今回紹介する名盤はジャズギタリストの第一人者といっても過言では無いギタリストのアルバムです。
ジャンル
ジャズ
アメリカ
John Leslie Montgomery
ギタリスト
昔のジャズ世界の花形楽器といえばトランペットやサックスといった管楽器かピアノが主流でしたが、Charlie Christianがギターをジャズに持ち込んで、Wes Montgomeryの活躍でジャズでギターは花形楽器の仲間入りになりました。
Wes Montgomeryは12歳の時にテナーギターという4弦しかなく中低音を鳴らす、言わば半分ベースのようなギターを兄に買ってもらったのが初めてでした。
そして、本格的にギターを始めたのは20歳の頃からで、誰に習うのでは無く一人で黙々とCharlie Christianを聴き、耳コピで学んでいきます。
その為、最後まで楽譜を読むことは出来なかったそうです。
しかし、Lionel Hampton楽団のメンバーに見事選ばれ活躍しますが1年ほどで脱退し、昼は工場で働き、夜はバーで働いた後の夜中少しの時間を使いギターの練習やクラブで演奏したりしていました。
辛い日々が続きますがWes Montgomeryは夜中にしかギターの練習ができず、激しい音が出ないようにピックを使わず、親指で演奏していたことで必殺技を手に入れるのです。
これがジャズの歴史に残る奏法「オクターブ奏法」に繋がるのです。
The Montgomery Brothersとして兄弟で活動しているとCannonball Adderleyに見出だされ、1960年「The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery」を発表し一躍有名になります。
1967年から1968年には
The Beatlesのカバーを含む「A Day In The Life」や「Road Song」を発表しジャズを普段聴かない人達からも支持を受けました。
この頃に発表した作品は売れ線狙いですがライブでの演奏はジャズマニアも黙らせるほどの演奏だったので、お堅いジャズファンも納得でした。
そんな充実していて、これからという時に心臓麻痺で亡くなってしまうのです。
Wes Montgomeryの特徴は親指ピッキングからなる太く柔らかい音色と単音からオクターブ奏法、そしてコード奏法と盛り上げるソロは圧巻の一言です。
アルバム
Wes Montgomeryのギター演奏を聴きたいという人にはおすすめしませんが、本作はWes Montgomeryの良さを再発見できるアルバムだと思います。
オクターブ奏法とコード奏法を駆使したソロに注目しがちですが、Wes Montgomeryのもう一つの良さ「ギターの歌心」が存分に発揮されたのが本作だと思います。
The Beatlesのカバーやオーケストラアレンジされていたりするので、硬派なジャズファンには物足りないかもしれませんが、ジャズ入門にはぴったりのアルバムでもあります。
Herbie Hancockや
Ron Carterといったメンバーも参加している力の入れようなので、本当に良質な音楽に仕上がっております。
また本作はフュージョンの先駆けと言われる作品としても有名です。
ジャズギタリストのパイオニアWes Montgomeryの歌心溢れる名盤を是非。
Windy
Wes Montgomery A&M 1990-10-25
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