今回紹介する名盤はPhilip Glassや
Steve Reichなどに影響を与えた個性的過ぎる孤高のホームレス音楽家のアルバムです。
ジャンル
現代音楽
ミニマル
クラシック
アンビエント
アメリカ
Louis Thomas Hardin
アーティスト
私とMoondogの出会いは行きつけのCDショップの現代音楽コーナーで「Rare Material」を見付けて、ジャケットから出てくるドラゴンボールの亀仙人やHUNTER×HUNTERのネテロ会長、バキの郭海皇のような達人的なオーラに目が止まったのが始まりでした。
そして私の勘は当たっていてMoondogの人生はとてつもないほど波乱万丈でした。
Moondogは5歳の時から厚紙の箱をドラムに見立てて演奏し始め、少し大きくなるとインディアンの酋長に教わりながらバッファローの皮を張り付けた太鼓を演奏します。
17歳の時炭鉱の作業中に火薬が目の前で爆発し、全盲になってしまい、その後は盲学校に通いながら音楽原理や作曲法を独学で学んでいきます。
1940年代末からの約20年間は好んで路上で生活していて、世間からは「6番街のヴァイキング」と呼ばれていました。
何故ヴァイキングと呼ばれていたかと言いますと、北欧神話を独自の解釈で自分で作ったこのような服を着ていたのです。
ゲームで出てきたら絶対強キャラ間違い無しです。
この路上生活で20世紀後半のクラシック界を牽引したLeonard Bernsteinやモダンジャズの父Charles Parker、スウィングの王様Benny Goodmanなどの著名人達と交流がありました。
路上で生活していた目の見えないMoondogは社会の流れを肌で感じとり、自らの音楽に組み込んでいったのでしょう。
Moondogは本当に多才で発明家という顔も持っていてトリンバなど数種類の楽器を発明したのです。
なんとそんなMoondogの奥さんはスズコという日本人なのだから驚きです。
アルバム
本作はそんな孤高の音楽家Moondogの歴史がよくわかる2枚組のベストアルバムになります。
Disk1には晩年の1995年にブラスバンドプロジェクトによって演奏されたアバンギャルドでジャジーな音源ばかりで、プロデューサーにはPaul McCartneyやElvis Costelloなどを手掛けたJohn Harleが参加しています。
そして、Disk2には初期の1949年~1956年に演奏された音源でMoondogの打楽器のみで構成されミニマルな雰囲気漂うばかりで、Moondog節を存分に味わえる作品で、これからMoondogを聴いてみたいという人におすすめな入門盤になっています。
この世で唯一無二の音楽家Moondogの初期から晩年までを厳選したレアな曲達を収めた名盤を是非。
New York
Moondog Roof Music 2009-12-08
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