今回紹介する名盤はオーケストラ顔負けのプログレバンドのアルバムです。
ジャンル
シンフォニックロック
プログレッシブロック
アートロック
イギリス
Robert John Godfrey
バンド The Enid結成する約5年前The Enidの中心人物Robert John Godfreyはイギリスのプログレバンド
Barclay James Harvest でオーケストラ指揮者を担当していました。
そこで、さらにオーケストラサウンドに力を入れるべくRobert John Godfrey名義のソロ作品「Fall of Hyperion」を1974年に発表し、バンドでオーケストラを再現するかのようなサウンドは他にはない珍しい音楽でした。
それをさらに推し進めるためにRobert John Godfreyはバンドを立ち上げます。
それがThe Enidになります。
ロックの歴史を遡ると必ず黒人音楽に行き着きますがThe Enidの音楽を遡っても黒人音楽には行き着かず、クラシック音楽などの白人音楽に行き着くような気がします。
The Enidは一応プログレバンドとして紹介されることが多く、どのプログレバンドもほぼ黒人音楽の影響を受けていますがThe Enidは全く影響を受けていないように感じますし、そもそもロックなのか?とまで思えるほどの音世界です。
それを1番感じる理由はドラムの役割がリズムキープとしてではなく、ドドドドォ!やドォーン!と低音に迫力を持たせたり、シャーン!やシャンシャン!と華やかに高音を引き立たせたりといった音の色付けする役割を持っているんです。
私が1番凄いなと思うところは曲げない音楽性です。
The Enidが活動し始めた時期はちょうどパンク全盛期真っ只中でベテランプログレバンドやハードロックバンドは不遇の時期でした。
もっと言うと売れたいがために魂まで売ってしまったバンドも数多くいる中、The Enidはこのスタイルを貫いたことはただ事じゃないはずです。
アルバム 本作はそんなThe Enidの2枚目のアルバムでThe Enidの最も有名なアルバムだと思います。
よくストリングスを取り入れたロックアルバムがありますが、そんなレベルではなく本作はエレキギターやシンセなどロックバンドが使用する楽器でオーケストラをしたような音楽なのでプログレ作品を求めて本作を聴いたら、もしかしたら肩透かしを食らうかもしれないくらいシンフォニックロックの域を越える作品です。
どちらかというとプログレやシンフォニックロックより映画音楽やRPG系のゲームサントラのイメージに近いような気がします。
ロックバンドらしからぬ圧倒的構築美とロックサウンドとはまた違う大迫力を味わうことができます。
パンク旋風が吹き荒れる中、揺るがぬ信念を貫いて奏でられた孤高の名盤を是非。
Fand
VIDEO
[3回]
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