今回紹介する名盤はTheo Parrishと同様にデトロイトのアンダーグラウンドから現れたバイナリーDJのアルバムです。
ジャンル
ハウス
ディープハウス
テクノ
アメリカ
Kenny Dixon Jr.
アーティストMoodymannは元々レコード店の店員さんだったのですが、ひょんなことからCarl Craigが運営するPlanet Eというレコード会社から1997年に「Silent Introduction」を発表してアンダーグラウンドの聴衆から支持を集めます。
そして、1998年にはPeacefrog LabelからMahoganyシリーズ第一弾として「Mahogany Brown」を発表し、2000年にはソウルやファンクなどブラックミュージックを凝縮した「Forevernevermore」など定期的に作品を発表してアンダーグラウンドの音楽ファンから圧倒的支持を集めていました。
また、2014年にはAndresやJose James、Fiddler brothersといったゲストを迎えて製作されたセルフタイトルの意欲作「Moodymann」や2015年にはDJミックスシリーズ 「DJ Kicks」を発表し、話題になりました。
世間はどんどんお手軽なデジタルに移行しつつありますが、MoodymannはデビューからアナログでDJすることを貫いており、未だにレコードで作品を発表し続ける姿勢は一つの美学と言えるでしょう。
因みに日本でテクノを広めた第一人者 野田努も絶賛していました。
洋楽だからとか邦楽だからとか、日本人だからとか外国人だからとか言うのは好きではないですが、白人の鳴らす音楽は何とも言えない美しさで、黒人の鳴らす音楽は得も言えぬセクシーさがあると思うんです。
もちろんMoodymannも例に漏れず、ブリブリのグルーヴ感や艶かしいアダルト感があり、この感性は黒人ならではの武器かなと思います。
アルバム本作はそんなMoodymann a.k.a KDJのデビュー作になります。
この2010年代はたくさんのEDMアーティストが出てきましたが、なかなかビビッとくるアーティストに出会えませんでした。
というのも、どうも「4つ打ちやっとけば大丈夫!」みたいな安易に4つ打ちを乱れ打つアーティストが多く感じてしまって、4つ打ちは確かに気持ちいいんですが、ライブとかで聴いているとどうも一本調子な感じがしてしまいイマイチ乗れないということが多々ありました。
しかし、Moodymannの鳴らす真っ黒な音楽はユニークなサウンドコラージュとファンキーなビートで聴き入ってしまいます。
ジャケットのアフロとサングラスの男を見ただけで只者じゃ無い感がビンビン伝わるはずです。
不機嫌な男Moodymannが鳴らすほどよくジャジーで最高にファンキーな漆黒のハウスの名盤を是非。
M Traxx
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