今回紹介する名盤は
Number Girlや
ASIAN KUNG-FU GENERATIONがリスペクトしているバンドのアルバムです。
ジャンル
エモ
オルタナティブロック
インディーロック
日本
吉野寿
田森篤哉
村岡ゆか
(二宮友和)
バンドeastern youthは1988年に結成して1997年にシングル「青すぎる空」でメジャーデビューを果たし、この曲を収録した「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は大きな話題となります。
その後もコンスタントに作品を発表し、2015年には新作「ボトムオブザワールド」を発表して現在も精力的に活動を続けています。
あの
山下達郎はeastern youthの新作が出ると必ず当日に買いに走るくらい熱心なファンだそうです。
bloodthirsty butchersやfOULと親交が深くライブで度々共演していたり、自身が主催している企画「極東最前線」では上記した2バンドを始め、Number Girlや
ゆらゆら帝国、あぶらだこ、
54-71、少年ナイフ、にせんねんもんだい、toe、
トクマルシューゴなど世界レベルの日本バンドと共演しています。
古き善き日本語の表現を用いた歌詞とエモーショナルなサウンドと吉野寿の絶叫ボイスがこのバンドの特徴ですが、他のバンドと最も違うことはインストバンドでもないのにボーカルがいないことでしょう。
それは何故かというと、吉野寿の独自の歌唱はボイスと言われているからです。
応援団さながらのボイスの力と詩人さながらの歌詞の力でどんなに気持ちが落ち込んでいてもeastern youthを聴くと鼓舞されて元気が沸々と沸き上がってきます。
例えるならば「やる気が出ない」という気持ちの時に一般的なポジティブな曲を聴くと「よし!やろう!」という気持ちになりますが、eastern youthを聴くと「やらざるを得ないッ…………!!」という感情になります。
eastern youthの歌詞カードは日本語を一番美しくみせるために縦書きで書かれています。
因みにASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞カードが縦書きなのはeastern youthの影響です。
アルバム本作はeastern youthが結成してから20年近く経ちインディーズ時代の作品を含めて12枚目の作品になります。
そんなベテランバンドの曲とは思えないほど気持ちいい疾走感溢れる先行シングル「沸点36℃」はeastern youthの良さをギュッと凝縮したような名曲です。
一発目のコードをジャン!と鳴らしただけで聴く者の耳を支配するほどリフに魂を込めています。
何よりeastern youthはイントロが素晴らしい。
「五月の空の下で」のイントロは私的イントロランキングでトップクラスです。
少しずつボルテージを上げていき最高潮に到達した時のカタルシスは脳内アドレナリン出まくります。
どの曲の歌詞も素晴らしく、説明しだしたらキリがないので1つだけ取り上げます。
目を瞑るという表現を普通の人が思い付くのは「瞼を閉じる」や「瞳を閉じる」とかだと思いますが、詩人 吉野寿は違います。
「ばかやろう節」の歌詞で吉野寿は「風景を拒否する」という表現をしています。
声にならない歌を魂の叫びで地球の裏まで投げかける名盤を是非。
関連記事eastern youth / 感受性応答セヨ (2001年)沸点36℃
eastern youth VAP,INC(VAP)(M) 2007-11-21
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