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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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PINK FLOYD / The Dark Side of the Moon 邦題 狂気 (1973年)



今回紹介する名盤はPaul McCartneyに「彼らにはノックアウトされたよ」と言わしめたバンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
サイケデリックロック

イギリス

Nick Mason
David Gilmour
Roger Waters
Richard Wright
(Syd Barrett)



バンド

PINK FLOYDはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストにおいて第51位にランクインしています。

PINK FLOYDは1965年に結成した老舗バンドですが、つい最近出した新作2014年発表の「The Endless River」で軽く全英1位を取ってしまうモンスターバンドです。

プログレ御三家
Yesはハードロックを突き詰めたプログレ
King Crimsonはジャズを突き詰めたプログレ
PINK FLOYDはサイケデリックロックを突き詰めたプログレのような感じがします。

最近の日本のオリコンチャートでミリオンセラーといって大々的に言っていますが、PINK FLOYDのアルバム総売上枚数は2億5,000万枚です。

比べてしまうのは間違いかもしれませんが。
幻想的で叙情的なサウンドに哲学的で文学的な詞を乗せるとPINK FLOYDの音世界が出来上がります。

他のプログレバンドに比べてテクニックを披露するのだけではなくて、幻想的なサウンドを巧みに操り独自の緊張感や高揚感を作り出します。

因みにジョジョの奇妙な冒険の東方仗助のスタンドや広瀬康一のスタンド、更にはラスボス吉良 吉影の父親のスタンドの元ネタです。


アルバム
本作はPINK FLOYDにとって初の全米1位、そしてビルボード200に15年間もランクインした代表作になり、Michael Jacksonの「Thriller」に次いで2番目に多く売れたアルバムです。

プログレの名盤を超えて、ロックの名盤さらには音楽の歴史に残る名盤と言って過言ではないでしょう。

本作のタイトルを直訳すると「月の裏側」になり、何故邦題が「狂気」になったのかというと、地球からは月の裏側は見えないので「闇」となります。

それは「人の心の闇」を表し「狂気」となりました。

「Speak To Me」の鼓動の音とピアノの不協和音が鳴り出したら狂気の世界へと引き込まれます。

約半世紀前に創られた時代を超えた狂気的な名盤を是非。

Time


関連記事
PINK FLOYD / Atom Heart Mother 邦題 原子心母 (1970年)



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Stick Men / Soup (2010年)



今回紹介する名盤はKing Crimsonの歴史に無くてはならないベーシストのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック

アメリカ

Tony Levin
Pat Mastelotto
Markus Reuter



バンド
Stick Menは2009年にTony Levinがチョップマン・スティックという楽器で多重録音して完成させた「Stick Men」をどうにかライブで再現できないかとバンドを組んだのが始まりです。

Stick Menにはギタリストもベーシストもおらず、その代わりにチョップマン・スティックが2本あるのです。
バンドメンバー全員がスティック(ドラムはバチ)を持っているのでスティックメンということらしいです。

チョップマン・スティックはメロディー弦とベース弦が5本ずつ、もしくは6本ずつ張られていて、早い話がギターとベースを合わせましたって感じの楽器なんです。
Tony LevinはKing Crimsonでもチョップマン・スティックを巧みに扱い、そのベースラインは「第三のギター」と言われていました。

チョップマン・スティックで最も有名な奏者はTony Levinと言っても過言ではありません。

Stick Menはライブアルバムも含めるとこれまでに10枚以上も作品を発表していて、とても勢力的に活動しています。

アルバム
本作はバンドとしての初作品となります。

King Crimsonのヌーヴォ・メタルDNAが脈々と流れているので、重厚かつ暴力的サウンドが聴きたい人は必聴です。

音だけ聴いていたら3人バンドとは到底思えないほど音に厚みがあり、King Crimson直系バンドと言えます。

ベーシストのアルバムですがしっかりとバンドサウンドで曲としての完成度も抜群です。
チョップマン・スティックを余すことなく堪能できる「Hands」しっとり聴かせる「Inside The Red Pyramid」ライブで定番になっているСтрави́нскийの「Firebird Suite」も本作に収録されています。

チョップマン・スティックで調理された絶品スープが味わえる名盤を是非。

Firebird Suite


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King Crimson / The Power To Believe (2003年)



今回紹介する名盤は音楽界に革命を起こしたプログレ御三家の一人のアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
実験音楽
ジャズロック
フリージャズ

イギリス

Robert Fripp



バンド

皆さんが考えるロックがもっとも栄えていた1年は何年でしょうか?

私は1969年が最も実りのある年と考えます。
The Beatles「Abbey Road
The Who「Tommy」
Led Zeppelin「Led Zeppelin」「Led Zeppelin Ⅱ」
The Band「The Band」
The Glateful Dead「Live/Dead
The Rolling Stones「Let It Bleed」
Bob Dylan「Nashville Skyline」
King Crimson「In The Court Of The Crimson King
他にもたくさんありますがこれら名盤すべて69年発表なんです。

そして、忘れてはいけない伝説のフェス「ウッドストック」もありました。

Robert Frippはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストにおいて第62位のギタリストでロックギタリストでは珍しい椅子に座りながら演奏します。

Robert Frippの演奏を聴いたJimi Hendrixは「左手で握手してくれ、こっちの方がハートに近いから」と言った逸話があります。

また、Brian Enoと親交がありMicrosoft Windows Vistaの起動音の製作を手がけるなどもしています。

70年代King Crimsonはフリージャズを突き詰めたプログレッシブロックといった感じのバンドで、80年代King Crimsonは後のマスロックに多大な影響を与えることになります。

90年代以降Robert Frippは年老いていくのと逆転して歳を重ねるごとにますますヘビーなサウンドを鳴らしていきます。

King Crimsonを初めて聴いたThe WhoのPete Townshendは「恐ろしいほどの傑作だ」と言ったり、イギリスの音楽雑誌ではあのThe Beatlesの「Abbey Road」を無名バンドのデビューアルバムが引き摺り下ろしたと騒がれてThe Beatles一色の時代に革命を起こしたのです。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部のラスボス、ディアボロのスタンドの元ネタです。

アルバム
本作は現時点でのスタジオアルバム最新作になります。

盟友Brian Enoや元ゆらゆら帝国坂本慎太郎など、私の知る限り多くのアーティストは年齢を重ねる度に音の数を最小限にする引き算的なサウンドになっていくのですが、Robert Frippは逆に音が激しく、より暴力的になるという例外ギタリストです。

King Crimsonのスタジオアルバムは13枚あり、そのどの作品も素晴らしいので本作が語られることが少ないですが、私は本作がKing Crimsonの最終進化系に感じます。

時代背景や衝撃さ、先進さ、世界観などを考えたら他の作品なのでしょうが、単純に作品だけでみたら本作は相当上位に来る作品です。

モンスターバンドKing Crimsonの最終進化系の音楽が収められた名盤を是非。

関連記事
King Crimson / In The Court Of The Crimson King (1969年)
King Crimson / Discipline (1981年)

Level Five


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Penguin Cafe Orchestra / Music From The Penguin Cafe 邦題 ようこそペンギン・カフェへ (1976年)



今回紹介する名盤はパンクの伝説Sid Vicious「My Way」のストリングスを担当した音楽家ののアルバムです。

ジャンル

プログレッシブフォーク
フォーク
現代音楽

イギリス

Simon Jeffes



バンド

Penguin Cafe Orchestra(以下PCO)はSimon Jeffesを中心にBrian Enoが立ち上げたレーベルObscureから1976年に「Music From The Penguin Cafe」でデビューし、Obscureの最大の功績はPCOを発掘したことと言われるほどになります。

Simon Jeffesは南フランスに滞在していた時、不運にも腐った魚を食べてしまい食中毒になってしまい、そこでホテルのベッドで寝ている時に不思議な夢にうなされます。

翌日、頭の中に「Penguin Cafe」のオーナーが突然現れ、Simon Jeffesに話しかけます。
「人生におけるランダムな要素を大切にしよう。そうすれば創造性が失われずにすむ。Penguin Cafeはそんな場所なんだ」と…。

この何ともへんてこりんなエピソードがSimon Jeffesの背中を押してPCO結成となります。
PCOのアルバムジャケットにはほぼペンギン人間が描かれていて、その奇抜なデザインも話題になりました。

結成理由も摩訶不思議、ジャケットデザインも摩訶不思議ときたら当然音楽の方も摩訶不思議でクラシック、アンビエント、ジャズ、ミニマル、実験音楽、民族音楽、現代音楽など様々な音楽を混ぜ合わせた結果、異世界の音楽のようなユニークでオリジナリティ溢れる音世界なんです。

Simon JeffesはPCOで数多くの楽器を演奏していて、ギター、ピアノ、ベース、ドラム、シンセ、リンドラムなどに始まり、そろばんや金属の板、ゴムバンドなど楽器ではない物までも楽器として使用していました。

1997年にSimon Jeffesが脳腫瘍で亡くなってしまってから活動停止となっていましたが、2009年に実の息子であるArthur Jeffesが意思を受け継いで「Penguin Cafe」というバンドを始動させます。

アルバム

本作はPCOのデビュー作でいきなり完成された音世界を作り上げていてPCOの最高傑作として紹介されるほどです。

本作の当時のキャッチコピーは「室内環境弦楽奏団風クールミント不思議サウンド」と称されていて、このキャッチコピーでピンとこなくても本作を聴いたら「あ!本当だ」と思うくらい的を射ている上手い表現だと思います。

バイオリンやオーボエ、ヴィオラ、チェロ、ウクレレ、アコーディオンなどといった豊富なアコースティック楽器の音色がとても心地好いんです。

誤解を恐れずに言うと私はJoan of Arcの「Live in Chicago, 1999」や「The Gap」といった「ひねくれポップ風ポストロック」な作品に雰囲気が近い気がします。

もし、その2作品の のほほんとした感じが好きなら一聴の価値はあると思います。

ジャケットから奏でる音楽まで全てが奇妙かわいい名盤を是非。

The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter


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The Enid / Aerie Faerie Nonsense (1977年)



今回紹介する名盤はオーケストラ顔負けのプログレバンドのアルバムです。

ジャンル

シンフォニックロック
プログレッシブロック
アートロック

イギリス

Robert John Godfrey



バンド

The Enid結成する約5年前The Enidの中心人物Robert John GodfreyはイギリスのプログレバンドBarclay James Harvestでオーケストラ指揮者を担当していました。
そこで、さらにオーケストラサウンドに力を入れるべくRobert John Godfrey名義のソロ作品「Fall of Hyperion」を1974年に発表し、バンドでオーケストラを再現するかのようなサウンドは他にはない珍しい音楽でした。

それをさらに推し進めるためにRobert John Godfreyはバンドを立ち上げます。
それがThe Enidになります。

ロックの歴史を遡ると必ず黒人音楽に行き着きますがThe Enidの音楽を遡っても黒人音楽には行き着かず、クラシック音楽などの白人音楽に行き着くような気がします。

The Enidは一応プログレバンドとして紹介されることが多く、どのプログレバンドもほぼ黒人音楽の影響を受けていますがThe Enidは全く影響を受けていないように感じますし、そもそもロックなのか?とまで思えるほどの音世界です。

それを1番感じる理由はドラムの役割がリズムキープとしてではなく、ドドドドォ!やドォーン!と低音に迫力を持たせたり、シャーン!やシャンシャン!と華やかに高音を引き立たせたりといった音の色付けする役割を持っているんです。

私が1番凄いなと思うところは曲げない音楽性です。

The Enidが活動し始めた時期はちょうどパンク全盛期真っ只中でベテランプログレバンドやハードロックバンドは不遇の時期でした。
もっと言うと売れたいがために魂まで売ってしまったバンドも数多くいる中、The Enidはこのスタイルを貫いたことはただ事じゃないはずです。

アルバム

本作はそんなThe Enidの2枚目のアルバムでThe Enidの最も有名なアルバムだと思います。

よくストリングスを取り入れたロックアルバムがありますが、そんなレベルではなく本作はエレキギターやシンセなどロックバンドが使用する楽器でオーケストラをしたような音楽なのでプログレ作品を求めて本作を聴いたら、もしかしたら肩透かしを食らうかもしれないくらいシンフォニックロックの域を越える作品です。

どちらかというとプログレやシンフォニックロックより映画音楽やRPG系のゲームサントラのイメージに近いような気がします。

ロックバンドらしからぬ圧倒的構築美とロックサウンドとはまた違う大迫力を味わうことができます。

パンク旋風が吹き荒れる中、揺るがぬ信念を貫いて奏でられた孤高の名盤を是非。

Fand


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