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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Pele / The Nudes (2000年)



今回紹介する名盤は日本のポストロック界の第一人者toeに多大な影響を与えたバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
インディーロック
フュージョン

アメリカ

Jon Mueller
Chris Rosenau


バンド

Peleというとまず思い浮かぶのはサッカーの王様ペレだと思いますが今回は違います。
Peleは1997年にドラムのJon MuellerとギターのChris Rosenauを中心としたバンドで初期のベースにはキンセラ関連バンドのThe Promise RingのScott Schoenbeckが参加していました。

1997年というとAmericanfootballが結成した年でもあり、PeleはAmericanfootballと今後対バンなどをして深く関わっていくことになります。

Americanfootballはポストロック風のインディーロックなのに対し、Peleはインディーロック風のポストロックといった感じがします。

Peleは1997年~2004年の7年間で6枚のアルバムと2枚のスプリットアルバムを発表しました。
2004年に発表したスプリットアルバム「Pele / toe」はタイトル通りPeleと日本のポストロック界の第一人者バンドtoeとのスプリットアルバムです。

Peleはアメリカは勿論のこと、世界各地でツアーを成功させていき、日本を気に入ったPeleは解散ライブを東京の渋谷で演奏しました。

そのライブ映像は「Last Show at Shibuya O-nest, Tokyo 2004」に収められています。
また初来日の時には54-71とツアーをしました。

2004年に1度解散しましたが、ここでも仲良しバンドのAmericanfootballと同じく2014年に再結成して話題になりました。

Americanfootball以外にもグラミー賞受賞経験バンドBon Iverとも親交が深くPeleを前身とするバンドColonies of Beesとコンビを組んだバンドVolcano Choirとして活動するほどです。

アルバム

本作はPeleの4枚目のアルバムで実力とエネルギーのバランスが丁度よく発揮されたアルバムです。

AmericanfootballのようなキラキラサウンドとOwlsのような疾走感を合わせたような音世界なので、キンセラ関連が好きな人は聴いてみる価値ありですね。

Jon Muellerのウキウキするような変幻自在ドラムとChris Rosenauの疾走感溢れるキラキラギターでタイトなサウンドに纏まっていて、Peleの代表作とされているのでPeleを初めて聴こうと思っている人には本作をおすすめします。

変則的に変わるメロディーは聴いていて飽きがきません。

サッカーの王様ペレのドリブルのように華麗に流れるメロディーが聴ける名盤を是非。

Nude Beach. Pin Hole Camera


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Hammock / Kenotic (2005年)



今回紹介する名盤は自身の音世界をポストロックとアンビエントを足して2で割ったサウンドと言うバンドです。

ジャンル

ポストロック
アンビエント
シューゲイザー

アメリカ

Marc Byrd
Andrew Thompson

バンド

Hammockはポストロックのようなアンビエントでアンビエントのようなポストロックを鳴らすバンドでHammockに近いイメージのバンドはSigur RósThe Album Leafといった幻想的な音世界のバンドに似ています。

それもそのはず、Sigur RósのギタリストJón Þór Birgissonとの交流も深く、2008年に発表された「Maybe They Will Sing for Us Tomorrow」のアートワークのデザインを担当するほどの仲です。

また、HeliosGoldmuntなどの名義で活躍しているKeith Kenniffとも親交がありKeith Kenniffのリミックスアルバムに参加したり、HammockもKeith Kenniffの曲をフューチャーした曲を発表したりしています。

そんな実績のあるバンドHammockは2005年に「Hammock Music」というレーベルを自身で立ち上げて1枚目のアルバム「Kenotic」を発表しました。
2006年には75分を越える大作「Raising Your Voice...Trying to Stop an Echo」を発表し一気に注目されます。

そこからはThe GatheringsやWordless Music Seriesといったイベントなど様々な国でライブを行い人気を不動のものにします。

音からは想像つかないですがHammockが敬愛していると公言するバンドは意外にもオルタナティヴロックやプログレッシブロックのバンドが多いのです。
その中でもThe Churchを特に敬愛していて2010年発表の「Chasing After Shadows...Living with the Ghosts」にはThe ChurchのドラムスTim Powlesがミキシングとドラムに参加してもらうほどです。

アルバム

本作はHammockのデビューアルバムであります。
Hammockの特徴は切ないほど美しいギターのフィードバックサウンドでしょう。

この空気感や音が広がっていく荘厳さを鳴らせるバンドはそうそういません。
アイスランドのSigur Rósが話題になってアメリカのHammockが日本でそこまで認知されていない現状に理解に苦しみます。
それくらい実力のあるバンドだと自信をもって断言できます。

とても澄んだノイズがスーっと広がっていき、耳当たりのいいメロディーがゆっくり流れてきて、落ち着いたビートが刻まれるのです。

アンビエントではないアンビエント、ポストロックではないポストロックを聴ける名盤を是非。


Blankets of Night


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Steve Reich / Different Trains (1988年)

今回紹介する名盤はアメリカの雑誌ニューヨーカーで「現代における最も独創的な音楽思想家」と称された音楽家のアルバムです。

ジャンル

ミニマルミュージック
現代音楽

アメリカ

Steve Reich

アーティスト

Steve Reichは俗にいうミニマルミュージック四天王の一人であり、先駆者でもあります。
Steve Reichは同じ言葉を吹き込んだ二つのテープを再生した時に次第に生じてくる多少のズレをヒントに1965年に「It's Gonna Rain」1966年に「Come Out」を発表しました。
そして、フェイズシフティングという技法を突き詰めて1966年に「Reed Phase」を発表した後、「Piano Phase」「Violin Phase」などを立て続けに発表します。

1970年にガーナ大学で打楽器を学び1971年に「Drumming」1972年に「Clapping Music」を発表し、1973年にはバリで近年ヒーリングミュージックとしても注目されているガムラン音楽を学びます。
そして、1976年からSteve Reichはユダヤ人として自らのルーツであるヘブライ語聖書の伝統的な詠唱法を学ぶことで、「言葉が生む旋律」を再発見していき、これまでSteve Reichが得意としていたフェイズシフティングから離れることになります。

1974年にSteve Reichを世に知らしめた作品であるガムラン音楽やガーナで学んだパーカッションアンサンブルを巧みに操り演奏する「Music for 18 musicians」を発表します。

1984年には初の大オーケストラ作品「The Desert Music」を発表し、1988年にはKronos QuartetとPat Methenyが参加しグラミー賞最優秀現代音楽作品賞を受賞した「Different Trains」を発表し、音楽界の地位を不動のものにします。

Frank Zappaと共演したこともあるEnsemble Modernや6番街のヴァイキングと呼ばれていた現代音楽家のMoondogとも共演しました。

これまでの活動でManuel GöttschingもそうですがSteve Reichは後のテクノやエレクトロニカに多大な影響を与えました。

アルバム

本作は上記したようにKronos QuartetとPat Methenyが参加し1989年グラミー賞最優秀現代音楽作品賞を受賞した作品でSteve Reichの地位は不動のものになりました
Steve Reichが1歳の時に両親は離婚し、第二次世界大戦の頃は父親とニューヨークで暮らしていました。
そして、ロサンゼルスに移り住んだ母親に会うためによく汽車を利用していました。

Steve Reichはユダヤ人ということもあり、自分が幼少期の頃にヨーロッパで行われていたホロコーストに感心を持ち始め、強制収容所行きの汽車と自分のよく乗っていた汽車を結びつけたのがコンセプトになっています。

第二次世界大戦の時代を汽車の如く駆け抜けた人達のメッセージを収めた名盤を是非。
Different Trains

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Dominik Eulberg / Diorama (2011年)




今回紹介する名盤は無類の動物好きで中でも鳥が特に好きなDJのアルバムです。

ジャンル

エレクトロニカ
テクノ
ハウス
ミニマル

ドイツ

Dominik Eulberg


アーティスト

Dominik EulbergはSven Väthの活動拠点であるフランクフルトとミニマルテクノの総本山的レーベルのKompaktがあるケルンに挟まれた真ん中にある田舎町ヴェスターヴァルドで育ちました。

田舎で育ったDominik Eulbergは14歳になるまで音楽に興味を持たず、鳥のさえずりや動物の鳴き声、虫の音、木々が奏でる風の音などの自然の音を聴いて育ったのですが、ある時エレクトロニックミュージックを聴く機会があり「どうやってこんな音が出ているんだ?」と想像が付かないサウンドだと思う反面、いつも聴いていた自然の音にも似てると感じ音楽に興味を持ち始めました。

そんなDominik Eulbergの特徴はエレクトロニックミュージックと自然の音の融合です。

2007年に発表された「Heimische Gefilde」では鳥の鳴き声とエレクトロニカを掛け合わせ鳥の紹介をするという斬新な手法で話題になりました。

Dominik Eulbergは2004年にドイツのGroove誌で「The best of new comer in 2004」に選出され、一躍脚光を浴びてからプロデュースやリミックス作品が立て続けにヒットし、2006年にはドイツのダンス・ミュージック・アワードのベスト・プロデューサーにノミネートされたなどして休みなく世界中でライブして回るなど多忙な毎日を送っている売れっ子DJなのにも関わらず、動物好きが高じてドイツ国立公園を監視するレンジャーの鳥類学者として仕事もしているほど動物を愛しているのです。

CDのジャケットには必ずと言っていいほど動物が描かれています。
また、Rocco Brancoという名義でも活動しています。

アルバム

本作はそんなDominik Eulbergの2枚目のアルバムで大自然の絶景が美しいジャケットになっていて、私はジャケットに惹かれて聴いたら大当たりでした。
私にはジャケットのファンタジックな世界観が不思議の国のアリスを彷彿させます。

アンビエントに近い品のある美メロにミニマル譲りのずっしりしたビートは聴いていて気持ちいいです。
エレクトロニカの持つ美しいメロディー性とレイブの持つ芯のあるリズムを併せ持つ音楽は案外少ないと思います。

Aphex Twinの「Girl/Boy Song」「Flim」とかが好みなら琴線に触れると思います。

幼少期に自然に囲まれて育った感性で大自然が織り成す絶景を音楽に落とし込んだ名盤を是非。

Echomaus


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Mono / You Are There (2006年)




今回紹介する名盤は日本のMogwaiと形容されるバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック

日本

Tamaki
Takaakira "Taka" Goto
Yoda
Yasunori Takada


バンド

Monoは1999年に日本で結成しますが、当時自分達の音楽を鳴らせる場所は日本ではないと感じて、自分達の演奏出来る場所を海外へと移すため2000年にアメリカヘと渡りました。
しかし、最初のライブでの観客はたったの5名足らずといいます。

慣れない土地で言葉も通じず、音楽大国のアメリカでも上手くいかず苦戦を強いられます。
しかし、アメリカを活動の拠点と決めたからには諦めず食らいつくため、時には楽器を売り払いガソリン代を確保しながら地道にライブ活動を続けていきます。
その地道なライブ活動で少しずつ実を結びます。

研ぎ澄まされたノイズの洪水を巧みに操る演奏は徐々に注目を集め、ライブ規模を少しずつ拡大させていきます。

その後は毎年150本にも及ぶライブを続け、2004年にはアメリカの有力レーベルTemporary Residentsと契約し、その後も拡大を続けてアメリカやヨーロッパ、オセアニア、アジアと精力的にツアーやフェスに出演し着々とファンを増やしていきました。

2006年には孤高の音楽家world's end girlfriendとの共作「Palmless Prayer / Mass Murder Refrain」を発表しました。

また、2007年には映画「Snow Angels」の音楽を担当したり、2010年には原作 村上春樹の映画「神の子どもたちはみな踊る」の音楽を担当したりもしました。

バンド活動10周年を記念して以前から構想していた25名のフルオーケストラを率いてのライブを実現して話題になりました。

2014年には「光」と「闇」を対照的に描いた「Rays of Darkness」と「The Last Dawn」を同時リリースしました。

アルバム

本作は孤高の音楽家world's end girlfriendとの共作「Palmless Prayer / Mass Murder Refrain」と25名のフルオーケストラを率いての「Hymn To The Immortal Wind」に挟まれた少し話題性にかけるアルバムです。

しかし、完成度はピカイチのアルバムなんです。

まず、本作はデンマークの映画界の第一人者ラース・フォン・トリアーの映画に影響を受けて製作され、コンセプトは「生と死」というものです。

生と死という難しい問題に言葉を使わず、音像だけで表現できる演奏力は圧巻です。

プロデューサーにはNirvanaやMogwaiを手掛けたSteve Albiniが担当しています。

美しいメロディーではなく美しいサウンドを奏でる名盤を是非。

Are you there?


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