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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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人間椅子 / 人間失格 (1990年)



今回紹介する名盤はBlack SabbathやKing Crimsonなどの音楽を「和」の世界にしてしまうバンドのアルバムです。

ジャンル

ハードロック
ヘヴィメタル
プログレッシブロック
サイケデリックロック
ドゥームメタル

日本

和嶋慎治
鈴木研一


バンド

人間椅子は中学生からの付き合いの和嶋慎治と鈴木研一が中心とした青森県出身バンドです。

人間椅子を一躍有名にしたことは1989年に放送されていた深夜番組「三宅裕司のいかすバンド天国」に出演したことでしょう。
鈴木のねずみ男にしか見えない奇抜な衣装で色物バンドかと思われましたが、演奏が始まった瞬間辛口審査員から絶賛され、番組であまり見られない完奏を成し遂げました。

この時、審査員達が人間椅子に対して「文芸ロック」と称され、以後高評価を受けたバンドには審査員から「○○ロック」と肩書きを与えることが慣例となりました。

人間椅子の特徴はプログレやハードロックを基調としながら津軽三味線由来の旋律や和音階を巧みに取り入れ、そこに津軽弁の歌詞が絡み独自の音楽に見事昇華させました。

最近では ももいろクローバーZの楽曲「黒い週末」にギターで参加して話題になりました。

また、「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013」に選出され話題になりました。

私が人間椅子を知ったのは、King Crimsonの動画を調べていた時に見つけたこの動画です。
3人だけで「21st Century Schizoid Man」をこの完成度です。


アルバム

本作はそんな人間椅子のデビューアルバムで初期のBlack Sabbathや初期King Crimsonの影響を色濃く受けた音楽性に江戸川乱歩の小説のような詞を乗せた作品です。

本作の2曲目「針の山」はBudgieの「Breadfan」をカバー曲になっていて、ライブでも頻繁に演奏される名曲です。

1990年代に発表された音源とは思えない音質の悪さですが、これは鈴木研一の「アナログ時代のLPを意識した」という考えの影響であります。

しかし、この音質が逆に人間椅子の持つ猟奇的で重く暗い音世界にピッタリだと私は感じました。

イギリスのハードロック黄金期のサウンドと、日本が世界に誇る文学が出会った名盤を是非。

針の山


りんごの泪


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YOUR SONG IS GOOD / OUT (2013年)



今回紹介する名盤はギター2本、ベース、ドラム、トロンボーン、オルガンの6人編成という珍しいバンドのアルバムです。

ジャンル

スカ
カリプソ

日本

サイトウ "JxJx" ジュン
ヨシザワ "モーリス" マサトモ
シライシ "シライシ" コウジ
ハットリ "ショーティ" ヤスヒコ
タカダ "ダータカ" ヒロユキ
タナカ "ズィーレイ" レイジ


バンド

YOUR SONG IS GOOD (以下ユアソン) はNUTS & MILKのメンバーとFRUITYのサイトウ "JxJx" ジュンが結成したソウルパンクバンドであるSCHOOL JACKETSのメンバーで構成されています。

そして、ユアソンのファンであった角張渉が主宰でユアソンを中心としたイベント「KAKUBARHYTHM(カクバリズム)」を開始し、2002年にそのイベント名をそのままレーベル名としました。

ライブの時には全員がアロハシャツ姿にレイといった格好がトレードマークで、挨拶は「ウイッス!ウイッス!ウイッス!」が恒例となっています。

結成当初はハードコアのような音楽が多かったが、多くのライブ活動や多種多様な音楽に触れて、様々なサウンドを取り込んで今はシカゴ音響系のような音楽性を持つジャンルレスなバンドへと成長していきました。

そして、メンバーは最終的にみんなで盛り上がる音楽が自分達の共通した音楽性であることを再確認し、ダンスミュージックへ接近していきます。
これがユアソン独自のスタイルとなりました。

また、基本はインストバンドであるのですが「いい曲にインストも唄モノも関係ない」というユアソンのスローガンのもと「WALKIN'WALKIN'」「あいつによろしく」など唄のある曲も数曲あります。


アルバム

本作はユアソンの5枚目のアルバムで全曲インストという力の入れよう。
クラブミュージックでなくて楽器の生演奏のみでここまで踊れる音楽を作れるのはさすがユアソンと言うしかありません。

本作を聴いてしまったらユアソンのライブに行きたくなるでしょう。

ライブも最高に盛り上がること間違いなしです。

1曲目の「Re-search」を聴いてもらえばユアソンの良さを理解してもらえるはずです。

スカ、ソウル、ファンク、ロック、ジャズなどまとめて聴けて、身体が勝手に踊り出す名盤を是非。

Re-search


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Fredde Gredde / Thirteen Eight (2011年)



今回紹介する名盤は日本ゲームやアニメが大好きなスウェーデン人のナイスガイからのアルバムです。

ジャンル

プログレッシブロック
シンフォニックロック

スウェーデン

Fredrik Larsson

アーティスト

私とFredde Greddeの出会いはニコニコ動画でASIAN KUNG-FU GENERATIONの動画を調べていた時に【ナルト】スウェーデン人がアジカンを歌うとこうなる【短い】という動画を見つけたことが始まりです。
私の好きなアジカンを北欧の人が歌うという好きなもの同士、これは観るしかないと思い観た結果、アジカンの動画を調べるのを一旦やめて、この人の動画を漁り始めました。

すると日本のアニソンのカバーだけでなく、任天堂の人気シリーズ「ゼルダの伝説」の音楽を一人でやってる動画もありました。
一人でコーラスを多重録音して、ギターやシンセは勿論のことアコーディオンやリコーダーなど様々な楽器を演奏しているマルチプレイヤーでした。

他にもQueenの名曲「Killer Queen」を一人でやってしまうなど面白い人で興味が湧き、この人について調べることにしました。
しかし、動画以外の情報を見つけることが出来ず日々が過ぎていきました。

そして、1年以上過ぎすっかり忘れていた頃私は友人とディスクユニオンのプログレッシブ館でCDを物色していた時、店内で2011年発表「Thirteen Eight」がかかりFredde Greddeの歌声を耳にしたとたん記憶が一気に甦り店員さんに聞きすぐに購入しました。

その時の興奮は今でも覚えています。

Owl CityのようなメロディーセンスにQueenのような美しいコーラスでFrost*のようなシンフォニック系のプログレといった音世界です。

このメロディーを大事にする精神は日本の音楽からの影響ではないでしょうか。

アルバム

本作はそんなFredde Greddeのデビューアルバムです。
下手なプログレバンドはただ長い曲を垂れ流して中弛みがありますが、Fredde Greddeはまるでいろんな音楽のサビを繋ぎ合わせたかのような甘美なメロディーづくしになっています。

アコースティックギターやアコーディオン、フルートといった楽器を使い叙情的な雰囲気を助長させます。

プログレといって敬遠しなくても大丈夫です、ラストの「Time Will Tell」は15分を越えますが、それ以外は4、5分程と短めで聴きやすいと思います。

日本人好みの美メロセンスを持つ若者がゲーム音楽やアニソンをプログレに昇華させた名盤を是非。

Solace Distant


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The Clash / The Clash 邦題 白い暴動 (1977年)



今回紹介する名盤はパンクで最も成功と評価を手に入れたバンドのアルバムです。

ジャンル

パンクロック
ガレージロック

イギリス

Joe Strummer
Mick Jones
Paul Simonon
Nicky "Topper" Headon

バンド

The Clashは世界がパンク戦国時代だった頃、早い段階でパンクに通じる精神を持つレゲエの他にソウル、ジャズ、ダブなどに接近し一線を画した存在となり、今ではローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストで第28位にランクインしています。

特に1979年発表「London Calling」はアメリカでも広く知られ、今までパンクをこき下ろしてきたイギリスの音楽批評誌にも絶賛されました。
次作1980年発表「Sandinista !」は3枚組の意欲作でThe BeatlesのWhite Albumに匹敵するとまで言われるほどです。
パンクというと荒れ狂って非常識な行動をし、不適切な言葉を喚き散らすというイメージ(かなり悪く言うと)だと思うのですが、ロックの殿堂入り恒例の授賞式での演奏を「チケットが2,500ドルもするような、普通のファンが来られない場所で再結成するのは嫌だ」となんとも紳士的な理由で断りました。

それは彼らがパンクバンドでは珍しい中産階級出身であることが影響しているのかもしれません。

The Clashの影響力は物凄くNirvanaやU2、Green Day、Red Hot Chili Peppersなどパンク以降のロックミュージックの全てに影響を与え続けていると言っても過言ではありません。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部に登場するスクアーロのスタンドの元ネタです。


アルバム

本作は上記したThe Clashのデビューアルバムになります。

この頃はまだレゲエやダブといった音楽にあまり接近していない純粋なパンクロックを聴けます。

私はアルバムを買う際輸入盤を好んで買います。
それは、日本盤にしかないボーナストラックとかが作品としての統一感を壊してしまう感じがしてしまうからです。

しかし、本作はUS盤を買いました。

というのもUS盤にはThe Clashの代表曲の1つ「I Fought the Law」のカバー曲が入っているからです。

まさに白い暴動、若者のエネルギーで当時の音楽業界をぶっ壊した名盤を是非。
I Fought the Law


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Spangle call Lilli line / PURPLE (2008年)



今回紹介する名盤はメンバー全員がデザイナーやカメラマンという仕事を持ちながら、音楽は趣味と言い切るバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
エレクトロニカ

日本

大坪加奈
笹原清明
藤枝憲


バンド

Spangle call Lilli lineは元々美術大学時代の友人だった大坪加奈と藤枝憲でバンドを結成したのが始まりでした。

本当にSpangle call Lilli lineの活動は自由で、趣味でやってる音楽が一定の評価とセールスを獲得し続け、ライブをすればライブ会場が満員になってしまうのだから凄いです。
またそのライブをする理由が「ライブアルバム作りたいから」というではありませんか。
今の若手バンドが聞いたらきっと正気を保てないでしょう。

またSpangle call Lilli lineと並行して、大坪加奈はソロプロジェクト「NINI TOUNUMA」、笹原と藤枝は「点と線」というプロジェクトで活動しています。

Spangle call Lilli lineの音世界はジャジーなポストロックサウンドに大坪加奈の気だるげでアダルトな雰囲気で尚且つ、浮遊感ただようスモーキーな歌声を乗せたハイセンスな音楽です。

また、日本語なのに日本語に聴こえない抽象的な歌詞世界に歌唱法も魅力の1つでしょう。


アルバム

本作を一言で言い表すならオシャレでメロウです。

俗にいうオシャレな場所、カフェやレストラン、美容院、バーなどでかかっていそうな音楽です。
アンビエント的に聴くことも出来るし、しっかり聴き込むことも出来るハイブリットな作品です。

キラーチューンこそ無いものの、全曲佳作というようなアルバムなので、どれか1曲を聴いてもらって琴線に触れればもうSpangle call Lilli lineの世界から抜け出せなくなるでしょう。

エレクトロニカ的なメロディアスな旋律にポストロック的なノスタルジックな演奏を掛け合わせた名盤を是非。

sea


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