今回紹介する名盤は日本より、むしろ世界での評価の方が高い音の錬金術師と形容される日本人のアルバムです。
ジャンル
フォークトロニカ
エレクトロニカ
日本
橋本和昌
アーティストKazumasa Hashimotoと音楽の出会いは幼少期から始めたクラシックピアノで、その後は音大に進学し作曲を専攻し、音楽の基礎を築き20代後半から本格的に音楽活動を始めます。
そして、2003年のアルバム「Yupi」を発表し、鮮烈なデビューを果たしました。
というのも「Yupi」はイギリスのBBCで曲が使用されたり、アメリカのメディアにも多数紹介されたり、ドイツの音楽雑誌 DE:BUG誌にて5つ星を獲得したりとイギリスを始めとするヨーロッパやアメリカでとても高い評価を受けました。
音楽大国のイギリスとアメリカでの高評価に比べ、日本では音楽好きの間でしか話題になりませんでした。
その後は、これまた海外で評価の高いworld's end girlfriendや湯川潮音の作品にも参加したり、矢野顕子が羨むほどの歌声の持ち主Gutevolkの作品をプロデュースしたりと活動の幅を広げていっております。
そして、さらに活動の幅を広げ、「CURE」や「回路」などで知られる映画監督 黒沢清の2008年の作品「トウキョウソナタ」で音楽を担当し、この映画はその年のカンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞しました。
その他にはスペインのバルセロナで毎年行われるヨーロッパで最も大きい電子音楽とアートのフェス Sonarフェスティバルに参加したり、ヨーロッパツアーを行うなど、海外でも精力的にに活動しています。
生楽器のやわらかい音色ときらびやかな電子音で独特の浮遊感と暖かさのある音世界でなんだか幸せにしてくれる音楽です。
特に目立った独自性があるわけでもなく、わりとありそうな音楽なのに細部にまでこだわっているのでKazumasa Hashimotoの音世界は他にはない感じがするんです。
アルバム本作はそんなKazumasa Hashimotoの4枚目のアルバムでこれまでと違いボーカル曲の比重の増えた作品になるので取っつきやすいかと思います。
因みにKazumasa HashimotoがプロデュースしたGutevolkも本作にボーカルで参加しています。
ピアノやギター、ベース、ドラムといった基本的な楽器は全て自身で演奏してチェロやバイオリンといった楽器はそれぞれの名手を迎え録音しています。
音楽だけ聴くとヨーロッパの下町をイメージするような牧歌的な音楽で本当に色彩豊かなカラフルな作品になっています。
本作も例に漏れず聴いていると幸せな気持ちへと誘ってくれます。
音が踊りだし普段の世界をファンタジーな世界へと色付けしてくれるカラフルな名盤を是非。
Londo
kazumasa hashimoto インディーズ・メーカー 2007-12-14
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