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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

Travis / Where You Stand (2013年)



今回紹介する名盤はOasisのNoel Gallagherがファンだと公言するバンドのアルバムです。

ジャンル

ブリットポップ
オルタナティブロック

イギリス

Fran Healy
Andy Dunlop
Dougie Payne
Neil Primrose



バンド

Travisはブリットポップ終期にOasisのフォロワーを思わす「All I Want To Do Is Rock」を発表し、Noel Gallagherのお眼鏡にかないOasisのツアーの前座を務めました。
その年の1997年に注目を集める中「Good Feeling」を発表し、全英9位という華々しいデビューを飾ります。

1999年にはNigel Godrichをプロデューサーに迎えた「The Man Who」が全世界で400万枚も売り上げ全英1位を獲得します。
期待が高まる中2001年に発表された「The Invisible Band」でも全英1位を獲得し、イギリスを代表するバンドの仲間入りを果たしました。

この作品はTravisにとってとても重要な意味があります。
というのは、Travisというバンドは一貫して「楽曲至上主義」というスタンスであり続けていてFran Healyは「バンドより曲の方が大切なんだ、残っていくのはバンドではなくて楽曲だけでいい」と発言しています。

また、ロックスターの座についた今もなおFran Healyは「僕たちの場合は色々とタイミングが良くて売れたというだけ」と発言する謙虚さで人格者として有名なバンドなんです。

もしバンドがしたいのに保守的な親から「そんな野蛮なことはいけません」みたいなことを言われたら「お母さんはTravisを知らないの?」と引き合いに出せば有利に話を進められるかもしれませんね。

2003年に「12 Memories」を発表し、2004年には初のベストアルバム「Singles」を発表しました。
その後もコンスタントに作品を発表していき、2016年には最新作「Everything At Once」を発表し2016年開催されたHostess Club presents Sunday Specialではヘッドライナーを担当し、4度目のフジロックで再来日をしました。

因みにスピッツの「若葉」はTravisの影響でマンドリンを取り入れたそうです。


アルバム
2008年に発表した前作「Ode To J. Smith」は全英20位でしたが、そこから5年のインターバルで練りに練った本作はTravisらしいメロディーが復活して全英3位の力作が出来上がりました。

Travisファンからしたら「おかえり!」と言いたくなるような爽やかなメロディーの曲達が迎えてくれます。
派手さはないですが耳障りの良い心地好いキラキラしたアコギのサウンドにFran Healyの優しい歌声で包み込まれるような感じがします。

Travisのコンセプト「楽曲至上主義」は本作でも健在で曲作りの時にラジオで流れて「誰の曲かわからないけどいい曲だな」となるように意識しながら製作したので、無色透明な印象を受けるのはそのせいかもしれません。

大衆に受けて、尚且つ廃れない曲を作るのは至難の業だと思います。

優しくハグをされて包み込まれるような名盤を是非。

Where You Stand


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bloodthirsty butchers / NO ALBUM 無題 (2010年)



今回紹介する名盤は日本ロック界の至宝と評されているバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
ノイズロック
エモ
インディーロック

日本

吉村秀樹
射守矢雄
小松正宏
田渕ひさ子



バンド

bloodthirsty butchersは1986年に結成され、インディーズから「BLOODTHIRSTY BUTCHERS」と「I'm standing nowhere」をそれぞれ発表します。
そして、Fugaziが来日した時の共演を期に東京に拠点を置き、1994年に「LUKEWARM WIND」にてメジャーデビューします。

その後も多くのライブやフェスに参加して作品もコンスタントに発表し、2003年に元Number Girlのギタリスト田渕ひさ子が加入して△から□になり、より強固なサウンドへと昇華したbloodthirsty butchersは孤高の音楽活動を続けていきます。

しかし、bloodthirsty butchersのフロントマンである吉村秀樹氏は2013年5月27日に急性心不全のため46歳という若さで亡くなってしまいました 。
その訃報を聞いた多くのアーティストから追悼の声が寄せられた。

bloodthirsty butchersはNumber Girlを始め、HI-STANDARD、GREAT3、浅野忠信、會田茂、Fugazi、Rocket From The Crypt、BeckThe Flaming Lips、Rage Against the Machine、Dinosaur Jr.など世界中のアーティストからリスペクトされていました。

しかし、それとは相反してフォロワーは生まれませんでした。
それはSyrup16gの五十嵐隆に「一人オーケストラ」と評される、吉村秀樹氏のオリジナルコードで鳴らされるギターリフや、くるりのメンバーに「オリジナリティの塊」と言われた射守矢雄のルート音に加え3度や5度の音を加えたコード弾きやアルペジオなど、演奏の大部分で複数弦の音を鳴らす奏法によるオリジナリティーのせいでしょう。

そのあまりのオリジナリティーに誰もついてこれず孤高のバンドとも言われています。

因みにbloodthirsty butchersのバンド名の由来はAndy Milliganの映画「Bloodthirsty Butchers 邦題 血に飢えた断髪魔」からきています。

アルバム
本作はbloodthirsty butchersの11枚目のアルバムで田渕ひさ子が加入し、□になってからは4枚目になります。

bloodthirsty butchersが結成してから20年以上経ち、メンバー達の平均年齢は40歳を越えての作品です。
なぜこんなことをわざわざ言うかというと、ベテランバンドとは思えないほどのフレッシュさや初期衝動感を感じるからです。

どんな人も人生経験を積むと何となく色んなことがわかり、自然と子どもの頃の感覚を無くしてしまうのに本作は10代の頃の何でも楽しかった頃の記憶が蘇ります。

「ocean」なんて純度100%の爽やかさです。

△の頃の最高傑作が「kocorono」なら□になってからの最高傑作は「NO ALBUM 無題」と言っても過言ではないでしょう。

本作もbloodthirsty butchers特有の「音の良さ」があります。
高音質という意味ではなく、1音に込めた魂の重さで「音そのもの」が良いんです。

初心を忘れないベテラン達が全身全霊で鳴らす命のサウンドを収めた名盤を是非。

関連記事
bloodthirsty butchers / kocorono (1996年)

ocean


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eastern youth / 地球の裏から風が吹く (2007年)



今回紹介する名盤はNumber GirlASIAN KUNG-FU GENERATIONがリスペクトしているバンドのアルバムです。

ジャンル

エモ
オルタナティブロック
インディーロック

日本

吉野寿
田森篤哉
村岡ゆか
(二宮友和)



バンド

eastern youthは1988年に結成して1997年にシングル「青すぎる空」でメジャーデビューを果たし、この曲を収録した「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は大きな話題となります。

その後もコンスタントに作品を発表し、2015年には新作「ボトムオブザワールド」を発表して現在も精力的に活動を続けています。

あの山下達郎はeastern youthの新作が出ると必ず当日に買いに走るくらい熱心なファンだそうです。

bloodthirsty butchersやfOULと親交が深くライブで度々共演していたり、自身が主催している企画「極東最前線」では上記した2バンドを始め、Number Girlやゆらゆら帝国、あぶらだこ、54-71、少年ナイフ、にせんねんもんだい、toe、トクマルシューゴなど世界レベルの日本バンドと共演しています。

古き善き日本語の表現を用いた歌詞とエモーショナルなサウンドと吉野寿の絶叫ボイスがこのバンドの特徴ですが、他のバンドと最も違うことはインストバンドでもないのにボーカルがいないことでしょう。
それは何故かというと、吉野寿の独自の歌唱はボイスと言われているからです。

応援団さながらのボイスの力と詩人さながらの歌詞の力でどんなに気持ちが落ち込んでいてもeastern youthを聴くと鼓舞されて元気が沸々と沸き上がってきます。

例えるならば「やる気が出ない」という気持ちの時に一般的なポジティブな曲を聴くと「よし!やろう!」という気持ちになりますが、eastern youthを聴くと「やらざるを得ないッ…………!!」という感情になります。

eastern youthの歌詞カードは日本語を一番美しくみせるために縦書きで書かれています。
因みにASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞カードが縦書きなのはeastern youthの影響です。

アルバム
本作はeastern youthが結成してから20年近く経ちインディーズ時代の作品を含めて12枚目の作品になります。

そんなベテランバンドの曲とは思えないほど気持ちいい疾走感溢れる先行シングル「沸点36℃」はeastern youthの良さをギュッと凝縮したような名曲です。

一発目のコードをジャン!と鳴らしただけで聴く者の耳を支配するほどリフに魂を込めています。
何よりeastern youthはイントロが素晴らしい。

「五月の空の下で」のイントロは私的イントロランキングでトップクラスです。
少しずつボルテージを上げていき最高潮に到達した時のカタルシスは脳内アドレナリン出まくります。

どの曲の歌詞も素晴らしく、説明しだしたらキリがないので1つだけ取り上げます。

目を瞑るという表現を普通の人が思い付くのは「瞼を閉じる」や「瞳を閉じる」とかだと思いますが、詩人 吉野寿は違います。
「ばかやろう節」の歌詞で吉野寿は「風景を拒否する」という表現をしています。

声にならない歌を魂の叫びで地球の裏まで投げかける名盤を是非。

関連記事
eastern youth / 感受性応答セヨ (2001年)

沸点36℃

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Tedeschi Trucks Band / Revelator 邦題 預言者 (2011年)



今回紹介する名盤は世界一ギターの上手い夫婦のバンドのアルバムです。

ジャンル

ブルースロック
サザンロック
ブルース

アメリカ

Susan Tedeschi
Derek Trucks



バンド

Tedeschi Trucks Bandは妻Susan Tedeschiと夫Derek Trucksの夫婦が中心となって活動するバンドになります。

まず二人の紹介をすると、妻のSusan Tedeschiは幼少期からLightnin' HopkinsやMississippi John Smith Hurtなどのブルースを聴きながら育ち、13歳で早くも地元のバンドに参加し活動していました。
そして、バークレー音楽院に入学しゴスペルを学び、25歳の時にSusan Tedeschi Bandを結成し、Bonnie Raittを彷彿させる歌唱スタイルで少しずつ知名度を上げていきます。

1998年に発表した「Just Won't Burn」では1999年のグラミー賞最優秀新人部門にノミネートされ、2002年のグラミー賞最優秀女性ロックボーカル部門にもノミネートされるほどの実力の持ち主なんです。

Derek Trucksは多彩な音程を何食わぬ顔で弾きこなすスライドギターの名手でJohn MayerとJohn Fruscianteと合わせて「現代の三大ギタリスト」とされています。

また、ローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストでは第16位にランクインしております。
10代そこそこでThe Allman Brothers Bandにゲスト参加し、20歳の若さで正式メンバーとなりWarren Haynesと共にリードギターで活躍しました。

このThe Allman Brothers Bandの前座にSusan Tedeschiが起用され2人は出会い、そのままめでたくゴールインするのです。
まさかThe Allman Brothers Bandが愛のキューピットになるなんて思いもしなかったでしょう。

それぞれ自身のバンドをしていた2人ですが、2010年にTedeschi Trucks Bandを結成し、2011年に発表した「Revelator」はいきなりグラミー最優秀ブルーズアルバム賞を受賞しました。

2012年に「Everybody's Talkin'」2016年に「Let Me Get By」をそれぞれ発表し、精力的に活動を続けています。


アルバム
本作はTedeschi Trucks Bandとしては初めての作品でグラミー最優秀ブルーズアルバム賞を受賞した作品になります。

双方実力は折り紙つきなので、期待度はとても高かったのにも関わらず、そのハードルをさらに越えるクオリティです。
太陽の日差しのような暖かいサウンドなんですが11人の名手達の確かな演奏でブルースの深みを味わえます。

この暖かいサウンドはプロデューサーJim Scottと2人の意思でアナログレコードのような録音にしようということで、あえて各パートの音圧や録音レベルを抑えレコードのような雰囲気に仕上げました。

本作は外を散策しながら聴いて良し、夜にしっとりと聴き込むも良し、ドライブのお供にも良しの時や場所を選ばず聴けるオールラウンドなアルバムです。

古き良きブルースの素晴らしさを11人の最新の感性で甦らせた名盤を是非。

Come See About Me


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OKI DUB AINU BAND / OKI DUB AINU BAND (2006年)



今回紹介する名盤は日本の約2割の面積を占める北海道の民族「アイヌ」を代表するバンドのアルバムです。

ジャンル

ワールドミュージック
レゲエ
ダブ

日本

OKI
居壁太
沼澤 尚



バンド

私がOKI DUB AINU BANDを知ったのは新婚旅行で北海道一周をしている時にアイヌ民族博物館を訪れて、スタッフの人達が民族衣装に身を包みアイヌの踊りや歌や演奏を見せてくれた時でした。
その時女性が一人でマイクの前に立ち、口元で手を動かすとまるで電子音楽のような「ビョヨーン!ビョヨーン!」と音が鳴り、私は一瞬で惹き付けられました。

すぐに土産屋さんに向かうとその楽器はムックリという名前でとても小さな竹の板に紐が付いてるだけの質素な物でした。

その土産屋さんでOKI DUB AINU BANDのCDが置いてあったので試聴したら、私好みのあまりのかっこ良さにすぐに購入しました。
OKI DUB AINU BANDは北海道のアイヌ民族に伝わる伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIが中心に活動する世界でも珍しいアイヌルーツバンドなんです。

トンコリを電子化に改造して現代に甦らせ、そこにギター、ベース、ドラムといったオーソドックスなバンド編成でアフロビートやレゲエ、ダブ、ロックなどを巧みにミックスさせたサウンドに乗せてアイヌ語で歌う音世界は唯一無二です。

数多くの海外フェスでライブを行い、作品も定期的に発表して、2006年のアルバム「OKI DUB AINU BAND」にてついに日本上陸しました。

世界最大規模のワールドミュージックフェスとして知られる「WOMAD」に始まるアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地でツアーを成功させ、また日本国内も北海道を中心に数多くのフェスやイベントに出演し話題になりました。

2010年には「SAKHALIN ROCK」を発表し、国内ツアーと台湾、ネパールでライブをして、2016年には待望の新作「UTARHYTHM」を発表し、国内ツアーを行います。

アルバム
本作はOKI DUB AINU BANDのセルフタイトルの意欲作でジャケットには北海道を象徴する熊がデザインされています。
一発目「East of Kunashiri」からトンコリ独特の魅惑なサウンドに他にはない唯一無二感を感じるはずです。

トンコリにはフレットが無く全て開放弦というハープのような構造なんですが弦が5本しかなく、ギターのような空洞がなく音量の増幅もできないのです。
この不思議な楽器トンコリの理にかなっていないところが得も言えぬ魅惑さを感じさせるのかもしれません。

またトンコリのデザインは女性の身体をモチーフにしたと言われています。

北海道のような広大なサウンドと大自然のエネルギー、トンコリやムックリといったアイヌの魂が込められた名盤を是非。

East of Kunashiri


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