作された世界

⚪No.9
これは憲法9条や、平和主義者であったジョンレノンの「REVOLUTION 9」からわかるように、戦争反対を唄ってます。

⚪ライカ
これは宇宙開発の実験によって殺された野良犬、ライカ犬のことを唄っています。

⚪惑星
「揺らめく旗の星に数えて五十二番目に本当はだれの言いなり気付かれぬように空を奪う
連れ立って並ぶように見えるのはまやかし」
アメリカの国旗の星の数は州の数で現在50個です。
51個目の州候補がいろいろありますが、52個目は何処なのか、惑星というタイトルから地球のことではないかと勝手に想像しています。
⚪転がる岩、君に朝が降る
「僕は世界を塗り替えたい」

⚪ワールドワールド
「Everything must lead to a new world」
【これら全てを新しい世界に伝えなくてはいけない】

⚪或る街の群青
「セカイヲカエヨウ」

⚪新しい世界
と繋がる訳です。

長くなりましたが、今まで内に向けた曲ばかり作っていたアジカンが初めて外に向けて書いたアルバムでゴッチのメッセージを転がる岩に乗せた名盤を是非。

新しい世界


拍手[1回]

bloodthirsty butchers / kocorono (1996年)



今回紹介する名盤は日本ロック界の至宝と評されているバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
ノイズロック
エモ
インディーロック

日本

吉村秀樹
射守矢雄
小松正宏
田渕ひさ子



バンド
bloodthirsty butchersは1986年に結成され、インディーズから「BLOODTHIRSTY BUTCHERS」と「I'm standing nowhere」をそれぞれ発表します。
そして、Fugaziが来日した時の共演を期に東京に拠点を置き、1994年に「LUKEWARM WIND」にてメジャーデビューします。

その後も多くのライブやフェスに参加して作品もコンスタントに発表し、2003年に元Number Girlのギタリスト田渕ひさ子が加入して△から□になり、より強固なサウンドへと昇華したbloodthirsty butchersは孤高の音楽活動を続けていきます。

しかし、bloodthirsty butchersのフロントマンである吉村秀樹氏は2013年5月27日に急性心不全のため46歳という若さで亡くなってしまいました 。
その訃報を聞いた多くのアーティストから追悼の声が寄せられた。

bloodthirsty butchersはNumber Girlを始め、HI-STANDARD、GREAT3、浅野忠信、會田茂、Fugazi、Rocket From The Crypt、BeckThe Flaming Lips、Rage Against the Machine、Dinosaur Jr.など世界中のアーティストからリスペクトされていました。

しかし、それとは相反してフォロワーは生まれませんでした。

それはSyrup16gの五十嵐隆に「一人オーケストラ」と評される、吉村秀樹氏のオリジナルコードで鳴らされるギターリフや、くるりのメンバーに「オリジナリティの塊」と言われた射守矢雄のルート音に加え3度や5度の音を加えたコード弾きやアルペジオなど、演奏の大部分で複数弦の音を鳴らす奏法によるオリジナリティーのせいでしょう。

そのあまりのオリジナリティーに誰もついてこれず孤高のバンドとも言われています。

因みにbloodthirsty butchersのバンド名の由来はAndy Milliganの映画「Bloodthirsty Butchers 邦題 血に飢えた断髪魔」からきています。


アルバム
本作はbloodthirsty butchersが△(スリーピース)の時の最高傑作と言われている作品です。

吉村秀樹氏は毎回、例えばGコードならどうやって弾けば、最高のGコードが弾けるかを常に試行錯誤しているので、ノイジーなギターリフには魂を感じます。

△から鳴らされるバンドアンサンブルは「熱気」と「哀愁」という矛盾によって唯一無二の美しいサウンドを作っているのです。

感情を表現したかのようなノイジーなギターサウンド、しっかりと歩むような時に走りだすベース、身体中にエネルギーを運ぶ鼓動のようなドラムからなる皆のkocorono名盤を是非。

関連記事
bloodthirsty butchers / NO ALBUM 無題 (2010年)

7月


拍手[1回]

Copyright © 『私的名盤おすすめ処』 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]