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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Kino / Picture (2005年)




今回紹介する名盤はただでさえ実力者だらけのプログレ界で選りすぐられたメンバーを集めたスーパーバンドのアルバムです。

ジャンル

ネオプログレッシブロック
プログレッシブロック
シンフォニックロック

イギリス

John Mitchell
Pete Trewavas
John Beck
Chris Maitland
Bob Dalton


バンド

私は大学生になるまで音楽というものに世間の人ほど興味がありませんでした。
しかし、大学で友達に音楽が好きな友人がいて、そいつにASIAN KUNG-FU GENERATIONを教えてもらい、そこからeastern youthゆらゆら帝国フジファブリックなど邦楽ロックを教えてもらい、ある時洋楽を教えてもらいました。

その友人は洋楽初心者の私に「The Beatles」「Nirvana」「Queen」ではなく「Kino」を勧めてきたのです。
すると、私はまんまと友人の手中にはまり洋楽の世界にドップリとハマり込むことになったのです。

つまり、私の洋楽入門バンドはKinoというとても希なパターンだと思います。

皆さんの興味のない私の音楽遍歴はこれくらいにしておきましょう。

さて、Kinoとはどんなバンドかというと、John Mitchellは「Arena」、John BeckとBob Daltonは「It Bites」、Pete Trewavasは「Marillion」や「Transatlantic」、Chris Maitlandは「Porcupine Tree」といったプログレ好きなら必ず名前を耳にしたことのあるバンドばかりです。

しかも、John MitchellとBob Dalton、John Beckは2006年再結成It Bitesメンバーなのです。
John Mitchellは他にも「Frost*」というバンドでも活躍しています。

私のKinoのイメージは現代版Asiaといった感じで、テクニックに裏付けされる爽快感溢れるポップさが何よりの武器だと思います。

プログレ感を期待して聴くと物足りないかもしれませんが、かなり上質なオシャレUKロックを鳴らしています。

アルバム

本作が発表された翌年にIt BitesはJohn Mitchellを迎え入れて再結成をするのでIt Bitesの前身バンドと言えると思います。

本作の何が凄いって当時の私のような洋楽初心者からコテコテの洋楽ファンまでを虜にする曲の力です。
曲の世界観、雰囲気、空気感、奥行などを自由自在に操る魔法のようなJohn Beckのシンセは神懸かっています。

本作が気に入って、もっとプログレ感が欲しいと感じたら「Frost*」を是非聴いてみて下さい。
本作みたいな感じをお求めなら2006年以降のIt Bitesの作品を聴いてみて下さい。

UKロックの得意な叙情性があるに決して暗い気分にさせず、スッキリ爽やかな気分にさせてくれる魔法のサウンドなのです。

実力者達が鳴らした洋楽の素人から玄人まで全てを虜にする名盤を是非。

Leave A Light On


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Tera Melos / Drugs/Complex (2010年)



今回紹介する名盤は音のジェットコースターと比喩されるバンドのアルバムです。

ジャンル

マスロック
インディーロック
プログレッシブロック

アメリカ

Nick Reinhart
Nathan Latona
John Clardy


バンド

Tera Melosはロック、プログレ、ジャズ、アンビエント、エレクトロニカなど様々なジャンルを取り入れ型破りな曲を演奏するバンドです。

現在Tera Melosはギター、キーボード担当のNick Reinhartにベース担当のNathan Latona、ドラム担当のJohn Clardyですが、初期のTera MelosはギタリストJeff Wormsを含む4ピースだったので怒濤のタッピングツインギターの掛け合いはそんじょそこらでは体験出来ないほどのド迫力に急加速に急ブレーキのスピード感、そしてうねるリズムはSleeping Peopleと彼等くらいでしょう。

現在は3ピースで歌のある曲も増えてきているのでインストが苦手な人でも取っ付きやすくなったのではないでしょうか。

Tera Melosを紹介する時よくマスロックとして紹介されていますが、本人達はその様々なジャンルを吸収した音楽世界を圧倒的な演奏力で表現する音楽を新しい音楽として考えているのです。

マスロックは聴き辛いという印象がある人が聴いてもTera Melosは単純に格好いいと思いますし、BattlesDon Caballeroでは物足りないという人をも満足させるほどのテクニックの応酬です。
この聴きやすさはCap'n JazzやMODEST MOUSEなどのエモ的要素があるからかもしれません。

Tera Melosの核といえる中心人物は2人います。
まず1人目Nick Reinhartが影響を受けたアーティストはAphex TwinSquarepusherで2人目John Clardyが影響を受けたアーティストはKurt CobainとJohn Lennonと話しています。

Aphex TwinとSquarepusherの変態的音楽性にKurt CobainとJohn Lennonの良質なメロディー性を掛け合わせると案外Tera Melos的なのかもしれませんね。

LITEと仲が良いだけあって結構日本でもライブをしてくれるバンドなので、機会があれば是非足を運んでほしいバンドです。

アルバム

本作は2007年に発表されて現在は廃盤のレアEP「Drugs to the Dear Youth」のリマスター音源と2007年に発表されたBy the End of Tonightとのスプリットアルバム「Complex Full of Phantoms」で提供した曲を合わせた日本オリジナル版になります。

前半Drugs部分は初期のインストジェットコースターサウンドが聴けて、後半のComplex部分では2010年発表の「Patagonian Rats」のような歌ものが聴けるのでTera Melosの変化がわかりやすいでしょう。

前半が気に入ったなら2005年発表の「Tera Melos」を聴いてみて、後半が気に入ったなら上記した「Patagonian Rats」や2013年発表の最新作「X'ed Out」を聴いてみてはいかがでしょう。

本作も若者しか出来ないであろうハイテンションでスピード感溢れるアクロバティックな演奏が聴けます。
そしてハイスピードな演奏ばかりではなく、間にあるゆったりとしたアンビエントやエレクトロニカ的な空間を感じさせる演奏もさらりとこなしてしまうあたりが只者ではないのでしょう。

アグレッシブやアバンギャルドといった表現がピッタリな音世界です。

あまりの変拍子なので音で酔ってしまうのではないかと思うほどのジェットコースターサウンドな名盤を是非。

When Worms Learn to Fly


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Paatos / Kallocain (2004年)



今回紹介する名盤は北欧の鬱系プログレバンド元LANDBERKのReine FiskeとStefan Dimleが在籍していたバンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
アートロック

スウェーデン

Petronella Nettermalm
Peter Nylander
Huxflux Nettermalm
Ulf Ivarsson


バンド

プログレと紹介してしまうと物足りない方がいるかもしれませんがPaatosはジャズを基盤に展開される芸術的なロックサウンドにのせて絶望を歌う感じです。
PaatosはMassive AttackやPortisheadといったプログレッシブロック系ではないバンドから影響を受けているので、テクニック重視のプログレバンドとは違い、バンドの持つ空気感や世界観といったところに重きを置いているバンドであります。

そして、Paatosの最大の特徴はなんといっても女性ボーカルをフューチャーしているところでしょう。
とあるフォークロックのフェスでPetronella Nettermalmの消え入りそうなウィスパーボイスがPaatosの世界観に凄く相性と思いメンバーに入れました。

上質な女性ボーカルのバンドってとても貴重な存在だと思います。
儚く混沌とした暗黒世界のような音なのですが、北欧の持つ美しさが心地好いんです。

狂暴性の無い初期らへんのKing Crimsonのようなメロトロンが漂う感じが幻想的な世界観に拍車をかけます。

2001年に「Perception/Tea (EP)」でデビューして翌年の2002年には「Timeloss」を発表し、2004年に発表された「Kallocain」ではPorcupine TreeのSteven Wilsonがミックスを担当しています。

2006年に「Silence of Another Kind」を発表し、2008年には待望のライブアルバム「Sensors」を発表しました。
2011年に「Breathing」2012年に「V」を発表してから3年が過ぎているので、そろそろ新作が期待できるバンドです。


アルバム

本作はそんなPaatosの最高傑作と名高いアルバムで上記した通りPorcupine TreeのSteven Wilsonがミックスを担当した作品になります。

前作の「Timeloss」よりさらにプログレ感は落ちましたが、逆に芸術的な面ではより深まった気がします。
なので、とても聴きやすくPaatos入門にも最適かと思います。

まず、ジャケットに写し出されている色を持たない廃墟と一発目に流れてくる「Gasoline」のチェロの憂いを帯びた旋律でこの作品がただ者ではないことがわかります。

そして、20代の小娘では出せない大人の色気ある耽美な歌声に酔いしれることでしょう。

暗黒世界のようなダークなメロディーなのに聴き終えた感想は美しいと呟いてしまう名盤を是非。

Gasoline


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MAGMA / Live (1975年)



今回紹介する名盤はあまりに独自性があり過ぎたためZeuhl系という新しい音楽ジャンルを作った孤高のバンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
ズール
アートロック
ジャズロック

フランス

Christian Vander


バンド

MAGMAの中心人物Christian Vanderは幼少の頃からジャズなどの音楽をよく聴いていて13歳の頃からドラムを始め、17歳の時にはバンド活動を始めていました。

しかし、1967年に敬愛するジャズサックス奏者John Coltraneが亡くなったショックでイタリアを放浪しながら様々なバンドとセッションしていました。

ある時突然「John Coltraneの仕事は未だ道半ばであり、誰かがそれをやり遂げなくてはならない。今度は私の番だ」という啓示を受け再起します。
そして、フランスに戻りJohn Coltraneの意思を受け継ぎ自らが行うべき新たなる音楽活動を模索してMAGMAというバンドが誕生します。

MAGMAの特徴はなんといっても宇宙からきたコバイア星人の言語「コバイア語」というChristian Vanderが作り出した架空の言語でしょう。

ここまでだと、そこら辺にいる「おバカアイドル」と何ら変わりませんが、これがオペラ的なボーカルとギターやキーボードより前に出る個性的で強靭なリズム隊、そして分厚く呪術的で悪魔染みた男女のコーラスといった音楽になった瞬間に物凄いエネルギーを秘めたバンドサウンドになるんです。

このサウンドはZeuhlと言われMAGMAはZeuhl創始者とされています。
そんな複雑で凄まじい音楽も少しずつ減っていき、ファンクやソウルに接近していきます。

そして、1985年に発表された「Merci」ではコバイア語を使わないところまでいき、その直後に解散してしまいます。

因みにジョジョの冒険 第三部でダービーにコインにされていた中にChristian Vanderという文字があります。

アルバム

本作はMAGMAの最強の布陣の時の最高のライブを収めたライブアルバムになっています。

本作には今やフランスの伝説的バイオリニストとなっているDidier Lockwoodが演奏しているのですが、この時まだ10代なんです。
未成年とは思えない堂々とした演奏をしています。
私にとってここまで鬼気迫る演奏はKing Crimson以来でした。

ブレーキ無しで爆走する機関車のようなChristian Vanderのドラムにその周りを張り付いて暴れまわるBernard Paganottiのベース、それに負けない狂気染みたDidier Lockwoodのバイオリン、そして暗黒世界から魔獣でも召還するかのような重苦しいコーラスは圧巻の一言です。

もはや人間業じゃないコバイア星人が作り出した音楽なんでしょう。

地球外生命体が残した名盤を是非。

Hhaï


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O.S.I. / Free (2006年)



今回紹介する名盤はFates WarningのJim MatheosとDream TheaterのKevin Mooreが中心となり活動するバンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
プログレッシブメタル

アメリカ

Jim Matheos
Kevin Moore


バンド

O.S.I.はプログレメタルとエレクトロニカを掛け合わせたサウンドと本人達が説明いているようにDream TheaterやPorcupine Treeといったテクニカルでハードなプログレメタルとは一味違っています。

テクニックをこれでもか披露するタイプではなく音の空気感を第一に考えている様はまさに能ある鷹は爪を隠すといった感じです。

O.S.I.の音の空気感は暗く淡々としていて機械的で鬱になりかねない音世界であります。
無機質なサウンドにKevin Mooreの気だるく冷たい歌声には感情が無いのではないかと疑いたくなります。
サイボーグと言われるDaft Punkの方がまだ人間味があると思うくらい淡々としているんです。

影響を受けたと公言しているバンドはGenesisやJethro TullといったプログレバンドやBlack SabbathやUFOなどのヘビメタバンドです。

2003年に発表された「Office of Strategic Influence」ではドラムにDream TheaterやTransatlanticで活躍するMike Portnoyが参加しています。

また、Porcupine TreeのSteven Wilsonが作詞とボーカルとしてゲスト出演していたり、CynicやGordian Knotでチョップマンスティックやベースを弾いているSean Maloneが参加しています。

2009年に発表された「Blood」と2012年発表の「Fire Make Thunder」にはPorcupine TreeやKing Crimsonで活躍していたGavin Harrisonがドラムを叩いています。

こんなにも超一流の奏者が集まっているのにテクニックだけに走らず音の世界観を大事にしているところがO.S.I.の魅力だと思います。

1発でガツーン!と響く曲は無いかもしれませんが、1回や2回だけでは分からない良さがO.S.I.にはあります。

アルバム

本作はそんなO.S.I.の2枚目のアルバムでドラムを叩いているのはDream TheaterやTransatlanticで活躍する日本大好きマイキーことMike Portnoyです。

因みにMike Portnoyはローリングストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマーで8位にランクインしています。

私とO.S.I.の出会いは私が大学生時代課題に追われ、バイトで失敗が重なり、とことん落ちていた時に「夢も希望もなくなってくる作業用BGM」というのので本作の3曲目の「Go」という曲でした。

本当に落ちてる時に人は「がんばれ!」と言われると「頑張ってるのにもっと頑張らないといけないのか…」と余計にしんどくなるので、そういう時はただただ共感してくれると気が楽になります。

この原理と同じでアゲアゲの応援歌より暗く無機質なO.S.I.の曲がその時の自分と共鳴した感じがしてとても落ち着いたのを覚えています。

夢も希望も無くなって絶望の淵に立たされてる時、そっと寄り添ってくれる名盤を是非。

Go


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