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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Dustin O'Halloran / The Beauty Inside (2012年)



今回紹介する名盤はSara Lovと共にDévicsでギター兼キーボードとして活躍していたアーティストのアルバムです。

ジャンル

ポストクラシカル
アンビエント

アメリカ

Dustin J. O'Halloran


アーティスト

Dustin O'Halloranは7歳からピアノを始め出すのですがピアノ教室で先生に教わるのではなく、独学で学んでいきます。
そして、25歳の時に愛くるしい歌声の持ち主であるSara LovとDévicsというバンドで本格的に音楽活動を開始します。

2004年、Dustin O'Halloranが満を持して「Piano Solos」でソロ活動を開始し、2006年にはDustin O'Halloranとして「Piano Solos Vol. 2」を発表し、Dévicsとして「Push the Heart」を発表しました。

これまでの活動で映画監督ソフィア コッポラに見出され、2006年公開の「マリー アントワネット」で楽曲が使用されました。

ソフィア コッポラはプライベートでmy bloody valentineやSonic Youthなどと親交があり、音楽的センスが抜群に良くて映画サントラがとても評価されています。

例えばこの「マリー アントワネット」ではThe Radio DeptやThe Strokes、New Order、The Cure、Aphex Twin、Air、Squarepusherなどあまり映画で使われる機会の少ないアーティストやバンドを上手いこと使うんです。

この面々の中で当時無名に近いDustin O'Halloranの曲が採用されたことによって、一躍有名アーティストの仲間入りを果たしました。

この他にも10作品以上の映画で楽曲を提供しており、今や引っ張りだこ状態といった感じです。

またHauschkaとJóhann Jóhannssonとツアーをしたり、スプリット作品「Transcendentalism EP」を発表したりと精力的に活動をしています。



アルバム

本作の「The Beauty Inside」も映画サントラなのですが、この映画がちょっと変わっていて次世代的で
インターネットを通して世界中の人たちに同時公開し、視聴者が特設のfacebookを通じて映画に参加ができるというものです。

これが評価されカンヌ国際広告祭で3冠という快挙を成し遂げました。
ドレイク ドレマス監督とは「今日、キミに会えたら」に続き2回目のコラボになります。

しかも、2013年には「Breathe In」という映画でも一緒に仕事をするほどの仲良しコンビです。

さて、音楽の方はというとこれまでの作品より明るく、カラフルな作品になっています。

私は本作を聴くと新生活の朝というイメージがして、清々しい気持ちになります。

新しい生活を後押ししてくれる爽やかな名盤を是非。

Leah


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Alcest / Souvenirs d'un Autre Monde 邦題 別世界への追慕 (2007年)



今回紹介する名盤はディスクユニオンに邦題をつけてもらったバンドのアルバムです。

ジャンル

シューゲイザー
ブラックメタル
ポストロック
ブラックゲイズ

フランス

Neige


バンド

Alcestの中心人物であるNeigeはAmesoeursやPeste Noireなどの他にも数多くのバンドで活躍するマルチプレイヤーなのです。
Neigeはブラックメタル系のバンドによくライブの助っ人として呼ばれるのですが、Neigeが好きなバンドはDead Can DanceやJoy Division、The Cure、Depeche Modeなどブラックメタル系ではないバンドを好んで聴いているみたいです。

Alcestはシューゲイザーの持つ暖かく浮遊感あるノイズとブラックメタルの持つ美しく荘厳な部分を掛け合わせたサウンドはブラックゲイズと呼ばれ新しい音楽が生まれました。

Alcestは当初3人で活動していましたが、2005年に発表された「Le Secret」の時にはもう2人は脱退していてNeigeが1人で仕上げました。
そして、2007年に「Souvenirs d'un Autre Monde」が発表されて世界的に評価を受けることになりました。

2009年にドラムのWinterhalterが加入して現在の形になります。
2012年には初来日して東京ではソールドアウトになるほど人気で追加公演がアナウンスされました。

AlcestのコンセプトはNeigeが幼少の頃から夢見てきた空想世界への憧憬です。
その空想世界が他人に言葉だけでは伝えきれないので、そうした心情を音楽として表現しているそうです。


アルバム

本作はそんなAlcestが世界的に評価を受けることになったアルバムです。

まずジャケットが私の中でトップ10に入るくらい美しいんです。
風景などではなく人物で本作の音世界を表現している見事なジャケットだと思います。

儚くも美しいノイズに包まれながら囁くように歌うNeigeの声が染み渡り、Alcestが案内してくれる幻想世界は地獄のような暗闇ではなく、神々しい楽園なのです。

ブラックメタルを期待して本作を聴くと肩透かしを食らうかもしれませんが、聴いてみる価値は十分あります。

なぜか胸を締め付けられるような心地好い切なさを感じられる名盤を是非。

Souvenirs d'un autre monde


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Eluvium / Similes (2010年)



今回紹介する名盤はアンビエントやポストクラシカル界で人気の高いアーティストのアルバムです。

ジャンル

ポストクラシカル
アンビエント
ポストロック
シューゲイザー

アメリカ

Matthew Robert Cooper

アーティスト

EluviumはMatthew Robert CooperのソロプロジェクトでExplosions in the SkyやMono、The Booksなどと同じレーベルで活動していき徐々に知名度を上げていきます。

Eluvium名義で現在1番新しい作品である2013年発表の「Nightmare Ending」はゲストとしてYo La Tengoの中心人物Ira Kaplanが歌っていたり、同じレーベルで仲良しのExplosions In The SkyのギタリストMark Smithが参加していたりします。

Eluviumを紹介する時にGoldmundやGonzales、Jóhann Jóhannsson、Sigur Rósのファンにおすすめと書いてあるのを目にしますが、Sigur Rósの静かなノイズをさらに奥行きを増して、その上にGoldmundのような優美なピアノサウンドを乗せた感じのイメージです。

私はEluviumの音楽を聴いているといい意味でモヤモヤして不思議な感じがするんです。
それはEluviumの作品全てに言えることなのですが、霞がかった空気が漂うようなノイズにシトシトと降る雨のようなピアノの音で構成される音世界なのです。

Eluviumとは直訳すると「風化残留物」となります。
これは風化によって表面が削り取られ残った物という意味だそうです。

これを知った時私は正しく!とスカッとしました。
Eluviumの作品を聴き終わるとと心が風化されてストレスや嫌な記憶、気疲れが薄れていく感覚がするんです。

アルバム

基本的にインストの作品が多いのですが、本作はMatthew Robert Cooper本人が歌っているボーカル入りの作品になっています。

2005年に発表された「Talk Amongst the Trees」より音の霧の濃度は薄い気がします。

なので、「Talk Amongst the Trees」では少し物足りなくて退屈に感じてしまった人は本作を是非聴いてみてください。

シューゲイザーのように何層にも重ねた柔らかいノイズはやさしくそっと包み込んでくれます。

輪郭のはっきりしないおぼろ気なノイズと美しいピアノの旋律で日々の疲れを風化させてくれる名盤を是非。

Leaves Eclipse the Light


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相対性理論 / ハイファイ新書 (2009年)



SMAP の「GAIAにおねがい」、ももいろクローバーZの「Z女戦争」などを手掛けた「やくしまるえつこ」が中心に結成されたバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
AOR

日本

やくしまるえつこ


バンド

やくしまるえつこ曰く相対性理論というバンドはソフトウェアというとこらしく、メンバーも流動的であることが前提で一般的なバンドよりもプロジェクトとして動いているので参加メンバーや人数もかなり変動しています。

そんな活動が音楽業界で話題になり2009年7月号の「STUDIO VOICE」で相対性理論の特集が組まれました。

ライブ会場と通販のみで4000枚売り上げた自主制作音源「シフォン主義」のリマスター盤はタワーレコード全店ウィークリーJ-POPインディーズチャートで1位を獲得しました。

相対性理論はアルペジオを多用したリズミカルなメロディーに少しインディーロック的な要素を含んだサウンド、そこに やくしまるえつこの柔らかく浮游感漂うウィスパーボイスが絡みます。
やくしまるえつこの声は独特で可愛らしいロリータボイスなのにアダルトなハスキーボイスなんです。

相対性理論は大友良英、ムーンライダー、Thurston Moore(Sonic Youth)、栗コーダーカルテット、my bloody valentine、Arto Lindsayといったように様々なジャンルのアーティストと競演しています。

また、最近ではメンバーもそれぞれでソロ活動を活発にしていますが相対性理論として2013年にはフジロックに出演しました。

アルバム

本作は相対性理論の2枚目のアルバムですがデビューアルバムの「シフォン主義」は15分ほどしか収録されていませんので、私は本作が相対性理論の1枚目のフルアルバムと考えています。

ハイファイ新書とは「解体新書」と「ハイファイ」を掛けたもので、ジャケットにデカデカと書かれている33:21とは本作の収録時間のことです。

また、ジャケットの女の子の絵はやくしまるえつこが描いたものです。

私が特にオススメする曲は、意味がありそうでない歌詞とノスタルジーなサウンドがやみつきになる4曲目「四角革命」と浮游感あるボサノヴァ風なサウンドの7曲目「さわやか会社員」です。

中毒性を持つやくしまるえつこのウィスパーボイスと幻想的なバンドサウンドに酔いしれること間違いなしの名盤を是非。

四角革命


さわやか会社員


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Spangle call Lilli line / PURPLE (2008年)



今回紹介する名盤はメンバー全員がデザイナーやカメラマンという仕事を持ちながら、音楽は趣味と言い切るバンドのアルバムです。

ジャンル

ポストロック
エレクトロニカ

日本

大坪加奈
笹原清明
藤枝憲


バンド

Spangle call Lilli lineは元々美術大学時代の友人だった大坪加奈と藤枝憲でバンドを結成したのが始まりでした。

本当にSpangle call Lilli lineの活動は自由で、趣味でやってる音楽が一定の評価とセールスを獲得し続け、ライブをすればライブ会場が満員になってしまうのだから凄いです。
またそのライブをする理由が「ライブアルバム作りたいから」というではありませんか。
今の若手バンドが聞いたらきっと正気を保てないでしょう。

またSpangle call Lilli lineと並行して、大坪加奈はソロプロジェクト「NINI TOUNUMA」、笹原と藤枝は「点と線」というプロジェクトで活動しています。

Spangle call Lilli lineの音世界はジャジーなポストロックサウンドに大坪加奈の気だるげでアダルトな雰囲気で尚且つ、浮遊感ただようスモーキーな歌声を乗せたハイセンスな音楽です。

また、日本語なのに日本語に聴こえない抽象的な歌詞世界に歌唱法も魅力の1つでしょう。


アルバム

本作を一言で言い表すならオシャレでメロウです。

俗にいうオシャレな場所、カフェやレストラン、美容院、バーなどでかかっていそうな音楽です。
アンビエント的に聴くことも出来るし、しっかり聴き込むことも出来るハイブリットな作品です。

キラーチューンこそ無いものの、全曲佳作というようなアルバムなので、どれか1曲を聴いてもらって琴線に触れればもうSpangle call Lilli lineの世界から抜け出せなくなるでしょう。

エレクトロニカ的なメロディアスな旋律にポストロック的なノスタルジックな演奏を掛け合わせた名盤を是非。

sea


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