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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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栗コーダーカルテット / 笛社会 (2007年)



今回紹介する名盤は「やる気のないダースベイダーのテーマ」とネットやラジオで話題になったバンドのアルバムです。

ジャンル

ニューエイジ
イージーリスニング

日本

栗原正己
川口義之
関島岳郎
(近藤研二)


バンド

栗コーダーカルテットはメンバー全員が作曲編曲のできて、尚且つメンバー全員マルチプレイヤーというスーパーバンドであります。
それなのに気の抜けたサウンドが非常に心地好いんです。

栗原正己は「ピタゴラスイッチ」や「おかあさんといっしょ」などの子ども向け番組から「あずまんが大王」や「毎日かあさん」などのアニメ、そして数多くのCMまでと幅広く楽曲提供を行っています。

川口義之「恋する雑貨」や「野田と申します」のテーマ曲を提供したり、渋さ知らズのメンバーとしても活躍しています。

近藤研二は相対性理論と共演したり、ももいろクローバーZの曲をアレンジしたり、栗コーダーカルテットやhi-posiをはじめとする様々なバンドで活躍しています。
また、アカデミー短編アニメ賞を受賞した「つみきのいえ」の音楽を担当しています。

関島岳郎はポップミュージック界では貴重なテューバを演奏出来るとあってライブやレコーディングなどで様々なアーティストと共演しております。
また、自身も生楽器と電子音をうまく合わせたぼんやりとしたアンビエント系の音楽を作曲しています。

栗コーダーカルテットは1997年に初めて発表したアルバム「蛙のガリアルド」を期にアニメやドラマのBGMを担当することが増えました。

2000年に「おかあさんといっしょ」の挿入歌である「あめふりりんちゃん」を担当し、2002年には今や万人が知っているピタゴラスイッチの音楽を担当しました。

そして、2005年に発表したオムニバスアルバム「ウクレレ・フォース」の「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」が「やる気のないダースベイダーのテーマ」と話題になり一躍有名になりました。

今やテレビを見ていると聴かない日はないというくらいバラエティーや教育番組、CMなど様々な番組で使われるくらい使いやすい音楽なのでしょう。


アルバム

本作はそんな栗コーダーカルテットの2007年発表の5枚目のアルバムで有名になってから初めてのオリジナルアルバムで注目されていました。

1曲目の「ベルニナ急行食堂」からゆるい疾走感があり、思わずニヤニヤしてしまいます。
3曲目の「アップ・オン・ア・ムーンヒル 〜桂林を下って月の丘に昇る〜 」のほのぼの系音楽がゆる~り流れてリラックスできます。

朝日を浴びモーニングを食べながら聴くも良し、昼間に散歩しながら聴くも良し、夜に少ない明かりの中で聴くも良しといったように時場所を選ばないで聴けます。

本作を聴くとストレスを「解消」するのではなくストレスを体から流れ出してくれる気がします。

このストレス社会を忘れさせてくれる笛社会はデトックス効果のあります。

仕事の疲れや悩みなどの心の老廃物を流し出してくれる名盤を是非。

おじいさんの11ヶ月


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haruka nakamura / grace (2008年)



今回紹介する名盤は世界的人気の日本人DjのNujabesに見出だされたアーティストのアルバムです。

ジャンル

ポストクラシカル
エレクトロニカ
アンビエント

日本

haruka nakamura


アーティスト

haruka nakamuraは5歳から家にあるピアノを弾き始めるのですが、ピアノの先生や誰かに教わるのではなく家から夕日を眺め、それに合う音楽を好きなように演奏して独学で学んでいきます。
しかし、年頃のharuka nakamuraはピアノは女子の習い事というイメージから中学からはギターを弾き始めバンドを始めます。

高校に入学する時にバンドメンバーとバラバラになり夏には退学し上京します。
そして、音楽の専門学校に入学しますが気の合いそうな人はおらず一週間ほどでやめてしまいます。
それ以降は家で一人ギターを弾いたり、デモを製作したり、セッションが好きなharuka nakamuraは路上ミュージシャンとセッションしたりする日々を過ごしていました。

そして、Myspaceというものを知り自分の音楽を第三者に聴いてもらおうと軽い気持ちで音源をアップしました。
するとNujabesから「最高のギター弾いてください」と連絡が届き、一緒にセッションし作品を制作していきましたが形になる前にNujabesは交通事故に遭い帰らぬ人となりました。

インディーズレーベルからAkira Kosemuraとコラボレーションアルバム「Afterglow」を2007年に発表しました。
そして、haruka nakamuraは本格的に音楽を発表するなら「過去」「現在」「未来」と三部作にしたいと考えていて、生まれ育った青森の風景をイメージした「grace」現在暮らしている東京をイメージした「twilight」そして未来をイメージした「MELODICA」をそれぞれ発表しました。

2014年には集大成とも言える100分を越える大作「音楽のある風景」を発表しました。
また、haruka nakamuraは音楽をデータで買える時代にCDをわざわざ買ってくれるなら写真や花と同じように家に飾れるようにとジャケットにも力を入れています。

アルバム

本作は三部作の始まりの「過去」にあたる作品で録音のする為に1度故郷に戻って学校のピアノであったりバスや喫茶店、近所の子どもたちが遊んでいる声など故郷の音をたくさん詰め込んだ力作になっています。

ジャケットも秀逸で本作の音をしっかりと表している風景の写真です。

アコースティックギターやクラシックギター、ピアニカ、ピアノ、アップライトベースなどを使って、優しくて暖かい音楽を奏でます。

仕事や結婚なんかで実家から出て、都会で忙しく何年も帰ってない人は本作を聴くと実家が恋しくなることでしょう。

単身赴任で家族に会えず子どもの写真を見ながら本作を聴いたら涙が出ること必至です。

都会の喧騒から少しでも離れられるどこか懐かしい名盤を是非。

Arne


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Gavin Bryars / The Sinking of the Titanic 邦題 タイタニックの沈没 (1994年)



今回紹介する名盤は豪華客船タイタニック号の隠れた秘話に元に作られたアルバムです。

ジャンル

アンビエント
現代音楽
クラシック

イギリス

Richard Gavin Bryars


アーティスト

現代音楽と呼ばれるジャンルは不協和音を多用する聴き辛いジャンルなのですが、Gavin Bryarsは比較的入りやすい音楽を作曲することで知られています。

Gavin Bryarsが大学卒業後に3年間音楽を学びます。
その時はジャズベーシストとして活躍していて、オーソドックスなジャズばかりを演奏していましたが、せっかく可能性のある若い音楽家なのに形式にはまった演奏ばかりしていることに疑問を持ち始めます。

そして、John Coltraneに影響を受け自由な即興演奏に変わっていき、さらに作曲の方に興味を持ち始めMorton FeldmanやEarle Brown、Steve Reichなどの現代音楽家やミニマルミュージックに影響を受けながら作曲していました。

そして、1969年にGavin Bryarsが長い年月付き合っていく作品「The Sinking of the Titanic 邦題 タイタニックの沈没」が始まります。
これは沈みゆくタイタニックの上で最後まで演奏を止めなかった音楽家たちの演奏を生き残った乗客や船員たちの証言や記録を元に再現するという作品でGavin Bryarsの名前は世界に知れ渡りました。

これは実に20年以上かけて制作され、新しい資料や情報が入れば随時変えていきました。
また、環境の整ったスタジオではなく実際の状況に近い貯水塔やプールで演奏を録音し、沈み行く船を表現するために様々な効果音を加えました。

Aphex Twinは「26 Mixes for Cash」でRaising The Titanicのリミックスをしています。

偶然性の音楽を作るために素人の学生たちを集めクラシック音楽を演奏させるなど新しいことに挑戦していました。

そして、こういった感性はBrian Enoにも影響を与えました。

アルバム

本作は上記したようにGavin Bryarsの出世作になります。

これは実話に基づいていてタイタニックが氷山に衝突し沈没するまでの間に演奏していたであろう曲を再現したものです。

船員達が救助活動をしている間、乗客が少しでも落ち着けるように演奏を続け船と運命を共にしました。

その勇姿ある演奏家達はWallace Hartley、Roger Bricoux、John Clarke、Percy Taylor、Georges Krins、Theodore Braile、Jock Hume、John Wesley Woodwardの8人でリーダーであるWallace Hartleyの遺体を引き上げてみるとバイオリンを大事に抱え込みながら亡くなったそうです。

映画のタイタニックではレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのラブストーリーですが実際は映画よりドラマチックな事が行われていたのです。

偉大なる8人の演奏家が死を覚悟して奏でた鎮魂曲を再現した名盤を是非。

The Sinking of the Titanic


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ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS Ⅱ (2004年)


今回紹介する名盤は「日本のロックシーンの第一線に立ち続け、無数のフォロワーを増やし続けている」と言われるバンドのアルバムです。

ジャンル

ミクスチャーロック
オルタナティブロック
プログレッシブロック

日本

向井秀徳
吉兼聡 通称 カシオマン
松下敦 通称 柔道二段
吉田一郎
(アヒト イナザワ)
(日向秀和) 通称 町田のヤンキー

バンド

向井秀徳はNUMBER GIRLというバンドで活躍しており、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやBase Ball Bear、凛として時雨、9mm Parabellum Bullet、LUNKHEAD、WHITE ASHなど現在日本のロック界で活躍しているバンドに多大な影響を与えたバンドであります。

その向井秀徳が現在動かしているバンドがZAZEN BOYSであります。
どういうバンドかといいますと「法被を着たLed Zeppelin」と向井秀徳は例えております。
これは音楽性の話ではなくLed Zeppelinのように4人全員の個性の集合体という意味だそうです。

ZAZEN BOYSはhàlのバックバンドとして向井秀徳と54-71が組んだことが始まりでした。
そして、自分のしたい音楽を鳴らすためにNUMBER GIRL時代から相性抜群のアヒトを連れてメンバー集めを開始し、吉兼聡をメンバーに入れ本格的にZAZEN BOYSを始動させます。

DRY&HEAVYのライブを一緒に見ていた日向秀和をメンバーに誘おうと「自分さ、あんくらい出せんの?」と向井秀徳が問いかけると、挑発されたと勘違いしてしまい、なめられないよう「出せますよ」と言ったそうです。

後日、向井秀徳とアヒトと行ったセッションは死ぬほど緊張したそうです。

現在はアヒトと日向秀和は脱退し、松下敦と吉田一郎が加入し活動していました。
2017年に相性抜群だったベーシスト吉田一郎が脱退し、385のベーシストMIYAが加入し話題になりました。

向井秀徳のダサいラップ(勿論いい意味で)が日本特有の念仏のようで結果として他にはない音楽が生み出されています。

活動拠点は向井秀徳が設立した「MATSURI STUDIO」でレコーディングしたりしています。
因みにMATSURI STUDIOは当初BIKKURI STUDIOという名称だったのですが、向井秀徳自身が少しずつびっくりしなくなったのを理由に今のMATSURI STUDIOという名称で落ち着きました。

アルバム

本作はタイトル通りZAZEN BOYSの2枚目のアルバムですが、1枚目のアルバムはまだ半分NUMBER GIRLといった感じが個人的にするので、ZAZEN BOYSとして本領発揮された本作をよく聴きます。

この頃のZAZEN BOYSは基本「繰り返される諸行無常、よみがえる性的衝動」としか言っていないと言っても過言ではありません。

ゲストボーカルに椎名林檎を起用していて、雰囲気ぴったりで最高です。
「CRAZY DAYS CRAZY FEELING」のイントロのギターの音は本当に6本の狂ったハガネの振動のようでめちゃくちゃかっこいいんですよ。

安眠棒も最高にかっこいいんですが、安眠棒の意味を説明している向井秀徳は最高にダサいんですよ(勿論いい意味で)。

安眠棒とは向井秀徳の夢の中で出てきたヨボヨボのお師匠さんが使っていた最強の武器ということらしいです。

日本古来からの念仏をロックに鳴らすThis is ZAZEN BOYSの名盤を是非。

CRAZY DAYS CRAZY FEELING


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NUMBER GIRL / NUM-HEAVYMETALLIC (2002年)


今回紹介する名盤は椎名林檎がおっかけをするくらい好きだったバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティブロック
ポストハードコア

日本

向井秀徳
田渕ひさ子
中尾憲太郎
アヒト イナザワ


バンド

NUMBER GIRLはASIAN KUNG-FU GENERATIONやBase Ball Bear、凛として時雨、9mm Parabellum Bullet、LUNKHEAD、WHITE ASHなど現在日本のロック界で活躍しているバンドに多大な影響を与えたバンドであります。

当時あまりの影響の大きさにSUPERCAR、くるり、NUMBER GIRLの3つのバンドと中村 一義で「97の世代」と呼ばれています。

NUMBER GIRLの中心人物の向井秀徳は兄にすすめられたPrinceで洋楽に興味を持ち、初めてギターの練習でコピーした曲はLed Zeppelinの「Achilles Last Stand 邦題 アキレス最後の戦い」であまりの難しさに断念し作曲を始めます。

現在はZAZEN BOYSKimonosなどでバンド活動する傍らTHE ALFEEの高見沢俊彦の「けだるい色の花」の作詞をしたり、ポカリスエットのCMでナレーションに抜擢されたり、映画「少年メリケンサック」のサントラを担当したりといろんな方面で活躍しています。

NUMBER GIRLはPixiesのように乾いた轟音ギターに重みのあるベース、絶叫するようなボーカルで後期にはZAZEN BOYSに繋がる念仏ラップの原型のような曲もあります。

NUMBER GIRLが敬愛しているバンドbloodthirsty butcherseastern youth、fOULが北海道出身ということでラストライブは札幌で行いました。
NUMBER GIRL解散後bloodthirsty butchersに田渕ひさ子が加入し、中心人物である吉村秀樹と結婚したり、eastern youth主催のオムニバス盤「極東最前線」に参加したり、eastern youthの最新作ボトムオブザワールドに収録されている「直に掴み取れ」ではコーラスを向井秀徳が担当しています。

アルバム

本作はNUMBER GIRLのスタジオ収録としてはラストアルバムになっていて、前作「SAPPUKEI」と同じくDave Fridmannをプロデューサーに迎えています。
初めの方は日本語を全く話せなかったDave Fridmannでしたが本作でもう三度目の録音になるので、最後の方には「モットタイトニ!」と話せるほどに上達したそうです。

「Num-Ami-Dabutz」は当時の向井秀徳が「今もっとも対バンしたいアーティスト」と言っていた54-71に影響を受けて作曲したそうです。

この曲は2010年の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」のCMで何度も流されていましたので聴いたことのある人も多いかと思います。

ギターを演奏しているのは女性だということを忘れてしまうくらい突き刺すように鋭く尖っています。

大和魂溢れるMATSURIサウンドを取り入れたオルタナティブロックの名盤を是非。

Num-Ami-Dabutz

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