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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Owls / Owls (2001年)



今回紹介する名盤はシカゴのエモ界の伝説バンドCap'n Jazzのメンバーがほぼ揃ったバンドのアルバムです。

ジャンル

マスロック
インディーロック

アメリカ

Tim Kinsella
Mike Kinsella
Victor Villareal
Sam Zurick

バンド

キンセラファミリーはこのブログではたびたび紹介しているのでOwlsが気になった方は他の記事も是非見てほしいと思います。

メンバーの中心人物Tim KinsellaはJoan of Arc、Sky Corvair、MAKE BELIEVE、Friend/Enemy、Everyoned、Vermontなど様々なバンドで活躍するスーパーマンです。

弟のMike KinsellaはOwenAmerican football、Joan of Arc、Their/They're/Therapyなどこちらも多才で、Victor VillarealとSam Zurickはtoeが敬愛するバンドGhosts and Vodkaで活躍していました。

そんな名手達が再び集結して出来たバンドがOwlsなのです。

Owlsは2001年に結成し、すぐに「Owls」を発表しましたがMike KinsellaがOwenでの活動に専念するために1年ほどで活動休止となりました。
しかし、2012年に「Two」を13年ぶりに発表し待望の復活をしました。

OwlsがどんなバンドかというとJoan of Arcより変態度は高くMake Believeよりは変態度が低いという感じです。

この下手な説明で理解できる人は相当なキンセラファミリーのファンでしょう。
Owlsの音世界を一言で言うと「奇想天外」です。

初めてOwlsを聴いた時頭に思い浮かんだ言葉が「奇想天外」でした。

キンセラ兄弟は勿論凄いのですが、いろんなバンドのギタリストが尊敬して止まないVictor Villarealのキラキラギターアルペジオは本当に躍動感と美しさが共存した唯一無二のサウンドですし、Mike Kinsellaのコミカルなドラムと共鳴するSam Zurickのユニークなベースは名コンビです。

アルバム

本作はOwlsのデビュー作品でCap'n Jazzを解散してメンバーそれぞれがいろんなバンドで活躍する中、再集結したので同窓会的なアルバムになっています。

仲良いメンバーで集まってジャムってたらなんか出来ちゃったみたいな気の抜けた感じもするし、超一流のメンバーが考え抜いて作り込まれたサウンドのような感じもする不思議なアルバムです。

本作のプロデューサーはSteve Albiniでぴったりの采配だと思います。

Tim Kinsellaの独自性とMike Kinsellaの大衆性が見事にマッチした感じがあります。

ありきたりな音楽に飽き飽きしている人はこの「奇想天外」「奇妙奇天烈」な名盤を是非。

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Everyone Is My Friend


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Sleeping People / Sleeping People (2005年)



今回紹介する名盤は80年代King Crimsonの復活かと思わせられる正統派マスロックバンドのアルバムです。

ジャンル

マスロック
ポストロック
プログレッシブロック

アメリカ

Kasey Boekholt
Joileah Concepcion
Brandon Relf
Kenseth Thibideau


バンド

Sleeping Peopleは元々ギター2人とドラムの3ピースバンドで始まりましたが、ベースのKenseth Thibideauがメンバーに加わりギター2人にベースとドラムというオーソドックスなバンドスタイルで活動していきます。

現在Dirty ProjectorsのギタリストAmber Coffmanも途中参加していましたが、基本この4人で圧倒的実力に裏付けされた緊張感溢れる嵐のような変拍子インストロックを鳴らしまくっています。
そのバンド姿は「人力ミニマルミュージック」と評されるほどです。

因みに本ブログで紹介した「人力テクノ」と評されるBattlesや「人力エレクトロニカ」と評されるHoly Fuckが好きならばSleeping Peopleも琴線に触れるかもしれません。

BattlesやTera Melosと同じく80年代King CrimsonのDNAが脈々と流れている感じです。

Sleeping People直訳すると「眠る人々」となりますがこのバンドの音を聴きながら眠ることはできないと思います。
Sleeping Peopleというバンド名の由来はというと、Jimi Hendrixがインタビューで答えた「そこには眠っている人がたくさんいるんだ」から来ているらしいです。

Sleeping Peopleが2005年に発表したデビュー作の「Sleeping People」では一貫してインストロックでしたが、2007年に発表した「Growing」ではボーカルをUSインディーロックのキーパーソン的バンドPinbackのRob Crowが担当しています。

来日した際にはtoeに始まりLITE、Monoeyes、Envyといった日本きっての実力派バンドが参加しています。

アルバム

日本では2007年に発表された「Growing」がデビュー作ですが、本来は本作のセルフタイトル「Sleeping People」がデビュー作となります。

日本では本作は輸入盤しかなかったのにもかかわらず売り上げは上々でした。
正確無比に刻まれる怒濤の変拍子サウンドは若手バンドとは思えない演奏技術と思う反面、ベテランバンドでは出せないエネルギーを感じます。

この攻撃的で鋭く尖ったギターを演奏しているのは女性なのです。

正確に計算尽くされた機械的なリズムで構築された音世界は造形美を感じます。

攻撃の手を一切緩めない攻めの姿勢、駆け抜ける変拍子名盤を是非。
Nasty Portion

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Moondog / Rare Material (2006年)




今回紹介する名盤はPhilip GlassやSteve Reichなどに影響を与えた個性的過ぎる孤高のホームレス音楽家のアルバムです。

ジャンル

現代音楽
ミニマル
クラシック
アンビエント

アメリカ

Louis Thomas Hardin


アーティスト

私とMoondogの出会いは行きつけのCDショップの現代音楽コーナーで「Rare Material」を見付けて、ジャケットから出てくるドラゴンボールの亀仙人やHUNTER×HUNTERのネテロ会長、バキの郭海皇のような達人的なオーラに目が止まったのが始まりでした。

そして私の勘は当たっていてMoondogの人生はとてつもないほど波乱万丈でした。

Moondogは5歳の時から厚紙の箱をドラムに見立てて演奏し始め、少し大きくなるとインディアンの酋長に教わりながらバッファローの皮を張り付けた太鼓を演奏します。

17歳の時炭鉱の作業中に火薬が目の前で爆発し、全盲になってしまい、その後は盲学校に通いながら音楽原理や作曲法を独学で学んでいきます。
1940年代末からの約20年間は好んで路上で生活していて、世間からは「6番街のヴァイキング」と呼ばれていました。

何故ヴァイキングと呼ばれていたかと言いますと、北欧神話を独自の解釈で自分で作ったこのような服を着ていたのです。

ゲームで出てきたら絶対強キャラ間違い無しです。

この路上生活で20世紀後半のクラシック界を牽引したLeonard Bernsteinやモダンジャズの父Charles Parker、スウィングの王様Benny Goodmanなどの著名人達と交流がありました。
路上で生活していた目の見えないMoondogは社会の流れを肌で感じとり、自らの音楽に組み込んでいったのでしょう。

Moondogは本当に多才で発明家という顔も持っていてトリンバなど数種類の楽器を発明したのです。
なんとそんなMoondogの奥さんはスズコという日本人なのだから驚きです。


アルバム

本作はそんな孤高の音楽家Moondogの歴史がよくわかる2枚組のベストアルバムになります。

Disk1には晩年の1995年にブラスバンドプロジェクトによって演奏されたアバンギャルドでジャジーな音源ばかりで、プロデューサーにはPaul McCartneyやElvis Costelloなどを手掛けたJohn Harleが参加しています。

そして、Disk2には初期の1949年~1956年に演奏された音源でMoondogの打楽器のみで構成されミニマルな雰囲気漂うばかりで、Moondog節を存分に味わえる作品で、これからMoondogを聴いてみたいという人におすすめな入門盤になっています。

この世で唯一無二の音楽家Moondogの初期から晩年までを厳選したレアな曲達を収めた名盤を是非。

New York


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近藤浩治 / ヨッシーアイランド (1995年)



今回紹介する名盤は「でっていう」の鳴き声で有名な恐竜が主役のゲームのアルバムです。

ジャンル

ゲームミュージック
サントラ

日本

近藤浩治


アーティスト

これまでに最も売れたゲームは4000万本以上を売り上げた「スーパーマリオブラザーズ」です。
因みに第2位は「初代ポケットモンスター」で第3位は「テトリス」でそれ以降も任天堂が無双しています。

そして今回紹介するゲームは皆ご存知マリオの相棒ヨッシーが主人公のゲームになります。

あらすじを少し話しますとマリオとルイージが赤ちゃんだった頃、カメ一族の魔法使いカメックの占いで将来カメ一族の脅威となることがわかったカメックはこの双子の赤ちゃんをさらってしまおうと企みます。

そして、ベビールイージをさらうことに成功したカメックですが、ベビーマリオはヨッシー達が住むヨッシーアイランドに落っこちてしまいました。
ヨッシー達がこの赤ん坊についてどうしようかと会議しているとベビーマリオが「あっち、あっち」と指を差し始めたのです。

そこでヨッシー達はマリオを交替で運びながらこの赤ん坊の指差す方向を目指して冒険することになったのでした。

つまり、マリオ作品のプロローグ的作品といえます。

因みに「乗り捨てドラゴン」やら「でっていう」などの愛称で呼ばれているヨッシーですが、「T.ヨシザウルス・ムンチャクッパス」という歴とした名前があるのです。

当時の次世代ゲーム機では映像が綺麗な3Dゲームが注目を集めていましたが、本作は絵本のような手描きタッチのグラフィックが話題になりました。

全てクリアした後でも満点取ろうともう一周遊べるやり込み要素も当時とても画期的でした。

アルバム

本作は絵本のような手描きタッチのグラフィックに負けないくらいにメルヘンチックな音楽でゲームの世界観にピッタリなんです。

ゲーム経験者だったらこれを流すだけで「ワンワンに追われたのはトラウマだったな」とか「ベビーマリオの泣き声で凄く焦ったな」みたいな昔の楽しかった記憶が蘇ること間違い無しです。

ゲームサントラは高クオリティなのにも関わらず絶版でプレミア化してしまうという宿命を背負っているのです。

本作も例に漏れず絶版プレミア化してしまっています。

まるで寝る前にお母さんに読んでもらう絵本のような暖かい子守唄の名盤を是非。

フラワーガーデン


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Mouse On The Keys / Sezession (2007年)



今回紹介する名盤はModest Mouseから日本ツアーのサポートに指名されたバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
ジャズ
ハードコア

日本

川崎 昭
清田 敦
新留 大介


バンド

Mouse On The Keysは元々NINE DAYS WONDERというポストロックバンドとして活動していましたが、その元メンバー川崎 昭と清田 敦で2006年結成しました。

そして2007年にtoe主宰のレーベルMachu Picchuからミニアルバム「Sezession」を発表し無名のバンドでは異例の5000枚以上の売り上げを記録し、収録されている「最後の晩餐」は資生堂マキアージュのCMに起用されています。

その他にもキューピーハーフのカサブランカとタジン鍋やJTの缶コーヒーRootsなど、それ以降様々なCMでMouse On The Keysの曲は使用されます。

2009年に新留 大介を迎えて3人組のバンドとして活動を始め、初のフルアルバム「an anxious object」を発表しました。
その翌月からは仙台を皮切りに京都、名古屋、東京の4都市でリリースツアーが行われました。

Mouse On The Keysはギターのいないピアノを中心としたバンドをコンセプトで結成したので、クラシックを思わせるピアノ2人とハードコアやヘヴィメタルを思わせるドラム1人という変わった編成のバンドなんです。

2011年には→Pia-no-jaC←やSPECIAL OTHERS栗コーダーカルテットなどが参加したスクウェアゲームのトリビュートアルバム「More SQ」に参加し、ファイナルファンタジーVIIIの「The Extreme」をカバーしました。

2011年3月11日に東日本大震災が起きた時Mouse On The Keysはイギリスにいました。
そこで義援金募集サイトDIY HEARTSにmouse on the keys×灰汁名義で震災後に行われたライブセッションを収録した「Live session 2011/3/28」を発表しました。

アルバム

本作はMouse On The Keysがまだ無名だった頃の作品で名曲「最後の晩餐」が収録されているのでMouse On The Keysを知らない人は聴いてみる価値ありです。

静寂の中にわずかに流れるピアノの音色、そして堰を切ったようにピアノが暴れだすとそれに共鳴するかのようにドラムも暴れだします。
するともうMouse On The Keysの世界に引きずり込まれ、この1曲だけでも買う価値ありです。

クラシックの持つ幾何学的な美しさと相反するハードコアの持つ混沌的な美しさが共存する珍しい音世界なんです。

ジャケットも真っ黒の画面に白文字だけというシンプルさに音で勝負しようとする自信を感じます。

音楽を突き詰めたネズミ達が鍵盤の上で踊って奏でた名盤を是非。

最後の晩餐


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