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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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James Blake / James Blake (2011年)



今回紹介する名盤はダブステップの貴公子のアルバムです。

ジャンル

ダブステップ
ソウルミュージック

イギリス

James Blake Litherland



アーティスト
James Blakeは超一流音楽集団のプログレバンドColosseumの初期メンバーであるJames Litherlandを父に持ち、6歳でピアノを習い始めて、その後クラシックの教育を受けるエリート街道まっしぐらでした。

そして、2010年に発表したEP「CMYK」がラジオで話題になり、そこから様々な雑誌などのメディアに評価を得て、2011年に「James Blake」を発表しメジャーデビューを果たします。
すると、たちまちダブステップ界の寵児として注目されることになり、その年のマーキュリー賞にノミネートされました。

Brian Enoが参加して話題になった2013年発表の「Overgrown」ではマーキュリー賞で大賞に輝き、グラミー賞にもノミネートされました。

2016年には自身を深く掘り下げた作品「The Colour in Anything」を発表し、2019年にはTravis ScottやMetro Boomin、Andre 3000、Rosalía
などの豪華アーティスト達が参加している「Assume Form」を発表しました。

アルバム
本作はそんなJames Blakeの満を持してのデビューアルバムで、しかもセルフタイトルという意気込み十分という感じです。
当時の私はそんな期待を抱いて聴いてみたら「なんだこれは?」と呆気にとられました。

というのも異常に音の情報量が少ないんです。

初めは良さがわからなかったものの、時間が経つにつれて、知らずのうちに頭の中で流れるくらい病みつきになっていました。

言うならばソウルミュージックを黒人的に進化させたのがD'Angeloで白人的に進化させたのがJames Blakeといった感じがしました。

若き天才が自分の部屋でソウルミュージックと向き合った名盤を是非。

The Wilhelm Scream


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Victor Wooten / A Show of Hands (1996年)



今回紹介する名盤は手が8本あると称されるベーシストのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブジャズ
プログレッシブブルーグラス
プログレッシブロック
ファンク

アメリカ

Victor Lemonte Wooten



アーティスト

音楽一家で生まれたVictor Wootenはベースを3歳から兄に教わり、5歳の頃には家族バンドのThe Wooten Brothers Bandでプロデビューします。

Victor Wootenは4連スラップとハーモニクス、タッピングを駆使し、一人でメロディー、ベースライン、ビートをやってのけてしまうのです。

Victor Wootenが登場したことでベーステクニックの基準がインフレ化してベーシスト界に革命が起きたとまで言われるほどです。

Victor Wootenは様々なバンドやアーティストから引っ張りだこで超絶技巧集団Béla Fleck and the Flecktonesに始まりSteve Bailey、Vital Tech Tones、SMV、Greg Howe、Chick Corea Elektric Band、Michael Angelo Batio、Dave Matthews Bandなど名だたる音楽家達と演奏をしています。

なぜ様々な所から声がかかるかと言うと、勿論技術的に素晴らしいからということも当然ありますが、私はVictor Wootenの人柄が人を惹き寄せているのではないかと思います。

ライブでの挨拶で「どうもマーカスミラーです。」と話して笑いを誘ったり、
とてもお茶目で楽しい人間性が1つの大きな要因なのではないかと思います。

アルバム

本作はそんなVictor Wootenを余すことなく詰め込んだソロ初のアルバムになります。
次作からはベース以外の楽器がプラスされるので、純粋にVictor Wootenのベースだけを楽しむことができるのは本作が1番だと思います。

1曲目の「U Can't Hold No Groove...」から異次元ベースが炸裂し、そうかと思うとシットリと奏でる「The Vision」や「Overjoyed」などがあったりするので、ファンキーWootenとメロウWootenの両方楽しむことのできる作品です。

鍛錬の末ものにした魔法の手が織り成すショータイムが始まる名盤を是非。

U Can't Hold No Groove...


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Flying Lotus / You're Dead ! (2014年)



今回紹介する名盤はジャズの名家の血筋を継ぐヒップホップ界のヒーローのアルバムです。

ジャンル

ヒップホップ
実験音楽
エレクトロニカ
IDM
ジャズ

アメリカ

Steven Ellison



アーティスト

Flying LotusはCarlos Nino & Friendsで活躍する名プロデューサーCarlos Ninoに見出だされ、2006年に発表された「1983」はひたすらディープでサイケデリックなサウンドで一気に注目されました。

この事を切っ掛けでAphex TwinSquarepusher、Autechre、Prefuse 73などが在籍しているイギリスのトップレーベルのWarp Recordsと契約し、2008年「Los Angeles」2010年「Cosmogramma」2012年「Until The Quiet Comes」2014年「You're Dead !」とコンスタントに作品を発表していき、発表する度に着実に評価を上げていきます。

上記したようにFlying Lotusはジャズの名家に産まれ、叔父に20世紀最大のジャズの巨人John Coltrane叔母にAlice Coltraneなんです。

これはDNAなのかFlying LotusもJohn Coltraneのように現状に満足せず、常に前に進もうと新しい音楽を追求するアーティストなんです。

それはライブなどにも表れていて、Layer³という3D映像を使った複雑なプロジェクションマッピングシステムとパフォーマンスが合わさったもので、Flying Lotusのサウンドにピッタリのユニークでサイケデリックな演出で、まさに視覚と聴覚の2つに刺激を与えるライブパフォーマンスは大好評でした。

さらに現在力を入れているのが映画制作で2016年に「Royal」という短編映画を発表し映画監督デビューを飾り注目を集め、2017年1月ついに「Kuso」という長編映画を発表しました。

映画「Kuso」の音楽に自身は勿論のこと、テクノ界のモーツァルトAphex Twinやサイレントヒルシリーズの音楽を手掛けた山岡 晃、Flying Lotusの作品などで活躍するサラブレッドベーシストThundercatなどの面々が曲を提供しているんです。

アルバム

本作にはジャズ界を50年以上牽引Herbie Hancockや2016年グラミー賞では11部門にノミネートされた今1番ノリに乗っているKendrick Lamar、Red Hot Chili PeppersGorillazとの共演で知られるSnoop Dogg、Weather ReportオリジナルメンバーのWayne Shorterと共演したりするジャズ界期待のサックス・プレイヤーであるKamasi Washington、多くのアーティストのライブアレンジなどで活躍するストリングスの魔術師Miguel Atwood-Fergusonなど豪華ゲスト陣が参加したことでも話題になりました。

本作のタイトルの意味は「お前は死んじまったんだよ…」というネガティブな意味ではなく「HEY!お前は死んでるんだぜ!」というポジティブな意味なんだそうです。
つまり本作は死=終わりではなく、死=新しい体験に向けた祝いなんです。

親日家で知られるFlying Lotusは本作のジャケットデザインを漫画家の駕籠真太郎を起用したり、人気格ゲーのストリートファイターの音をサンプリングしたりしました。

ジャズとヒップホップが化学反応を起こして爆発したかのようなサイケデリックな名盤を是非。

Never Catch Me


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Moodymann / Silent Introduction (1997年)



今回紹介する名盤はTheo Parrishと同様にデトロイトのアンダーグラウンドから現れたバイナリーDJのアルバムです。

ジャンル

ハウス
ディープハウス
テクノ

アメリカ

Kenny Dixon Jr.



アーティスト

Moodymannは元々レコード店の店員さんだったのですが、ひょんなことからCarl Craigが運営するPlanet Eというレコード会社から1997年に「Silent Introduction」を発表してアンダーグラウンドの聴衆から支持を集めます。

そして、1998年にはPeacefrog LabelからMahoganyシリーズ第一弾として「Mahogany Brown」を発表し、2000年にはソウルやファンクなどブラックミュージックを凝縮した「Forevernevermore」など定期的に作品を発表してアンダーグラウンドの音楽ファンから圧倒的支持を集めていました。

また、2014年にはAndresやJose James、Fiddler brothersといったゲストを迎えて製作されたセルフタイトルの意欲作「Moodymann」や2015年にはDJミックスシリーズ 「DJ Kicks」を発表し、話題になりました。

世間はどんどんお手軽なデジタルに移行しつつありますが、MoodymannはデビューからアナログでDJすることを貫いており、未だにレコードで作品を発表し続ける姿勢は一つの美学と言えるでしょう。

因みに日本でテクノを広めた第一人者 野田努も絶賛していました。
洋楽だからとか邦楽だからとか、日本人だからとか外国人だからとか言うのは好きではないですが、白人の鳴らす音楽は何とも言えない美しさで、黒人の鳴らす音楽は得も言えぬセクシーさがあると思うんです。

もちろんMoodymannも例に漏れず、ブリブリのグルーヴ感や艶かしいアダルト感があり、この感性は黒人ならではの武器かなと思います。

アルバム

本作はそんなMoodymann a.k.a KDJのデビュー作になります。
この2010年代はたくさんのEDMアーティストが出てきましたが、なかなかビビッとくるアーティストに出会えませんでした。

というのも、どうも「4つ打ちやっとけば大丈夫!」みたいな安易に4つ打ちを乱れ打つアーティストが多く感じてしまって、4つ打ちは確かに気持ちいいんですが、ライブとかで聴いているとどうも一本調子な感じがしてしまいイマイチ乗れないということが多々ありました。

しかし、Moodymannの鳴らす真っ黒な音楽はユニークなサウンドコラージュとファンキーなビートで聴き入ってしまいます。

ジャケットのアフロとサングラスの男を見ただけで只者じゃ無い感がビンビン伝わるはずです。

不機嫌な男Moodymannが鳴らすほどよくジャジーで最高にファンキーな漆黒のハウスの名盤を是非。

M Traxx


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Nujabes / Modal Soul (2005年)



今回紹介する名盤は今をときめくテニスプレーヤー錦織 圭選手のお気に入りアーティストのアルバムです。

ジャンル

ヒップホップ
チルアウト

日本

瀬葉 淳


アーティスト

Nujabesというアーティスト名の由来は本名の瀬葉淳をローマ字表記にした「SEBAJUN」を逆さから読んだものであります。

パリでのファッションショーの音楽を担当したこともあるくらい世界的に評価をされているトラックメーカーなのです。
その証拠に英語版Wikipediaがあるほどですし、なんなら英語版の内容の方が細かく書かれているくらいです。

そんな国内外と幅広く知られるトラックメーカーNujabesは世界中の良い音楽を安価で提供でき、音楽愛好家やミュージシャンが交流できる場として「GUINNESS RECORDS」というレコード店を出すなど、音楽を心から愛していました。

そんなNujabesが2010年に交通事故で亡くなったと聞いたとき途方に暮れたのを覚えています。

Nujabesのヒップホップをベースにジャズやソウル、ハウスなどを取り込んだ叙情的なチルサウンドは世界中で聴かれ2015年2月26日にはNujabes5周忌追悼イベントが開催され「Luv(sic)」シリーズでの盟友Shing02に始まりUyama Hiroto、haruka nakamura、Cise Starr、Fat Jon、Funky DL、Pase Rock、Substantialなど日本以外からも多くのアーティストが集結しました。

アニメ「サムライチャンプルー」では渡辺信一郎監督から熱いラブコールを受け、Fat Jonと共に高クオリティーなサントラを作り上げました。

Nujabesは亡くなってしまいましたが、Nujabesの音楽は受け継がれていて、Nujabesに発掘されたharuka nakamuraはNujabesのビートとフリートなどが聴ける「MELODICA」という名盤を2013年に生み出していて、Nujabesのトリビュートアルバム「Modal Soul Classics II dedicate to...Nujabes」にはクラムボンやtoeも参加しています。

ジャズやヒップホップは少し取っ付きにくい面もありますがNujabesの音楽センスのフィルターを通すととても美しくて聴きやすく入門するのにはいいと思います。


アルバム

本作はNujabesの代表作とも言える2枚目のアルバムで本作以降Nujabesフォロワーと言えるジャジーヒップホップが流行り出すくらい影響力の大きい作品でした。

当然人気シリーズの「Luv(sic)」も収録されています。

真っ赤なジャケットなのに派手じゃなく落ちついて見えて、私には何処と無く上品な感じがするんです。
品のあるピアノの旋律に落ち着いたビートにチルアウトせざるを得ないでしょう。

ヒップホップに偏見がある人にこそ聴いて欲しい1枚でヒップホップに対する印象が変わること間違い無しです。

また、「日本人でヒップホップかよ(笑)」と思われる人も是非一度聴いてみて下さい。

Nujabesは例外になるはずです。

Nujabesの鼓動のようなビートに乗せて流れるメロディーが体の中を駆け巡る名盤を是非。

Luv (Sic) Part 3 featuring Shing02


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