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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Deep Purple / Machine Head (1972年)



今回紹介する名盤は世界一有名なリフを作曲したバンドのアルバムです。

ジャンル

ハードロック
アートロック
サイケデリックロック

イギリス

Jon Lord
Ritchie Blackmore
Nick Simper
Ian Paice
Rod Evans
Ian Gillan
Roger Glover


バンド

日本人に「パッと思い付いたロックな曲を鼻歌で歌って下さい」と問えばきっと「デッデッデェー♪デッデッデデェー♪」と返ってくるはずです。
日本ではある意味The BeatlesLed Zeppelinより有名かもしれません。

Deep Purpleが最も活躍していた70年代前半というのは60年代をぶち壊し、より激しく、より新しい音楽の再構築をしていったバンド達が切磋琢磨していたロック黄金時代と言っても過言ではないと思います。

そんな「ロック」というものが最も進化していた時代にDeep Purpleは誕生し、1976年に一度解散したのですが1984年に再結成し、現在も活動し続けているモンスターバンドでこの世にハードロックというものを世界に知らしめたバンドの一人と言えます。

初期のDeep Purpleはストリングスを大胆に取り入れたりしたアートロックとしてアメリカで人気を不動のものにしていましたが、本国イギリスではイマイチ評価されていませんでした。

そこで当時イギリスで人気を集めていたLed Zeppelinのようなハードなロックをすることにしました。
するとたちまちハードロックの2大バンドとしてLed Zeppelinと肩を並べ、その頃Black Sabbathも頭角を現してきて世界はハードロックで盛り上がったのです。

Deep Purple最大の武器は万人が1回聴いただけでガツンと響く「単純明快さ」にあると思います。

最後にDeep Purpleの代表曲「Smoke on the Water」の話を、この曲は偶然生まれたもので、Frank Zappaのライブ中に熱狂的なファンが信号弾を撃ち、それが天井に当たり火災が発生してしまいます。
その火災の煙が湖の水面に漂っている様子からインスピレーションを得たそうです。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第四部に登場する噴上裕也のスタンドの元ネタです。



アルバム

本作は第2期Deep Purpleの6枚目のアルバムなのでバリバリのハードロックアルバムになります。
アルバムの1曲目からいきなりDeep Purpleの代表曲「Highway Star」が流れ始めます。
そして、ロック界の代表曲と言っても過言ではない不滅の名曲「Smoke on the Water」も本作収録です。

実は本作のレコーディングは度重なるトラブルの末に行われました。
元々はスイスのモントルーにあるカジノでライブ形式で録音するつもりだったのですが、そのカジノの側でライブをしていたFrank Zappaの熱狂的なファンが天井に向けて信号弾を撃って建物自体が炎上してしまいました。

次なるレコーディング先を見つけて始めたのですが、あまりに爆音過ぎて近隣住民に通報されてしまい警察官が介入する事態までになりました。

途方に暮れていると地元市民が協力してくれて空いているホテルを貸してくれることになり、そのホテルの廊下でレコーディングをやっとのことで完成させたのでした。

Deep Purpleの代表作、いや、ハードロックを代表する名盤を是非。

Smoke on the Water


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Nada Surf / Lucky (2008年)



今回紹介する名盤はASIAN KUNG-FU GENERATION主宰のNANO-MUGENに招待されたバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
パワーポップ
インディーロック

アメリカ

Matthew Caws
Daniel Lorca
Ira Elliot
Doug Gillard

バンド

Nada SurfはMatthew CawsとDaniel Lorcaの2人が様々なバンドで実力を磨き、1992年についにバンド結成をしたのです。
そして、Weezerが1994年に発表した「The Blue Album」を手掛けたとして知られるRic O'casekをプロデューサーに迎え1996年に「High/Low」でデビューします。

するとたちまち「Weezerと並ぶバンドが出てきた」や「ダークなWeezer」などなかなかの高評価を受けることになりました。

滑り出しこそ上々だったものの、その後Nada Surfはバンド内のメンバーチェンジやレコード会社と上手くいかなかったり、オーディションを受けたりして不遇の時代を送ることになります。

そんなことがありながらもNada Surfは1998年に「The Proximity Effect」2002年に「Let Go」をそれぞれ発表し、ライブ活動も精力的に行っていった結果、少しずつアメリカでファンを増やしていきます。

2005年に発表された「The Weight Is a Gift」にはDeath Cab For CutieのChris Wallaをプロデューサーに迎え話題になりました。
そして、2008年に発表された「Lucky」にはDeath Cab For CutieのBen Gibbardが参加していたり、マスタリングにはGuns N' RosesやStevie Wonder、Bon Jovi、Journey、Arcade Fire、Bob Dylan、Coldplay、AC/DC、Led Zeppelinなどを手掛けた敏腕エンジニアGeorge Marinoがマスタリングしているのです。

また、2010年発表の「if I had a hi-fi」ではASIAN KUNG-FU GENERATIONやスピッツ、少年ナイフの曲をカバーしたり、Depeche ModeやThe Moody Blues、Spoonなど幅広いバンドのカバーをしています。

日本人受けしそうなバンドなのにイマイチ知名度が低いような気がして仕方ないです。


アルバム

本作は上記したようにDeath Cab For CutieのBen Gibbardが参加していたり、マスタリングにGeorge Marinoを起用していたりと力の入った作品で当然のようにかなり高いクオリティの曲ばかりの名盤です。

パワーポップやポストグランジなどで片付けられるにはもったいないくらいの完成度だと思います。
パワーポップのようなシンプルで甘いメロディーをグランジのようなラウドなギターサウンドで演奏すると甘いメロディーが少し締まっていい感じになるんです。

本作に収録されている「Weightless」はアメリカの人気ドラマ「HEROES 」で使用されました。

甘酸っぱく切ないメロディーとストレートで力強いサウンドが詰まった渾身の名盤を是非。

Weightless


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R.E.M. / Automatic for the People (1992年)



今回紹介する名盤はローリングストーン誌の表紙を飾り「世界で最も重要なロックバンド」と称されたバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック

アメリカ

Michael Stipe
Peter Buck
Mike Mills
Bill Berry


バンド

R.E.M.は大衆に媚びないミステリアス、それでいてどこかメロディアスな音楽に乗せて文学的で政治的なメッセージを鳴らしていたのにもかかわらず多くの人達から支持され続けたバンドなのです。

私と同じくそんなバンドなら「R.E.M.」という言葉にはきっと凄い意味があるのだろうと思った人もいるかもしれません。
しかし、Rapid Eye Movementという言葉の頭文字を取って付けただけということで深い意味はないらしいです。

R.E.M.はThe Velvet UndergroundやTelevision、Patti Smithといった芸術性の高いバンド達から影響を受けています。
逆にR.E.M.に影響を受けたと公言するバンドはNirvanaに始まりRadiohead、Blur、Sonic Youth、Coldplay、Pearl Jam、Pavementといった名だたるバンド達からリスペクトされているのです。

70年代にロックはあらゆる方向で進化を続け、80年代に入り、賢いバンド達はリスナーを意識した「売れる音楽」だけを作り始めて耳の肥えたリスナーは退屈な時代を過ごします。

それに反発して90年代にNirvanaなどの数を多くのオルタナバンドが出てくるのですが、それらに影から影響を与え続けていたのがR.E.M.と言えるでしょう。

デビュー前からその実力は評価されていてアメリカのニューヨークタイムズ紙でベストシングルにノミネートされたり、The Policeの前座に起用されたりして1983年に「Murmur」でデビューするとローリングストーン誌でMichael Jacksonの「Thriller」を抑えて年間最優秀アルバムに選ばれました。

しかも、評論家からは勿論のこと商業的にも大成功を納めたのです。

アルバム

本作のコンセプトは「死」ということなので前作までのバンドサウンドから一転フォーク調な曲だったり、ストリングスを取り入れたりして雰囲気が変わりました。
それなのにもかかわらずR.E.M.の代表作の1つと言われオールタイム グレイテスト アルバム500では249位にランクインして、1990年代のベストアルバム100では18位にランクインしました。

さらに、ピッチフォークが2003年に選出した1990年代のトップ100アルバムでは43位にランクインしています。
勿論グラミー賞にもノミネートされています。

本作の最も有名なエピソードといえば、やはりKurt Cobainが生前最後に聴いた音楽ということでしょう。
因みにストリングス担当はLed ZeppelinのJohn Paul Jonesです。

Kurt Cobainは生前「次のアルバムはAutomatic for the Peopleのような浮遊感があってアコースティックなサウンドにしたい」と語っています。

Kurt Cobainが語った通りの名盤を是非。

Nightswimming


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Cojok / OLIVEA (2012年)



今回紹介する名盤は自身の音世界をアコースティックとエレクトロニカを掛け合わせた「アコトロニカ」と称すバンドのアルバムです。

ジャンル

アコトロニカ
エレクトロニカ
シューゲイザー
ポストロック

日本

Kco
阿瀬さとし


バンド

Cojokはエレクトロニカやシューゲイザー、プログレッシブロック、フォーク、クラシック、アンビエントなどの音楽を組み合わせ昇華させた壮大な音世界を奏でるバンドです。

Cojokの鳴らすサウンドはハードコアのような退廃的な激しさとアンビエントのような静かな美しさという相反する音世界を綺麗に混ぜ合わせた音楽なんです。
どんな音楽か想像しづらいと思いますので、2人が影響を受けた音楽を先に書きたいと思います。
まず、MONOやworld's end girlfriendというどちらもハイセンスで芸術性が高く、唯一無二の音楽を奏でるバンドです。

そして、KcoはJoan BaezやJoni Mitchellに影響を受け、この2人が4つ打ちで歌っていたらどうなっていただろうという想像からアコトロニカというアイデアが生まれたそうです。

阿瀬さとしはPINK FLOYDKing Crimsonといったプログレに影響を受けているので、Cojokが前衛的な音世界なのはここから来ているのでしょう。
そして、私が個人的に音世界が近いかなと思うバンドはMatryoshkaです。

ここまで書いてもCojokの音楽の10%も伝えられてない気がするので、是非一度どの曲でもいいので聴いていただきたいです。
どうしてこんなことを言うかというと、それくらい独自の音楽を奏でるバンドなのです。

そして、聴く人によって聴いた時に感じることや、頭の中に広がる風景は全然違うと思います。

因みに2014年に発表した「UNTRSHIA」ではKing Crimsonの代表曲の1つである「クリムゾン・キングの宮殿」をカバーしたことで話題になりました。

アルバム

本作はそんなCojokの2枚目のアルバムになります。

アルバムタイトルである「OLIVEA」とは「LIVE=生きもの達」と「LOVE=愛」が繰り返すことで「ALIVE=生きている」というという意味が込められていて、それぞれの言葉組み合わせて作られた造語になります。

Cojokが2010年に発表した前作「CRYSTAFIR」ではデビュー作ということもあり「誕生」をコンセプトに制作していました。

本作は誕生した後の「成長」をコンセプトにした作品になります。

デビューから数多くのライブをこなし、様々な体験をし、いろんな人達と出会い成長したCojokが作り上げた音楽は最高のクオリティに仕上がっています。

エレクトロニカファン、シューゲイザーファン、プログレファン、フォークファン、アンビエントファン誰が聴いても満足出来るマルチな名盤を是非。

本作からの曲が無いのでKing Crimsonのカバー曲


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Colleen / Les Ondes Silencieuses 邦題 静かな波 (2007年)



今回紹介する名盤はオシャレな国おフランスの美人マルチプレイヤーのアルバムです。

ジャンル

アンビエント
エレクトロニカ
ポストクラシカル

フランス

Cécile Schott


アーティスト

Cécile Schottというフランス人女性のソロプロジェクトColleenはクラシックギターを手にして音楽への道を進み始め、好奇心旺盛なColleenは16歳の頃にエレキギターにも手を出します。
そして、友人から作曲ソフトをもらい本格的に作曲を始めました。

好奇心旺盛なColleenは様々な楽器を独学で学び、どんどん演奏出来る楽器を増やしていき、独学では難しいとなったらレッスンを受けるのです。
そうこうしてるうちにColleenはマルチプレイヤーになるのですが、ただのマルチプレイヤーではないのです。

ほとんどのマルチプレイヤーはギターとベースが弾けて、「それとシタールやバンジョーなど他の弦楽器を嗜む程度に出来ます」みたいな人がほとんどですが、(それも勿論凄いことですが)Colleenは違います。

Colleenが演奏出来る楽器はクラシックギターに始まるギター全般とウクレレ、チェロ、リコーダー、クラリネット、グロッケン(鉄琴)、パーカッション、ピアノ、バイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、オルゴール、ウィンドチャイム、スピネット、クリスタルグラスなど弦楽器から管楽器、そして打楽器までを幅広く演奏するのです。

しかも、初めて聞くような名前の楽器や楽器では無いものも数多くあるので興味のある方は調べてみて下さい。

因みに私が1番面白いと思った楽器はウィンドチャイムです。

演奏楽器にオルゴール?と思われた方もいるかもしれませんが、Colleenは2006年にオルゴールのみで作曲したEP「Colleen Et Les Boîtes À Musique」を発表しているのです。

2006年と2008年に来日していて、その際に兼六園へ観光し、非常に気に入ったそうです。

アルバム

Colleenは2007~2010年の間に新しい音楽へのアイデアを得るために作曲活動を休止して都会からスペインの自然に囲まれた街に移住していました。
本作はその長期休暇に入る前の作品になります。

本作を初めて聴いた時は「風ノ旅ビト」みたいな音楽に感じ、すぐに私のお気に入りになりました。
なので、風ノ旅ビトで流れる音楽が好きなら必ず琴線に触れることでしょう。

普段聴くことの少ない楽器の音を聴けるので、とても新鮮に感じると思います。
また、本作の後半3曲はライブ音源が収録されているのも聴き所でしょう。

フランスが生んだ才女が様々な楽器で奏でる音の波が静かに流れる名盤を是非。

Les Ondes Silencieuses


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