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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Tedeschi Trucks Band / Revelator 邦題 預言者 (2011年)



今回紹介する名盤は世界一ギターの上手い夫婦のバンドのアルバムです。

ジャンル

ブルースロック
サザンロック
ブルース

アメリカ

Susan Tedeschi
Derek Trucks



バンド

Tedeschi Trucks Bandは妻Susan Tedeschiと夫Derek Trucksの夫婦が中心となって活動するバンドになります。

まず二人の紹介をすると、妻のSusan Tedeschiは幼少期からLightnin' HopkinsやMississippi John Smith Hurtなどのブルースを聴きながら育ち、13歳で早くも地元のバンドに参加し活動していました。
そして、バークレー音楽院に入学しゴスペルを学び、25歳の時にSusan Tedeschi Bandを結成し、Bonnie Raittを彷彿させる歌唱スタイルで少しずつ知名度を上げていきます。

1998年に発表した「Just Won't Burn」では1999年のグラミー賞最優秀新人部門にノミネートされ、2002年のグラミー賞最優秀女性ロックボーカル部門にもノミネートされるほどの実力の持ち主なんです。

Derek Trucksは多彩な音程を何食わぬ顔で弾きこなすスライドギターの名手でJohn MayerとJohn Fruscianteと合わせて「現代の三大ギタリスト」とされています。

また、ローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストでは第16位にランクインしております。
10代そこそこでThe Allman Brothers Bandにゲスト参加し、20歳の若さで正式メンバーとなりWarren Haynesと共にリードギターで活躍しました。

このThe Allman Brothers Bandの前座にSusan Tedeschiが起用され2人は出会い、そのままめでたくゴールインするのです。
まさかThe Allman Brothers Bandが愛のキューピットになるなんて思いもしなかったでしょう。

それぞれ自身のバンドをしていた2人ですが、2010年にTedeschi Trucks Bandを結成し、2011年に発表した「Revelator」はいきなりグラミー最優秀ブルーズアルバム賞を受賞しました。

2012年に「Everybody's Talkin'」2016年に「Let Me Get By」をそれぞれ発表し、精力的に活動を続けています。


アルバム
本作はTedeschi Trucks Bandとしては初めての作品でグラミー最優秀ブルーズアルバム賞を受賞した作品になります。

双方実力は折り紙つきなので、期待度はとても高かったのにも関わらず、そのハードルをさらに越えるクオリティです。
太陽の日差しのような暖かいサウンドなんですが11人の名手達の確かな演奏でブルースの深みを味わえます。

この暖かいサウンドはプロデューサーJim Scottと2人の意思でアナログレコードのような録音にしようということで、あえて各パートの音圧や録音レベルを抑えレコードのような雰囲気に仕上げました。

本作は外を散策しながら聴いて良し、夜にしっとりと聴き込むも良し、ドライブのお供にも良しの時や場所を選ばず聴けるオールラウンドなアルバムです。

古き良きブルースの素晴らしさを11人の最新の感性で甦らせた名盤を是非。

Come See About Me


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OKI DUB AINU BAND / OKI DUB AINU BAND (2006年)



今回紹介する名盤は日本の約2割の面積を占める北海道の民族「アイヌ」を代表するバンドのアルバムです。

ジャンル

ワールドミュージック
レゲエ
ダブ

日本

OKI
居壁太
沼澤 尚



バンド

私がOKI DUB AINU BANDを知ったのは新婚旅行で北海道一周をしている時にアイヌ民族博物館を訪れて、スタッフの人達が民族衣装に身を包みアイヌの踊りや歌や演奏を見せてくれた時でした。
その時女性が一人でマイクの前に立ち、口元で手を動かすとまるで電子音楽のような「ビョヨーン!ビョヨーン!」と音が鳴り、私は一瞬で惹き付けられました。

すぐに土産屋さんに向かうとその楽器はムックリという名前でとても小さな竹の板に紐が付いてるだけの質素な物でした。

その土産屋さんでOKI DUB AINU BANDのCDが置いてあったので試聴したら、私好みのあまりのかっこ良さにすぐに購入しました。
OKI DUB AINU BANDは北海道のアイヌ民族に伝わる伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIが中心に活動する世界でも珍しいアイヌルーツバンドなんです。

トンコリを電子化に改造して現代に甦らせ、そこにギター、ベース、ドラムといったオーソドックスなバンド編成でアフロビートやレゲエ、ダブ、ロックなどを巧みにミックスさせたサウンドに乗せてアイヌ語で歌う音世界は唯一無二です。

数多くの海外フェスでライブを行い、作品も定期的に発表して、2006年のアルバム「OKI DUB AINU BAND」にてついに日本上陸しました。

世界最大規模のワールドミュージックフェスとして知られる「WOMAD」に始まるアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地でツアーを成功させ、また日本国内も北海道を中心に数多くのフェスやイベントに出演し話題になりました。

2010年には「SAKHALIN ROCK」を発表し、国内ツアーと台湾、ネパールでライブをして、2016年には待望の新作「UTARHYTHM」を発表し、国内ツアーを行います。

アルバム
本作はOKI DUB AINU BANDのセルフタイトルの意欲作でジャケットには北海道を象徴する熊がデザインされています。
一発目「East of Kunashiri」からトンコリ独特の魅惑なサウンドに他にはない唯一無二感を感じるはずです。

トンコリにはフレットが無く全て開放弦というハープのような構造なんですが弦が5本しかなく、ギターのような空洞がなく音量の増幅もできないのです。
この不思議な楽器トンコリの理にかなっていないところが得も言えぬ魅惑さを感じさせるのかもしれません。

またトンコリのデザインは女性の身体をモチーフにしたと言われています。

北海道のような広大なサウンドと大自然のエネルギー、トンコリやムックリといったアイヌの魂が込められた名盤を是非。

East of Kunashiri


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John Williams / Harry Potter and the Philosopher's Stone 邦題 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001年)



今回紹介する名盤は世界規模で社会現象を巻き起こした作品の音楽です。

ジャンル

サントラ
映画音楽

イギリス・アメリカ

John Williams
J.K.Rowling
Chris Columbus



アーティスト

今やその名前を知らない人の方が少ないんではないかというくらい有名な小説家J.K.Rowlingですが、当時は全く無名の新人でした。

無名の新人どころか当時のJ.K.Rowlingは生活保護を受け、友人に借金までしていて生活も苦しく、自殺を考えていたほど貧しかったといいます。

そんな中、不朽の名作「ハリー・ポッターと賢者の石」を完成させ出版社に持ち込みます。
しかし、反応は悪くどの出版社も児童向けにしては長過ぎるという理由で12社から断られました。

ところがある編集者は自分の娘に読ませたところ目をキラキラさせながら喜んだので契約を結びました。
他の編集者よりも見る目のある女の子がいたので「ハリー・ポッター」は世に出てきました。

新人ということもあり出版数は極僅かでしたが、児童書として初となるイギリスのベストセラーリストの1位を獲得し、瞬く間に世界的ベストセラーになりました。

現在では子供だけにとどまらず老若男女全ての人に愛読され、73の言語に翻訳されてシリーズ世界累計発行部数は4億5000万部以上となり史上最も売れたシリーズ作品として世界的な社会現象を起こしました。

そして、映画化は勿論のこと舞台やゲーム、USJではハリーポッターエリアが作られるほどです。
数年前までは生活保護を受けていた人がエリザベス女王よりも資産を手にしてしまうというから驚きです。

映画音楽を担当したのが「ジョーズ」「E.T.」「スターウォーズシリーズ」など名だたる映画作品の音楽を担当したJohn Williamsです。

アルバム
本作はそんなハリーポッターシリーズの第一作目にあたる「賢者の石」のサントラになります。

名作映画には必ず素晴らしい音楽が伴っていて、ハリー・ポッターも例外ではありません。
John Williamsの担当した映画にハズレの音楽なんて無いと言っても過言ではありません。

「ジョーズ」と「スターウォーズ」の音楽を口ずさんで下さい。と言ったらだいたいの人が口ずさめるはずです。

口ずさめなくても音楽を聴いたら、すぐにわかるはずです。
それくらい印象の強い音楽なのに、映像の邪魔をしない完璧な映画音楽と言えます。

魔法世界を感じさせるファンタジー感、空想世界を思わす壮大さはJohn Williamsが魔法使いかと錯覚してしまうほどです。

まるで壮麗な音の魔法にかけられる名盤を是非。

Harry's Wondrous World


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Ed Sheeran / + (2011年)



今回紹介する名盤はエリザベス女王の前で演奏したことのある元ホームレスのアーティストのアルバムです。

ジャンル

フォーク
アコースティック

イギリス

Edward Christopher Sheeran



アーティスト

Ed Sheeranは幼少期から聖歌隊に入り、11歳の時ににギターを弾き始め、16歳の時にはすでに昼にはスタジオ、夜にはライブという音楽一色の生活を始めていました。

そして、Ed Sheeranのライブは評判となり、最も多い日には1日3公演も行ったり、1年間のライブ本数は312回にも及んだといいます。

そんな生活をしているとほとんど家に帰らなくなったので当時住んでいたアパートを引き払い、自らホームレスになり、友人やファンの家だったり、バッキンガム宮殿の門の前で寝泊まりをする生活になりました。

そんなEd Sheeranに転機が訪れたのは2010年のJamie Foxxとの出会いでラジオの出演したことでした。
その時にEd Sheeranの才能にいち早く気付き、自身のスタジオ付きの大豪邸を貸し出したのです。

そして、2011年にインディーズからEPを発表するとイギリスのiTunesチャートでいきなりトップになりメジャー契約を手にします。
そんなこともありデビューアルバム「+」は発表前から注目され、初回出荷が10万枚超えとなり発表前からゴールドアルバムを獲得という偉業を為し遂げ、2011年のQアワードで新人賞を受賞しました。

また、2012年には数年前までバッキンガム宮殿の門の前で路上生活していた青年がエリザベス女王即位60周年の式典に出演し、エリザベス女王の前で演奏するというまるで映画の中の物語のようなことが起こったりしました。

そして、2014年にはプロデューサーにPharrell WilliamsとRick Rubinを迎えての意欲作「×」を発表し、全米全英1位を獲得しました。
因みにTaylor Swiftとは大親友でライブで共演したり、一緒にお出掛けしたりと公私ともに仲良くしています。

あと無類のレゴと猫好きです。

アルバム
本作は上記したように発表前からゴールドアルバムを獲得したデビューアルバムです。
2011年イギリスで最も売れたデビューシングル「The A Team」は本作に収録されています。

「The A Team」の「A」とはClass A drugというドラッグのことで、ドラッグに溺れてしまった女性のことを歌った曲になります。

流産してしまった友人の女性に捧げた「Small Bump」やレゴが好きすぎて作曲したレゴの曲「Lego House」など、どの曲もシングルカットできるくらいの名曲揃いの作品です。

因みに「Lego House」のPVにはどことなく似ているハリー・ポッターのロン役でお馴染みRupert Grintが出演しています。

イタズラ好きのEd Sheeranらしく最後にはアイリッシュ民謡の「The Parting Glass」を隠しトラックとしてサービスしてくれてます。

聖歌隊で培った歌声とストリートで鍛えたギターテクニック、そしてヒップホップに影響を受けたリズム感で作り上げた名盤を是非。

The A Team


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Moon Safari / Himlabacken Vol.1 (2013年)



今回紹介する名盤は「YOUは何しに 日本へ?」にてバナナマンに「天使の歌声だ」と絶賛されたバンドのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
ネオプログレッシブロック
シンフォニックロック
ポンプロック

スウェーデン

Simon Åkesson
Tobias Lundgren
Petter Sandström
Johan Westerlund
Pontus Åkesson
Sebastian Åkesson



バンド

Moon Safariは2003年から活動を始めたバンドで2005年のデビューアルバム「A Doorway To Summer」からThe Flower KingsのTomas Bodinをプロデュースに迎えての製作で話題になりました。

Moon Safariの才能は枯渇することなく、むしろその逆で2008年には2枚組のアルバム「Blomljud」を発表し、さらに2010年と2012年には最高傑作と言われる三部作「Lover’s End」と「Lover’s End Pt.III Skellefteå Serenade」をそれぞれ発表しました。

また、2011年には初のライブアルバム「The Gettysburg Address」を発表し、スタジオワークだけじゃないことを証明する出来でした。
そして、2013年には「Himlabacken Vol. 1」という続編を匂わすアルバムを発表し、2014年に2枚目のライブアルバムとなる「Live In Mexico」2015年には初のベストアルバム「Best of」を発表しました。

公式で予告されている「Himlabacken Vol. 2」はそろそろ発表されるはずです。

ここまで頻繁に音楽活動をこなしているにも関わらず、メンバー全員普段はそれぞれ別に仕事をしているというから驚きます。

Moon Safariの最大の強みであるメロディアスな演奏とQueenのような贅沢なコーラスはデビュー当時から健在で、プログレ=難解なロックという固定観念をぶっ飛ばしてくれるほど爽やかな音楽を聴かせてくれるバンドなんです。

ポップミュージック顔負けの美メロに酔いしれていると、不意に変拍子がやって来て驚かされます。
プログレ界に新しい風を吹かして、様々なバンドを紹介する際によく引き合いに出されるほどです。

因みに「Lover’s End」までの3枚のジャケットは全てPetter Sandströmが描いたそうです。


アルバム
本作は続編が期待される作品の第一部になります。
前作「Lover’s End」のコンセプトはその名の通り「愛」をテーマにしていましたが、今回のコンセプトは「人生」をテーマにしているそうです。

「Himlabacken」とは天国の丘という意味があり、その丘はスウェーデンに実在する丘からつけたそうです。

オープニングにはプログレバンドということを忘れるほどレベルの高いコーラスワークでMoon Safariの世界に誘われたかと思うと一変して、スカッとする爽快な「Too Young To Say Goodbye」が流れると曇った気分を吹き飛ばしてくれます。

美メロを敷き詰めたと言っても過言ではないほどキャッチーでプログレ入門用としてピッタリかと思います。

天国の丘から吹く薫風に当たると悩み事やストレス、不安を全て連れ去ってくれるような名盤を是非。

Too Young To Say Goodbye


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