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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Sigur Rós / Takk... 邦題 ありがとう (2005年)



今回紹介する名盤はRadioheadの前座に抜擢された北欧アイスランドの代表的バンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
アンビエント
シューゲイザー

アイスランド

Jón Þór Birgisson
Georg Hólm
Orri Páll Dýrason
Kjartan Sveinsson



バンド

アイスランドと言えば北欧の歌姫Björkを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
Sigur RósはBjörkやmúmとも親交があり、また有名になる前からRadioheadのThomas YorkeやJohnny Greenwoodはファンであることを公言していました。

Sigur Rósとはアイスランド語で「勝利、薔薇」を意味します。
Sigur Rósの歌詞はホープランド語というアイスランド語を変形させたSigur Rós独自の言語です。

ホープランド語とは、言葉と一緒になると良い音のするノイズなので言葉も音の1つとして考えているのでしょう。

2002年に発表された「( )」はグラミー賞にノミネートされるなど世界的評価を受けました。

私はSigur Rósを聴いてポストロックにどっぷりハマりました。
Sigur Rósの音世界は静寂と轟音の共存だと思います。

ボーイング奏法からなる歪んだノイズの洪水に、透き通るような澄んだJón Þór Birgissonの声で神々しいくらい甘美なサウンドが生まれます。

アルバム
グラミー賞にノミネートされた前作「( )」から3年経過して、当時のファン達からはかなりの期待度でプレッシャーが凄かったはずです。

そんなプレッシャーを跳ね返す力作「Takk...」アイスランド語で「感謝」を意味するタイトルになります。

前作は暗く哀しい内省的な音世界でしたが、本作はそんな音世界に火が灯り光が差した感じがします。

世界的に評価されたのは「Ágætis byrjun」や「( )」かもしれませんが、始めてSigur Rósを聴くには本作が1番聴きやすくていいと思います。

「Hoppípolla」は映画「We Bought a Zoo 邦題 幸せへのキセキ」など様々場所使用されるSigur Rósで1番有名な曲でないでしょうか。

Sigur Rósが世界のみんなに込めた、感謝の音がする名盤を是非。

関連記事
Sigur Rós / Agaetis Byrjun 邦題 良き船出 (1999年)

Hoppípolla




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King Crimson / The Power To Believe (2003年)



今回紹介する名盤は音楽界に革命を起こしたプログレ御三家の一人のアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
実験音楽
ジャズロック
フリージャズ

イギリス

Robert Fripp



バンド

皆さんが考えるロックがもっとも栄えていた1年は何年でしょうか?

私は1969年が最も実りのある年と考えます。
The Beatles「Abbey Road
The Who「Tommy」
Led Zeppelin「Led Zeppelin」「Led Zeppelin Ⅱ」
The Band「The Band」
The Glateful Dead「Live/Dead
The Rolling Stones「Let It Bleed」
Bob Dylan「Nashville Skyline」
King Crimson「In The Court Of The Crimson King
他にもたくさんありますがこれら名盤すべて69年発表なんです。

そして、忘れてはいけない伝説のフェス「ウッドストック」もありました。

Robert Frippはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストにおいて第62位のギタリストでロックギタリストでは珍しい椅子に座りながら演奏します。

Robert Frippの演奏を聴いたJimi Hendrixは「左手で握手してくれ、こっちの方がハートに近いから」と言った逸話があります。

また、Brian Enoと親交がありMicrosoft Windows Vistaの起動音の製作を手がけるなどもしています。

70年代King Crimsonはフリージャズを突き詰めたプログレッシブロックといった感じのバンドで、80年代King Crimsonは後のマスロックに多大な影響を与えることになります。

90年代以降Robert Frippは年老いていくのと逆転して歳を重ねるごとにますますヘビーなサウンドを鳴らしていきます。

King Crimsonを初めて聴いたThe WhoのPete Townshendは「恐ろしいほどの傑作だ」と言ったり、イギリスの音楽雑誌ではあのThe Beatlesの「Abbey Road」を無名バンドのデビューアルバムが引き摺り下ろしたと騒がれてThe Beatles一色の時代に革命を起こしたのです。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部のラスボス、ディアボロのスタンドの元ネタです。

アルバム
本作は現時点でのスタジオアルバム最新作になります。

盟友Brian Enoや元ゆらゆら帝国坂本慎太郎など、私の知る限り多くのアーティストは年齢を重ねる度に音の数を最小限にする引き算的なサウンドになっていくのですが、Robert Frippは逆に音が激しく、より暴力的になるという例外ギタリストです。

King Crimsonのスタジオアルバムは13枚あり、そのどの作品も素晴らしいので本作が語られることが少ないですが、私は本作がKing Crimsonの最終進化系に感じます。

時代背景や衝撃さ、先進さ、世界観などを考えたら他の作品なのでしょうが、単純に作品だけでみたら本作は相当上位に来る作品です。

モンスターバンドKing Crimsonの最終進化系の音楽が収められた名盤を是非。

関連記事
King Crimson / In The Court Of The Crimson King (1969年)
King Crimson / Discipline (1981年)

Level Five


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ZAZEN BOYS / すとーりーず (2012年)



今回紹介する名盤は「日本のロックシーンの第一線に立ち続け、無数のフォロワーを増やし続けている」と言われるバンドのアルバムです。

ジャンル

ミクスチャーロック
オルタナティブロック
プログレッシブロック

日本

向井秀徳
吉兼聡 通称 カシオマン
松下敦 通称 柔道二段
MIYA
(吉田一郎)
(アヒト イナザワ)
(日向秀和) 通称 町田のヤンキー



バンド
向井秀徳はNUMBER GIRLというバンドで活躍しており、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやBase Ball Bear、凛として時雨、9mm Parabellum Bullet、LUNKHEAD、WHITE ASHなど現在日本のロック界で活躍しているバンドに多大な影響を与えたバンドであります。

その向井秀徳が現在動かしているバンドがZAZEN BOYSであります。

どういうバンドかといいますと「法被を着たLed Zeppelin」と向井秀徳は例えております。

これは音楽性の話ではなくLed Zeppelinのように4人全員の個性の集合体という意味だそうです。
ZAZEN BOYSはhàlのバックバンドとして向井秀徳と54-71が組んだことが始まりでした。

そして、自分のしたい音楽を鳴らすためにNUMBER GIRL時代から相性抜群のアヒトを連れてメンバー集めを開始し、吉兼聡をメンバーに入れ本格的にZAZEN BOYSを始動させます。

DRY&HEAVYのライブを一緒に見ていた日向秀和をメンバーに誘おうと「自分さ、あんくらい出せんの?」と向井秀徳が問いかけると、挑発されたと勘違いしてしまい、なめられないよう「出せますよ」と言ったそうです。

後日、向井秀徳とアヒトと行ったセッションは死ぬほど緊張したそうです。
現在はアヒトと日向秀和は脱退し、松下敦と吉田一郎が加入し活動していました。

2017年に相性抜群だったベーシスト吉田一郎が脱退し、385のベーシストMIYAが加入し話題になりました。

向井秀徳のダサいラップ(勿論いい意味で)が日本特有の念仏のようで結果として他にはない音楽が生み出されています。

活動拠点は向井秀徳が設立した「MATSURI STUDIO」でレコーディングしたりしています。
因みにMATSURI STUDIOは当初BIKKURI STUDIOという名称だったのですが、向井秀徳自身が少しずつびっくりしなくなったのを理由に今のMATSURI STUDIOという名称で落ち着きました。

アルバム
本作、4年ぶりの最新作は当時の私にはあまり響かなかったんです。
というのも前作「ZAZEN BOYS 4」が良過ぎてハマりまくっていたので、本作をあまり聴けずにいたのですが、最近また聴き直してみたら、ビビビッ!ときてしまいどっぷりハマってしまいました。

1曲目「サイボーグのオバケ」2曲目「ポテトサラダ」曲名こそ可愛らしいですが、音の方はギターサウンドは鋭く尖っているのに、ドラム、ベースのビートは重たく響くZAZEN節満載です。

メロディーなんて可愛らしいものは無く、グルーヴとサウンドでこんなにも格好良くなるものかと舌を巻きます。

どの曲も針に糸を通すような、0,1秒の狂いも許されない演奏をしていて、しかもそれを一発録りという荒業をしていますから恐ろしいです。

鋭く尖った切れ味抜群の鈍器のような名盤を是非。

関連記事
ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS Ⅱ (2004年)

暗黒屋




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Jóhann Jóhannsson / Englabörn (2012年)



今回紹介する名盤はポストクラシカルの第一人者のアルバムです。

ジャンル

ポストクラシカル
アンビエント
エレクトロニカ

アイスランド

Jóhann Jóhannsson



アーティスト
Jóhann Jóhannssonは11歳の時ピアノとトロンボーンを学ぶために音楽教室に通い始めますが、数年後に音楽を淡々と学ばせることに窮屈さを感じ辞めてしまい、その後はピアノやバイオリンなどの楽器の音と電子音を掛け合わせた独特な音楽を作曲したり、インディーズバンドに楽曲を提供したりしていました。

Jóhann Jóhannssonのルーツはいたるところで流れている名曲「Gymnopédies」で知られるErik Satie、に始まりBernard Herrmann、Moondog、Gérard Griseyなど個性的な音楽家に影響を受けました。

逆に影響を与えたアーティストは様々で、同郷の音楽家Sigur RósmúmÓlafur Arnaldsに始まり、坂本龍一、Brian Tyler、Steve Jablonsky、Micheal Giacchino、Ludovico Einaudi、Clint Mansell、Max Richterなどの映画音楽家、そしてFlying LotusやEl-Pなど一見関係ないように感じるヒップホップ界のアーティスト達をもリスペクトさせる音楽を作曲していました。

また、Apparat Organ Quartetというオルガン4つにドラム1つというユニークなバンドを結成して2006年にはバンドで来日、そして翌年には単独公演もしていました。

アルバム
本作はそんなJóhann Jóhannssonのデビュー作になります。

全体的にはErik Satie達のようなクラシカルなピアノとバイオリンのみの誤魔化しの効かないメロディーだけで聴かせる「Jói & Karen」などが占めています。

さらに「Salfraedingur」ではMoondogを思わせるパーカッションが聴けたり、デビュー作とは思えないほどJóhann Jóhannssonの音世界がすでに確立されています。

天使達が奏でた音色が聴ける名盤を是非。

Jói & Karen



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The Album Leaf / Into the Blue Again (2006年)



今回紹介する名盤はポストロックシーンで様々な試みをしているバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
アンビエント
エレクトロニカ

アメリカ

Jimmy LaValle



アーティスト
Copelandの時も同じ間違いをしてしましたが、始めてThe Album Leafの音楽を聴いた時「お?北欧の音楽かな?」と錯覚してしまうほど美しい音世界なんです。

言い訳するつもりはないですが、The Album Leafは北欧を代表するバンドSigur Rósの全米ツアーの前座をしたり、múmと共演したりと親交が深いのだからあながち間違いでもありませんよね。

The Album LeafはJimmy LaValleがポストロックバンドのTristezaを脱退した後ソロプロジェクトとして始まったバンドです。

そして、The Album Leafはアコースティックギターのアルペジオに、優美なエレピの旋律、グリッチノイズなど様々な音楽を取り入れたインストスタイルを確立していきます。
ハードコアを通過した反動からなのか本当に儚く美しい旋律が流れます。

Sigur Rósやmúm、Epic45Arc labHammockなどが好きな人は是非聴いてみてください。

琴線に触れること間違い無しです。

アルバム
前作「In a Safe Place」はSigur Rósが全面協力した作品でしたが、今回はJimmy LaValleのワンマンアルバムになります。

1人で制作したからこそ、細かいところまでこだわり抜いて、前作の壮大で広がりのあるサウンドと初期の浮遊感漂う暖かみあるサウンドが合わさった作品なんです。

また、本作にはTelefon Tel AvivのJoshua EnstisやBlack Heart ProcessionのPall Jenkinsがゲスト参加しています。

様々な音楽家の感性を取り込み原点回帰した名盤を是非。

関連記事
The Album Leaf / In a Safe Place (2004年)

The Light


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