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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

Barclay James Harvest / Time Honoured Ghosts 邦題 神話の中の亡霊 (1975年)



今回紹介する名盤はThe Enidの前身バンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
フォークロック
アートロック

イギリス

John Lees
Les Holroyd
Mel Pritchard
Stuart Wolstenholme
(Robert John Godfrey)



バンド

Barclay James Harvest(以下BJH)はJohn LeesとStuart Wolstenholmeが参加していたバンドThe Blues Keepers、Les HolroydとMel Pritchardが参加していたバンドThe Wickedsの2つが合併して出来たバンドになります。

BJHは後にThe Enidの中心人物Robert John Godfreyが指揮するオーケストラとロックを融合するサウンドを武器に活動を開始します。
1970年にセルフタイトル「Barclay James Harvest」でデビューし、翌年の1971年に「Once Again」と「And Other Short Stories」そして、1972年の「Baby James Harvest」といった4作品はオーケストラを大々的に取り入れた作品になります。

そして、1974年「Everyone Is Everybody Else」から以降オーケストラは影を潜め、代わりにシンセサイザーとキーボードによってオーケストレーションような神秘的な広がりあるサウンドを表現していきます。

BJHはとても器用なバンドでThe BeatlesThe BandCSN&YThe Eaglesのような牧歌的な雰囲気のバンドとGenesis、PINK FLOYDThe Moody Bluesのような掴みどころのない幻想的な雰囲気のバンド
の色を巧みに使い分けBJHの音世界へと昇華したいます。

というのも、中心人物であるJohn Leesがプログレ系を得意としていて、Les Holroydがロック系を得意という2人の影響でしょう。

後にJohn Lees' BJHとBJH featuring Les Holroydの2つのバンドに分裂します。
BJHはデビュー作以降ほとんどのアルバムのどこかに蝶のモチーフがあります。

アルバム
本作はBJHとしては中期に発表された作品でゴリゴリのプログレファンには退屈に感じるかもしれませんが、上質なフォークロックを聴けるので私のお気に入りの1枚なんです。

本作にはNeil Youngの「Harvest」を手掛けた敏腕プロデューサーElliot Mazerが担当したので、この秋っぽい哀愁あるフォークサウンドになったのでしょう。

勘のいい方は気付いたかもしれませんが「Titles」はThe BeatlesのオマージュでThe Beatlesの曲名を歌詞の中に散りばめているので何が歌われているか探しながら聴くのもおもしろいです。

プログレバンドと言われないと気付かないくらいポップセンスが高いのですが、ポップバンドでは出せないセピアがかったような淡いサウンドやイギリス特有の叙情的な深みあるメロディーを鳴らせるのはさすがです。

「長ったらしくてよく分からないからプログレは好きじゃない」っていう人も十分満足してもらえるプログレアルバムだと思います。

セピアがかった牧場をフワフワと飛びまわる蝶のような名盤を是非。

Titles


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Schroeder-Headz / Synesthesia (2014年)



今回紹介する名盤はアニメ「ピーナッツ」の音楽を担当したジャズピアニストVince Guaraldiを敬愛するピアニストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ
ジャズトロニカ
ポストジャズ

日本

渡辺シュンスケ



アーティスト

渡辺シュンスケは中学時代に学校のピアノを触り、音楽に興味を持ちましたが、高校時代にはサッカー部に所属していたのにも関わらず、三者面談の時に「音大に行きたいです」と言って驚かれたそうです。
そして、親には「音楽の先生になるから」という名目で音大に行きました。

Schroeder-Headzとはアメリカの漫画「ピーナッツ」に登場するキャラクター「シュローダー」から付けたそうです。

Schroeder-Headzは柴咲コウに始まりPUFFY、佐野元春、スネオヘアー、キリンジ、DE DE MOUSE、、BONNIE PINKなど数多くのサポートを経て、ついに渡辺シュンスケが立ち上げたバンドでピアノとベース、ドラムの3つによる王道のトリオサウンドに少しの電子音という新しい風を掛け合わせることで、ジャズに馴染みのない若い世代までをも虜にしてしまう新世紀のピアノトリオなのです。

2010年に「NEWDAYS」を発表し、翌年の2011年にはカバーアルバム「PIANO à la carte feat.Schroeder-Headz」を発表し、ジャケットにはシュローダーが描かれ、早くも夢の共演を果たしました。

2013年には空想上の宅録ジャズと称されるSerphNujabesとの名コンビで知られるShing02などが参加した「Sleepin' Bird」を発表し、翌年の2014年には
ASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのジャケットを手掛ける中村佑介が担当した「Synesthesia」を発表してリリースツアーを行いました。

同年そのツアーの東京公演を収録したライブアルバムとライブDVDも発表されました。
そして、2016年に最新作「特異点」を発表して精力的に活動を続けています。

また、これだけコンスタントにアルバムを発表しているにも関わらず、数多くのフェスやイベントにも参加してファンを着々と増やしています。

アルバム

私は本作でSchroeder-Headzを知りました。
というのもCDショップで色々と物色していて本作に目が止まり「あれ?アジカン新作出たのか?」と手に取ったのが始まりでした。

上記したように本作のジャケットを担当したのはASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのジャケットを手掛ける中村佑介なんです。
「Synesthesia」とは直訳で「共感覚」という意味で共感覚とは色に音を感じたり、文字に匂いを感じたりといった2つの感覚が働く現象をいいます。

ピアノトリオというどちらかというとモノトーンな音世界に少しの電子音で色付けされてカラフルな音色に聴こえます。
個人的には「Petal」のしっとりした切なさが好みです。

「Blue Bird」は渡辺シュンスケ本人も納得の曲に仕上がっています。

ジャズの味わいと電子音の香り、2つの感覚が混ざり合う新世紀のジャズ名盤を是非。

Blue Bird


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King Crimson / Discipline (1981年)



今回紹介する名盤は音楽界に革命を起こしたプログレ御三家の一人のアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
実験音楽
ジャズロック
フリージャズ

イギリス

Robert Fripp



バンド

皆さんが考えるロックがもっとも栄えていた1年は何年でしょうか?
私は1969年が最も実りのある年と考えます。

The Beatles「Abbey Road」
The Who「Tommy」
Led Zeppelin「Led Zeppelin」「Led Zeppelin Ⅱ」
The Band「The Band」
The Glateful Dead「Live/Dead」
The Rolling Stones「Let It Bleed」
Bob Dylan「Nashville Skyline」
King Crimson「In The Court Of The Crimson King」

他にもたくさんありますがこれら名盤すべて69年発表なんです。
そして、忘れてはいけない伝説のフェス「ウッドストック」もありました。

Robert Frippはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストにおいて第62位のギタリストでロックギタリストでは珍しい椅子に座りながら演奏します。
Robert Frippの演奏を聴いたJimi Hendrixは「左手で握手してくれ、こっちの方がハートに近いから」と言った逸話があります。

また、Brian Enoと親交がありMicrosoft Windows Vistaの起動音の製作を手がけるなどもしています。

70年代King Crimsonはフリージャズを突き詰めたプログレッシブロックといった感じのバンドで、80年代King Crimsonは後のマスロックに多大な影響を与えることになります。

90年代以降Robert Frippは年老いていくのと逆転して歳を重ねるごとにますますヘビーなサウンドを鳴らしていきます。

King Crimsonを初めて聴いたThe WhoのPete Townshendは「恐ろしいほどの傑作だ」と言ったり、イギリスの音楽雑誌ではあのThe Beatlesの「Abbey Road」を無名バンドのデビューアルバムが引き摺り下ろしたと騒がれてThe Beatles一色の時代に革命を起こしたのです。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部のラスボス、ディアボロのスタンドの元ネタです。


アルバム
1974年にKing Crimsonは一旦解散してしまいましたが、1981年に再結成して初のアルバムになります。

メンバーにはFrank Zappa一門を首席で卒業したギタリストAdrian Belewと多方面で活躍しているベーシストTony Levin、Yesの黄金期を支えたドラムBill Brufordの3人を従えての4人編成バンドです。

今から思うと恐ろしいくらいに完全無欠の布陣ですが、当時の保守的なファンからは「King Crimsonにアメリカ人が参加するなんて…」と賛否両論だったそうです。

King Crimsonで演奏するAdrian Belewはまるで子どものように楽しそうにギターを操る様は見ていて気持ちいいです。

厳格な性格で知られるRobert Frippですが、以外にも楽天的に見えるAdrian Belewと馬が合うのか以降長く付き合います。

Disciplineとは直訳で規律や鍛練などを意味するのですが、まさにその通りで「Frame By Frame」の演奏なんて人間業ではありません。
因みにRobert Fripp本人が選ぶKing Crimsonの秀作は泣く子も黙る「In The Court Of The Crimson King」Nirvanaに多大な影響を与えた「RED」そして本作「Discipline」になります。

Robert Frippが無敵バンドKing Crimsonに与えた鍛練の音が収められた名盤を是非。

関連記事
King Crimson / In The Court Of The Crimson King (1969年)

Frame By Frame


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Travis / Where You Stand (2013年)



今回紹介する名盤はOasisのNoel Gallagherがファンだと公言するバンドのアルバムです。

ジャンル

ブリットポップ
オルタナティブロック

イギリス

Fran Healy
Andy Dunlop
Dougie Payne
Neil Primrose



バンド

Travisはブリットポップ終期にOasisのフォロワーを思わす「All I Want To Do Is Rock」を発表し、Noel Gallagherのお眼鏡にかないOasisのツアーの前座を務めました。
その年の1997年に注目を集める中「Good Feeling」を発表し、全英9位という華々しいデビューを飾ります。

1999年にはNigel Godrichをプロデューサーに迎えた「The Man Who」が全世界で400万枚も売り上げ全英1位を獲得します。
期待が高まる中2001年に発表された「The Invisible Band」でも全英1位を獲得し、イギリスを代表するバンドの仲間入りを果たしました。

この作品はTravisにとってとても重要な意味があります。
というのは、Travisというバンドは一貫して「楽曲至上主義」というスタンスであり続けていてFran Healyは「バンドより曲の方が大切なんだ、残っていくのはバンドではなくて楽曲だけでいい」と発言しています。

また、ロックスターの座についた今もなおFran Healyは「僕たちの場合は色々とタイミングが良くて売れたというだけ」と発言する謙虚さで人格者として有名なバンドなんです。

もしバンドがしたいのに保守的な親から「そんな野蛮なことはいけません」みたいなことを言われたら「お母さんはTravisを知らないの?」と引き合いに出せば有利に話を進められるかもしれませんね。

2003年に「12 Memories」を発表し、2004年には初のベストアルバム「Singles」を発表しました。
その後もコンスタントに作品を発表していき、2016年には最新作「Everything At Once」を発表し2016年開催されたHostess Club presents Sunday Specialではヘッドライナーを担当し、4度目のフジロックで再来日をしました。

因みにスピッツの「若葉」はTravisの影響でマンドリンを取り入れたそうです。


アルバム
2008年に発表した前作「Ode To J. Smith」は全英20位でしたが、そこから5年のインターバルで練りに練った本作はTravisらしいメロディーが復活して全英3位の力作が出来上がりました。

Travisファンからしたら「おかえり!」と言いたくなるような爽やかなメロディーの曲達が迎えてくれます。
派手さはないですが耳障りの良い心地好いキラキラしたアコギのサウンドにFran Healyの優しい歌声で包み込まれるような感じがします。

Travisのコンセプト「楽曲至上主義」は本作でも健在で曲作りの時にラジオで流れて「誰の曲かわからないけどいい曲だな」となるように意識しながら製作したので、無色透明な印象を受けるのはそのせいかもしれません。

大衆に受けて、尚且つ廃れない曲を作るのは至難の業だと思います。

優しくハグをされて包み込まれるような名盤を是非。

Where You Stand


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bloodthirsty butchers / NO ALBUM 無題 (2010年)



今回紹介する名盤は日本ロック界の至宝と評されているバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
ノイズロック
エモ
インディーロック

日本

吉村秀樹
射守矢雄
小松正宏
田渕ひさ子



バンド

bloodthirsty butchersは1986年に結成され、インディーズから「BLOODTHIRSTY BUTCHERS」と「I'm standing nowhere」をそれぞれ発表します。
そして、Fugaziが来日した時の共演を期に東京に拠点を置き、1994年に「LUKEWARM WIND」にてメジャーデビューします。

その後も多くのライブやフェスに参加して作品もコンスタントに発表し、2003年に元Number Girlのギタリスト田渕ひさ子が加入して△から□になり、より強固なサウンドへと昇華したbloodthirsty butchersは孤高の音楽活動を続けていきます。

しかし、bloodthirsty butchersのフロントマンである吉村秀樹氏は2013年5月27日に急性心不全のため46歳という若さで亡くなってしまいました 。
その訃報を聞いた多くのアーティストから追悼の声が寄せられた。

bloodthirsty butchersはNumber Girlを始め、HI-STANDARD、GREAT3、浅野忠信、會田茂、Fugazi、Rocket From The Crypt、BeckThe Flaming Lips、Rage Against the Machine、Dinosaur Jr.など世界中のアーティストからリスペクトされていました。

しかし、それとは相反してフォロワーは生まれませんでした。
それはSyrup16gの五十嵐隆に「一人オーケストラ」と評される、吉村秀樹氏のオリジナルコードで鳴らされるギターリフや、くるりのメンバーに「オリジナリティの塊」と言われた射守矢雄のルート音に加え3度や5度の音を加えたコード弾きやアルペジオなど、演奏の大部分で複数弦の音を鳴らす奏法によるオリジナリティーのせいでしょう。

そのあまりのオリジナリティーに誰もついてこれず孤高のバンドとも言われています。

因みにbloodthirsty butchersのバンド名の由来はAndy Milliganの映画「Bloodthirsty Butchers 邦題 血に飢えた断髪魔」からきています。

アルバム
本作はbloodthirsty butchersの11枚目のアルバムで田渕ひさ子が加入し、□になってからは4枚目になります。

bloodthirsty butchersが結成してから20年以上経ち、メンバー達の平均年齢は40歳を越えての作品です。
なぜこんなことをわざわざ言うかというと、ベテランバンドとは思えないほどのフレッシュさや初期衝動感を感じるからです。

どんな人も人生経験を積むと何となく色んなことがわかり、自然と子どもの頃の感覚を無くしてしまうのに本作は10代の頃の何でも楽しかった頃の記憶が蘇ります。

「ocean」なんて純度100%の爽やかさです。

△の頃の最高傑作が「kocorono」なら□になってからの最高傑作は「NO ALBUM 無題」と言っても過言ではないでしょう。

本作もbloodthirsty butchers特有の「音の良さ」があります。
高音質という意味ではなく、1音に込めた魂の重さで「音そのもの」が良いんです。

初心を忘れないベテラン達が全身全霊で鳴らす命のサウンドを収めた名盤を是非。

関連記事
bloodthirsty butchers / kocorono (1996年)

ocean


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