今回紹介する名盤はパンクの伝説Sid Vicious「My Way」のストリングスを担当した音楽家ののアルバムです。
ジャンル
プログレッシブフォーク
フォーク
現代音楽
イギリス
Simon Jeffes
バンド Penguin Cafe Orchestra(以下PCO)はSimon Jeffesを中心に
Brian Eno が立ち上げたレーベルObscureから1976年に「Music From The Penguin Cafe」でデビューし、Obscureの最大の功績はPCOを発掘したことと言われるほどになります。
Simon Jeffesは南フランスに滞在していた時、不運にも腐った魚を食べてしまい食中毒になってしまい、そこでホテルのベッドで寝ている時に不思議な夢にうなされます。
翌日、頭の中に「Penguin Cafe」のオーナーが突然現れ、Simon Jeffesに話しかけます。
「人生におけるランダムな要素を大切にしよう。そうすれば創造性が失われずにすむ。Penguin Cafeはそんな場所なんだ」と…。
この何ともへんてこりんなエピソードがSimon Jeffesの背中を押してPCO結成となります。
PCOのアルバムジャケットにはほぼペンギン人間が描かれていて、その奇抜なデザインも話題になりました。
結成理由も摩訶不思議、ジャケットデザインも摩訶不思議ときたら当然音楽の方も摩訶不思議でクラシック、アンビエント、ジャズ、ミニマル、実験音楽、民族音楽、現代音楽など様々な音楽を混ぜ合わせた結果、異世界の音楽のようなユニークでオリジナリティ溢れる音世界なんです。
Simon JeffesはPCOで数多くの楽器を演奏していて、ギター、ピアノ、ベース、ドラム、シンセ、リンドラムなどに始まり、そろばんや金属の板、ゴムバンドなど楽器ではない物までも楽器として使用していました。
1997年にSimon Jeffesが脳腫瘍で亡くなってしまってから活動停止となっていましたが、2009年に実の息子であるArthur Jeffesが意思を受け継いで「Penguin Cafe」というバンドを始動させます。
アルバム 本作はPCOのデビュー作でいきなり完成された音世界を作り上げていてPCOの最高傑作として紹介されるほどです。
本作の当時のキャッチコピーは「室内環境弦楽奏団風クールミント不思議サウンド」と称されていて、このキャッチコピーでピンとこなくても本作を聴いたら「あ!本当だ」と思うくらい的を射ている上手い表現だと思います。
バイオリンやオーボエ、ヴィオラ、チェロ、ウクレレ、アコーディオンなどといった豊富なアコースティック楽器の音色がとても心地好いんです。
誤解を恐れずに言うと私はJoan of Arcの「
Live in Chicago, 1999 」や「
The Gap 」といった「ひねくれポップ風ポストロック」な作品に雰囲気が近い気がします。
もし、その2作品の のほほんとした感じが好きなら一聴の価値はあると思います。
ジャケットから奏でる音楽まで全てが奇妙かわいい名盤を是非。
The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter
VIDEO Penguin Cafe Orchestra Virgin 2008-06-09
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