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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

John Coltrane / The Olatunji Concert: TheLast Live Recording (2001年)




今回紹介する名盤は常に現状に満足せず音楽を追求し続けたジャズ界の巨人のアルバムです。

ジャンル

ジャズ

アメリカ

John William Coltrane


アーティスト

今でこそジャズと言えばJohn Coltraneの名前は3番目以内にはあげられるほどの人物ですが彼の人生はそんなに華々しいものではありませんでした。
John Coltraneは13歳でクラリネットを始め、その後サックスに換え20歳の頃にはプロとして活動を開始しますが、中々実力を認めてもらえず長い下積み時代を過ごします。

1955年に当時からジャズ界の第一線で活躍していた帝王Miles Davisのバンドメンバーにやっと抜擢され注目されますが、この時期のJohn Coltraneの演奏はイマイチ評価されませんでした。
そして、1957年に脱退しThelonious Monkのバンドで修行を始めて数ヶ月すると、John Coltraneは「神の啓示を受けた」と話し、ついに実力が開花したのです。

進化してすぐにジャズを代表する名盤「Blue Train」を発表して1958年からまたMiles Davisのバンドに参加し、ついにJohn ColtraneはSonny Rollinsと並ぶサックス奏者として世間に評価されるのです。

この時期の演奏は怒濤の勢いで吹き続け、音を敷き詰めることから「シーツ・オブ・サウンド」と言われました。

世間から20世紀を代表するジャズ奏者として認知されますがJohn Coltraneはそれに満足せず、さらに前進を続けます。

その頃のライブではバンド全体が一つとなって鬼気迫る演奏を繰り広げ、1曲の演奏が1時間になることもあるくらい前衛的な表現をしていた一方で、バラード調の曲ばかりを収録した作品を発表したりもしていました。

そして、1967年には度重なる薬物とアルコールの多量摂取による肝臓癌でこの世を去ります。


アルバム

本作の発表は2001年、勿論John Coltraneが亡くなってから発表されたライブアルバムで収録されたのが1967年になります。

勘のいい人はお気付きかもしれませんがJohn Coltraneはこの年に亡くなっているのです。

もっと言うとこのライブの3ヶ月ほどで亡くなってしまうのですが、私はこのことを信じられないでいます。

なぜなら、集中放下する爆撃のような激しいリズム隊に引け劣らないほど鬼気迫る演奏は銃撃戦の戦地に駆り出されたのかと錯覚してしまうほどです。

ジャズに興味を持ち、Bill Evansの「Waltz for Debby」でジャズにハマり、Miles Davisの「Kind of Blue」でジャズの凄さを知り、本作でジャズが分からなくなりました。

私は初め「ジャズ=落ち着いた音楽」というイメージがあったので本作を拒絶してしまいましたが、ある時ウォークマンの全曲シャッフルでボーッと聴いていて「My Favourite Things」が流れJohn Coltraneの演奏が始まった瞬間、頭の中に嵐のような爆風が吹きました。

1人の人間の命を完全燃焼させて、全身全霊を賭けた渾身の演奏が聴ける名盤を是非。

My Favorite Things ※その時のライブではありません


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Jaco Pastorius / Jaco Pastorius 邦題 ジャコ・パストリアスの肖像 (1976年)



今回紹介する名盤はベース界のJimi Hendrixと称されるベーシストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ
フュージョン

アメリカ

John Francis Anthony Pastorius III


アーティスト

Jaco Pastoriusは幼少期から地元の聖歌隊で音楽と関わり、その後父の影響でドラムを始めますがフットボールでの怪我が原因でベースに転向します。
ベースに対する探究心は物凄く、弦を一度熱湯に通して使用したり、人工ハーモニクス奏法を発明したりしながらフレットレスベースへと辿り着きます。

そして、様々な名手達と切磋琢磨していると大学で一人のギタリストと出会います。
それがPat Methenyです。

Pat Methenyのデビューアルバム1975年発表の「Bright Size Life」にベーシストとして参加し、その翌年の1976年に「Jaco Pastorius 邦題 ジャコ・パストリアスの肖像」でデビューしました。

そして、以前から目をつけていたバンドWeather ReportのJoe Zawinulにデモテープを渡すなどしてアプローチしました。
当時からフレットレスベースなんて主流ではなかったのでJoe Zawinulはデモテープを聴いてウッドベースを弾いていると勘違いしJaco Pastoriusに「君はエレクトリックベースは弾けるのか?」と尋ねられた話は有名です。

Jaco Pastoriusの演奏がフレットレスベースと知ったJoe Zawinulはレコーディングに参加するように打診しました。
そこでJaco Pastoriusの実力は認められWeather Reportに正式なメンバーとして迎え入れられ、後にWeather Reportの黄金期メンバーとなるのです。

Jaco Pastoriusの演奏技術は他でも必要とされ、サポートメンバーとして活躍し、特にJoni Mitchellとの作品は4枚もあります。

すると周囲から天才ベーシストとしてのプレッシャーからアルコールとドラッグの量がしだいに増えていき、お金欲しさにベースも売って家もなくなってしまうほど落ち込んでしまいます。

そんな時Santanaのライブに飛び入りで乱入しようとして追い出され、路頭に迷いながらナイトクラブに入ろうとしたのですが用心棒に止められ口論になり、やがて乱闘になり運悪く帰らぬ人となってしまいます。
35年という短い人生でしたがベース界に与えた影響ははかり知れません。

影響を受けたと公言している人だけでもMarcus Miller、Victor Wooten、Michael Manring、Squarepusher、Robert Trujilloなど挙げると切りがなくJaco Pastorius以降のベーシストは漏れなく皆影響を受けていると言っても過言ではないでしょう。

アルバム

本作は天才ベーシストJaco PastoriusのデビューアルバムでHerbie HancockやLenny White、Michael Leonard Breckerという錚々たるメンバーが集結しています。

本作のオリジナル曲のほとんどが10代の頃に作曲したもので、「Dona Lee」に至っては完璧に演奏できるまでに9年もの歳月を費やしたそうです。

「Portrait Of Tracy」では世界で初めてハーモニクスで曲を奏でるというアプローチをした儚くも美しい名曲です。

本作が発表される以前はベースは縁の下の力持ちという存在でしたが、本作でそんなベースが主役へと昇華したのです。

本作のプロデューサーBobby Colombyは全てのベース界に革命を与えるべく、ジャズ、R&B、ラテンなど様々な音楽に挑戦し、その事が功を奏し音楽業界は一時騒然となりました。

天才ベーシストJaco Pastoriusの超絶技巧が遺憾無く発揮された名盤を是非。

Portrait Of Tracy


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Wes Montgomery / A Day In the Life (1967年)



今回紹介する名盤はジャズギタリストの第一人者といっても過言では無いギタリストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ

アメリカ

John Leslie Montgomery


ギタリスト

昔のジャズ世界の花形楽器といえばトランペットやサックスといった管楽器かピアノが主流でしたが、Charlie Christianがギターをジャズに持ち込んで、Wes Montgomeryの活躍でジャズでギターは花形楽器の仲間入りになりました。

Wes Montgomeryは12歳の時にテナーギターという4弦しかなく中低音を鳴らす、言わば半分ベースのようなギターを兄に買ってもらったのが初めてでした。
そして、本格的にギターを始めたのは20歳の頃からで、誰に習うのでは無く一人で黙々とCharlie Christianを聴き、耳コピで学んでいきます。
その為、最後まで楽譜を読むことは出来なかったそうです。

しかし、Lionel Hampton楽団のメンバーに見事選ばれ活躍しますが1年ほどで脱退し、昼は工場で働き、夜はバーで働いた後の夜中少しの時間を使いギターの練習やクラブで演奏したりしていました。

辛い日々が続きますがWes Montgomeryは夜中にしかギターの練習ができず、激しい音が出ないようにピックを使わず、親指で演奏していたことで必殺技を手に入れるのです。
これがジャズの歴史に残る奏法「オクターブ奏法」に繋がるのです。

The Montgomery Brothersとして兄弟で活動しているとCannonball Adderleyに見出だされ、1960年「The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery」を発表し一躍有名になります。

1967年から1968年にはThe Beatlesのカバーを含む「A Day In The Life」や「Road Song」を発表しジャズを普段聴かない人達からも支持を受けました。

この頃に発表した作品は売れ線狙いですがライブでの演奏はジャズマニアも黙らせるほどの演奏だったので、お堅いジャズファンも納得でした。

そんな充実していて、これからという時に心臓麻痺で亡くなってしまうのです。

Wes Montgomeryの特徴は親指ピッキングからなる太く柔らかい音色と単音からオクターブ奏法、そしてコード奏法と盛り上げるソロは圧巻の一言です。

アルバム

Wes Montgomeryのギター演奏を聴きたいという人にはおすすめしませんが、本作はWes Montgomeryの良さを再発見できるアルバムだと思います。

オクターブ奏法とコード奏法を駆使したソロに注目しがちですが、Wes Montgomeryのもう一つの良さ「ギターの歌心」が存分に発揮されたのが本作だと思います。

The Beatlesのカバーやオーケストラアレンジされていたりするので、硬派なジャズファンには物足りないかもしれませんが、ジャズ入門にはぴったりのアルバムでもあります。

Herbie HancockやRon Carterといったメンバーも参加している力の入れようなので、本当に良質な音楽に仕上がっております。
また本作はフュージョンの先駆けと言われる作品としても有名です。

ジャズギタリストのパイオニアWes Montgomeryの歌心溢れる名盤を是非。

Windy


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Re: Jazz / Nipponized (2008年)



今回紹介する名盤はジャズアレンジを生業としているプロ集団のアルバムです。

ジャンル

ジャズ

ドイツ

Matthias Vogt
Inga Lühning
Oliver Leicht
Jan Stürmer


アーティスト

Re: Jazzが主に活動している場所はドイツなのですが、皆さんはドイツというと、どんな音楽家やアーティストを思い浮かべるでしょうか?
バッハやベートーベンなどいますが私と同じようにKRAFTWERKやEnigma、Paul van Dykなどの電子音楽系のバンドやアーティストを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

またドイツは「LOVE PARADE」という世界最大規模のテクノフェスが開催されるほど電子音楽やクラブミュージックに強い国で有名です。
そんなこともありRe: Jazzは打ち込み系のクラブミュージックの名曲をジャズアレンジしていました。

そのためRe: Jazzというグループ名には「ジャズに返す」という意味が込められています。
よくCDショップなどにジャズアレンジした企画物がありますが、ジャズ好きには軽視されていると思います。
しかし、Re: Jazzのジャズアレンジはジャズ好きにも納得の内容であると言っても過言ではないでしょう。

渋過ぎないクールで洒落ているので、逆にジャズ入門としてもいいかもしれません。

Re: Jazzは親日バンドで2008年に発表した「Nipponized」はタイトル通り日本人アーティストの名曲をカバーしたり、唯一発表されているライブDVDは横浜で行われたライブ映像だったりするのです。

アルバム

本作は上記した日本人アーティストの名曲をカバーしたアルバムでRe: Jazz入門にぴったりだと思います。

7曲目の「Luv Connection」は坂本龍一に認められた天才TOWA TEIの代表曲ですし、8曲目の「Bibo No Aozora」は映画「Babel」でも使用された坂本龍一の名曲です。

3曲目の「Twiggy Twiggy」は一世を風靡した「慎吾ママのおはロック」を作詞作曲した小西康陽を中心として活動していたPIZZICATO FIVEです。

そしてこの曲を歌っているのは「ルパン三世 アルカトラズコネクション」で大野雄二と共演したジャズシンガーakikoです。

世界で活躍している日本人アーティストの名曲をジャズの生演奏で返事してくれた名盤を是非。

Luv Connection


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Hiromi Uehara / Another Mind (2003年)



今回紹介する名盤は「ロック、ファンク、ジャズ、パンクと音の力を究めた」と言われる演奏をする日本人女性ピアニストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ
プログレッシブジャズ

日本

上原ひろみ


アーティスト

上原ひろみは6歳からピアノを始め、小学校の高学年の時には学校の音楽会で「おどるポンポコリン」を発表するため、編曲や楽器パートの譜面作りなど自分一人で全てやってしまうほどでした。

この頃は鍵盤の皇帝Oscar Petersonやビハインド・ザ・ビートと呼ばれるErroll Garnerなどのジャズを好んで聴いていました。

しかし、高校時代はFrank ZappaやDream Theater、King Crimson、Jeff Beck、Sly & The Family Stoneロックも好んで聴くようになり音楽の幅が広がります。

そして、16歳の時に上原ひろみにとって運命的な出会いと言えることが起こります。
それはたまたま来日公演のためヤマハでリハーサルを行っていたChick Coreaの目に留まり「弾いてごらん」と促されて目の前でピアノを弾きました。

すると上原ひろみの演奏に感銘を受けたChick Coreaも演奏を始めて、その場で即興での共演となりました。
そして、Chick Coreaの来日公演の最終日に上原ひろみをステージ上に呼んで観客の前で共演を果たします。

上原ひろみの演奏技術も凄いですが、私はその場で演奏出来る心の強さ、度胸に関心します。
余程自信がないと萎縮して演奏しないか、もし演奏をしても普段の力を発揮できないはずです。

そして、心の強さも然る事ながら器の大きさも凄くて、コンサートの演奏中に観客の携帯が鳴り響いてしまったのですが、上原ひろみはその着信音を演奏の中に織り混ぜて演奏を続け、観客に笑顔で応えました。

上原ひろみの快進撃はデビュー作「Another Mind」は日本ゴールドディスク大賞でジャズアルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞したのを始め、2004年発表「Brain」はアメリカで「サラウンド・ミュージック・アワード」を受賞し、その後もグラミー賞を含め数々の賞を受賞していきます。

アルバム

本作はそんな上原ひろみのデビュー作でコンセプトは「ピアノトリオの限界」です。
上原ひろみは童顔で見た目は可愛らしい子どもみたいですが、1曲目の「XYZ」を聴くと打ちのめされること間違いなしです。

想像を絶するアグレッシブな演奏で変拍子に次ぐ変拍子で、そこら辺のプログレバンド顔負けの曲になっています。

Bill Evansの「Waltz for Debby」のようなピアノジャズをイメージして聴くと想像とかけ離れすぎて「なんじゃこりゃ?」となってしまうかもしれません。

プログレバンドを一掃してしまうほどの超絶技巧を魅せてくれるピアノトリオの名盤を是非。

XYZ


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