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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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ゆらゆら帝国 / 空洞です (2007年)



今回紹介する名盤は1つの音楽が完成されて解散してしまった伝説的バンドのアルバムです。

ジャンル

サイケデリックロック

日本

坂本慎太郎
亀川千代
柴田一郎



バンド
よく「邦楽とか洋楽の劣化版だよねー」とか言う人がいますが、私は「日本の音楽が世界に劣るなんてとんでもない!」と声を大にして言いたい。

そりゃ、邦楽は日本だけで洋楽はイギリス、アメリカ、北欧などたくさんの国があるので、すごい人達が日本より多いのは必然です。

しかし、日本にもすごい人達はたくさんいます。

その中のひとつを今日は紹介したいと思います。

少し邦楽をかじったら、よく名前は聞くと思います。
もし見た目の感じや、ヘンテコリンなバンド名で敬遠してる人がいたら、騙されたと思って「発光体」「ズックにロック」「ゆらゆら帝国で考え中」を聴いてみてください最高にカッコいいので。

ゆらゆら帝国は一言で表すならJimi HendrixThe Velvet Undergroundを足して水木しげるで割ったような音楽です。

要はサイケデリックロックを水木しげるの世界観で解釈した音楽です。
日本が世界に誇る文化、漫画や妖怪の世界を上手く取り入れていると思います。

私がもし外国の人に「HEY!日本でクールなバンドはないかい?」って聞かれたら、真っ先にこのバンドを勧めます。

現在は坂本慎太郎がソロで活動しているのでゆらゆら帝国が気に入ったら、そちらにも手を伸ばしてみてはどうでしょうか。
より洗練されたアダルトで独特な音楽を鳴らしています。

ゆらゆら帝国は2010年に「ゆらゆら帝国は完全に出来上がってしまったと感じました」と発表され、惜しまれつつも解散となりました。


アルバム
本作はゆらゆら帝国のラストアルバムで「発光体」「ズックにロック」「ゆらゆら帝国で考え中」のようなアップテンポで単純に格好いい曲は無く、全てスローテンポで流れていきます。

リード曲である「美しい」もアルバムバージョンにリテイクされているので、先行シングルというよりはアルバムに溶け込んでいて、「学校へ行ってきます」〜「空洞です」までの序章にさえ感じます。

「学校へ行ってきます」の荒れ狂う尺八とノイズの壁から「ひとりぼっちの人工衛星」の柔らかいメロディーに浮遊感漂うサウンドが汗だくで働いた後のビールくらい染み渡ります。

アルバムを聴き終わると頭の中が空っぽになる名盤を是非。

空洞です


関連記事
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坂本慎太郎 / ナマで踊ろう / Let's Dance Raw(2014年)


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PINK FLOYD / The Dark Side of the Moon 邦題 狂気 (1973年)



今回紹介する名盤はPaul McCartneyに「彼らにはノックアウトされたよ」と言わしめたバンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
サイケデリックロック

イギリス

Nick Mason
David Gilmour
Roger Waters
Richard Wright
(Syd Barrett)



バンド

PINK FLOYDはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストにおいて第51位にランクインしています。

PINK FLOYDは1965年に結成した老舗バンドですが、つい最近出した新作2014年発表の「The Endless River」で軽く全英1位を取ってしまうモンスターバンドです。

プログレ御三家
Yesはハードロックを突き詰めたプログレ
King Crimsonはジャズを突き詰めたプログレ
PINK FLOYDはサイケデリックロックを突き詰めたプログレのような感じがします。

最近の日本のオリコンチャートでミリオンセラーといって大々的に言っていますが、PINK FLOYDのアルバム総売上枚数は2億5,000万枚です。

比べてしまうのは間違いかもしれませんが。
幻想的で叙情的なサウンドに哲学的で文学的な詞を乗せるとPINK FLOYDの音世界が出来上がります。

他のプログレバンドに比べてテクニックを披露するのだけではなくて、幻想的なサウンドを巧みに操り独自の緊張感や高揚感を作り出します。

因みにジョジョの奇妙な冒険の東方仗助のスタンドや広瀬康一のスタンド、更にはラスボス吉良 吉影の父親のスタンドの元ネタです。


アルバム
本作はPINK FLOYDにとって初の全米1位、そしてビルボード200に15年間もランクインした代表作になり、Michael Jacksonの「Thriller」に次いで2番目に多く売れたアルバムです。

プログレの名盤を超えて、ロックの名盤さらには音楽の歴史に残る名盤と言って過言ではないでしょう。

本作のタイトルを直訳すると「月の裏側」になり、何故邦題が「狂気」になったのかというと、地球からは月の裏側は見えないので「闇」となります。

それは「人の心の闇」を表し「狂気」となりました。

「Speak To Me」の鼓動の音とピアノの不協和音が鳴り出したら狂気の世界へと引き込まれます。

約半世紀前に創られた時代を超えた狂気的な名盤を是非。

Time


関連記事
PINK FLOYD / Atom Heart Mother 邦題 原子心母 (1970年)



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吉田一郎不可触世界 / あぱんだ (2015年)



今回紹介する名盤はZAZEN BOYSの一時代を築いたベーシストのアルバムです。

ジャンル

ミクスチャーロック
オルタナティブロック
インディーロック

日本

吉田一郎



アーティスト
吉田一郎は小学校の時にMichael Jacksonを聴き音楽に興味を持ち、10歳頃まで習っていたピアノを習っていました。

その後、ジャズベーシストのRon Carterのライブ演奏を聴き衝撃を受けウッドベースを買ってもらったりして小学校時代を過ごします。

中学生になり、エレキベースを買ってもらいブラックミュージックをコピーしたり、CDショップでYesKing Crimsonに度肝を抜かれプログレッシブロックの世界に魅了されます。

高校生になり、周りがL’Arc-en-Ciel、GLAY、LUNA SEAなどのヴィジュアル系にハマる中、吉田一郎はLed Zeppelinなどを聴いていて、卒業後は音楽系の専門学校に入学します。

そこで自身のバンド12939dbを結成しますが解散してしまい、バンドメンバーを探し回っていた時に、ZAZEN BOYSのベーシストが脱退した事を知ります。

そして、Matsuri Studioにデモ音源を同封し手紙を送り加入して、2007年から2017年のZAZEN BOYSのベーシストとして活躍し、現在は脱退して「吉田一郎不可触世界」名義で活動しています。


アルバム
本作は吉田一郎不可触世界名義での初のアルバムで「あぱんだ」とはギリシャ語で「全集」という意味になります。

本作は吉田一郎が10代の頃から録りためていた曲達を50曲まで選曲し、それらを13曲まで絞り落として向井修徳に聴いてもらい「全体長いかもね」と言われ、さらに厳選してまとめた曲が収められています。

本作を聴いて、まず思ったことは「あれ?ベースは?」でした。
ZAZEN BOYSの吉田一郎をイメージしていたので、ベキベキ!バッチン!というベースをイメージしていました。

しかし、本作はZAZEN BOYSのようなベースは影を潜め、キャッチーなメロディーや小洒落たシンセサウンド、向井風ラップ、弾き語りなど多彩な曲が散りばめられていました。

ベーシスト吉田一郎ではなく、音楽家吉田一郎の全てを捧げた名盤を是非。

暗渠




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Stick Men / Soup (2010年)



今回紹介する名盤はKing Crimsonの歴史に無くてはならないベーシストのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック

アメリカ

Tony Levin
Pat Mastelotto
Markus Reuter



バンド
Stick Menは2009年にTony Levinがチョップマン・スティックという楽器で多重録音して完成させた「Stick Men」をどうにかライブで再現できないかとバンドを組んだのが始まりです。

Stick Menにはギタリストもベーシストもおらず、その代わりにチョップマン・スティックが2本あるのです。
バンドメンバー全員がスティック(ドラムはバチ)を持っているのでスティックメンということらしいです。

チョップマン・スティックはメロディー弦とベース弦が5本ずつ、もしくは6本ずつ張られていて、早い話がギターとベースを合わせましたって感じの楽器なんです。
Tony LevinはKing Crimsonでもチョップマン・スティックを巧みに扱い、そのベースラインは「第三のギター」と言われていました。

チョップマン・スティックで最も有名な奏者はTony Levinと言っても過言ではありません。

Stick Menはライブアルバムも含めるとこれまでに10枚以上も作品を発表していて、とても勢力的に活動しています。

アルバム
本作はバンドとしての初作品となります。

King Crimsonのヌーヴォ・メタルDNAが脈々と流れているので、重厚かつ暴力的サウンドが聴きたい人は必聴です。

音だけ聴いていたら3人バンドとは到底思えないほど音に厚みがあり、King Crimson直系バンドと言えます。

ベーシストのアルバムですがしっかりとバンドサウンドで曲としての完成度も抜群です。
チョップマン・スティックを余すことなく堪能できる「Hands」しっとり聴かせる「Inside The Red Pyramid」ライブで定番になっているСтрави́нскийの「Firebird Suite」も本作に収録されています。

チョップマン・スティックで調理された絶品スープが味わえる名盤を是非。

Firebird Suite


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Built to Spill / Perfect from Now On (1997年)



今回紹介する名盤はModest Mouse、The Strokes、 Death Cab for Cutieに多大な影響を与えたバンドのアルバムです。

ジャンル

インディーロック
ローファイ
オルタナティブロック
サイケデリックロック

アメリカ

Doug Martsch



バンド
Built to SpillはDinosaur Jr.Neil Young、Pavementから影響を受けたDoug Martschを中心に結成されたバンドです。

Built to Spillの凄いところは、ギター、ベース、ドラムというシンプルな編成であの音世界を作っているところだと思います。

キュートでポップな音を鳴らしているのに、やってることはプログレバンドにも負けないくらいの演奏です。
よく「ひねくれポップ」と形容されますが、本当にその通りだと思います。

難解で大衆受けしない音楽を作るのはわりと簡単です。
そして、キャッチーで耳触りのいい音楽を作る人もたくさんいます。

しかし、Built to Spillはポップセンス抜群のDoug Martschがバンドサウンドを突き詰めた結果、ちょっとひねくれたポップサウンドが出来上がるのです。

ライブに行ってみたいバンドNo.1なんですが、Doug Martschが飛行機恐怖症らしく来日は無いみたいです…。
Built to SpillはライブバンドなのでThe Flaming Lipsを引き連れて全米ツアーを行ったり、Pitchfork Music FestivalではYo La TengoTortoiseなどと共演をしています。

アルバム
本作はセールス的にも大成功した「Keep It Like a Secret」の前の作品になります。

「Keep It Like a Secret」は1曲1曲がコンパクトにまとめられていて、ポップで聴きやすく、それでいて工夫を凝らしていたのでバランスの良い文句なしの名盤でした。

しかし、「Out of Site」や「Kicked It In the Sun」などにみられる曲の展開であったり、アンサンブルでは本作に軍配が上がると思います。

アメリカの音楽サイトで行われたBuilt to Spillの歴代アルバムランキングでは「Keep It Like a Secret」に次いで2位に選ばれています。

今までもこれからもパーフェクトなバンドの名盤を是非。

関連記事
Built to Spill / Keep It Like a Secret (1999年)

Kicked It In the Sun





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