忍者ブログ

『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Make Believe / Of Course (2006年)



今回紹介する名盤はキンセラファミリーバンドの中でも変態度合いが高いバンドのアルバムです。

ジャンル

マスロック
インディーロック

アメリカ

Tim Kinsella
Sam Zurick
Bobby Burg
Nate Kinsella



バンド

Make Believeは皆さんご存知のCap'n JazzJoan of Arcなどインディーロック界では知らない人はいないと言っても過言ではない奇才Tim Kinsellaのサイドプロジェクトであります。

Sam ZurickとBobby BurgはJoan of Arcで関わった気の知れたメンバーとTim Kinsellaの従兄弟Nate Kinsellaの4人によって2003年にシカゴで結成されました。

Make BelieveのコンセプトとしてスタジオがメインであるJoan of Arcのライブバンド化というところから始まり、Joan of Arcではメンバーや楽器が流動的でしたが、Make Believeではこの4人のメンバーでどこまで出来るかを目指しメンバーの担当楽器も固定されました。

2005年にSteve Albiniを迎え、待望のスタジオアルバム「Shock Of Being」を発表します。
Joan of Arcでは自由奔放で常識にとらわれない音世界でしたが、Make Believeでは4人がそれぞれの仕事を最高の状態で発揮し、4ピースバンドが鳴らすバンドサウンドが高い評価を生みました。

翌年の2006年には来日ツアーを敢行し、日本の聴衆を嘲笑うかのような強烈なライブを行い嵐のように去っていきました。
そして前作からさらに進化した「Of Course」を発表しました。

因みに「Of Course」の発表とほぼ時を同じくして弟Mike Kinsellaは「At Home With Owen」を発表したとこにより、キンセラ兄弟は新作を引っ提げ2007年にMake BelieveとOwenでジャパンツアーを敢行します。
しかし、Tim Kinsellaが脱退を発表しました。

そこで3ピースでMake Believeの活動を続けるか、新たにメンバーを迎えるかを考えましたが、4人でMake Believeという原点に戻り、Tim Kinsellaが脱退し活動休止する前に最後に「Going To The Bone Church」を発表し活動休止します。


アルバム
本作はMake Believeが一番活発に活動していた時のアルバムです。

気の抜けたジャケットに似つかわしくないエッジの効いたSam Zurickのギターに合わせるように刻むNate Kinsellaのドラム、ドラムを補い際立たせるBobby Burgのベース、このバンドサウンドの波を縦横無尽に乗りこなすTim KinsellaのボーカルでMake Believeの唯一無二の音楽なのですが、本作はそのバランスが絶妙でMake Believeを初めて聴くなら本作をお勧めします。

Joan Of Arcが2011年に発表した「Life Like」がお好きなら本作も気に入るかと思います。

キンセラファミリーの音楽なので勿論名盤です。

Joan of Arcで出来ないバンドサウンドの欲求の捌け口として出来た名盤を是非。

関連記事
キンセラファミリーツリー

Pat Tillman, Emmitt Till


拍手[0回]

PR

Frost* / Experiments in Mass Appeal (2008年)



今回紹介する名盤は私の1番好きなバンドのアルバムです。

ジャンル

ネオ プログレッシブロック
プログレッシブロック

イギリス

Jem Godfrey
John Mitchell
John Jowitt
Andy Edwards 
John Boyes


バンド

Frost*は美メロ職人のJem Godfreyが「プログレバンドするから、一緒にしようよ」で始まったバンドです。

こんな軽いノリで始まったのに集まったメンバーは超一流奏者ばかりでギタボにはArena,The Urbane,KinoIt Bitesで活躍中のJohn Mitchell
ベースにはArena,IQ,Jadisで活躍中のJohn Jowitt
ドラムスにはThe Wikkamen,Priory of Brion,IQ,Ian Parker Bandで活躍中のAndy Edwards
そしてFreeFallで活動していたギターのJohn Boyesが集まったスーパーグループです。

現在はJem GodfreyとJohn Mitchellの2人しかオリジナルメンバーはいません。

2006年に圧倒的完成度のアルバム「Milliontown」でデビューし、その後すぐに活動を休止してしまいますが、2008年に再活動し「Experiments in Mass Appeal」を発表します。

2010年に「The Philadelphia Experiment」2013年には「The Rockfield Files」と2枚ライブアルバムを発表します。

そして、ついに2016年5月27日に待望の新作スタジオアルバム「Falling Satellites」を発表しました。

アルバムによってはスタジオの製作風景やスタジオライブ映像までついてある物もあり、その様子を観ているとメンバー全員が楽しんでいて、かなりアットホームな感じで、観ているこっちまで楽しくなってきます。

そして、なんといっても一番楽しんでいるのは中心メンバーのJem GodfreyとJohn Mitchellの二人です。

70年代に生まれたプログレはここに来てまた進化をしたのです。
バンドの簡単なイメージとしてはYesの進化形的なバンドです。

アルバム

本作は前作の「Milliontown」より聴きやすいかと思います。
というのは1曲の時間が短くなっていてプログレ感は少し減った気がするからです。

特に「Toys」は最高にキャッチーで突き抜けるほどの清涼感と疾走感があります。
プログレ感が無いのかとガッカリすることなかれ、ゴリゴリのプログレではありませんが最後には15分を越える大曲「Wonderland」が待っています。

「Wonderland」の私なりの好きな聴き方を紹介します。
非現実的なほど美しいメロディーを聴きながら最後はフェードアウトするんですけど、電車で揺られながら聴いているとゆっくり現実に戻される感じが最高に気持ちいいんです。

プログレとか関係なく、ただただ美しい歌声とシンセのメロディーは人を選ばないと思います。

イギリスの美メロ職人達が楽しみながらプログレをさらに昇華させた名盤を是非。

関連記事
FROST* / MILLION TOWN (2006年)

Toys


拍手[0回]

The Beatles / Revolver (1966年)


今回紹介する名盤は世界一有名なバンドの全盛期のアルバムです。

ジャンル

ロック
サイケデリックロック

イギリス

John Lennon
Paul McCartney
George Harrison
Ringo Starr


バンド

私なんかが説明するまでもなく、老若男女皆知ってるイギリスの世界一有名なバンドです。
因みにジョジョの奇妙な冒険の主人公全員の元ネタは「Get Back」の歌詞です。


アルバム

本作はThe Beatlesの7枚目のアルバムになります。
当然全米全英1位でローリングストーン誌の選ぶオールタイムベストアルバム500では3位にランクインしています。

The Beatles=Lennon - McCartneyというイメージがありますが、本作の「Taxman」「Love You to」「Harrison」はGeorge作曲なんです。
Georgeが頭角を現してきたアルバムと言えるでしょう。

リボルバーというタイトルはThe Beatlesが来日した際、護衛に付いていた日本の警官の銃が印象的だったことからリボルバーとなった説が日本では有名ですが、メンバー同士の雑談の中で「レコードといえば何をイメージする?」「回転(リボルバー)!」みたいなやり取りから生まれたそうです。

本作からThe Beatlesは「ロック」という概念だけではとどまらず、モータウンに影響を受けたジャズ風の「Got to Get You Into My Life」やストリングスを取り入れたクラシック風の「Got to Get You Into My Life」後のヒップホップの原型とも言われる「Tomorrow Never Knows」などライブでは再現できない曲を完成させていきます。

また、この頃のライブではただただ叫ぶばかりで音楽なんて全く聴こうとしないファンばかりでメンバー達はライブをすることに少し疑問を感じていました。

そして、本作を完成させてすぐに武道館でのライブが行われましたが、ほぼ監禁状態といえるほどの日本警察の厳重な警備でしだいにライブへの情熱を失っていきます。

The Beatlesのライブ活動は8月29日のサンフランシスコのライブを最後に2度と復活することはありませんでした。
そして彼らはステージを下り本格的にスタジオに籠ることとなったのです。

4人の名手達が世界の人々の心を撃ち抜いた名盤を是非。

関連記事
The Beatles / Abbey Road

Taxman

拍手[0回]

Heron / Heron & Single (1970年)



今回紹介する名盤は木漏れ日のフォークと呼ばれたバンドのアルバムです。

ジャンル

フォーク

イギリス

Roy Apps
Tony Pooks
G.T.Moore
Stephan Jones


バンド

Heronは元々ロンドンの外れにある田舎町出身のRoy AppsとTony Pooksで結成されました。
そして、数多くのライブ活動をする中で共演して出会ったG.T.Mooreと意気投合しメンバーに加入することになります。
それに続き、G.T.Mooreの知り合いであったStephan Jonesの加入し、ついにHeronが結成されるのです。

デビューシングルにBob Dylanの「Only A Hobo」のカバーをレコーディングすると当時のラジオで何度も流されるくらい人気があったのですが、本人達はこのレコーディングにあまり納得いっておらず、発表時期を伸ばしてしまいヒットのチャンスを逃してしまいます。

納得のいくレコーディングするためにHeronが出した答えというのが「野外録音」という方法でした。

スタジオに籠って録音すれば質の良い音楽が録音出来るかもしれませんが、自分達の感性が失われると考え、都会から離れ田舎の穏やかな農場に楽器と機材を運んで録音が行われました。

そこでは優しい風の音や鳥のさえずり、遠くに聴こえる飛行機や列車の通過音が微かに聴こえます。
普通なら雑音に感じられる音たちもHeronの音楽では逆に、オーガニックな音世界に感じられます。

HeronはCSN&Yにも負けないほどの美しいコーラスワークや深みのあるアンサンブルなのにCSN&Yほどの知名度が無いのが不思議になるくらい良質なフォークを聴かせてくれます。
なので、CSN&Yが好きなら必ず琴線に触れるはずです。

アルバム

本作はHeronが納得いくレコーディングために野外録音したデビューアルバムになります。

僕がHeronを知ったのは、あるプログレサイトを見ていて気になったのがきっかけです。

頭の中には「プログレ」という先入観があったので本作を聴いた時は肩透かしをくらいましたが、なぜか本作には「ハズレ」ということは感じませんでした。

むしろ逆で、当時の私はプログレにどハマりしていてHeronの音楽がとても新鮮に感じられました。

私の大好きなこのアルバムを聴くシチュエーションは、ポータブルスピーカーで流しながら平日にデカい自然公園をのんびり散歩すると最高に気持ちいいんです。

春の柔らかい日射しに良く似た丸くて心地良い名盤を是非。

Good Bye


拍手[0回]

Neu! /Neu! (1972年)


今回紹介する名盤はドイツバンドでトップクラスの知名度を誇るバンドのアルバムです。

ジャンル

クラウトロック
プログレッシブロック

ドイツ

Klaus Dinger
Michael Rother


バンド

私がNeu!を聴こうと思った切っ掛けは日本を代表するロックバンド「ゆらゆら帝国」が2003年に発表した「ゆらゆら帝国のしびれ(以下 しびれ)」を聴いたからなのです。
なぜ「しびれ」を聴いたらNeu!を聴こうと思うかと言いますと、「しびれ」の最後を締めくくる大曲「無い‼」にハマったからです。

勘のいい方ならお気付きかと思いますが、Neu!を日本語の発音ではノイ!になります。
ゆらゆら帝国「無い‼」は「Neu!」のオマージュ的楽曲でNeu!の代表曲「Hallogallo」様な淡々と流れ広がる感じが最高に気持ちいいんです。

Neu!はKraftwerkの元メンバー二人を中心に結成されたバンドで「Neu」とは新しいという意味があるそうです。
バンド名通りに新しい音楽を生み出そうとしていた二人が1972年に発表した「Neu! 」は当時ではオーパーツ的音楽で商業的には失敗に終わりましたが、時代が進むにつれてDavid BowieやSex Pistols、Brian EnoRadioheadSonic Youth、Stereolabなど多種多様なアーティスト達に影響を与えました。

そして、1973年に発表した「Neu! 2」では前作が振るわなかったために制作費が途中で尽きてしまい半分の曲しか録音出来ませんでしたが、Neu!は断念せずに頭を使い、後の音楽界を変える発明をしました。

それはすでに録音してある曲の回転数を変えたり、音を歪ませたりした曲でかさ増しをしたのです。
それが現在のリミックスの1つのアイデアとして先駆的な試みと評価されたのでした。

Neu!の代名詞といえば無機質でまるで機械が鳴らしているような正確な8つ打ちのリズム、これはハンマービートと言われ数多くのアーティストに影響を与えました。

そのKlaus Dingerのハンマービートに乗せて流れる形の無い漂うMichael Rotherのギターが最高に気持ちよくて陶酔出来ます。

アルバム

本作はそのオーパーツ的作品にあたるNeu!のデビューアルバムになります。

本作が発表された当時の人気作品といえば
Deep Purple「Machine Head」
Stevie Wonder「Talking Book」
The Rolling Stones「Exile on Main St.」
Yes「Close to the Edge」
Neil Young「Harvest」など思い付くだけでもこれだけあります。

こういう音楽が人気な中でNeu!の音楽はあまりにもかけ離れた曲調だったために理解されずに埋もれてしまったんだと思います。

聴く人によると非常に退屈な音楽と思う人もいるのは納得してしまいますが、一度「Hallogallo」の心地好さに気付いてしまうともう抜け出せなくなるくらいの中毒性があります。

あまりのジャンルレスさに当時の人達はこの作品のジャンル分けに頭を悩ませただろうと思います。

40年以上も前の音楽とは思えない当時は見向きもされなかったオーパーツ的な名盤を是非。

Hallogallo


拍手[1回]

Copyright © 『私的名盤おすすめ処』 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]