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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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The Flaming Lips / Yoshimi Battles the Pink Robots (2002年)



今回紹介する名盤はとあるギネス記録を持つバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティヴロック
サイケデリックロック
スペースロック
エクスペリメンタルロック

アメリカ

Wayne Coyne
Michael Ivins
Steven Drozd
Derek Brown
(Mark Coyne)

バンド

The Flaming Lipsは今でこそ明るく多幸感溢れる万華鏡サウンドで知られていますが、初期の頃はカルト的なムードのするノイジーなガレージロックバンドでした。
しかし、メンバーも変わりながら少しずつ壮大なスペーシーなサウンドだったり、エレクトロニカ要素を加えたドリーミーなサウンドなどに変化させていきます。

The Flaming Lipsはライブパフォーマンスに定評ががあり、Wayne Coyneが巨大風船の中に入って客席にダイブしたり、たくさんの着ぐるみが登場したり、カラースプレーや無数の風船でライブ会場をカラフルに色付けたりするので、ライブ会場がファンタジーの世界へと変わるのです。

それはまるでディズニーランドなどで行われるパレードのようなので、例えば音楽に全く興味の無い彼女とライブに行っても「今日は楽しかった!」と言ってもらえるでしょう。

そんなリスナー思いのThe Flaming Lipsですが音楽面では非常に探究心があり実験的で1997年に発表された「Zaireeka」は4枚組なのですが、ただの4枚組ではなくてこれは4台のプレイヤーに8台のスピーカーを使って4枚を同時に再生することで初めて曲になるというものです。

そんな音楽環境のあるリスナーは少ないので辛い思いをしたファンがたくさんいたはずです。
因みにASIAN KUNG-FU GENERATIONの「サイレン表裏」も終わりを合わせて再生すると男目線と女目線の掛け合いが楽しめるので是非聴いてみて下さい。

現代版PINK FLOYDと言われるだけあって2009年には歴史的名盤「Dark Side of the Moon 邦題 狂気」のカバーアルバムを発表して話題になりました。

最後になりましたがThe Flaming Lipsの保持するギネス記録は「24時間以内に複数の都市で行ったコンサートの数」であります。
これは2006年までJay Zの持つ7公演を1つ上回る8公演を行い記録更新されました。

ただライブをすればいいのではなくて、ギネス認定員が同行して一定の基準に達したライブが行われていることを認められなければならないのです。

アルバム

本作のタイトルは英語の知識ゼロの私でも分かるレベルで、訳すと「ヨシミ対ピンクのロボット」といった感じでしょう。

ヨシミというのは勿論日本人なのですが、なぜ日本人が選ばれたかというとWayne Coyneの友人で熱狂的ファンの日本人女性の死を切欠に生まれたコンセプトだからだそうです。

亡くなった女性の名前ではなくて、Nirvanaの前座経験を持ちThe Flaming Lipsと面識もある世界的に活躍している日本人バンド「ボアダムズ」のドラマーYoshimiから取られました。

本作にはストーリーがあります。
そのストーリーをザックリ説明すると、街を破壊するためやって来た凶悪なピンクのロボットを退治するために立ち向かう柔道少女ヨシミ。
そして、ヨシミと戦う中でピンクのロボットはヨシミに恋をしてしまい、恋したピンクのロボットはヨシミを攻撃出来ずに倒されてしまうのです。

そんな何処か切ないラブストーリーなのです。

フワフワとしているファンタジックなサウンドにWayne Coyneのヘロヘロなボーカルが切なさに拍車をかけています。

「Do You Realize??」はオクラホマ州の公式の歌に選ばれました。

少女とロボットの叶わぬ恋物語を切なく歌った名盤を是非。

Do You Realize??


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Oasis / (What's the Story) Morning Glory? (1995年)



今回紹介する名盤はブリットポップの火付け役となった2大バンドの1つのアルバムです。

ジャンル

ブリットポップ
オルタナティヴロック

イギリス

Liam Gallagher
Noel Gallagher
Gem Archer
Andy Bell
Chris Sharrock
Zak Starkey

バンド

1994年4月5日にNirvanaのKurt Cobainの自殺という突然の出来事にファンはショックを受け、音楽業界は混乱しグランジブームが終わりを迎えました。
そんな中2つのバンドが新たな流れを作り出します。

そのバンドとはDamon Albarn率いる「Blur」とGallagher兄弟率いる「Oasis」の2つのバンドです。
ブリットポップムーブメントは1994年に発表されたBlurの3枚目のアルバム「Parklife」とOasisのデビューによって火が付きました。

Oasisはこれまでに7000万枚以上売り上げ、2005年には過去10年間でイギリスで最も成功したバンドとしてギネスに認定されるほどのバンドなんです。

ロックミュージックというものは音楽ジャンルによって様々なファッションがあり流行を作ります。
例えば、Elvis Presleyはリーゼントに革ジャン、The Beatlesはマッシュルームカット、NirvanaのKurt Cobainは古着、そしてOasisのGallagher兄弟はウインドブレイカーやジャージといった普段着ファッションは当時とても新鮮でした。

Liam GallagherはQ誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーで第11位にランクインしていて、1990年代以降のイギリスのロックシーンで最も認知されているロックシンガーといえます。

Noel Gallagherとの兄弟喧嘩や破天荒な言動と立ち振舞い、あげくの果てに二日酔いでステージに上がったりというロック魂溢れるダメダメ人間ですが、以外と子ども思いのいい父親で自分の子どもを学校まで毎日送り届けたり、学校で生徒たちに音楽を教えたり、一緒にサッカーをやったりしているのです。

2009年のNoel Gallagherの脱退で事実上解散となり、残った他のメンバーで「Beady Eye」を結成しましたが2014年に解散しています。
因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部に出てくるセッコのスタンドの元ネタです。

アルバム

本作はOasisが1番売り上げた作品でイギリスだけで440万枚以上売り上げ、他の世界も含めると2300万枚以上にもなります。

これはQueenの「GREATEST HITS」、The Beatlesの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」に次ぐ第3位になります。

また、2010年に行われたブリットアワードでは「過去30年間のベストアルバム」に選ばれたり、ローリングストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500で378位にランクインするなど歴史的名盤といえるアルバムです。

本作でOasisはロックスターの仲間入りしたといえるのではないでしょうか。
ジャケットデザインの道路の写真はGallagher兄弟が敬愛するThe Beatlesのアルバムである「Abbey Road」のオマージュと言われています。

「Roll With It」「Wonderwall」「Don't Look Back in Anger」「Some Might Say」などOasisの代表曲だらけで、もはやベストアルバムと言えるくらい名曲だらけです。

洋楽の名盤を探していると必ず目にすると思います。

ブリットポップ全盛期から今まで消えることなく燦然と輝く歴史的名盤を是非。

Wonderwall


Don't Look Back in Anger


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pigstar / 雨が好きだった (2005年)



今回紹介する名盤はOasisのGallagher兄弟と違い仲良し兄弟のバンドのアルバムです。

ジャンル

オルタナティヴロック
エモ

日本

関口友則
関口良二
渡辺貴之
鎌田喜和

バンド

pigstarは2005年に「雨が好きだった」が「ニュースプラスワン」のテーマ曲に採用されて一時話題になりました。
また、2007年には18禁PCゲーム「ピリオド」に「永遠の存在者」「バロック」が使用されます。
18禁PCゲームはだいたい女性ボーカルの曲ばかりなのでこれはとても珍しいと言えます。

そして、2008年に「君=花」がアニメ「純情ロマンチカ」のオープニング曲に使用され、次作「純情ロマンチカ 2」では「衝動」がオープニング曲に使用されるなど前代未聞の連続タイアップをします。

2009年には映画「愛到底 L-O-V-E」の主題歌に「I can't」が使用され、台湾でワンマンライブを成功させます。

アニメ、映画、ゲームと数多くタイアップされたのにも関わらず上手くブレイク出来ずに2010年に活動休止を発表します。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONやBUMP OF CHICKENと変わらないくらいキャッチーで耳馴染みのいいロックミュージックなのにも関わらず、一般のリスナーに浸透しなかったのはとても残念です。

浸透しなかった理由の1つに「ビジュアル面」があると思います。
「pigstar」直訳すると「豚の星」からわかるようにギタボでフロントマンの関口友則が少し太っているので、豚の星になるという意味を込めてこのバンド名にしたそうです。

多くの人が音楽を「耳で聴いている」ではなく「目で聴いている」のでテレビでチヤホヤされているアイドルや派手なバンドがオリコンのトップを独占してしまい、音楽を本当の意味で聴かなくなる人が増えてしまったように思います。

今の音楽は自ら探さないといい音楽には巡り会えませんが、探せばいい音楽は日本にも溢れるほどあります。

アルバム

本作は上記したようにpigstarの良さが詰まっているのでpigstarを知るにはぴったりかと思います。

pigstarはネガティブなことをポジティブに歌ってしまうところに私はとても共感してしまうのです。

「雨が好きだった」「ポルカ」なんてまさにネガティブな歌なのにポジティブなサウンドで前向きになれます。
私の1番のおすすめは「台風一過」という曲でネガティブなことを全て台風が吹き飛ばしてくれて、台風が過ぎ去った後の快晴のような気持ちになれるんです。

ピアノエモバンドやASIAN KUNG-FU GENERATION、BUMP OF CHICKENが好きな人はきっと琴線に触れるはずですし、30分ほどで聴き終わるのでスッキリ聴けるはずです。

気分が雨の時に聴くと気持ちが晴れる名盤を是非。

雨が好きだった


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Nirvana / MTV Unplugged in New York (1994年)



今回紹介する名盤はロックの歴史を語る上で避けては通れないバンドのアルバムです。

ジャンル

グランジ
オルタナティヴロック

アメリカ

Kurt Cobain
Krist Novoselic
Dave Grohl


バンド

音楽を聴き始めて洋楽に興味が出てきて始めての洋楽がNirvanaという人も多いのではないでしょうか。
因みにドラマーのDave Grohlは後のFoo Fightersです。

それほど有名なバンドでロックの歴史で「Nirvana以降」というように1つの基準として使われるほどでローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストで第30位にランクインしています。

1991年に発表された歴史的名盤「NEVERMIND」に収録されている「Smells Like Teen Spirit」がMTVに公開されたとたんに当時のアメリカ音楽界がひっくり返り、それまで音楽界を牛耳っていたヘヴィメタル勢が蹴落とされ一夜にしてグランジが新たなトレンドとなる革命が起きたのです。

Nirvanaが先陣を切るとPearl JamやSoundgarden、Alice In Chainsといったバンドが表舞台にのし上がりグランジ全盛期を迎えます。

しかし、反商業主義のKurt Cobainは「NEVERMIND」の大ヒットを素直に喜べず、むしろ憤りを感じ精神的に病んでしまいます。
そして次作「In Utero」はKurt Cobainの意向によってよりアンダーグラウンドな音作りにするためにSteve Albiniをプロディーサーに起用しますが、1994年4月8日に鬱病と薬物中毒の影響で自ら命を断ちました。

遺書にはNeil Youngの曲の歌詞「錆びつくより今燃え尽きる方がいい」が書かれていて、部屋にはR.E.M.の「Automatic for the People」が流されていました。

Kurt Cobainが亡くなった年齢は27歳で、これはRobert JohnsonやJimi Hendrix、Brian Jones、Jim Morrison、Janis Joplinなど奇しくもと同じでありました。

ロックスターにまで上り詰めて、結婚もして子どもも産まれ、言うならば全ての幸せを手に入れたのに死を選んだのです。

Kurt Cobainの死は当時の商業主義の音楽界に戒めとして世のバンド達は自粛ムードへと流れていきました。
Nirvanaは音楽業界をひっくり返すほどの力を持ち、歴史を創ったバンドなのです。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第五部の主人公ジョルノ・ジョバァーナの元ネタです。

アルバム

本作はローリングストーン誌が選ぶオールタイムベストアルバム500で313位にランクインした作品です。

Nirvanaを初めて聴く人や洋楽を初めて聴くという人には「NEVERMIND」をおすすめしますが、Nirvanaは「NEVERMIND」しか聴いたことがなくて「ただの汚くてうるさいバンド」という印象しかない人には是非聴いてもらいたい1枚です。

Nirvanaの印象がガラリと変わり私はいつまでも飽きずにたまに無性に聴きたくなる時があるNirvanaのアルバムです。

アンプラグドという言葉を聴くとEric Claptonを思い浮かべる方も多いかと思いますが、こちらのアルバムも最高の出来であります。

David BowieやThe Vaselines、Leadbelly、Meat Puppetsなどのカバー曲も含まれていてKurt Cobainの趣味嗜好が垣間見れて楽しいです。

Kurt Cobainは生前グランジバンドではなく、いつかJohnny Cashのようにアコースティックギター片手に歌いたいと言っていました。

Kurt Cobainの目指していた本当の音楽が詰め込まれた名盤を是非。

About a Girl



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Nujabes / Modal Soul (2005年)



今回紹介する名盤は今をときめくテニスプレーヤー錦織 圭選手のお気に入りアーティストのアルバムです。

ジャンル

ヒップホップ
チルアウト

日本

瀬葉 淳


アーティスト

Nujabesというアーティスト名の由来は本名の瀬葉淳をローマ字表記にした「SEBAJUN」を逆さから読んだものであります。

パリでのファッションショーの音楽を担当したこともあるくらい世界的に評価をされているトラックメーカーなのです。
その証拠に英語版Wikipediaがあるほどですし、なんなら英語版の内容の方が細かく書かれているくらいです。

そんな国内外と幅広く知られるトラックメーカーNujabesは世界中の良い音楽を安価で提供でき、音楽愛好家やミュージシャンが交流できる場として「GUINNESS RECORDS」というレコード店を出すなど、音楽を心から愛していました。

そんなNujabesが2010年に交通事故で亡くなったと聞いたとき途方に暮れたのを覚えています。

Nujabesのヒップホップをベースにジャズやソウル、ハウスなどを取り込んだ叙情的なチルサウンドは世界中で聴かれ2015年2月26日にはNujabes5周忌追悼イベントが開催され「Luv(sic)」シリーズでの盟友Shing02に始まりUyama Hiroto、haruka nakamura、Cise Starr、Fat Jon、Funky DL、Pase Rock、Substantialなど日本以外からも多くのアーティストが集結しました。

アニメ「サムライチャンプルー」では渡辺信一郎監督から熱いラブコールを受け、Fat Jonと共に高クオリティーなサントラを作り上げました。

Nujabesは亡くなってしまいましたが、Nujabesの音楽は受け継がれていて、Nujabesに発掘されたharuka nakamuraはNujabesのビートとフリートなどが聴ける「MELODICA」という名盤を2013年に生み出していて、Nujabesのトリビュートアルバム「Modal Soul Classics II dedicate to...Nujabes」にはクラムボンやtoeも参加しています。

ジャズやヒップホップは少し取っ付きにくい面もありますがNujabesの音楽センスのフィルターを通すととても美しくて聴きやすく入門するのにはいいと思います。


アルバム

本作はNujabesの代表作とも言える2枚目のアルバムで本作以降Nujabesフォロワーと言えるジャジーヒップホップが流行り出すくらい影響力の大きい作品でした。

当然人気シリーズの「Luv(sic)」も収録されています。

真っ赤なジャケットなのに派手じゃなく落ちついて見えて、私には何処と無く上品な感じがするんです。
品のあるピアノの旋律に落ち着いたビートにチルアウトせざるを得ないでしょう。

ヒップホップに偏見がある人にこそ聴いて欲しい1枚でヒップホップに対する印象が変わること間違い無しです。

また、「日本人でヒップホップかよ(笑)」と思われる人も是非一度聴いてみて下さい。

Nujabesは例外になるはずです。

Nujabesの鼓動のようなビートに乗せて流れるメロディーが体の中を駆け巡る名盤を是非。

Luv (Sic) Part 3 featuring Shing02


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