今回紹介する名盤は日本の約2割の面積を占める北海道の民族「アイヌ」を代表するバンドのアルバムです。
ジャンル
ワールドミュージック
レゲエ
ダブ
日本
OKI
居壁太
沼澤 尚
バンド私がOKI DUB AINU BANDを知ったのは新婚旅行で北海道一周をしている時にアイヌ民族博物館を訪れて、スタッフの人達が民族衣装に身を包みアイヌの踊りや歌や演奏を見せてくれた時でした。
その時女性が一人でマイクの前に立ち、口元で手を動かすとまるで電子音楽のような「ビョヨーン!ビョヨーン!」と音が鳴り、私は一瞬で惹き付けられました。
すぐに土産屋さんに向かうとその楽器はムックリという名前でとても小さな竹の板に紐が付いてるだけの質素な物でした。
その土産屋さんでOKI DUB AINU BANDのCDが置いてあったので試聴したら、私好みのあまりのかっこ良さにすぐに購入しました。
OKI DUB AINU BANDは北海道のアイヌ民族に伝わる伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIが中心に活動する世界でも珍しいアイヌルーツバンドなんです。
トンコリを電子化に改造して現代に甦らせ、そこにギター、ベース、ドラムといったオーソドックスなバンド編成でアフロビートやレゲエ、ダブ、ロックなどを巧みにミックスさせたサウンドに乗せてアイヌ語で歌う音世界は唯一無二です。
数多くの海外フェスでライブを行い、作品も定期的に発表して、2006年のアルバム「OKI DUB AINU BAND」にてついに日本上陸しました。
世界最大規模のワールドミュージックフェスとして知られる「WOMAD」に始まるアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地でツアーを成功させ、また日本国内も北海道を中心に数多くのフェスやイベントに出演し話題になりました。
2010年には「SAKHALIN ROCK」を発表し、国内ツアーと台湾、ネパールでライブをして、2016年には待望の新作「UTARHYTHM」を発表し、国内ツアーを行います。
アルバム本作はOKI DUB AINU BANDのセルフタイトルの意欲作でジャケットには北海道を象徴する熊がデザインされています。
一発目「East of Kunashiri」からトンコリ独特の魅惑なサウンドに他にはない唯一無二感を感じるはずです。
トンコリにはフレットが無く全て開放弦というハープのような構造なんですが弦が5本しかなく、ギターのような空洞がなく音量の増幅もできないのです。
この不思議な楽器トンコリの理にかなっていないところが得も言えぬ魅惑さを感じさせるのかもしれません。
またトンコリのデザインは女性の身体をモチーフにしたと言われています。
北海道のような広大なサウンドと大自然のエネルギー、トンコリやムックリといったアイヌの魂が込められた名盤を是非。
East of Kunashiri
OKI DUB AINU BAND チカルスタジオ 2006-12-03
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