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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Bjørn Torske / Feil Knapp (2007年)



今回紹介する名盤はダンスミュージックを北欧ノルウェーに広めた第一人者のアルバムです。

ジャンル

ハウス
エレクトロニカ
ダブ

ノルウェー

Bjørn Torske


アーティスト

Bjørn Torskeは幼少期にThe Beatlesを聴いて音楽に興味を持ち始め、ロックとヘヴィメタルにのめり込みますが、10代の頃から少しずつエレクトロニカに興味を広げます。

その後、音楽の趣味はさらに広がりCount Ossie & The Mystic Revelation Of Rastafarなどのダブやレゲエといった北欧とは全く逆に位置する音楽、CANやKraftwerk、Faust、Clusterといったクラウトロック他にはBrian Eno、Grace Jones、Prince、The Residents、Sun Ra、Moon Dogといった様々な音楽に影響を受けます。

そのためBjørn Torskeの音楽はエレクトロニカ、アンビエント、バレアリック、コズミック、ジャズ、フュージョン、ラテン、アフロ、ソウル、ファンク、クラウトロックといった音楽ジャンルの壁をぶち壊し、ごった煮にした感じなのです。

北欧の冷たくキラキラしたオーロラのようなサウンドと南の国の陽気でエキゾチックなリズムが見事に融合されたオリジナリティは唯一無二です。

Bjørn Torskeの音楽はノルウェーのリスナーから徐々に人気に火が着きLindstrømやPrins Thomas、Todd Terjeといったアーティスト達に多大な影響を与えました。

すぐ死ぬ主人公として多くのユーザーに愛されるアイレム社のファミコンゲーム「スペランカー」のサウンドをサンプリングしたりなどユニークな音楽的挑戦を行っています。

またBjørn Torskeは80年代中期からDJを始めてから数え切れないオリジナルやリミックスを世に送り出していろいろな場所でDJをする傍らIsmistikやOpen Skiesといった別名義でも活動しています。
しかし、1998年に「Nedi Myra」2001年に「Trøbbel」2007年に「Feil Knapp」2011年に「Kokning」とアルバムとしては少なめです。

アルバム

本作はBjørn Torskeが前作「Trøbbel」から6年の歳月をかけて製作された作品です。
本作には上記したファミコンゲーム「スペランカー」のサウンドをサンプリングした「Spelunker」を収録されています。

本作は本当に様々なジャンルの音楽が聴けるんです。
ゲーム音楽ファンには「Spelunker」バレアリック系ファンには静かに盛り上がる高揚感が魅力の「Loe Bar」壮大なイントロからアダルトなダブへとシフトチェンジしていく「Kapteinens Skjegg」など本当にいろんな角度から楽しめます。

似たようなサウンドが溢れかえっているエレクトロニカ界でひときわ異彩を放つユニークなエレクトロニカサウンドを鳴らしています。

北欧の澄んだ星空のようなサウンドと分厚いベースに南国の陽気なパーカッションが気持ちいい名盤を是非。

Loe Bar


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Elvis Costello / My Aim Is True (1977年)




今回紹介する名盤は1990年以降最も成功したジャズシンガーDiana Krallの旦那さんのアルバムです。

ジャンル

ロック
ニューウェイヴ
パブロック

イギリス

Declan Patrick Aloysius MacManus


アーティスト

Elvis Costelloはジャズトランペッターの父親の影響で音楽に興味を持ち、10代の頃にはThe BeatlesやVan Morrison、The Band、Randy Newman、Gram Parsonsなどを好んで聴いて育ちます。

学生生活を終えるとコンピュータ技師の仕事をしながらバンド活動を続け、1976年頃にソロ活動を始めます。
そして、後のパンクムーブメントの火付け役Dr.Feelgoodのマネージャーの目に留まり1977年にNick Loweプロデュースで「My Aim Is True」発表し、パンクムーブメントという追い風もあり、注目され始めます。

そして、パンクムーブメントが去って多くのパンクバンドが風前の灯火の中Elvis Costelloの人気は以前変わりませんでした。

それもそのはず、Elvis Costelloはパンクムーブメントに乗っかって出てきた偽物バンドとはレベルが違ったのです。

日本では次作1978年発表の「This Year's Model」でデビューをしました。
その後もオーケストラとのコラボレーションなど多彩な活動を連発していきます。

その中でも1989年に発表されたPaul McCartneyとの共作「Spike」は話題を呼びました。
この時にElvis CostelloはPaul McCartneyにThe Beatles時代のトレードマークでビートルズベースとまで呼ばれていたヘフナーを弾くようにアドバイスしました。

因みにElvis Costelloという名前はElvis Presleyと父方のおばあちゃんの旧姓を合わせた名前で本名ではありません。。

Elvis Costelloはローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストで80位にランクインしていて、Elvis Costello & the Attractions名義でロック殿堂入りも果たしてします。

またMr.Childrenの「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」はElvis Costelloを丸パクリしたと公言しています。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第六部に登場するエルメェス・コステロの元ネタです。

アルバム

本作はElvis CostelloのデビューアルバムでNick Loweのプロデュースで現在ではローリングストーン誌が選んだオールタイム・ベスト・アルバム500で168位にランクインしています。

本作の発表された1977年にはSex Pistolsの「Never Mind the Bollocks 邦題 勝手にしやがれ‼」やThe Clashの「The Clash 邦題 白い暴動」が発表されたパンクの黄金期なんです。

そんな時代に眼鏡をかけた普通のサラリーマンみたいな身なりの男がポップなロックを鳴らしていたと思うと不思議です。

しかし、よく考えてみるとElvis Presleyの名前を拝借しBuddy Hollyのような眼鏡をかけられるのは並みのハートではできないでしょう。

草食男子のパンク魂が込められた名盤を是非。

Alison



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Bon Iver / Bon Iver, Bon Iver (2011年)



今回紹介する名盤はKanye West「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」を影で支えた人物のアルバムです。

ジャンル

フォーク
フォークロック
インディーロック

アメリカ

Justin Vernon


バンド

Bon Iverは元々DeYarmond Edisonというバンドで活躍していたJustin Vernonを中心としたバンド形式のソロプロジェクトであります。

Bon IverはDeYarmond Edisonが解散になり、Justin Vernonが自分の音楽と真摯に向き合うために山小屋で籠って完成させた2008年発表のデビューアルバム「For Emma, Forever Ago」は売り上げ13万枚以上記録し、いきなり初登場全米64位を記録しました。

また、アメリカ以外のイギリス、オーストラリア、デンマークなどでも同様に高評価を受けました。
そして、2011年に発表した「Bon Iver, Bon Iver」では前作をさらに上回る初登場全米2位を記録し、グラミー賞では4部門にノミネートされて最優秀新人賞とベスト・オルタナティブ・アルバムを同時受賞しました。

Bon Iverとは聞くところによると「良い冬」という意味があるそうです。
確かにBon Iverの音楽は暑い真夏に聴くのではなく、空気の澄んだ冬に焚き火に薪をくべながら聴くと雰囲気と相まって心に染みると思います。

Bon Iverはそこら辺のフォークバンドがやりがちなただの過去の焼き回しバンドではなく、完全に今の時代にアップデートされた新時代のフォークミュージックであるように感じます。
メロディー、サウンド、センス、空気感、構築美、完成度、統一感どれを取っても超一流にしか成せない音楽です。

2016年2/29には東京、3/2には大阪にも来てくれますし、私の中で今後も注目せざるを得ないアーティストの1人です。

アルバム

本作は上記したようにグラミー賞を獲得し、音楽メディアのランキングを総なめにしたアルバムです。

どんな音楽と聞かれれば「ジャケットを見て頂けると分かるかと思います」と答えてしまうくらいジャケットと中身がリンクしているように感じます。
この幻想的で水彩画のような風景が全てを物語っていて、冷たく澄んだ音で構成されるメロディーにJustin Vernonの暖かみのある歌が優しく包み込んでくれるんです。

季節で言うと寒さの厳しい真冬ではなく、雪解けもあり、春が見え隠れする初春といったイメージでしょうか。

フォーク、ロック、アンビエント、ア・カペラ、ポストロックなどの良いとこ取りといった感じです。

生命の芽吹きのような慈愛に満ちたやわらかい温もりのある名盤を是非。

Holocene


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Jaco Pastorius / Jaco Pastorius 邦題 ジャコ・パストリアスの肖像 (1976年)



今回紹介する名盤はベース界のJimi Hendrixと称されるベーシストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ
フュージョン

アメリカ

John Francis Anthony Pastorius III


アーティスト

Jaco Pastoriusは幼少期から地元の聖歌隊で音楽と関わり、その後父の影響でドラムを始めますがフットボールでの怪我が原因でベースに転向します。
ベースに対する探究心は物凄く、弦を一度熱湯に通して使用したり、人工ハーモニクス奏法を発明したりしながらフレットレスベースへと辿り着きます。

そして、様々な名手達と切磋琢磨していると大学で一人のギタリストと出会います。
それがPat Methenyです。

Pat Methenyのデビューアルバム1975年発表の「Bright Size Life」にベーシストとして参加し、その翌年の1976年に「Jaco Pastorius 邦題 ジャコ・パストリアスの肖像」でデビューしました。

そして、以前から目をつけていたバンドWeather ReportのJoe Zawinulにデモテープを渡すなどしてアプローチしました。
当時からフレットレスベースなんて主流ではなかったのでJoe Zawinulはデモテープを聴いてウッドベースを弾いていると勘違いしJaco Pastoriusに「君はエレクトリックベースは弾けるのか?」と尋ねられた話は有名です。

Jaco Pastoriusの演奏がフレットレスベースと知ったJoe Zawinulはレコーディングに参加するように打診しました。
そこでJaco Pastoriusの実力は認められWeather Reportに正式なメンバーとして迎え入れられ、後にWeather Reportの黄金期メンバーとなるのです。

Jaco Pastoriusの演奏技術は他でも必要とされ、サポートメンバーとして活躍し、特にJoni Mitchellとの作品は4枚もあります。

すると周囲から天才ベーシストとしてのプレッシャーからアルコールとドラッグの量がしだいに増えていき、お金欲しさにベースも売って家もなくなってしまうほど落ち込んでしまいます。

そんな時Santanaのライブに飛び入りで乱入しようとして追い出され、路頭に迷いながらナイトクラブに入ろうとしたのですが用心棒に止められ口論になり、やがて乱闘になり運悪く帰らぬ人となってしまいます。
35年という短い人生でしたがベース界に与えた影響ははかり知れません。

影響を受けたと公言している人だけでもMarcus Miller、Victor Wooten、Michael Manring、Squarepusher、Robert Trujilloなど挙げると切りがなくJaco Pastorius以降のベーシストは漏れなく皆影響を受けていると言っても過言ではないでしょう。

アルバム

本作は天才ベーシストJaco PastoriusのデビューアルバムでHerbie HancockやLenny White、Michael Leonard Breckerという錚々たるメンバーが集結しています。

本作のオリジナル曲のほとんどが10代の頃に作曲したもので、「Dona Lee」に至っては完璧に演奏できるまでに9年もの歳月を費やしたそうです。

「Portrait Of Tracy」では世界で初めてハーモニクスで曲を奏でるというアプローチをした儚くも美しい名曲です。

本作が発表される以前はベースは縁の下の力持ちという存在でしたが、本作でそんなベースが主役へと昇華したのです。

本作のプロデューサーBobby Colombyは全てのベース界に革命を与えるべく、ジャズ、R&B、ラテンなど様々な音楽に挑戦し、その事が功を奏し音楽業界は一時騒然となりました。

天才ベーシストJaco Pastoriusの超絶技巧が遺憾無く発揮された名盤を是非。

Portrait Of Tracy


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Frank Zappa / Hot Rats (1969年)



今回紹介する名盤はJohn Lennonと仲の良かった変人ギタリストのアルバムです。

ジャンル

ロック
ジャズ
前衛音楽

アメリカ

Frank Vincent Zappa


バンド

Frank Zappaほど書くことが盛りだくさんな人はいないんじゃないかと思うので、いくつかかいつまんで書きたいと思います。

Frank Zappaは少年時代からIgor StravinskyやAnton Webern、Edgard Varèseなどの現代音楽やClarence BrownやJohn Watson、Guitar Slimなどのブラックミュージックを聴いて育ちます。

そして、時が経ちFrank ZappaはThe Soul Giantsに加入し瞬く間に中心人物へとのし上がっていき、当時Bob DylanやThe Velvet Underground、Simon & Garfunkelなどを手掛けていたTom Wilsonに見出だされThe Mothers of Inventionとバンド名を変え1966年に「Freak Out !」を発表しました。

「Freak Out !」はロックの歴史上で初めてのコンセプトアルバム、2枚組みアルバムなんです。
またThe Beatlesの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」に多大な影響を与えました。

それ以後アメリカではヒッピームーブメントが起きサイケデリックロックが席巻しFrank Zappaは1968年にSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのパロディとして「We're Only in It for the Money」発表し、それらを風刺しました。
そして、数枚アルバムを発表した後解散しソロで活動を始めます。

Frank Zappaのライブ中に観客が天井に向けてフレアガンを発射して火災事故が起こりました。
それをホテルから湖の対岸にモコモコ浮かぶ煙を見ていたDeep Purpleはこの事を切っ掛けで代表曲「Smoke on the Water」が生まれました。

Frank Zappaは高い技術を持つ名手達を集めるためにバンド自体を音楽学校としました。
Zappaバンド卒業生にはKing CrimsonのギタリストAdrian Belewに始まり、Steve Vai、Jean-Luc Ponty、Eddie Jobson、Vinnie Colaiuta、George Duke、Terry John Bozzio、Morgan Ågren、Mats Öbergなど一筋縄じゃいかない超一流ばかりです。

1993年に亡くなってからも音源が発表され続け、現在までで約100枚の作品を発表する多作家でローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストに22位にランクインしています。

アルバム

本作はThe Mothers of Inventionを解散してから2枚目の作品になります。
本国アメリカでは173位だったのですが、イギリスでは高く評価されて全英9位の大ヒットとなりFrank Zappaの代表作の1つであります。

イギリスのメロディーメイカーという音楽専門新聞の人気投票でアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされました。

本作ではボーカルに親交の深かったCaptain Beefheartが参加しています。
Frank Zappaは本当に様々な音楽を含んでいて聴き辛い印象があった私でしたが、本作はひねくれジャズロックでとても楽しく聴けます。

天才、奇才、鬼才という才の塊が実力者達と楽しく奏でた音楽、唯一無二の名盤を是非。

Peaches en Regalia


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