今回紹介する名盤は縁の下の力持ちなジャズピアニストのアルバムです。
ジャンル
ジャズ
アメリカ
Sonny Clark
アーティストSonny Clarkは幼少期からピアノを始め、10代の頃にはピアノ以外にビブラフォンも演奏し、早くから楽器に触れていました。
20歳そこそこで早くも音楽活動を開始して1954年には女性ジャズシンガーの御三家の1人Billie Holidayのコンサートに参加します。
その後ブルーノートと契約し1957年に初のリーダー作「Dial "S" For Sonny」を発表し、勢い止まらず同年「Sonny Clark Trio」も発表します。
そして、翌年の1958年にSonny Clarkの代名詞的作品「Cool Struttin'」が発表され、本国アメリカよりむしろ日本で人気が爆発して当時の全てのジャズ喫茶で流れていたと言われるほどです。
Hank MobleyやLee Morgan、Dexter Gordon、Curtis Fuller、Johnny Griffin、John Jenkinsなどと共演し、多数の作品に参加してSonny Clarkはサイドマンとしてとても重宝されました。
そして、1960年に「Sonny Clark Trio」(1957年と同名の作品ですが別物)1961年に「Leapin' And Lopin'」をそれぞれ発表してジャズ黄金期を駆け抜けるようにして1963年ヘロインの過剰摂取が原因で31歳の若さで亡くなります。
日本でSonny Clarkを語る上で必ずと言っていいほど引き合いに出される「Cool Struttin'」ですが、当時のアメリカではあまり売れ行きがよくありませんでした。
そして、これまで毎年のようにリーダー作を発表していたのですがブルーノート創始者のAlfred LionはSonny Clarkの次作を発表させるのに躊躇して3年も空白が生まれてしまいました。
今ではBud Powell派を代表する1人でジャズ入門書などには必ず紹介されるほどのジャズピアニストです。
アルバムSonny Clarkは名サイドマンと言われるだけあって、リーダー作でも自分1人が目立とうとする演奏ではなくバンドで1つの音楽に仕上げていく演奏を心掛けているのかなと思います。
それは本作にも表れていて、私は「ジャズ 名盤」で調べて演奏者について何の前知識もなくアルバムを買い漁っていたので、本作を聴いた時Sonny Clarkという人はてっきりサックス奏者と勘違いしたほどピアノが前に出ていないように感じました。
ジャズを初めて聴こうと思ってる人には本作はとてもおすすめです。
というのは、Miles Davisや
John ColtraneなどSonny Clarkより有名なジャズアーティストはたくさんいますが、ジャズを初めて聴いてみようと思って彼らを聴いたらアルバムによっては洗礼を受けてしまうかもしれないからです。
その点本作はジャズ初心者がイメージする真っ当なジャズなので気に入ってもらえるはずです。
ジャケットのイメージ通り気取って歩く高貴な女性のような洒落た名盤を是非。
Cool Struttin'
Sonny Clark Blue Note Records 1990-10-25
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