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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

eastern youth / 地球の裏から風が吹く (2007年)



今回紹介する名盤はNumber GirlASIAN KUNG-FU GENERATIONがリスペクトしているバンドのアルバムです。

ジャンル

エモ
オルタナティブロック
インディーロック

日本

吉野寿
田森篤哉
村岡ゆか
(二宮友和)



バンド

eastern youthは1988年に結成して1997年にシングル「青すぎる空」でメジャーデビューを果たし、この曲を収録した「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は大きな話題となります。

その後もコンスタントに作品を発表し、2015年には新作「ボトムオブザワールド」を発表して現在も精力的に活動を続けています。

あの山下達郎はeastern youthの新作が出ると必ず当日に買いに走るくらい熱心なファンだそうです。

bloodthirsty butchersやfOULと親交が深くライブで度々共演していたり、自身が主催している企画「極東最前線」では上記した2バンドを始め、Number Girlやゆらゆら帝国、あぶらだこ、54-71、少年ナイフ、にせんねんもんだい、toe、トクマルシューゴなど世界レベルの日本バンドと共演しています。

古き善き日本語の表現を用いた歌詞とエモーショナルなサウンドと吉野寿の絶叫ボイスがこのバンドの特徴ですが、他のバンドと最も違うことはインストバンドでもないのにボーカルがいないことでしょう。
それは何故かというと、吉野寿の独自の歌唱はボイスと言われているからです。

応援団さながらのボイスの力と詩人さながらの歌詞の力でどんなに気持ちが落ち込んでいてもeastern youthを聴くと鼓舞されて元気が沸々と沸き上がってきます。

例えるならば「やる気が出ない」という気持ちの時に一般的なポジティブな曲を聴くと「よし!やろう!」という気持ちになりますが、eastern youthを聴くと「やらざるを得ないッ…………!!」という感情になります。

eastern youthの歌詞カードは日本語を一番美しくみせるために縦書きで書かれています。
因みにASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞カードが縦書きなのはeastern youthの影響です。

アルバム
本作はeastern youthが結成してから20年近く経ちインディーズ時代の作品を含めて12枚目の作品になります。

そんなベテランバンドの曲とは思えないほど気持ちいい疾走感溢れる先行シングル「沸点36℃」はeastern youthの良さをギュッと凝縮したような名曲です。

一発目のコードをジャン!と鳴らしただけで聴く者の耳を支配するほどリフに魂を込めています。
何よりeastern youthはイントロが素晴らしい。

「五月の空の下で」のイントロは私的イントロランキングでトップクラスです。
少しずつボルテージを上げていき最高潮に到達した時のカタルシスは脳内アドレナリン出まくります。

どの曲の歌詞も素晴らしく、説明しだしたらキリがないので1つだけ取り上げます。

目を瞑るという表現を普通の人が思い付くのは「瞼を閉じる」や「瞳を閉じる」とかだと思いますが、詩人 吉野寿は違います。
「ばかやろう節」の歌詞で吉野寿は「風景を拒否する」という表現をしています。

声にならない歌を魂の叫びで地球の裏まで投げかける名盤を是非。

関連記事
eastern youth / 感受性応答セヨ (2001年)

沸点36℃

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Tedeschi Trucks Band / Revelator 邦題 預言者 (2011年)



今回紹介する名盤は世界一ギターの上手い夫婦のバンドのアルバムです。

ジャンル

ブルースロック
サザンロック
ブルース

アメリカ

Susan Tedeschi
Derek Trucks



バンド

Tedeschi Trucks Bandは妻Susan Tedeschiと夫Derek Trucksの夫婦が中心となって活動するバンドになります。

まず二人の紹介をすると、妻のSusan Tedeschiは幼少期からLightnin' HopkinsやMississippi John Smith Hurtなどのブルースを聴きながら育ち、13歳で早くも地元のバンドに参加し活動していました。
そして、バークレー音楽院に入学しゴスペルを学び、25歳の時にSusan Tedeschi Bandを結成し、Bonnie Raittを彷彿させる歌唱スタイルで少しずつ知名度を上げていきます。

1998年に発表した「Just Won't Burn」では1999年のグラミー賞最優秀新人部門にノミネートされ、2002年のグラミー賞最優秀女性ロックボーカル部門にもノミネートされるほどの実力の持ち主なんです。

Derek Trucksは多彩な音程を何食わぬ顔で弾きこなすスライドギターの名手でJohn MayerとJohn Fruscianteと合わせて「現代の三大ギタリスト」とされています。

また、ローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストでは第16位にランクインしております。
10代そこそこでThe Allman Brothers Bandにゲスト参加し、20歳の若さで正式メンバーとなりWarren Haynesと共にリードギターで活躍しました。

このThe Allman Brothers Bandの前座にSusan Tedeschiが起用され2人は出会い、そのままめでたくゴールインするのです。
まさかThe Allman Brothers Bandが愛のキューピットになるなんて思いもしなかったでしょう。

それぞれ自身のバンドをしていた2人ですが、2010年にTedeschi Trucks Bandを結成し、2011年に発表した「Revelator」はいきなりグラミー最優秀ブルーズアルバム賞を受賞しました。

2012年に「Everybody's Talkin'」2016年に「Let Me Get By」をそれぞれ発表し、精力的に活動を続けています。


アルバム
本作はTedeschi Trucks Bandとしては初めての作品でグラミー最優秀ブルーズアルバム賞を受賞した作品になります。

双方実力は折り紙つきなので、期待度はとても高かったのにも関わらず、そのハードルをさらに越えるクオリティです。
太陽の日差しのような暖かいサウンドなんですが11人の名手達の確かな演奏でブルースの深みを味わえます。

この暖かいサウンドはプロデューサーJim Scottと2人の意思でアナログレコードのような録音にしようということで、あえて各パートの音圧や録音レベルを抑えレコードのような雰囲気に仕上げました。

本作は外を散策しながら聴いて良し、夜にしっとりと聴き込むも良し、ドライブのお供にも良しの時や場所を選ばず聴けるオールラウンドなアルバムです。

古き良きブルースの素晴らしさを11人の最新の感性で甦らせた名盤を是非。

Come See About Me


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OKI DUB AINU BAND / OKI DUB AINU BAND (2006年)



今回紹介する名盤は日本の約2割の面積を占める北海道の民族「アイヌ」を代表するバンドのアルバムです。

ジャンル

ワールドミュージック
レゲエ
ダブ

日本

OKI
居壁太
沼澤 尚



バンド

私がOKI DUB AINU BANDを知ったのは新婚旅行で北海道一周をしている時にアイヌ民族博物館を訪れて、スタッフの人達が民族衣装に身を包みアイヌの踊りや歌や演奏を見せてくれた時でした。
その時女性が一人でマイクの前に立ち、口元で手を動かすとまるで電子音楽のような「ビョヨーン!ビョヨーン!」と音が鳴り、私は一瞬で惹き付けられました。

すぐに土産屋さんに向かうとその楽器はムックリという名前でとても小さな竹の板に紐が付いてるだけの質素な物でした。

その土産屋さんでOKI DUB AINU BANDのCDが置いてあったので試聴したら、私好みのあまりのかっこ良さにすぐに購入しました。
OKI DUB AINU BANDは北海道のアイヌ民族に伝わる伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIが中心に活動する世界でも珍しいアイヌルーツバンドなんです。

トンコリを電子化に改造して現代に甦らせ、そこにギター、ベース、ドラムといったオーソドックスなバンド編成でアフロビートやレゲエ、ダブ、ロックなどを巧みにミックスさせたサウンドに乗せてアイヌ語で歌う音世界は唯一無二です。

数多くの海外フェスでライブを行い、作品も定期的に発表して、2006年のアルバム「OKI DUB AINU BAND」にてついに日本上陸しました。

世界最大規模のワールドミュージックフェスとして知られる「WOMAD」に始まるアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地でツアーを成功させ、また日本国内も北海道を中心に数多くのフェスやイベントに出演し話題になりました。

2010年には「SAKHALIN ROCK」を発表し、国内ツアーと台湾、ネパールでライブをして、2016年には待望の新作「UTARHYTHM」を発表し、国内ツアーを行います。

アルバム
本作はOKI DUB AINU BANDのセルフタイトルの意欲作でジャケットには北海道を象徴する熊がデザインされています。
一発目「East of Kunashiri」からトンコリ独特の魅惑なサウンドに他にはない唯一無二感を感じるはずです。

トンコリにはフレットが無く全て開放弦というハープのような構造なんですが弦が5本しかなく、ギターのような空洞がなく音量の増幅もできないのです。
この不思議な楽器トンコリの理にかなっていないところが得も言えぬ魅惑さを感じさせるのかもしれません。

またトンコリのデザインは女性の身体をモチーフにしたと言われています。

北海道のような広大なサウンドと大自然のエネルギー、トンコリやムックリといったアイヌの魂が込められた名盤を是非。

East of Kunashiri


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John Williams / Harry Potter and the Philosopher's Stone 邦題 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001年)



今回紹介する名盤は世界規模で社会現象を巻き起こした作品の音楽です。

ジャンル

サントラ
映画音楽

イギリス・アメリカ

John Williams
J.K.Rowling
Chris Columbus



アーティスト

今やその名前を知らない人の方が少ないんではないかというくらい有名な小説家J.K.Rowlingですが、当時は全く無名の新人でした。

無名の新人どころか当時のJ.K.Rowlingは生活保護を受け、友人に借金までしていて生活も苦しく、自殺を考えていたほど貧しかったといいます。

そんな中、不朽の名作「ハリー・ポッターと賢者の石」を完成させ出版社に持ち込みます。
しかし、反応は悪くどの出版社も児童向けにしては長過ぎるという理由で12社から断られました。

ところがある編集者は自分の娘に読ませたところ目をキラキラさせながら喜んだので契約を結びました。
他の編集者よりも見る目のある女の子がいたので「ハリー・ポッター」は世に出てきました。

新人ということもあり出版数は極僅かでしたが、児童書として初となるイギリスのベストセラーリストの1位を獲得し、瞬く間に世界的ベストセラーになりました。

現在では子供だけにとどまらず老若男女全ての人に愛読され、73の言語に翻訳されてシリーズ世界累計発行部数は4億5000万部以上となり史上最も売れたシリーズ作品として世界的な社会現象を起こしました。

そして、映画化は勿論のこと舞台やゲーム、USJではハリーポッターエリアが作られるほどです。
数年前までは生活保護を受けていた人がエリザベス女王よりも資産を手にしてしまうというから驚きです。

映画音楽を担当したのが「ジョーズ」「E.T.」「スターウォーズシリーズ」など名だたる映画作品の音楽を担当したJohn Williamsです。

アルバム
本作はそんなハリーポッターシリーズの第一作目にあたる「賢者の石」のサントラになります。

名作映画には必ず素晴らしい音楽が伴っていて、ハリー・ポッターも例外ではありません。
John Williamsの担当した映画にハズレの音楽なんて無いと言っても過言ではありません。

「ジョーズ」と「スターウォーズ」の音楽を口ずさんで下さい。と言ったらだいたいの人が口ずさめるはずです。

口ずさめなくても音楽を聴いたら、すぐにわかるはずです。
それくらい印象の強い音楽なのに、映像の邪魔をしない完璧な映画音楽と言えます。

魔法世界を感じさせるファンタジー感、空想世界を思わす壮大さはJohn Williamsが魔法使いかと錯覚してしまうほどです。

まるで壮麗な音の魔法にかけられる名盤を是非。

Harry's Wondrous World


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Ed Sheeran / + (2011年)



今回紹介する名盤はエリザベス女王の前で演奏したことのある元ホームレスのアーティストのアルバムです。

ジャンル

フォーク
アコースティック

イギリス

Edward Christopher Sheeran



アーティスト

Ed Sheeranは幼少期から聖歌隊に入り、11歳の時ににギターを弾き始め、16歳の時にはすでに昼にはスタジオ、夜にはライブという音楽一色の生活を始めていました。

そして、Ed Sheeranのライブは評判となり、最も多い日には1日3公演も行ったり、1年間のライブ本数は312回にも及んだといいます。

そんな生活をしているとほとんど家に帰らなくなったので当時住んでいたアパートを引き払い、自らホームレスになり、友人やファンの家だったり、バッキンガム宮殿の門の前で寝泊まりをする生活になりました。

そんなEd Sheeranに転機が訪れたのは2010年のJamie Foxxとの出会いでラジオの出演したことでした。
その時にEd Sheeranの才能にいち早く気付き、自身のスタジオ付きの大豪邸を貸し出したのです。

そして、2011年にインディーズからEPを発表するとイギリスのiTunesチャートでいきなりトップになりメジャー契約を手にします。
そんなこともありデビューアルバム「+」は発表前から注目され、初回出荷が10万枚超えとなり発表前からゴールドアルバムを獲得という偉業を為し遂げ、2011年のQアワードで新人賞を受賞しました。

また、2012年には数年前までバッキンガム宮殿の門の前で路上生活していた青年がエリザベス女王即位60周年の式典に出演し、エリザベス女王の前で演奏するというまるで映画の中の物語のようなことが起こったりしました。

そして、2014年にはプロデューサーにPharrell WilliamsとRick Rubinを迎えての意欲作「×」を発表し、全米全英1位を獲得しました。
因みにTaylor Swiftとは大親友でライブで共演したり、一緒にお出掛けしたりと公私ともに仲良くしています。

あと無類のレゴと猫好きです。

アルバム
本作は上記したように発表前からゴールドアルバムを獲得したデビューアルバムです。
2011年イギリスで最も売れたデビューシングル「The A Team」は本作に収録されています。

「The A Team」の「A」とはClass A drugというドラッグのことで、ドラッグに溺れてしまった女性のことを歌った曲になります。

流産してしまった友人の女性に捧げた「Small Bump」やレゴが好きすぎて作曲したレゴの曲「Lego House」など、どの曲もシングルカットできるくらいの名曲揃いの作品です。

因みに「Lego House」のPVにはどことなく似ているハリー・ポッターのロン役でお馴染みRupert Grintが出演しています。

イタズラ好きのEd Sheeranらしく最後にはアイリッシュ民謡の「The Parting Glass」を隠しトラックとしてサービスしてくれてます。

聖歌隊で培った歌声とストリートで鍛えたギターテクニック、そしてヒップホップに影響を受けたリズム感で作り上げた名盤を是非。

The A Team


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