忍者ブログ

『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

Chick Corea / Return To Forever (1972年)



今回紹介する名盤はフュージョン創始者の一人とされるジャズバンドのアルバムです。

ジャンル

フュージョン
ジャズ

アメリカ

Chick Corea
Stanley Clarke
(Al Di Meola)
(Lenny White)

バンド

Return To Foreverは最初Chick Coreaのソロプロジェクトとしてスタートし、1972年に発表した「Return To Forever」の完成度の高さからChick CoreaとStanley Clarkeを中心に何度もメンバー変更を繰り返しながらもReturn To Foreverとして活動することになります。

Return To Foreverの歴史を大きく分けるとラテン系の初期とロック系の中期、大編成の後期と現在も活動するベテランバンドなんです。

初期作品の「Return To Forever」と「Light as a Feather」で当時としては革命的なラテンのリズムをジャズに取り入れて保守的なジャズファンから賛否両論出ましたが、この2作品は高く評価を受けてフュージョンを代表する名盤とされてバンドは大成功を収めます。

しかし、Return To Foreverの快進撃はこれで終わらず、黄金期はこの後にやってきたのです。
前任に代わりドラムにLenny Whiteが加入し、当時ほぼだった無名Al Di Meolaが加入し黄金期のReturn To Foreverが完成します。

Chick Coreaは世界を代表するジャズピアニストでMiles Davisが1969年に発表した歴史的名盤「Bitches Brew」のエレピを任されるほどです。

また日本を代表する世界的ジャズピアニスト上原ひろみと共作や共演したり、様々なアーティストと共演しています。

Stanley Clarkeは普通より高くチューニングしたテナーベースやピッコロベースもよく使用していて、ギターに近い奏法を得意とし、その演奏はリードベースと形容されるほどです。

因みにフュージョン御三家というのがありまして
「Return to Forever」
「The Mahavishnu Orchestra」
Weather Report」の3つのバンドをことを言います。

アルバム

本作はReturn to Foreverのデビュー作品で日本では「カモメのチック」の愛称で親しまれています。

世にいう黄金期のメンバーではありませんが本作のメンバーも凄腕ばかりでMiles DavisやWeather Report、Santanaの作品に参加し、フュージョンの名盤と多く関わるパーカッション奏者Airto Moreiraとその妻でシンガーのFlora PurimやThe Vanguard Jazz Orchestraでの演奏で注目を集めたフルート奏者Joe Farrellなど実力者揃いです。

1発目のタイトル曲「Return To Forever」ではプログレバンド顔負けの荒ぶるリズム隊だったり怪しげな空気感を漂わせるエレピと歌声、フルートは聴き応え抜群の1曲です。

また、ジャケットに写る景色のような爽やかな「What Game Shall We Play Today」も私は大好物です。

ジャズの堅苦しさから羽を広げ飛び立った名盤を是非。

関連記事
Return To Forever / Romantic Warrior 邦題 浪漫の騎士 (1976年)

What Game Shall We Play Today


拍手[0回]

PR

Sonny Clark / Cool Struttin' (1958年)



今回紹介する名盤は縁の下の力持ちなジャズピアニストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ

アメリカ

Sonny Clark



アーティスト

Sonny Clarkは幼少期からピアノを始め、10代の頃にはピアノ以外にビブラフォンも演奏し、早くから楽器に触れていました。
20歳そこそこで早くも音楽活動を開始して1954年には女性ジャズシンガーの御三家の1人Billie Holidayのコンサートに参加します。

その後ブルーノートと契約し1957年に初のリーダー作「Dial "S" For Sonny」を発表し、勢い止まらず同年「Sonny Clark Trio」も発表します。

そして、翌年の1958年にSonny Clarkの代名詞的作品「Cool Struttin'」が発表され、本国アメリカよりむしろ日本で人気が爆発して当時の全てのジャズ喫茶で流れていたと言われるほどです。

Hank MobleyやLee Morgan、Dexter Gordon、Curtis Fuller、Johnny Griffin、John Jenkinsなどと共演し、多数の作品に参加してSonny Clarkはサイドマンとしてとても重宝されました。

そして、1960年に「Sonny Clark Trio」(1957年と同名の作品ですが別物)1961年に「Leapin' And Lopin'」をそれぞれ発表してジャズ黄金期を駆け抜けるようにして1963年ヘロインの過剰摂取が原因で31歳の若さで亡くなります。

日本でSonny Clarkを語る上で必ずと言っていいほど引き合いに出される「Cool Struttin'」ですが、当時のアメリカではあまり売れ行きがよくありませんでした。

そして、これまで毎年のようにリーダー作を発表していたのですがブルーノート創始者のAlfred LionはSonny Clarkの次作を発表させるのに躊躇して3年も空白が生まれてしまいました。

今ではBud Powell派を代表する1人でジャズ入門書などには必ず紹介されるほどのジャズピアニストです。

アルバム

Sonny Clarkは名サイドマンと言われるだけあって、リーダー作でも自分1人が目立とうとする演奏ではなくバンドで1つの音楽に仕上げていく演奏を心掛けているのかなと思います。

それは本作にも表れていて、私は「ジャズ 名盤」で調べて演奏者について何の前知識もなくアルバムを買い漁っていたので、本作を聴いた時Sonny Clarkという人はてっきりサックス奏者と勘違いしたほどピアノが前に出ていないように感じました。

ジャズを初めて聴こうと思ってる人には本作はとてもおすすめです。

というのは、Miles DavisやJohn ColtraneなどSonny Clarkより有名なジャズアーティストはたくさんいますが、ジャズを初めて聴いてみようと思って彼らを聴いたらアルバムによっては洗礼を受けてしまうかもしれないからです。

その点本作はジャズ初心者がイメージする真っ当なジャズなので気に入ってもらえるはずです。

ジャケットのイメージ通り気取って歩く高貴な女性のような洒落た名盤を是非。

Cool Struttin'


拍手[0回]

Weather Report / Weather Report (1971年)



今回紹介する名盤はフュージョン御三家の1つと言われるバンドのアルバムです。

ジャンル

フュージョン
ジャズ

アメリカ

Joe Zawinul
Wayne Shorter
(Jaco Pastorius)



バンド

Weather Reportはジャズの中でも彼らは新たな「フュージョン」という音楽ジャンルを作り上げたパイオニアです。

「フュージョンってどんな音楽よ?」って思われる方は名は体を表すじゃないですけど、Weather Report(直訳 天気予報)とはよく言ったもので、正に天気予報の時によく流れてる音楽みたいなのがフュージョンと思ってもらえればイメージしやすいかもしれません。

因みにフュージョン御三家というのがありまして
Return to Forever
「The Mahavishnu Orchestra」
「Weather Report」の3つのことを言います。

Weather Reportの中心人物のJoe ZawinulとWayne Shorterの二人はあのジャズ界の帝王Miles Davisの卒業生なので、テクニックは保証済みです。

Weather ReportはJoe ZawinulとWayne Shorterが国際ジャズコンクールベース部門優勝者Miroslav Vitoušを誘い1971年にセルフタイトル「Weather Report」を発表します。

その後Weather Reportはどんどんとエレクトリックサウンドへと進化させていき、音楽性の違いによってMiroslav Vitoušはバンドを去ります。

代わりにファンキーなジャズベーシストとして名を馳せていたAlphonso Johnson参加します。
1976年にAlphonso Johnsonに代わりベースを主役にまで押し上げたスーパーベーシストのJaco Pastoriusが正式に参加して玄人にしか分からないWeather Reportの世界に新しい風が吹き、一般の聴衆やこれまでジャズに興味のなかった聴衆など幅広い層にまで評価されました。

ここから黄金期に入ります。

因みに、ジョジョの奇妙な冒険 第六部のウェザーリポートの元ネタです。

アルバム

本作は1971年発表のデビュー作の方の「Weather Report」になります。
というのも1982年にもセルフタイトル「Weather Report」を発表して当時の購入者は少し混乱したそうです。

本作はエレクトリックMiles Davisの名盤「Bitches Brew」や「In A Silent Way」といった作品をJoe ZawinulとWayne Shorterがさらに推し進めた作品で、何が凄いって私はMiroslav Vitoušのベースだと思います。

Weather Reportのベーシスト=Jaco Pastoriusみたいなイメージがありますがとんでもない、Miroslav Vitoušのブリブリ鳴らすベースが本作の聴き所と言っても過言ではありません。

1曲目の浮遊感漂う「Milky Way」が終わったかと思うと「Umbrellas」ではブリブリのベースが鳴り響き、一気に耳を奪われます。

当時のジャズの天気を予報するかのような新しいサウンドが敷き詰められた名盤を是非。

Umbrellas


関連記事

Weather Report / Heavy Weather (1977年)


拍手[0回]

Schroeder-Headz / Synesthesia (2014年)



今回紹介する名盤はアニメ「ピーナッツ」の音楽を担当したジャズピアニストVince Guaraldiを敬愛するピアニストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ
ジャズトロニカ
ポストジャズ

日本

渡辺シュンスケ



アーティスト

渡辺シュンスケは中学時代に学校のピアノを触り、音楽に興味を持ちましたが、高校時代にはサッカー部に所属していたのにも関わらず、三者面談の時に「音大に行きたいです」と言って驚かれたそうです。
そして、親には「音楽の先生になるから」という名目で音大に行きました。

Schroeder-Headzとはアメリカの漫画「ピーナッツ」に登場するキャラクター「シュローダー」から付けたそうです。

Schroeder-Headzは柴咲コウに始まりPUFFY、佐野元春、スネオヘアー、キリンジ、DE DE MOUSE、、BONNIE PINKなど数多くのサポートを経て、ついに渡辺シュンスケが立ち上げたバンドでピアノとベース、ドラムの3つによる王道のトリオサウンドに少しの電子音という新しい風を掛け合わせることで、ジャズに馴染みのない若い世代までをも虜にしてしまう新世紀のピアノトリオなのです。

2010年に「NEWDAYS」を発表し、翌年の2011年にはカバーアルバム「PIANO à la carte feat.Schroeder-Headz」を発表し、ジャケットにはシュローダーが描かれ、早くも夢の共演を果たしました。

2013年には空想上の宅録ジャズと称されるSerphNujabesとの名コンビで知られるShing02などが参加した「Sleepin' Bird」を発表し、翌年の2014年には
ASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのジャケットを手掛ける中村佑介が担当した「Synesthesia」を発表してリリースツアーを行いました。

同年そのツアーの東京公演を収録したライブアルバムとライブDVDも発表されました。
そして、2016年に最新作「特異点」を発表して精力的に活動を続けています。

また、これだけコンスタントにアルバムを発表しているにも関わらず、数多くのフェスやイベントにも参加してファンを着々と増やしています。

アルバム

私は本作でSchroeder-Headzを知りました。
というのもCDショップで色々と物色していて本作に目が止まり「あれ?アジカン新作出たのか?」と手に取ったのが始まりでした。

上記したように本作のジャケットを担当したのはASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのジャケットを手掛ける中村佑介なんです。
「Synesthesia」とは直訳で「共感覚」という意味で共感覚とは色に音を感じたり、文字に匂いを感じたりといった2つの感覚が働く現象をいいます。

ピアノトリオというどちらかというとモノトーンな音世界に少しの電子音で色付けされてカラフルな音色に聴こえます。
個人的には「Petal」のしっとりした切なさが好みです。

「Blue Bird」は渡辺シュンスケ本人も納得の曲に仕上がっています。

ジャズの味わいと電子音の香り、2つの感覚が混ざり合う新世紀のジャズ名盤を是非。

Blue Bird


拍手[1回]

John Coltrane / The Olatunji Concert: TheLast Live Recording (2001年)




今回紹介する名盤は常に現状に満足せず音楽を追求し続けたジャズ界の巨人のアルバムです。

ジャンル

ジャズ

アメリカ

John William Coltrane


アーティスト

今でこそジャズと言えばJohn Coltraneの名前は3番目以内にはあげられるほどの人物ですが彼の人生はそんなに華々しいものではありませんでした。
John Coltraneは13歳でクラリネットを始め、その後サックスに換え20歳の頃にはプロとして活動を開始しますが、中々実力を認めてもらえず長い下積み時代を過ごします。

1955年に当時からジャズ界の第一線で活躍していた帝王Miles Davisのバンドメンバーにやっと抜擢され注目されますが、この時期のJohn Coltraneの演奏はイマイチ評価されませんでした。
そして、1957年に脱退しThelonious Monkのバンドで修行を始めて数ヶ月すると、John Coltraneは「神の啓示を受けた」と話し、ついに実力が開花したのです。

進化してすぐにジャズを代表する名盤「Blue Train」を発表して1958年からまたMiles Davisのバンドに参加し、ついにJohn ColtraneはSonny Rollinsと並ぶサックス奏者として世間に評価されるのです。

この時期の演奏は怒濤の勢いで吹き続け、音を敷き詰めることから「シーツ・オブ・サウンド」と言われました。

世間から20世紀を代表するジャズ奏者として認知されますがJohn Coltraneはそれに満足せず、さらに前進を続けます。

その頃のライブではバンド全体が一つとなって鬼気迫る演奏を繰り広げ、1曲の演奏が1時間になることもあるくらい前衛的な表現をしていた一方で、バラード調の曲ばかりを収録した作品を発表したりもしていました。

そして、1967年には度重なる薬物とアルコールの多量摂取による肝臓癌でこの世を去ります。


アルバム

本作の発表は2001年、勿論John Coltraneが亡くなってから発表されたライブアルバムで収録されたのが1967年になります。

勘のいい人はお気付きかもしれませんがJohn Coltraneはこの年に亡くなっているのです。

もっと言うとこのライブの3ヶ月ほどで亡くなってしまうのですが、私はこのことを信じられないでいます。

なぜなら、集中放下する爆撃のような激しいリズム隊に引け劣らないほど鬼気迫る演奏は銃撃戦の戦地に駆り出されたのかと錯覚してしまうほどです。

ジャズに興味を持ち、Bill Evansの「Waltz for Debby」でジャズにハマり、Miles Davisの「Kind of Blue」でジャズの凄さを知り、本作でジャズが分からなくなりました。

私は初め「ジャズ=落ち着いた音楽」というイメージがあったので本作を拒絶してしまいましたが、ある時ウォークマンの全曲シャッフルでボーッと聴いていて「My Favourite Things」が流れJohn Coltraneの演奏が始まった瞬間、頭の中に嵐のような爆風が吹きました。

1人の人間の命を完全燃焼させて、全身全霊を賭けた渾身の演奏が聴ける名盤を是非。

My Favorite Things ※その時のライブではありません


拍手[0回]

Copyright © 『私的名盤おすすめ処』 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]