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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Matt Pond PA / Several Arrows Later (2005年)



今回紹介する名盤はOasisの「Champagne Supernova」をカバーして一躍有名になったバンドからのアルバムです。

ジャンル

インディーロック
エモ

アメリカ

Matt Pond

バンド

Kinsella兄弟のJoan of ArcOwenが在籍している優秀なレーベルに所属していて、Death Cab for CutieやYo La TengoやNada Surfなど日本でも比較的知名度の高いバンドともライブで共演したりしているのに日本ではいまいち知名度がない気がします。

音の方もYo La TengoやJoan of Arcよりよっぽどキャッチーでメロディアスで日本人好みだと思うのになぜなのでしょう。

Matt Pondの声も癖なく哀愁漂うハスキーボイスで、メロディーセンスは洋楽初心者でも受け入れられる程の大衆性を持っていると思います。

しかし、ただ聴きやすいだけで終わらないのがMatt Pond PAなんです。
それは、インディーロックシーンでは珍しいバイオリン奏者がバンドメンバーにいるのです。

このバイオリンが非常にいい仕事をしていて、群雄割拠のインディーロックシーンで独自の個性を発揮しています。

Death Cab for Cutieの儚くも美しい音世界とNada Surfのキャッチーな疾走感が共存したバンドといった感じです。

アルバム

本作の2曲目なんか最高にメロディアスで美メロのアルペジオが聴けます。
The Smashing Pumpkinsの名曲「Tonight, Tonight」のような哀愁に満ちたアルペジオなんです。

派手なテクニカルサウンドは無いですが、この素朴なサウンドが聴き手をリラックスさせてくれて
シンプル イズ ベスト的なアルバムになっています。

秋も終わりに近づき、枯れ葉舞う冷たい風を一人散歩しているような程よい切なさがあるアダルトな雰囲気ある名盤を是非。

So Much Trouble


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Gerry Mulligan / Night Lights (1963年)

今回紹介する名盤はジャズ界では数少ないバリトンサックス奏者のアルバムです。

ジャンル

ジャズ
クールジャズ

アメリカ

アーティスト

Gerry Mulliganはピアノの腕前も一流なのに、バリトンサックスという貴重な楽器を演奏出来るのでピアニストとしての認知度は低いです。

ピアノもサックスも出来て作曲に編曲も出来るというハイブリッドな存在でもあります。
弱冠20歳でGil Evansと出会いジャズに深く関わり力をつけていきました。

その経験を生かし後にMiles Davisのアルバムとしてまとめられた「Birth of Cool」でバリトンサックス奏者として参加し、「Jeru」と「Venus De Milo」をそれぞれ手掛けました。

また、モダンジャズのビックネーム「Stan Kenton Orchestra」の編曲も担当したこともあります。
1952年にはChet Bakerと組み、当時としては革新的なピアノレスカルテットを結成して音楽業界を驚かせました。

1980年代に入ると時代の流れを汲み取りフュージョン系の作品を発表したりと柔軟に活動しています。

アルバム

本作はこれまで脇役に徹していた縁の下の力持ちGerry Mulliganが初めて主役になり製作された作品です。

この事からGerry Mulliganの代表作とされる名盤で、このアルバムのタイトル曲「Night Lights」ではGerry Mulliganのピアノの音を聴くことができます。

このアルバムほど「しっとり」や「ムーディー」な雰囲気を表現した音世界はないのではないかと思います。

静かな夜にしっとりと聴く大人の世界にこのジャズ名盤を是非。

Night Lights

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フジファブリック / TEENAGER (2008年)



今回紹介する名盤は故 志村 正彦が中心になり結成されたバンドのアルバムです。

ジャンル

パワーポップ
オルタナティブロック

日本

(志村正彦)
山内総一郎
金澤ダイスケ
加藤慎一

バンド

フジファブリックは奥田民生を始め、TRICERATOPS、氣志團、東京事変、くるり、斉藤和義、ASIAN KUNG-FU GENERATION、四人囃子など日本を代表するバンド達と親交があり、特に奥田民生はCOUNT DOWN JAPANでフジファブリックの「茜色の夕日」の演奏中に感極まって男泣きしたほど親交が深かったのです。

志村正彦は奥田民生のライブを観てバンドを志しました。
そのことを知っていると今でも涙が出ます。

2009年12月24日に志村正彦が亡くなったことで、2012年12月22日から24日までの3日間、志村正彦の故郷である富士吉田市で歌詞の通り夕方5時のチャイムとして若者のすべてが流された。
街中から音楽が無くなった現代社会でなんとも粋なことをするのでしょう。

また、フジファブリックの曲はいろんなところで使用されていました。
有名なところだと2009年のWBCとJ SPORTS STADIUM 2010で「Sugar!!」がテーマソングとして使用されました。

フジファブリックの凄いところは「銀河」や「唇のそれ」のような変態的な曲と「若者のすべて」や「茜色の夕日」のような儚く美しい曲が上手く共存しているところだと私は思います。

アルバム

本作はフジファブリック最大の名曲「若者のすべて」を収録しているアルバムです。

この曲だけで買う価値があるくらいの1曲です。

この他にも清涼感溢れる「ペダル」や最高にのれるアッパーチューン「B.O.I.P.」全力で青春をしている「TEENAGER」、個人的に1番好きな哀しい疾走感の「星降る夜になったら」と名曲尽くしです。

今を生きる若者が体験した青春のすべてを詰め込んだ名盤を是非。

若者のすべて


星降る夜になったら


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Ghosts and Vodka / Addicts And Drunks (2003年)



今回紹介する名盤はシカゴの重要人物キンセラファミリーからの派生バンドのアルバムです。

ジャンル

マスロック
エモ
ポストロック

アメリカ

Erik Bocek
Scott Shellhamer
Victor Villareal
Sam Zurick


バンド

Ghosts and Vodkaは1999年~2001年と短い活動期間にもかかわらず、多くのバンドに影響を与えたバンドなんです。

一番身近なので言えば、日本を代表するポストロックバンド「toe」はこんなバンドしたいと思ってtoeを結成したというほど影響を与えました。
今回紹介するアルバムのライナーノーツもしているほど愛して止まないそうです。

疾走感溢れる複雑なギターのアルペジオに、エモーショナルなサウンドと言った感じです。
かなり気持ちのいいギターロックです。

マスロックは小難しくてなかなか馴染めなかったのですが、このバンドのおかげでBattlesDon CaballeroTera Melosといったマスロックバンドも聴けるようになりました。

アルバム

本作は「Precious Blood」に「Memento Mori」をプラスしてあるので、このアルバムさえ買えばこのバンドの音を(Joan of Arcのコンピレーションアルバムに収録されているBizarre Funeralという曲を除けば)全部聴けるというとてもお得な作品になっています。

しかも長い間廃盤となり値段が高騰していましたが、2011年に待望の再発がされて値段も手頃となり入手しやすくなりました。

時に難解なマスロックを、時に爽やかなエモを、時に疾走感溢れるアルペジオを聴けるインスト名盤を是非。

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キンセラファミリーツリー

Its All About Right Then


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Grandaddy / Under The Western Freeway (1997年)



今回紹介する名盤は見た目とは似つかわしくない泣きメロを作り出すバンドのアルバムです。

ジャンル

インディーロック
ローファイ
スペースロック

アメリカ

Jason Lytle
Kevin Garcia
Jim Fairchild
Tim Dryden
Aaron Burtch

バンド

Jason Lytleはスケーターとして全米を飛び回っていたせいなのか、とにかく見た目がそこら辺にいそうな普通の兄ちゃんみたいでアーティスト性が皆無なんです。

そのスケートボード中に怪我をし、それを期にバンド活動を始めました。
いいですねーさすが自由の国アメリカ、Jack Jacksonもそうですしね。

よく引き合いに出されるバンドはPavement、Modest Mouse、Built To Spill、The Flaming Lipsというようなインディーロックバンドです。

聴こえる電子音はシンセサイザーではなくキーボードの音で、しかもあまり性能のよろしくないキーボードなんです。

でも、そのヘッポコな電子音とヘロヘロのボーカルにバンドサウンドが合わさりいい具合のインディー感が出ていて、尚且つ独自の音世界を作り出しているのです。

アルバム

本作の音の方はというと、Built to Spillをへたっぴにしてチープな電子音を散りばめたようなサウンドです。

へたっぴというと語弊があるので簡易的と言えばいいのかもしれませんが、私の中ではへたっぴという言葉がぴったりなんですよ。
勿論、悪い意味ではなく。

実際ちょっと音外したりしてますし。
でもそこが憎めない味となっているのです。

Built to Spillのキャッチーな部分を残しつつポップ要素を取って哀愁を加えた様な感じのサウンドです。

少年時代を思い出すような、青い泣きメロがたっぷり詰まった名盤を是非。

AM 180


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