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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Joan of Arc / The Gap (2000年)



今回紹介する名盤はシカゴのスーパー重要人物、キンセラ兄弟の兄Tim Kinsellaがずっと続けているバンドのアルバムです。

ジャンル

エクスペリメンタルロック
ポストロック
インディーロック

アメリカ

Tim Kinsella



バンド
この人の製作意欲は本当に凄くて、Tim Kinsellaが参加してるバンドはCap'n Jazzに始まりThe Sky Corvair、Joan of Arc、Owls、Friend/Enemy、Everyoned、Make Believeそして、ソロプロジェクトのTim KinsellasといったようにTim Kinsellaが参加してる作品は50を越えるはずです。

またTim Kinsella自体は関わっていなくても上記のバンドに影響を受けたバンドやアーティストは数え切れません。

そして、今回は数多くのバンドを渡り歩いているTim Kinsellaが1995年に結成して以降ずっと活動を続けているバンドです。
メンバーがとても流動的なので、Joan of Arcの音世界はアルバムによって違いますし、曲によっても違い、本当に説明が難しいんです。

Cap'n Jazzのようなバンドサウンドではなく音の空間を大事にしていて、音の1つ1つを大切に紡いでいくような繊細な音世界です。

ポストロックでも音響派でもインディーロックでもなく、Tim Kinsellaの頭の中にあるアンサンブルをその時集まったメンバーで奏でた唯一無二の音楽です。

ただ遊んで作ってるようにも思えますし、とても実験的にも感じるんです。
私はJoan of Arcを聴いて好きな音楽の幅がグンと広がりました。

Tim Kinsellaはその他の活動では短編映画「A LOVER’S DISCORSE」なんと音楽はこのブログでも取り上げたトクマルシューゴが担当しています。

長編映画「Orchard Vale」を制作していて映像作品という新たな領域にも挑戦しています。

アルバム
そして数ある作品中で今回はTim Kinsellaの1つの到達点であろうアルバム「The Gap」を紹介したいと思います。
これは本当に面白いアルバムです。

電子ノイズとギターの旋律、サウンドコラージュ、ヘロヘロの歌声、効果音としてのドラムこれらが絶妙なバランスで共存しているのです。

本当に危うく均衡を保っている音の集まりです。
まるで、硝子細工のような繊細さで作られています。
どのようにしたら、こんな不思議な曲たちを作曲出来るのか分かりません。

矛盾してますがこのアルバムには美メロはないのに、美しいメロディーはあるんです。

最近似たような曲ばっかりでおもしろくないと感じているあなた。
Tim Kinsellaの頭の中の音を聴いてみてください。

先人達のモノマネばかりで退屈なら、音職人Tim Kinsellaが作ったオリジナリティあふれる名盤を是非。

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eastern youth / 感受性応答セヨ (2001年)





今回紹介する名盤はNumber GirlASIAN KUNG-FU GENERATIONがリスペクトしているバンドのアルバムです。

ジャンル

エモ
オルタナティブロック
インディーロック

日本

吉野寿
田森篤哉
村岡ゆか
(二宮友和)



バンド

eastern youthは1988年に結成して1997年にシングル「青すぎる空」でメジャーデビューを果たし、この曲を収録した「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は大きな話題となります。

その後もコンスタントに作品を発表し、2015年には新作「ボトムオブザワールド」を発表して現在も精力的に活動を続けています。

あの山下達郎はeastern youthの新作が出ると必ず当日に買いに走るくらい熱心なファンだそうです。

bloodthirsty butchersやfOULと親交が深くライブで度々共演していたり、自身が主催している企画「極東最前線」では上記した2バンドを始め、Number Girlやゆらゆら帝国、あぶらだこ、54-71、少年ナイフ、にせんねんもんだい、toe、トクマルシューゴなど世界レベルの日本バンドと共演しています。

古き善き日本語の表現を用いた歌詞とエモーショナルなサウンドと吉野寿の絶叫ボイスがこのバンドの特徴ですが、他のバンドと最も違うことはインストバンドでもないのにボーカルがいないことでしょう。
それは何故かというと、吉野寿の独自の歌唱はボイスと言われているからです。

応援団さながらのボイスの力と詩人さながらの歌詞の力でどんなに気持ちが落ち込んでいてもeastern youthを聴くと鼓舞されて元気が沸々と沸き上がってきます。

例えるならば「やる気が出ない」という気持ちの時に一般的なポジティブな曲を聴くと「よし!やろう!」という気持ちになりますが、eastern youthを聴くと「やらざるを得ないッ…………!!」という感情になります。

eastern youthの歌詞カードは日本語を一番美しくみせるために縦書きで書かれています。
因みにASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞カードが縦書きなのはeastern youthの影響です。


アルバム
このアルバムの私のイメージは茹だるような暑い夏に汗を流しながら、その日その日を必死に生きてるというイメージです。
このアルバムのメイン曲はなんと言っても「踵鳴る」だと思います。
踵鳴るの歌詞で私が大好きな言葉があります。

解答(こたえ)は知らない

教典(おしえ)はいらない

道程(みち)など知らない

標識(しるべ)はいらない

この言葉を吉野さんが叫んでいるのを聴くと辛い時でも不思議と元気が湧き出てきます。
その他の曲も同じく力を与えてくれる気がします。
エモーション演歌やハードコア演歌と言ったところでしょうか。

身体の芯から熱くなれる、大和魂を感じられ感受性が応答すること間違いなしの名盤を是非 。

1曲目 夜明けの歌


代表曲 踵鳴る

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トクマルシューゴ / Rum Hee (2009年)



ジャンル

インディーフォーク
インディーロック
インディーポップ

日本



今回紹介する名盤は辛口音楽誌Pitchforkで8.6/10という大変な高評価を叩き出したことのある日本人からのミニアルバムです。

アーティスト

ニューズウィーク誌「世界が尊敬する日本人100 人」にも選出されたアーティストや日本語歌詞であるにも関わらずWIRE誌、ローリング・ストーン誌など、各メディアから絶賛されるなど世界が最も注目している日本人の一人と言っていいでしょう。

日本でもトップランナーのテーマ曲や無印良品やSONYのCMで使われるなど日本でも認知され始めてきました。

またシカゴの重要人物Joan of ArcやCup'n JazzのTim Kinsellaが製作した短編映画「A LOVER’S DISCORSE」の音楽を担当したことでも話題になりました。

トクマルシューゴの特長の1つに、おもちゃなどの非楽器を使っていることがあるでしょう。
おもちゃの音がとても可愛く独特な音世界を作り出しています。

作曲から編曲を全て一人でしています。

アルバム

このミニアルバムには、トクマルシューゴを一躍有名にした代表曲「parachute」も入っています。
この曲のイントロのギターアルペジオが疾走感があり何とも格好いいんです。

ミニアルバムなのでトクマルシューゴを知るには丁度いいのではないかと思います。
ラストの曲は日本でも有名なアメリカのバンドDeerhoofがリミックスしています。

こんなにも実験的な音楽をしているのに、とても取っ付き易いんです。
The Beach BoysのPet Soundsの様な感じというと語弊があるのかな?
私は似たような雰囲気を感じますが。

日本が世界に誇るマルチプレイヤーが様々な音で作り出す、おとぎの国の様な名盤を是非。

タイトル曲


トクマルシューゴの代表曲

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Weather Report / Heavy Weather (1977年)

今回紹介する名盤はフュージョン御三家の1つと言われるバンドのアルバムです。

ジャンル

フュージョン
ジャズ

アメリカ

Joe Zawinul
Wayne Shorter




バンド

Weather Reportはジャズの中でも彼らは新たな「フュージョン」という音楽ジャンルを作り上げたパイオニアです。
「フュージョンってどんな音楽よ?」って思われる方は名は体を表すじゃないですけど、Weather Report(直訳 天気予報)とはよく言ったもので、正に天気予報の時によく流れてる音楽みたいなのがフュージョンと思ってもらえればイメージしやすいかもしれません。

因みにフュージョン御三家というのがありまして
Return to Forever
「The Mahavishnu Orchestra」
「Weather Report」の3つのことを言います。

Weather Reportの中心人物のJoe ZawinulとWayne Shorterの二人はあのジャズ界の帝王Miles Davisの卒業生なので、テクニックは保証済みです。

Weather ReportはJoe ZawinulとWayne Shorterが国際ジャズコンクールベース部門優勝者Miroslav Vitoušを誘い1971年にセルフタイトル「Weather Report」を発表します。
その後Weather Reportはどんどんとエレクトリックサウンドへと進化させていき、音楽性の違いによってMiroslav Vitoušはバンドを去ります。

代わりにファンキーなジャズベーシストとして名を馳せていたAlphonso Johnson参加します。
1976年にAlphonso Johnsonに代わりベースを主役にまで押し上げたスーパーベーシストのJaco Pastoriusが正式に参加して玄人にしか分からないWeather Reportの世界に新しい風が吹き、一般の聴衆やこれまでジャズに興味のなかった聴衆など幅広い層にまで評価されました。

ここから黄金期に入ります。

因みに、ジョジョの奇妙な冒険 第六部のウェザーリポートの元ネタです。

アルバム
1曲目なんてジャズアルバムからシングルカットされるほどポップな仕上がりなのに、この曲が発表された時はどうやってこの音を出しているのか、ファンを悩ましたらしいです。

3曲目は当時このベースをコピー出来るか出来ないかでベースの上手さを測る物差し的な曲になったそうです。
あのマーカス ミラーも擦りきれるくらいレコードを聴き込み研究したといいます。

アメリカのジャズ音楽誌ダウン・ビートで5星を獲得しているWeather Reportの黄金期の名盤を是非。

シングルカットされた代表曲


関連記事
Weather Report / Weather Report (1971年)


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Andy McKee / Art of Motion (2006年)



ジャンル

アコースティック
インスト

アメリカ


今回紹介する名盤はドコモのCMのBGMで使われ話題になった「Rylynn」 を収録しているアルバムです。

アーティスト

McKeeは2004年「カンザス・フィンガースタイル・ギター・チャンピオンシップ」で優勝するなど、いろんな大会で好成績を記録している実力者です。
演奏力は勿論凄いのですが、メロディーセンスが抜群にいいんです。

よくテクニシャンが陥りやすいパターンが、テクニックを見せたくて音楽的にはよろしくないってことが多々あります。
速弾きのごり押しやタッピングでピロピロの押し売りをよく耳にします。
しかし、Andy McKeeは音楽として聴いていて心地好いのです。

アルバム

暖かみのあるアコギの音色に切なくなる旋律で癒されます。
インストなので部屋で何かしている時にかけても気にならないですし、ヘッドフォンでじっくり聴くのもいいです。

秋の夜長にしっとり読書しながら聴くと雰囲気があっていいと思います。

Don RossやTommy Emmanuelが好きなら必ず琴線に触れるでしょう。

場所や時間を選ばない、いつ聴いてもぴったりハマるアコギの優しい音色でまとめた名盤を是非。


DOCOMOのCMで使われた名曲

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