忍者ブログ

『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Pixies / Doolittle (1989年)



今回紹介する名盤はNirvanaのKurt Cobainが「俺らは彼らをパクっただけ」と公言するほど影響を受けたバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
インディーロック

アメリカ

Black Francis
David Lovering
Joey Santiago
Kim Deal



バンド

「Pixies」を直訳すると「妖精達」となりますが、とても妖精とは言えないような外見のメンバーです。
というのも、バンド名に特に意味はなくてJoey Santiagoが辞書を適当に開いて目についた言葉をバンド名にしただけだそうです。

Pixiesはアメリカのバンドですが、Pixiesの実力を評価しデビューの切っ掛けを与えてくれたのはイギリスのレーベルでした。
そして、地道な活動を続けた結果1988年に発表したデビューアルバム「Surfer Rosa」には後にNirvanaやMogwaiSlintDon Caballeroといったバンドを手掛ける敏腕エンジニアSteve Albiniを迎えて製作しました。

Pixiesの代表作と言われる1989年に発表された「Doolittle」には後にFoo FightersやPatti Smith、Jimmy Eat Worldなどを手掛けるGil Nortonを迎えて製作しました。

以降1990年発表「Bossanova」1991年発表「Trompe le Monde」や再結成してからの2014年発表「Indie Cindy」など作品のプロデュースを担当しました。

そして、Pixiesの音世界はヘヴィメタルともロックンロールとも違うギターミュージックとして様々なバンドに多大な影響を与えました。

上記しているNirvanaに始まり、Radiohead、U2、Weezer、Blur、The Strokes、Nada Surf、Number Girlなど挙げると切りがありません。
ローリングストーン誌では「1990年代以降のギターロックの本山」と称しています。

しかし、当時のアメリカではJourneyやMichael Jackson、Bon Joviなどのようなハイファイ志向が主流の中でこんなローファイなPixiesはあまり評価されませんでした。

90年代における重要曲と言われる「Smells Like Teen Spirit」はPixiesの「Debaser」にインスピレーションされて出来た曲なのです。

アルバム

本作はPixiesの代表作と言われる2枚目のアルバムです。

NME読者にPixiesの曲の人気投票を行った結果トップ10のうち7曲が本作から選ばれました。
「Smells Like Teen Spirit」にインスピレーションを与えた「Debaser」が本作の1曲目に収録されています。

「Here Comes Your Man」のひねくれたポップサウンドはインディーロックの歴史に残る名曲だと言っても過言ではないでしょう。

Built to Spillもきっとこの曲に影響を受けたに違いないと思うのでPixiesが好きなら是非Built to Spillもチェックしてみて下さい。
乾いたギターサウンドと絶叫ボーカルなのに化学反応が起こってポップなメロディーが流れるのです。

当時から何も新しいことをしているわけでもないのに、オリジナリティー溢れているので未だに異彩を放っています。

1回聴いてみて良くないと感じても、また何年後かに聴いてみて下さい。
すると、いつか「おっ!?」となる日が来るはずです。

轟音ギターサウンドとおっちゃんの絶叫ボーカルに妖精の魔法を加えるだけでひねくれポップに大変身した名盤を是非。

Here Comes Your Man


拍手[3回]

PR

Sonic Youth / Murray Street (2002年)




今回紹介する名盤はKurt Cobainに影響を与えてNirvanaの兄貴分的バンドのアルバムです。

ジャンル

ノイズロック
オルタナティブロック
インディーロック

アメリカ

Kim Gordon
Thurston Moore
Lee Ranaldo
Steve Shelley


バンド

Sonic Youthはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストで第99位にランクインしているThurston Moore、グランジのゴッドマザーと称されるKim Gordon、改正前の2003年度の同名ランキングではThurston Mooreの1つ上になる33位にランクインしていたLee Ranaldo、そして様々なバンドで活躍するSteve Shelleyの4人が中心に活動するバンドです。

80年代前半から活動を開始し、82年に「Sonic Youth」を発表しますが見向きもされませんでしたが、自分達の音楽を信じて85年に「Bad Moon Risin」を発表し、やっとインディーレーベルと契約します。

そして、少しずつSonic Youthの実力が広まり、88年にSonic Youthファンの間では最高傑作と言われる「Daydream Natio」が発表されます。
この作品が認められメジャーレーベルから話がきて契約しましたが、Sonic Youthは一筋縄で契約はしません。

なんと、音楽の方向性などはバンドに主導権があるという条件で契約しました。
この事により、流行などに左右されず大衆性を無視して自分達の音楽を追求していった結果、リリースしたアルバムはたいして売れませんでした。

しかし、評論家や他のアーティストからは評価され、メディアの高評価とアルバムの売上枚数に最もギャップのあるバンドだと言われたこともあるのです。

商業主義に左右されないSonic Youthの姿勢は後のバンド達に尊敬されました。
Sonic Youthはパンクの世界にアート志向と実験性を持ち込んで変則チューニングで狂気的なノイズを鳴らすバンドなんです。

Thurston Mooreは「エレキギターを聴くということはノイズを聞くこと」と発言しています。

アルバム

本作はSonic Youthの長い歴史の中で色々合わせると16枚目のアルバムになります。

Sonic Youthのファンからすると何故本作を選ぶんだ?と思われるかもしれませんが、私にはSonic Youthは少し難解で一通り聴きましたが私の琴線に触れた作品がこれだけでした。

3年前Sonic Youthをまだ勉強中の私には本作くらいポップさがないとSonic Youthの世界に入門できなかったのです。

本作は母国アメリカでは126位とチャートインは逃しますが、ノルウェーのチャートでは16位と好成績を残しています。
北欧の音楽が好きな私も本作は気に入ったので、北欧の何かが少し関係あるのかもしれません。

本作から親日マルチプレイヤーのJim O'Rourkeが参加し、担当楽器は「道楽」と言われているのはファンの間では有名な話であります。

本作を製作中にアメリカ同時多発テロ事件があり、使っていたスタジオに飛行機のエンジンが落ちて立ち入り禁止となってレコーディングが中断されるという災難にあっています。

ノイズの帝王Sonic Youthと奇才Jim O'Rourkeがタッグを組んで鳴らしたポップなノイズ世界の名盤を是非。

Rain on Tin


拍手[1回]

pigstar / 雨が好きだった (2005年)



今回紹介する名盤はOasisのGallagher兄弟と違い仲良し兄弟のバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティヴロック
エモ

日本

関口友則
関口良二
渡辺貴之
鎌田喜和

バンド

pigstarは2005年に「雨が好きだった」が「ニュースプラスワン」のテーマ曲に採用されて一時話題になりました。
また、2007年には18禁PCゲーム「ピリオド」に「永遠の存在者」「バロック」が使用されます。
18禁PCゲームはだいたい女性ボーカルの曲ばかりなのでこれはとても珍しいと言えます。

そして、2008年に「君=花」がアニメ「純情ロマンチカ」のオープニング曲に使用され、次作「純情ロマンチカ 2」では「衝動」がオープニング曲に使用されるなど前代未聞の連続タイアップをします。

2009年には映画「愛到底 L-O-V-E」の主題歌に「I can't」が使用され、台湾でワンマンライブを成功させます。

アニメ、映画、ゲームと数多くタイアップされたのにも関わらず上手くブレイク出来ずに2010年に活動休止を発表します。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONやBUMP OF CHICKENと変わらないくらいキャッチーで耳馴染みのいいロックミュージックなのにも関わらず、一般のリスナーに浸透しなかったのはとても残念です。

浸透しなかった理由の1つに「ビジュアル面」があると思います。
「pigstar」直訳すると「豚の星」からわかるようにギタボでフロントマンの関口友則が少し太っているので、豚の星になるという意味を込めてこのバンド名にしたそうです。

多くの人が音楽を「耳で聴いている」ではなく「目で聴いている」のでテレビでチヤホヤされているアイドルや派手なバンドがオリコンのトップを独占してしまい、音楽を本当の意味で聴かなくなる人が増えてしまったように思います。

今の音楽は自ら探さないといい音楽には巡り会えませんが、探せばいい音楽は日本にも溢れるほどあります。

アルバム

本作は上記したようにpigstarの良さが詰まっているのでpigstarを知るにはぴったりかと思います。

pigstarはネガティブなことをポジティブに歌ってしまうところに私はとても共感してしまうのです。

「雨が好きだった」「ポルカ」なんてまさにネガティブな歌なのにポジティブなサウンドで前向きになれます。
私の1番のおすすめは「台風一過」という曲でネガティブなことを全て台風が吹き飛ばしてくれて、台風が過ぎ去った後の快晴のような気持ちになれるんです。

ピアノエモバンドやASIAN KUNG-FU GENERATION、BUMP OF CHICKENが好きな人はきっと琴線に触れるはずですし、30分ほどで聴き終わるのでスッキリ聴けるはずです。

気分が雨の時に聴くと気持ちが晴れる名盤を是非。

雨が好きだった


拍手[1回]

Nirvana / MTV Unplugged in New York (1994年)



今回紹介する名盤はロックの歴史を語る上で避けては通れないバンドのアルバムです。

ジャンル

グランジ
オルタナティヴロック

アメリカ

Kurt Cobain
Krist Novoselic
Dave Grohl


バンド

音楽を聴き始めて洋楽に興味が出てきて始めての洋楽がNirvanaという人も多いのではないでしょうか。
因みにドラマーのDave Grohlは後のFoo Fightersです。

それほど有名なバンドでロックの歴史で「Nirvana以降」というように1つの基準として使われるほどでローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストで第30位にランクインしています。

1991年に発表された歴史的名盤「NEVERMIND」に収録されている「Smells Like Teen Spirit」がMTVに公開されたとたんに当時のアメリカ音楽界がひっくり返り、それまで音楽界を牛耳っていたヘヴィメタル勢が蹴落とされ一夜にしてグランジが新たなトレンドとなる革命が起きたのです。

Nirvanaが先陣を切るとPearl JamやSoundgarden、Alice In Chainsといったバンドが表舞台にのし上がりグランジ全盛期を迎えます。

しかし、反商業主義のKurt Cobainは「NEVERMIND」の大ヒットを素直に喜べず、むしろ憤りを感じ精神的に病んでしまいます。
そして次作「In Utero」はKurt Cobainの意向によってよりアンダーグラウンドな音作りにするためにSteve Albiniをプロディーサーに起用しますが、1994年4月8日に鬱病と薬物中毒の影響で自ら命を断ちました。

遺書にはNeil Youngの曲の歌詞「錆びつくより今燃え尽きる方がいい」が書かれていて、部屋にはR.E.M.の「Automatic for the People」が流されていました。

Kurt Cobainが亡くなった年齢は27歳で、これはRobert JohnsonやJimi Hendrix、Brian Jones、Jim Morrison、Janis Joplinなど奇しくもと同じでありました。

ロックスターにまで上り詰めて、結婚もして子どもも産まれ、言うならば全ての幸せを手に入れたのに死を選んだのです。

Kurt Cobainの死は当時の商業主義の音楽界に戒めとして世のバンド達は自粛ムードへと流れていきました。
Nirvanaは音楽業界をひっくり返すほどの力を持ち、歴史を創ったバンドなのです。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部の主人公ジョルノ・ジョバァーナの元ネタです。

アルバム

本作はローリングストーン誌が選ぶオールタイムベストアルバム500で313位にランクインした作品です。

Nirvanaを初めて聴く人や洋楽を初めて聴くという人には「NEVERMIND」をおすすめしますが、Nirvanaは「NEVERMIND」しか聴いたことがなくて「ただの汚くてうるさいバンド」という印象しかない人には是非聴いてもらいたい1枚です。

Nirvanaの印象がガラリと変わり私はいつまでも飽きずにたまに無性に聴きたくなる時があるNirvanaのアルバムです。

アンプラグドという言葉を聴くとEric Claptonを思い浮かべる方も多いかと思いますが、こちらのアルバムも最高の出来であります。

David BowieやThe Vaselines、Leadbelly、Meat Puppetsなどのカバー曲も含まれていてKurt Cobainの趣味嗜好が垣間見れて楽しいです。

Kurt Cobainは生前グランジバンドではなく、いつかJohnny Cashのようにアコースティックギター片手に歌いたいと言っていました。

Kurt Cobainの目指していた本当の音楽が詰め込まれた名盤を是非。

About a Girl



拍手[1回]

ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS Ⅱ (2004年)


今回紹介する名盤は「日本のロックシーンの第一線に立ち続け、無数のフォロワーを増やし続けている」と言われるバンドのアルバムです。

ジャンル

ミクスチャーロック
オルタナティブロック
プログレッシブロック

日本

向井秀徳
吉兼聡 通称 カシオマン
松下敦 通称 柔道二段
吉田一郎
(アヒト イナザワ)
(日向秀和) 通称 町田のヤンキー

バンド

向井秀徳はNUMBER GIRLというバンドで活躍しており、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやBase Ball Bear、凛として時雨、9mm Parabellum Bullet、LUNKHEAD、WHITE ASHなど現在日本のロック界で活躍しているバンドに多大な影響を与えたバンドであります。

その向井秀徳が現在動かしているバンドがZAZEN BOYSであります。
どういうバンドかといいますと「法被を着たLed Zeppelin」と向井秀徳は例えております。
これは音楽性の話ではなくLed Zeppelinのように4人全員の個性の集合体という意味だそうです。

ZAZEN BOYSはhàlのバックバンドとして向井秀徳と54-71が組んだことが始まりでした。
そして、自分のしたい音楽を鳴らすためにNUMBER GIRL時代から相性抜群のアヒトを連れてメンバー集めを開始し、吉兼聡をメンバーに入れ本格的にZAZEN BOYSを始動させます。

DRY&HEAVYのライブを一緒に見ていた日向秀和をメンバーに誘おうと「自分さ、あんくらい出せんの?」と向井秀徳が問いかけると、挑発されたと勘違いしてしまい、なめられないよう「出せますよ」と言ったそうです。

後日、向井秀徳とアヒトと行ったセッションは死ぬほど緊張したそうです。

現在はアヒトと日向秀和は脱退し、松下敦と吉田一郎が加入し活動していました。
2017年に相性抜群だったベーシスト吉田一郎が脱退し、385のベーシストMIYAが加入し話題になりました。

向井秀徳のダサいラップ(勿論いい意味で)が日本特有の念仏のようで結果として他にはない音楽が生み出されています。

活動拠点は向井秀徳が設立した「MATSURI STUDIO」でレコーディングしたりしています。
因みにMATSURI STUDIOは当初BIKKURI STUDIOという名称だったのですが、向井秀徳自身が少しずつびっくりしなくなったのを理由に今のMATSURI STUDIOという名称で落ち着きました。

アルバム

本作はタイトル通りZAZEN BOYSの2枚目のアルバムですが、1枚目のアルバムはまだ半分NUMBER GIRLといった感じが個人的にするので、ZAZEN BOYSとして本領発揮された本作をよく聴きます。

この頃のZAZEN BOYSは基本「繰り返される諸行無常、よみがえる性的衝動」としか言っていないと言っても過言ではありません。

ゲストボーカルに椎名林檎を起用していて、雰囲気ぴったりで最高です。
「CRAZY DAYS CRAZY FEELING」のイントロのギターの音は本当に6本の狂ったハガネの振動のようでめちゃくちゃかっこいいんですよ。

安眠棒も最高にかっこいいんですが、安眠棒の意味を説明している向井秀徳は最高にダサいんですよ(勿論いい意味で)。

安眠棒とは向井秀徳の夢の中で出てきたヨボヨボのお師匠さんが使っていた最強の武器ということらしいです。

日本古来からの念仏をロックに鳴らすThis is ZAZEN BOYSの名盤を是非。

CRAZY DAYS CRAZY FEELING


拍手[0回]

Copyright © 『私的名盤おすすめ処』 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]