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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Eluvium / Similes (2010年)



今回紹介する名盤はアンビエントやポストクラシカル界で人気の高いアーティストのアルバムです。

ジャンル

ポストクラシカル
アンビエント
ポストロック
シューゲイザー

アメリカ

Matthew Robert Cooper

アーティスト

EluviumはMatthew Robert CooperのソロプロジェクトでExplosions in the SkyやMono、The Booksなどと同じレーベルで活動していき徐々に知名度を上げていきます。

Eluvium名義で現在1番新しい作品である2013年発表の「Nightmare Ending」はゲストとしてYo La Tengoの中心人物Ira Kaplanが歌っていたり、同じレーベルで仲良しのExplosions In The SkyのギタリストMark Smithが参加していたりします。

Eluviumを紹介する時にGoldmundやGonzales、Jóhann Jóhannsson、Sigur Rósのファンにおすすめと書いてあるのを目にしますが、Sigur Rósの静かなノイズをさらに奥行きを増して、その上にGoldmundのような優美なピアノサウンドを乗せた感じのイメージです。

私はEluviumの音楽を聴いているといい意味でモヤモヤして不思議な感じがするんです。
それはEluviumの作品全てに言えることなのですが、霞がかった空気が漂うようなノイズにシトシトと降る雨のようなピアノの音で構成される音世界なのです。

Eluviumとは直訳すると「風化残留物」となります。
これは風化によって表面が削り取られ残った物という意味だそうです。

これを知った時私は正しく!とスカッとしました。
Eluviumの作品を聴き終わるとと心が風化されてストレスや嫌な記憶、気疲れが薄れていく感覚がするんです。

アルバム

基本的にインストの作品が多いのですが、本作はMatthew Robert Cooper本人が歌っているボーカル入りの作品になっています。

2005年に発表された「Talk Amongst the Trees」より音の霧の濃度は薄い気がします。

なので、「Talk Amongst the Trees」では少し物足りなくて退屈に感じてしまった人は本作を是非聴いてみてください。

シューゲイザーのように何層にも重ねた柔らかいノイズはやさしくそっと包み込んでくれます。

輪郭のはっきりしないおぼろ気なノイズと美しいピアノの旋律で日々の疲れを風化させてくれる名盤を是非。

Leaves Eclipse the Light


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A Tribe Called Quest / The Low End Theory (1991年)



今回紹介する名盤はヒップホップ界を新しい時代へ導いたグループのアルバムです。

ジャンル

ヒップホップ
ジャズヒップホップ

アメリカ

Q-Tip
Phife Dawg
Ali Shaheed Muhammad
Jarobi White

グループ

A Tribe Called Questという名前はジャズとヒップホップの融合を試みた開拓者的存在のJungle Brothersから付けてもらいました。

A Tribe Called Questの中心人物であるQ-TipはこれまでにThe Beastie BoysやJungle Brothers、De La Soul、The Alkaholiks、The Roots、Nasといった数々のヒップホップアーティストのプロデュースに関わり、その作品全てを高クオリティで仕上げてしまう実力者です。

1990年を境に分けられ90年以前がオールドスクール、1990年以降がニュースクールと言われていて、A Tribe Called QuestはDe La Soulと同様にニュースクールを代表する1つなのです。

1990年発表の「People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm」には世界で活躍する日本人TOWA TEIが参加していたり、1991年発表の「The Low End Theory」ではジャズ要素をより色濃く出すためにジャズベーシストの重鎮Ron Carterをゲストに呼んだりしました。

結果この「The Low End Theory」はヒップホップ以外のリスナーにも評価されてA Tribe Called Questの代表作となり、それ以降Jazz Hip Hopというジャンルは確立されました。
そういうこともあり世間は次の作品に期待をすることになりました。

そんなプレッシャーの中1993年に発表した「Midnight Marauders」はしっかりとリスナーの期待に応える作品を仕上げてしまうのです。

よくDe La Soulと一緒に紹介されますが雰囲気はかなり違うと感じると思います。
De La Soulは朝や昼に聴きたい愉快な感じですがA Tribe Called Questは夜に聴きたいアダルトな感じです。

アルバム

本作はローリングストーン誌が選ぶオールタイムベストアルバム500で153位にランクインしているA Tribe Called Questの代表作です。

5曲目の「Verses From the Abstract」の柔らかいベース音はRon Carterがウッドベースを弾いているからです。
そして、7曲目の「Vibes and Stuff」の元ネタはGrant Greenの「Down Here on the Ground」なのです。

14曲目の「Scenario」はMiles DavisやThe Jimi Hendrix Experienceなどをサンプリングしています。

私はジョジョのスタンドみたいなジャケットに惹かれ聴いてみました。

ヒップホップが苦手ならそんな先入観を取っ払ってユニークなジャズとして聴いてみるのはどうでしょう。

音楽の幅が広がるかもしれませんよ。

ヒップホップ界の天才がジャズの音で遊んで出来たジャジーな名盤を是非。

Scenario



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Eminem / 8 Mile (2002年)



今回紹介する名盤はヒップホップ界のElvis Presleyと言われるラッパーのアルバムです。

ジャンル

ヒップホップ
ラップ

アメリカ

Marshall Bruce Mathers III

アーティスト

Eminemとは本名の頭文字(M&M)を言いやすくしただけで深い意味はないらしいです。

ローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストで第83位であり、史上最も偉大な10人のMCでは第9位にランクインしています。

また、2000年~2010年の10年間で世界一アルバムを売り上げアルバムトータルセールスが1億枚を超える史上最も売れたヒップホップミュージシャンであります。

幼少の頃は非常に劣悪な環境下で育つ中で自然とヒップホップに親しむようになります。
そんな中14歳頃から本格的にMCとして活動を始めて、黒人が優位なヒップホップ界の中で白人ながら数々のMCバトルやコンテストに挑戦します。

1996年に発表したNasやAZの影響が伺える自主制作アルバム「Infinite」は全く注目されず70枚しか売れませんでした。
しかし、1997年に発表した「The Slim Shady EP」が2万枚を売り上げ、さらにロスで行われたラップオリンピックで準優勝を飾り一気に注目を集めます。

そしてDr. Dreの目に留まり1999年に「The Slim Shady LP」を発表します。
これがいきなり全世界で600万枚以上売り上げ、全米2位を記録「グラミー賞最優秀ラップアルバム部門」受賞します。

2000年発表の「The Marshall Mathers LP」は発売後1週間で179万枚を売り上げギネスに最速最多売り上げ記録として認定され、最終的に1700万枚以上を売り上げました。

Eminemはこれまでにさんざん同性愛者をディスっていたのにElton Johnは「Jimi HendrixやMick Jagger、James Brown、Aretha Franklinのような伝説的ミュージシャンと同等」と称賛されました。

2002年には半自伝的映画「8 Mile」に主演をして、主題歌の「Lose Yourself」はアカデミー歌曲賞を受賞します。

2013年に発表した「The Marshall Mathers LP2」の中のシングルカットされた4曲全てが全米トップ20にランクインします。

これは49年前にThe Beatlesが成し遂げた記録と同じであります。

アルバム

本作は映画「8 Mile」のサウンドトラックなのですが全世界900万枚以上の売り上げを記録し、主題歌である1曲目の「Lose Yourself」はローリングストーンの選ぶオールタイム グレイテスト ソング500で166位にランクインしできます。

私がヒップホップやラップに興味をもった曲で、この曲から少しずつヒップホップを聴くようになりました。

Eminemが声をかけて集まったメンバーがスーパー豪華でJay ZをはじめNas、Rakim 、Gang Starr、50 Cent、Xzibitなどが参加しています。

何が凄いってもう今では和解しましたが敵対同士のJay ZとNasを同じ作品に連れてこれるというのはEminemの力なのでしょう。

ヒップホップ入門にぴったりの名盤を是非。

Lose Yourself


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ENIGMA / MCMXC a.D. 邦題 永遠の謎 (1991年)



今回紹介する名盤はヒーリングミュージックの先駆者と言われるアーティストの名盤です。

ジャンル

ヒーリングミュージック
ニューエイジ
電子音楽
ワールドミュージック

ドイツ

Michael Cretu
Sandra Cretu


アーティスト

ENIGMAの中心人物であるMichael Cretuはルーマニアで生まれ、彼の叔父にあたるIon Voicuはルーマニア屈指のバイオリニストでありました。
さらに、元ブカレストフィルハーモニー交響楽団のディレクターとしても活動していました。

その影響なのか、Michael Cretuは幼少の頃から音楽に興味を持ちます。
8歳からブカレストの音楽学校でクラシック音楽の勉強を始めて、12歳の時には音楽を学びにパリへ留学しました。
そして、17歳になると西ドイツに渡り3年かけて西フランクフルト音楽院で学んで音楽の学位を取得しました。

21歳で「Wild River」を発表してデビューし、3枚目のアルバム「Die Chinesische Mauer」でシングルカットされた「Samurai」は自国ドイツの他にスイスやギリシャ、スウェーデンなどヨーロッパ各地でヒットしました。

またプロデューサーとしても活動していて、Mike Oldfieldが1987年に発表した「Islands」なども手掛けました。

そして、1990年に元嫁のSandra Cretuと組みENIGMAとしての活動が始まりますが、当初Michael Cretuはこのプロジェクトでは正体を明かさずに活動をしていくつもりでいた。
なので、第二次世界大戦でナチスドイツが使用していた暗号機「ENIGMA」としました。

ENIGMAは民族音楽やグレゴリオ聖歌に全くジャンルの異なるダンスビートを掛け合わせた斬新なサウンドは世界規模でヒットして、たくさんのフォロワーを生みました。

1度だけライブをするという話が出たそうなのですが準備に2年ほど掛かることが判明し、それならばレコーディングに時間を使った方が得策だということで結局実現しませんでした。

Enyaもそうですがこの手の音楽をライブで再現するには相当のお金と時間を使うのでしょうね。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第四部に登場する宮本輝之輔のスタンドの元ネタです。

アルバム

本作はヨーロッパ全土でヒットしてアメリカでは発売から2ヶ月でトップ5まで上り詰めたアルバムです。

神聖なローマカトリック教会の宗教音楽であるグレゴリオ聖歌と若者が酒を片手にテンションを上げるためにかけるダンスビートという絶対に出会わない2つの音楽をENIGMAは1つの音楽にしてしまったのです。

また、グレゴリオ聖歌を使用したことでグレゴリオ聖歌は再び注目されることとなりました。

民族音楽?宗教音楽?ダンスミュージック?ヒーリングミュージック?ジャンル分けは永遠の謎な名盤を是非。

Callas Went Away


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Re: Jazz / Nipponized (2008年)



今回紹介する名盤はジャズアレンジを生業としているプロ集団のアルバムです。

ジャンル

ジャズ

ドイツ

Matthias Vogt
Inga Lühning
Oliver Leicht
Jan Stürmer


アーティスト

Re: Jazzが主に活動している場所はドイツなのですが、皆さんはドイツというと、どんな音楽家やアーティストを思い浮かべるでしょうか?
バッハやベートーベンなどいますが私と同じようにKRAFTWERKやEnigma、Paul van Dykなどの電子音楽系のバンドやアーティストを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

またドイツは「LOVE PARADE」という世界最大規模のテクノフェスが開催されるほど電子音楽やクラブミュージックに強い国で有名です。
そんなこともありRe: Jazzは打ち込み系のクラブミュージックの名曲をジャズアレンジしていました。

そのためRe: Jazzというグループ名には「ジャズに返す」という意味が込められています。
よくCDショップなどにジャズアレンジした企画物がありますが、ジャズ好きには軽視されていると思います。
しかし、Re: Jazzのジャズアレンジはジャズ好きにも納得の内容であると言っても過言ではないでしょう。

渋過ぎないクールで洒落ているので、逆にジャズ入門としてもいいかもしれません。

Re: Jazzは親日バンドで2008年に発表した「Nipponized」はタイトル通り日本人アーティストの名曲をカバーしたり、唯一発表されているライブDVDは横浜で行われたライブ映像だったりするのです。

アルバム

本作は上記した日本人アーティストの名曲をカバーしたアルバムでRe: Jazz入門にぴったりだと思います。

7曲目の「Luv Connection」は坂本龍一に認められた天才TOWA TEIの代表曲ですし、8曲目の「Bibo No Aozora」は映画「Babel」でも使用された坂本龍一の名曲です。

3曲目の「Twiggy Twiggy」は一世を風靡した「慎吾ママのおはロック」を作詞作曲した小西康陽を中心として活動していたPIZZICATO FIVEです。

そしてこの曲を歌っているのは「ルパン三世 アルカトラズコネクション」で大野雄二と共演したジャズシンガーakikoです。

世界で活躍している日本人アーティストの名曲をジャズの生演奏で返事してくれた名盤を是非。

Luv Connection


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