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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Keith Jarrett / The Köln Concert (1975年)



今回紹介する名盤はジャズの帝王Miles Davisの下でChick Coreaと双璧を成していた最高峰のピアニストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ

アメリカ


アーティスト

Keith Jarrettはジャズピアニストですが、それ以外にもクラシックやゴスペルなどの要素も取り入れた様々な音楽性を持つピアニストでコンサートなどでは完全即興演奏などの離れ業を見せてくれます。

完全にピアノ演奏の世界に入り込むと中腰の姿勢で、時折うなり声を出しながらピアノを演奏します。
その集中力は凄まじく精神を使うので、2014年5月に大阪で行われたコンサートで観客の咳や掛け声などに集中力を邪魔され演奏を数度中断して、最後にはそのままコンサートが終了というトラブルが発生しました。

たったそれだけで中止?と思われるかもしれませんが、Keith Jarrettのコンサートに使われる集中力はそれほど大きいのです。
それがなければ、あの神憑った演奏は出来ないのです。

ピアニストでありながら演奏楽器もピアノにとどまらず、ソプラノサックス、パーカッション、ハープシコード、リコーダーなど様々です。

Keith Jarrettを好まない人の多くはピアノの儚く美しい旋律の後ろで、Keith Jarrettのうなり声が気になるのでしょう。
これはKeith Jarrettの魂の叫びなので、いい演奏の時にこそ出てきます。

もうそれもKeith Jarrettの音楽の世界なのだと思う外ありませんが、もしどうしても気になってダメだという人には1999年発表の「The Melody At Night, With You」をおすすめします。


アルバム

本作はKeith Jarrettの本質である「完全即興演奏」を収めたアルバムであります。

また本作はソロコンサート作品の中で最も人気のある作品で、当時の日本のジャズ喫茶で本作のリクエストが殺到しましたが、頭の固いジャズ喫茶では「ケルンお断り」という貼り紙が店内に貼られたりしてちょっとした社会現象が起きたほどであります。

スタジオアルバムでもないのにも関わらず、ホンダ レジェンドのCMや、パナソニックの「プラズマタウ」のCMに使われるほどの完成度です。

本作を聴くとKeith Jarrettがどれ程神経を研ぎ澄まして演奏しているかがわかる名盤を是非。

Part 1


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相対性理論 / ハイファイ新書 (2009年)



SMAP の「GAIAにおねがい」、ももいろクローバーZの「Z女戦争」などを手掛けた「やくしまるえつこ」が中心に結成されたバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
AOR

日本

やくしまるえつこ


バンド

やくしまるえつこ曰く相対性理論というバンドはソフトウェアというとこらしく、メンバーも流動的であることが前提で一般的なバンドよりもプロジェクトとして動いているので参加メンバーや人数もかなり変動しています。

そんな活動が音楽業界で話題になり2009年7月号の「STUDIO VOICE」で相対性理論の特集が組まれました。

ライブ会場と通販のみで4000枚売り上げた自主制作音源「シフォン主義」のリマスター盤はタワーレコード全店ウィークリーJ-POPインディーズチャートで1位を獲得しました。

相対性理論はアルペジオを多用したリズミカルなメロディーに少しインディーロック的な要素を含んだサウンド、そこに やくしまるえつこの柔らかく浮游感漂うウィスパーボイスが絡みます。
やくしまるえつこの声は独特で可愛らしいロリータボイスなのにアダルトなハスキーボイスなんです。

相対性理論は大友良英、ムーンライダー、Thurston Moore(Sonic Youth)、栗コーダーカルテット、my bloody valentine、Arto Lindsayといったように様々なジャンルのアーティストと競演しています。

また、最近ではメンバーもそれぞれでソロ活動を活発にしていますが相対性理論として2013年にはフジロックに出演しました。

アルバム

本作は相対性理論の2枚目のアルバムですがデビューアルバムの「シフォン主義」は15分ほどしか収録されていませんので、私は本作が相対性理論の1枚目のフルアルバムと考えています。

ハイファイ新書とは「解体新書」と「ハイファイ」を掛けたもので、ジャケットにデカデカと書かれている33:21とは本作の収録時間のことです。

また、ジャケットの女の子の絵はやくしまるえつこが描いたものです。

私が特にオススメする曲は、意味がありそうでない歌詞とノスタルジーなサウンドがやみつきになる4曲目「四角革命」と浮游感あるボサノヴァ風なサウンドの7曲目「さわやか会社員」です。

中毒性を持つやくしまるえつこのウィスパーボイスと幻想的なバンドサウンドに酔いしれること間違いなしの名盤を是非。

四角革命


さわやか会社員


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Yves Carbonne / Seven Waves (2007年)



今回紹介する名盤は8弦10弦12弦ベースを巧みに弾きこなすベーシストのアルバムです。

ジャンル

ジャズ

フランス

Yves Carbonne


アーティスト

私がYves Carbonneを知ったのは同じ多弦ベーシストであるJean Baudinを調べていた時でした。
「孤独に強くなれるかもしれない作業用BGM」という動画を見てすぐにアルバムを購入しました。

スーパーベーシストにありがちな超絶技巧を見せびらかすだけの曲でなく、曲自体が本当に美しくて儚いんです。
まぁ、結局やってることは超絶技巧なんですがね。

新しい奏法で当時多くのフォロワーを生んだDominique Di Piazzaとチューニングを変えながら演奏するという変態ベーシストMichael Manringと2005年に「Carbonne-Di Piazza-Manring」というスーパーベーシスト3人で作った作品を発表しています。

そして、なにを隠そうYves CarbonneはDominique Di Piazzaの愛弟子なのであります。

Yves Carbonneは10弦のフレットレスベースで旋律と伴奏を1人でこなします。
またその旋律が哀愁溢れるいい雰囲気の旋律なんです。

日本では特にVictor WootenやMichael Manringといったスーパーベーシストが人気ですが、Yves Carbonneも彼らに負けず劣らずの実力の持ち主であります。


アルバム

本作は見た目が絶対フランス人ではないことでお馴染みのフランス人ボーカリストGuillaume Eyangoをゲストに迎え入れます。

3曲目の「Holy Spirit 2nd Verse」のようなしっとりとしたムーディーな曲から、4曲目の「Childhood」爽やかなインスト曲まである幅広い作品になっています。

ベーシストが作品を作ると音楽性関係無しの超絶技巧を撒き散らすだけのアルバムになりがちですが、本作はそうではなく1つの音楽として名盤だと思います。

参考になる、ならないを抜いてベーシスト必聴の名盤を是非。

Holy Spirit


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秦基博 / BEST OF GREEN MIND '09 (2010年)



今回紹介する名盤は「鋼と硝子でできた声」を持つ通称ハタ坊と言われるアーティストのアルバムです。

ジャンル

ポップ
アコースティック

日本

秦基博(はた もとひろ)


アーティスト

ハタ坊は3人兄弟の末っ子で6年生の時、兄から3000円で買い取ったギターで作曲を行い、高校生の頃には本格的に楽曲制作が出来るようになります。
そして、知人の伝でライブハウスF.A.D YOKOHAMAに出演し、以降横浜を中心に渋谷や下北沢などで弾き語りでのライブ活動をするようになります。

その活動が実を結び、2006年に山崎まさよしや、スガシカオ、スキマスイッチ、竹原ピストルといった人達が在籍している優良レーベル「オフィスオーガスタ」と契約し、その年のAugusta Camp 2006でオープニングアクトを務めました。

デビューシングル「シンクロ」は全国FM局が選定するパワープレイを43局で獲得し新記録曲となりました。

この曲は「COUNT DOWN TV」のオープニングテーマに使用されハタ坊は一躍有名になります。
そして、ここから怒濤のタイアップが始まります。

花王アタックのCMソング -「風景」
スッキリ! -「フォーエバーソング」
2009年の甲子園のテーマソング -「Halation」
アニメ「宇宙兄弟」- グッバイ・アイザック
「STAND BY MEドラえもん」の主題歌 - ひまわりの約束

といった具合に私がすぐに思い付くだけでもこれだけあります。

ハタ坊の歌声を聴いた平井堅は歌手をやめようかと思ったというほどです。

ハタ坊にはアコースティックギターの音だけで十分なんです。

旨いうどんにはダシだけで十分なのに、天ぷら、キツネ、挙げ句の果てにカルボナーラ風とか…せっかくのうどんが台無しです。

私は弾き語り系の作品を望みます。


アルバム

本作はアコースティックツアー「GREEN MIND」のライブアルバムなので、ハタ坊の素材の味を生かした作品になっています。

ライブアルバムなのでシンシロや鱗、Halation、朝が来る前になど代表曲が目白押しです。

私は2014年のGREEN MINDに行ったのですが、あまりに正確な歌声にCD音源かと思うくらいだった半面、アコースティックギターと1人の歌声でここまで迫力を出せるのかと驚愕しました。

他の音はいらない!ハタ坊の歌声を存分に堪能出来る名盤を是非。

朝が来る前に


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Antoine Dufour / Naissance (2004年)



今回紹介する名盤はスカイプを通してギター教室の先生として活動もしているギタリストのアルバムです。

ジャンル

フォーク
ケルト
インスト
アコースティック

カナダ

Antoine Dufour


アーティスト

Antoine Dufourは15歳からギターを始めて、当時教わっていたギター教室の先生におすすめされたLeo KottkeやDon Ross、Michael Hedgesを聴いてギターを学びました。

そして、努力の末ギターの才能が開花し、2005年に行われたカナディアンギターフェスティバル国際フィンガースタイルギター部門で2位にランクインし、更に2006年同大会で優勝し一躍有名になりました。

Antoine Dufourは同じジャンルで頭ひとつ飛び抜けて人気のあるAndy McKeeや、ライブでのパフォーマンスや、YouTubeなどを使い少しずつ人気を獲得していきます。

2007年にはAndy McKeeとコラボしたDVD「Antoine Dufour / Andy McKee Split」で話題になりました。

Andy McKeeは変則チューニングから鳴らされる哀愁溢れる繊細な旋律が売りですが、Antoine Dufourはハーモニクスを多用し、パーカッションも駆使するスタイルで爽やかなケルト調の旋律に港のようなイメージを感じさせる音世界です。

まるで、港町の少年が冒険に旅立つような明るい爽やかさです。
曲によってはバイオリンやフルートといった楽器と重奏するケルト風のサウンドなので、何処となくRPGゲーム音楽的な疾走感溢れるケルトサウンドです。


アルバム

Antoine Dufourはこれまでに6作品発表しといて今回取り上げる本作はデビュー作で、いろんな音楽評論家から評価を受けました。

1曲目の「Naissance」から爽やかな風が吹き抜けるギターサウンドで気持ちが高鳴ります。

私はケルト風な6曲目の「2 vs 3」や9曲目の「The Springtime」が好みです。

カナダの港町の風を感じられる名盤を是非。

Naissance


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