今回紹介する名盤は聴かない音楽アンビエントという音楽ジャンルを確立させたアーティストのアルバムです。
ジャンル
アンビエント
ミニマルミュージック
ニューエイジ
現代音楽
イギリス
Brian Peter George Eno
アーティスト日本人にとってBrian Enoほど知名度と楽曲が聴かれている差の大きいアーティストもいないでしょう。
というのも、マイクロソフトの「Windows 95」の起動音は彼が作曲しました。
この時のマイクロソフトから出された条件は「人を鼓舞し、世界中の人に愛され、明るく斬新で、感情を揺さぶられ、情熱をかきたてられるような曲を御願い致します。ただし、長さは3秒コンマ25ね。」でした。
もういくらなんでも無理難題です。
これにはBrian Enoもだいぶ頭を悩まして、最終的に84個のとても短いフレーズが作曲され、その中の一つが使われています。
因みにBrian Enoと親交深い、盟友
King CrimsonのRobert Frippは「Windows Vista」の起動音を担当しています。
またDavid Bowieや
Talking Heads、
U2などをプロデュースして高評価を受けました。
今でこそアンビエントの先駆者や敏腕プロデューサーというイメージですが、デビュー当時は奇抜なファッションでグラムロックをしていたり、後のグランジやオルタナ、ニューウェーヴの布石とも取れる音楽を鳴らしていました。
そして、Brian Enoを語る上で無視できないアルバム「Ambient 1: Music for Airports」の聴き方は「聴こうとせずに聴き流す」です。
そもそもアンビエントというジャンルは鑑賞用ではなくインテリアになりうる音楽だそうです。
なんで「聴かない音楽」という矛盾とも取れる音楽が生まれたかと言いますと、Brian Enoが交通事故に遭い入院生活の中でレコードの音量のコントロールや停止させたり出来なかったという体験から「聴くことも出来るし、聴かないこともまた容易い音楽」という新しい音楽の関わり方が生まれたのです。
アルバム本作はこれまでロックバンドとして音楽を鳴らしていたBrian Enoがアンビエントへ急接近した記念碑的な作品になります。
まず、何が凄いって本作に関わった豪華なゲストでKing CrimsonのRobert FrippやIan McDonaldを始めGenesisのPhil Collins、
The Velvet UndergroundのJohn Cale、
The WhoのPete Townshend、Soft MachineのRobert Wyattなどといった最早音楽界のオールスターと言っても過言ではないでしょう。
Brian Enoがアンビエントへとシフトする丁度間の作品なので、何とも妖しいバランスで組み立てられた曲が絶妙な世界観を構築していて、私は一度聴いただけではその凄味の全貌は捉えられませんでした。
また、なぜかその凄味に気付いてからはどの曲にも何とも言えない恐怖感を覚えるようになりました。
奇才達の個性が衝突しまくって生まれた世にも奇妙な名盤を是非。
Another Green World
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