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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Serph / vent (2010年)




今回紹介する名盤は空想上の宅録ジャズと称されるアーティストのアルバムです。

ジャンル

エレクトロニカ
ポストクラシカル
ドリーミーポップ

日本

Serph


アーティスト

Serphは僕の大好きなアーティストなのですが情報は少なくて書くのを躊躇っていました。
というのも、どういう人物かという写真は勿論のこと、本名も明らかにされていません。

わかっている情報は20歳を越えてからピアノを独学で始め、作曲も素人に毛が生えた程度にも関わらず、わずか3年でデビューアルバム「accidental tourist」を発表したことだけです。

聞くところによるとデビュー以前はDJをしていたそうです。

学生時代はUKロックを好んで聴いていましたが、影響を受けたアーティストにはDimliteやAlog、竹村延和、坂本龍一、Hanna、Max Brennan、Steve Reich、Susumu Yokota、菅野よう子、Prefuse 73、植松伸雄などをあげています。

言われてみれば坂本龍一っぽく聴こえるし、竹村延和やPrefuse 73にも聴こえるし、ファイナルファンタジーの世界観もあるし、それら全部合わさって1つの世界観が出来上がって独創性に溢れているんです。

ジャズ、UKロック、プログレ、ブレイクビーツ、ゲーム音楽、映画音楽など様々な音楽が複雑に絡み合っているのです。

簡単に言うとDimliteの持つジャズエレクトロニカの音世界と植松伸雄の持つファイナルファンタジーの世界観を合わせた感じと言えば伝わるかもしれません。

2012年にスカパラや栗コーダーカルテット、→Pia-no-jaC←、DAISHI DANCEなどが参加し発表された「FINAL FANTASY TRIBUTE 〜Thanks〜」にも参加しています。

独学で作曲やピアノを学んでいるので音楽の固定観念に洗脳されず、自由な表現が出来ているのもSerphの特徴かもしれません。

アルバム

本作はそんなSerphの2枚目のアルバム「vent」で、「vent」とは「adventure」を切り取って付けられたタイトルなのです。

まずアドベンチャーと聞いてジャケットを見ただけで、いろんな物語が膨らみます。
そして、音楽を聴いたらジャズ風味のゲーム音楽が流れてきてよりいっそう想像が膨らみます。

僕の大好きな電子音楽なのに暖かみのあるタイプのエレクトロニカなんです。
i am robot and proudとジャズを合わせた感じです。
オシャレな雑貨店で流れていてもおかしくないし、RPGゲームで使われていても違和感ない唯一無二の音世界なので男性も女性もどちらにでもおすすめできます。

魔法と剣で冒険するゲームのようなファンタジックな音の波をサーフする名盤を是非。

vent


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