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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Antônio Carlos Jobim / Wave 邦題 波 (1967年)



今回紹介する名盤はJoão GilbertoやVinícius de Moraesと共にボサノヴァ創始者の一人とされるアーティストのアルバムです。

ジャンル

ボサノヴァ

ブラジル

Antônio Carlos Brasileiro de Almeida Jobim


アーティスト

Antônio Carlos JobimはTom Jobimとも呼ばれていました。(以下Tom Jobim)

Tom Jobimはブラジル近代音楽の父の異名を持つPixinguinhaやクラシック音楽にブラジル音楽を取り入れた大作曲家Heitor Villa-Lobos、そして代表作「海」「夜想曲」などで知られるDebussyから影響を受けました。

14歳頃からピアノと作曲を始め、将来は音楽家を志す少年時代を過ごしますが大きくなるにつれて、家族を養うことを考えて建築を学びました。
結婚もして働き始めましたが、やはり音楽のことを忘れきれずピアノ奏者としてひっそりと活動していました。

そして、売れないピアニストとして終わらないのがTom Jobimなんです。
ブラジルのクラシック音楽とポピュラー音楽に関わっていたRadamés Gnattaliに見出だされ、楽譜がわからないアーティストの曲の譜面起こしや編曲の仕事などを任されました。

地道に頑張っていたTom Jobimについにチャンスが訪れます。
ボサノヴァ創始者の一人Vinícius de Moraesが制作した舞台「オルフェウ・ダ・コンセイサォン」(後に「黒いオルフェ」として映画化され大ヒットする)の音楽を担当し、有名作曲家の仲間入りを果たしました。

そして、Tom JobimとVinícius de Moraesで作り上げた「想いあふれて」をボサノヴァ創始者の一人João Gilbertoに演奏してもらいボサノヴァが誕生しました。
するとブラジルでボサノヴァムーブメントが起こりました。

そして、Tom Jobimの代表曲「イパネマの娘」はThe Beatlesの「Yesterday」に次ぐほどカバーされるボサノヴァの代表曲です。

Tom Jobimは音楽の他にもう1つ好きなものがあります。
それは飛行機を眺めることでした。
飛行機好きが高じてヴァリグ・ブラジル航空のCMソングとして作詞・作曲した「ジェット機のサンバ」を提供したり、Tom Jobimの死後、彼の功績を称えるためにガレオン空港は「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」と改名されました。

また、ブラジルではTom Jobimの死に際して大統領は国民に3日間の喪に服すようにと話したそうです。

アルバム

本作はTom JobimがA&Mに移籍して1発目のアルバムになります。

ジャズ界では有名なベーシストRon Carterがベースを担当しています。
ボサノヴァというと呟くようなボーカルが特徴的ですが、本作は「Lamento」を除く全てがインストなんです。

純粋なボサノヴァとは少し違っていて、ボーカルの代わりにストリングスを導入し、とても高度で繊細な音楽に仕上がっています。

しかし、本作は「究極のイージーリスニングミュージック」として親しまれました。

高い音楽理論に基づき、超一流の奏者がここまで洗練された演奏をしているのに「究極の簡単に聴ける音楽」だと?と疑問に思いしましたが、カフェやレストラン、部屋、車中、屋外そして、朝昼晩いつでも気軽に聴けて雰囲気を作ってくれる音楽はめったにありません。

しかも音楽好きは勿論、音楽に興味の無い人でも不快にならない音楽なんです。

引力や風など様々な難しい要因が複雑に重なって発生する穏やかな波のような名盤を是非。

Wave


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栗コーダーカルテット / 笛社会 (2007年)



今回紹介する名盤は「やる気のないダースベイダーのテーマ」とネットやラジオで話題になったバンドのアルバムです。

ジャンル

ニューエイジ
イージーリスニング

日本

栗原正己
川口義之
関島岳郎
(近藤研二)


バンド

栗コーダーカルテットはメンバー全員が作曲編曲のできて、尚且つメンバー全員マルチプレイヤーというスーパーバンドであります。
それなのに気の抜けたサウンドが非常に心地好いんです。

栗原正己は「ピタゴラスイッチ」や「おかあさんといっしょ」などの子ども向け番組から「あずまんが大王」や「毎日かあさん」などのアニメ、そして数多くのCMまでと幅広く楽曲提供を行っています。

川口義之「恋する雑貨」や「野田と申します」のテーマ曲を提供したり、渋さ知らズのメンバーとしても活躍しています。

近藤研二は相対性理論と共演したり、ももいろクローバーZの曲をアレンジしたり、栗コーダーカルテットやhi-posiをはじめとする様々なバンドで活躍しています。
また、アカデミー短編アニメ賞を受賞した「つみきのいえ」の音楽を担当しています。

関島岳郎はポップミュージック界では貴重なテューバを演奏出来るとあってライブやレコーディングなどで様々なアーティストと共演しております。
また、自身も生楽器と電子音をうまく合わせたぼんやりとしたアンビエント系の音楽を作曲しています。

栗コーダーカルテットは1997年に初めて発表したアルバム「蛙のガリアルド」を期にアニメやドラマのBGMを担当することが増えました。

2000年に「おかあさんといっしょ」の挿入歌である「あめふりりんちゃん」を担当し、2002年には今や万人が知っているピタゴラスイッチの音楽を担当しました。

そして、2005年に発表したオムニバスアルバム「ウクレレ・フォース」の「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」が「やる気のないダースベイダーのテーマ」と話題になり一躍有名になりました。

今やテレビを見ていると聴かない日はないというくらいバラエティーや教育番組、CMなど様々な番組で使われるくらい使いやすい音楽なのでしょう。


アルバム

本作はそんな栗コーダーカルテットの2007年発表の5枚目のアルバムで有名になってから初めてのオリジナルアルバムで注目されていました。

1曲目の「ベルニナ急行食堂」からゆるい疾走感があり、思わずニヤニヤしてしまいます。
3曲目の「アップ・オン・ア・ムーンヒル 〜桂林を下って月の丘に昇る〜 」のほのぼの系音楽がゆる~り流れてリラックスできます。

朝日を浴びモーニングを食べながら聴くも良し、昼間に散歩しながら聴くも良し、夜に少ない明かりの中で聴くも良しといったように時場所を選ばないで聴けます。

本作を聴くとストレスを「解消」するのではなくストレスを体から流れ出してくれる気がします。

このストレス社会を忘れさせてくれる笛社会はデトックス効果のあります。

仕事の疲れや悩みなどの心の老廃物を流し出してくれる名盤を是非。

おじいさんの11ヶ月


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Justin King / Le Bleu (2001年)



今回紹介する名盤はMichael Hedgesのスタイルの全てをマスターし、それを更に発展させつつある超絶テクニシャンと評されるギタリストのアルバムです。

ジャンル

アコースティック
ニューエイジ
ワールドミュージック

アメリカ

Justin King


アーティスト

Justin Kingは10代のころからドラムやギターを始め、アコースティックギターを本格的に始めたのは19歳頃でありました。
そして、現在も付き合いのあるDrew Dresmanと作曲や演奏など音楽活動を行っていました。

20歳になると早くもデビューアルバム「Justin King」を発表し、翌年には「Opening」を発表します。
その後Justin Kingはヨーロッパ各地を旅して周り、世界のいろいろな音楽に触れます。
そして、自分の音楽世界を大きく広げた後にフラメンコやケルト音楽を取り入れたインストゥルメンタルアルバム「Le Bleu」を発表します。

「Le Bleu」を収録したスタジオを気に入ったJustin Kingはアメリカに帰ると約2年をかけて自分のスタジオを作りました。
その間はJames TaylorやB. B. King、Diana Krall、Al Greenなどの前座を務めたり、アメリカをツアーで周ったりしていました。

スタジオが完成するとCarlos VamosとMichael Manringとともに「I-XII」をレコーディングします。
この頃からソロ活動の他にバンドを組んだり、他のアーティストとコラボしたり、ギター以外のキーボード、ベース、ドラムなどの楽器を一人で演奏をしたりと様々な挑戦をしていきます。

その探求心はとどまることを知らず、2007年からフォトジャーナリストとして活動を始め、2008年にはイラクの戦場で臨場感ある写真を撮り続けウェブサイトやニュース雑誌などで使用されました。
そして、現在は大学で油絵と写真の勉強をされているそうです。

アルバム

本作はJustin Kingを一躍有名にしたアルバムであります。
Justin Kingがなにから人気に火が付いたかというとYouTubeにあげられた「Knock on Wood」「Phunkdified」「Loco Motives」の演奏技術の高さでしょう。
そして、演奏をしているJustin Kingのルックスの良さもあると思います。

上記した3曲もいいですが私は3曲目の「After the Harvest」と8曲目の「Amazing Grace」の透き通るようなアコギサウンドが好みです。

本作は基本インストゥルメンタルなのですが、最後の曲「Ashes」はJustin King本人が歌っているのですが、これがまた腹立つほどイケメンボイスでまだこんな武器を隠していたのかと驚きました。

アコギと歌声だけで表現するヨーロッパ周遊へと連れていってくれる名盤を是非。

Knock on Wood


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Armonite / Inuit (1999年)



今回紹介する名盤は2本のバイオリンを主軸にサウンドを作り出す珍しいバンドのアルバムです。

ジャンル

ケルト
プログレッシブロック
ワールドミュージック

イタリア

Andrea Bacchio
Gabriele Rossi
Giovanni Lanfranchi
Jacopo Bigi
Paolo Fosso


アーティスト

私がArmoniteを知ったのはケルト音楽にハマっていた時期にニコニコ動画の「【作業用BGM】冒険に出かけたくなる カッコイイ曲集」という動画でしりました。

RPGで使われてるような壮大な曲から疾走感のある曲まで幅広くあります。

バイオリンがあるバンドでさえ珍しいのに、このバンドはバイオリンを2本もあるので他のバンドには無い唯一無二のバンドであります。

Giovanni LanfranchiとJacopo Bigiがバイオリンを巧みに使い紡ぎ出される息の合ったアンサンブルは勿論素晴らしいのですが、Armoniteの影の立役者はPaolo Fossoだと思います。

一言で言うと痒いところに手が届くキーボードなんです。
ツインバイオリンを邪魔すること無く、バンドサウンドを2倍3倍にも昇華させてしまう音をさらりと奏でるのです。

気にしなければ何事もなく聴き流してしまうかもしれません、実際私もバイオリンのアンサンブルばかりに耳を奪われていました。

よく聴いてみるとここのキーボードの音気持ちいいなと思うところが多々ありました。

こんなにも素晴らしいバンドなのに発表したアルバムは1999年に発表した「Inuit」だけなのです。


アルバム

本作は上記したようにArmoniteが発表した唯一のアルバムです。

私が一目惚れした曲は2曲目の「Amebah」です。
この曲は緊張感溢れるバイオリンの旋律の後にやってくるフルートの旋律は花畑のような心休まります。

ほんのり香るへん変拍子でプログレ好きも納得の内容だと思います。

リズム隊による確かなグルーヴにバイオリンの二重奏を引き立てるフルートとキーボードで音の物語を作り上げます。

インストなのにも関わらず風景や世界観を、さらにストーリーまでもイメージさせる音楽を聴ける名盤を是非。

Amebah



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Antoine Dufour / Naissance (2004年)



今回紹介する名盤はスカイプを通してギター教室の先生として活動もしているギタリストのアルバムです。

ジャンル

フォーク
ケルト
インスト
アコースティック

カナダ

Antoine Dufour


アーティスト

Antoine Dufourは15歳からギターを始めて、当時教わっていたギター教室の先生におすすめされたLeo KottkeやDon Ross、Michael Hedgesを聴いてギターを学びました。

そして、努力の末ギターの才能が開花し、2005年に行われたカナディアンギターフェスティバル国際フィンガースタイルギター部門で2位にランクインし、更に2006年同大会で優勝し一躍有名になりました。

Antoine Dufourは同じジャンルで頭ひとつ飛び抜けて人気のあるAndy McKeeや、ライブでのパフォーマンスや、YouTubeなどを使い少しずつ人気を獲得していきます。

2007年にはAndy McKeeとコラボしたDVD「Antoine Dufour / Andy McKee Split」で話題になりました。

Andy McKeeは変則チューニングから鳴らされる哀愁溢れる繊細な旋律が売りですが、Antoine Dufourはハーモニクスを多用し、パーカッションも駆使するスタイルで爽やかなケルト調の旋律に港のようなイメージを感じさせる音世界です。

まるで、港町の少年が冒険に旅立つような明るい爽やかさです。
曲によってはバイオリンやフルートといった楽器と重奏するケルト風のサウンドなので、何処となくRPGゲーム音楽的な疾走感溢れるケルトサウンドです。


アルバム

Antoine Dufourはこれまでに6作品発表しといて今回取り上げる本作はデビュー作で、いろんな音楽評論家から評価を受けました。

1曲目の「Naissance」から爽やかな風が吹き抜けるギターサウンドで気持ちが高鳴ります。

私はケルト風な6曲目の「2 vs 3」や9曲目の「The Springtime」が好みです。

カナダの港町の風を感じられる名盤を是非。

Naissance


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