今回紹介する名盤は60年代後半に生まれ流行したサイケデリックロックを21世紀バージョンに見事昇華させたバンドのアルバムです。
ジャンル
サイケデリックロック
エレクトロニカ
インディーロック
アメリカ
Andrew VanWyngarden
Ben Goldwasser
バンド
MGMTは元々Andrew VanWyngardenとBen Goldwasserの2人組「The Management」として2002年から活動していましたが、現在はManaGeMenTというように小文字の部分を省略した「MGMT」という名前で活動しています。
NME誌では1位、ビルボード誌10位、ローリングストーン誌4位というように高い評価を受けると共にに世界中で100万枚以上売り上げ商業面でも大成功を果たしました。
その結果、
OasisのNoel Gallagherや
Beck、Paul McCartney、Pharrell Williams、Jay-Z、Beyoncé、Pet Shop Boys、Katy Perryなどといった多種多様なアーティストから称賛されました。
そして、周りから次回作の期待が大きくのしかかりますが、MGMT本人達はそんなプレッシャーを軽く受け流し「ただ楽しんで製作しました」と2010年に「Congratulations」を発表しました。
また、芸大出身のオシャレな2人はコンバースの100周年キャンペーンモデルに抜擢されたり、GUCCIのメンズ ウェア ファッション ショー「MGucciMT」として取り上げられたり、フランスの有名ブランドPETIT BATEAUのイメージキャラクターとして活躍するなど多方面で活躍しています。
その後ツアーサポートしていたメンバー3人が正式加入して5人編成になり、2013年にはセルフタイトル作である3作目「MGMT」を発表しました。
アルバム
本作はそんなMGMTの2枚目のアルバムでSpacemen 3で活躍するSonic BoomことPeter Kemberがプロデュースしたことで話題になりました。
デビュー作の「Oracular Spectacular」をイメージして本作を聴くと少し肩透かしを食らうかもしれません。
しかし、サイケデリックロックとエレクトロニカが絶妙に混ざりあってとても聴きやすいのに飽きの来ないアルバムに感じました。
Congratulationsを直訳すると「おめでとう」になりますが、これは決して自画自賛するような単純なものではなく、もっと深い意味を持っていて、世界的経済危機や名声などに皮肉を込めた「おめでとう」なのです。
本作のコンセプトの一つにラジオで流れるようなシングルとしてというよりもアルバム全体を通して聴いてもらえるか、どうしたらアルバムを全曲聴いてもらえるかを考えて製作しているのです。
因みに「Brian Eno」という曲はあのアンビエントの提唱者
Brian Enoのことですが曲自体はアンビエントではなく、グラムロック時代のBrian Enoをイメージした曲になっています。
リスナー達の期待や流行りなどの荒波を自らの音楽で見事にサーフィンした名盤を是非。
Congratulations
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