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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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Senking / List (2007年)


今回紹介する名盤はアンビエント界やテクノ界で中毒者を続出させている人のアルバムです。

ジャンル

アンビエント
ダークアンビエント
プログレッシブテクノ
ダブステップ

ドイツ

Capsize Recovery

アーティスト

SenkingはCapsize Recoveryのソロプロジェクトです。

Senkingの特徴はなんと言っても、エレクトロニカやテクノシーンでは珍しくコンピューターを一切使わずにサウンドを生み出すことだと思います。

そのため、細かい音の表現や深い心象を音で再現出来るのです。

Senkingの音世界はゆらゆらと蠢く低音に、極端にスローなビート、そして不穏な雰囲気漂うシンセのサウンド そして、不意に語られるメッセージで構成されています。

よく音楽を聴いて風景が頭に浮かんだり、冷たさや、暖かさといった温度を感じる音楽はたくさんありますが、Senkingの音楽は「重力」を感じます。

Senkingの音楽をかけると周りの物や空気が重く、苦しく感じられるのです。
その重みは時間の感覚までも遅く進むように感じられます。

同じくテクノ系アンビエントでGlobal Communicationの「76:14」は宇宙のような無重力を感じる音世界ですが、Senkingは深海の水圧や押し潰されるような錯覚を感じる音世界です。

アルバム

本作はどちらかと言うとダブステップよりな感じがします。

ビートもはっきりしていますし。

ホラー映画やSF映画のBGMとして使われてもいいような深く暗い音楽です。

失われていく意識の中でこのアルバムを聴いていると深い眠りにつけるはずです。

光の射さない水深何百メートルもの深海の世界ようなシンセサウンドに深く重い水圧のような低音を体験できる名盤を是非。

Crevasse


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Rothko / Eleven Stages of Intervention (2007年)



今回紹介する名盤はベース二人にキーボードとドラムという奇妙な4人組のアルバムです。

ジャンル

アンビエント
ポストロック
アートロック

イギリス

Beazley (bass guitar)
Michael Donnelly (bass guitar)
Ben Page (keyboards)
Tom Page(drums and percussion)

バンド

Rothkoというバンド名はMark Rothkoという代表的な抽象画家から取ったそうです。

そんなこともあり、Rothkoはとてもアーティスティック要素が強くメロディーらしいメロディーはなく、まさに抽象的なサウンドが特徴的になっています。

本当に深く暗く内省的な音世界で洋楽初心者の方には良さがさっぱりわからないと思います。

キーボードはメロディーを奏でるのではなく、2本のベースとドラムはリズムを刻むことをせず、全員がそれぞれダーティーな音を鳴らし作られるアンサンブルは底無しの鬱世界です。

Rothkoの音楽はメロディーではなく、全体のサウンドを聴いて下さい。

そうするとRothkoの良さがきっとわかるはずです。
また、意外なことにフォークトロニカのパイオニアである「Four Tet」と親交があるのです。

アルバム

本作はと言うか、アンビエント全般に言えることかもしれませんが、このアルバムはメロディーを聴こうとするとダメだと思います。
響いている音全体を聴こうとすると暗く鬱な雰囲気が伝わってきて楽しめます。

ICOというゲームのサントラのような音世界です。

心深く眠っている不安や悲しみが一度に襲ってきます。

この閉鎖的な音世界を体験すると鬱待ったなしです。

家から出たくないインドアな人に是非聴いてほしい。

部屋に閉じ籠り、カーテンを閉めて、ドアを閉じて、自分を閉ざしたい時、この名盤を是非。

Say Something to Someone


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Jean Baudin / Solace (2010年)



今回紹介する名盤は11弦ベースを巧みに操るベーシストのアルバムです。

ジャンル

インスト
ニューエイジ

アメリカ

Jean Baudin

アーティスト

ベースは基本4弦で、ギターでさえも基本6弦です。
まぁ例外としてPat Methenyが42弦アコースティックギターと言うぶっ飛んだギターを使用してますが、基本は6弦です。

11ベースを初めて目にした時、思わず「なんじゃこりゃ!?」って笑っちゃいました。
これはチョップマンスティックか?と思うような感じです。

私の友達は「これは人を殺せる」と意味不明な表現をしていたのはいい思い出です。

是非いいスピーカーやヘッドホンで聴いてみて下さい。

アルバム

この音楽ジャンルは何なのかわかりません。
ポストクラシカルっぽくもあり、エレクトロニカっぽくもありますが全然違うと言われると違うような気もします。

1曲目はなんかドンキーコングのサントラみたいで気に入って買ったら大当たりでした。
全体的にドンキーコングのサントラのような音世界です。

曲調は悲しげで切ない系のメロディーです。
決してテクニックごり押しの難解な音楽ではありません。

寧ろ聴きやすいと思います。

ベース1本、ベーシストが独りが作り出す孤独感ある音世界。

ベースは長い間ずっと裏方に徹してきました。
そんな縁の下の力持ちが本来の力を発揮した名盤を是非。

Transcend


So Far, Yet So Close


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Austin Wintory / JOURNEY 邦題 風ノ旅ビト (2012年)




今回紹介する名盤はプレイ時間90分ほどで全クリ出来てしまうのに、そんじょそこらのゲームや映画、漫画では得られない感動を与えてくれるゲームのサントラです。

ジャンル

アンビエント
ゲームサントラ

アメリカ

Austin Wintory


ゲーム

洋ゲーというとゾンビやらモンスターが出たり、銃撃戦ばかりの戦争ゲームと無駄に暴力的だったりしますが、今回紹介するゲームは違います。

風ノ旅ビトで使うことの出来るアクションは自分の周りを光らせて周りを調べることと、空を飛ぶことくらいです。

単純な操作性なのでゲームの操作に集中しなくて済むのでストーリーに意識を向けられます。

その事によって、「ICO」「ワンダと巨像」を制作したゲームデザイナーの上田文人がTwitterで「Journeyをプレイして感じたこと。 “暇潰し”のコストパフォーマンスではなく、“感動”のコストパフォーマンスの高い希有なゲーム。 こういうゲームこそ、多くの人にプレイしてもらいたい。」と称賛するほど、なんとも言いがたい感動を味わえる名作なのであります。

ダウンロードだけの販売にも関わらず、D.I.C.E. Awards、IGN、GameSpot、Spike VGA、Joystiqなど2012年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを総なめにし、GDC Awardsのゲーム・オブ・ザ・イヤーを含むノミネートされた6部門を全制覇する前代未聞の偉業を成し遂げてしまいます。

しかし、ゲーム会社は制作に時間掛けすぎてしまい倒産してします。

アルバム

本作はグラミー賞にノミネートするなど高い評価を受け、その他にも国内外の多数の賞を受賞しています。

風ノ旅ビトをプレイすると、何か良くできた短編映画の主人公になって体験した感覚になります。

その世界に観て入り込むのではなく、自ら動かし、体験して入り込むのでラストの感動の感じ方が全然違い、これは新しいです。

ジャケットのような砂漠の世界に吹く風を感じ、旅人になれる名盤を是非。

The Call


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In Slaughter Natives / Enter Now The World (1992年)



今回紹介する名盤はダークアンビエント界の帝王のアルバムです。
ジャンル

ダークアンビエント
ダーククラシカル
ネオクラシカル

スウェーデン

Jouni Havukainen


バンド

In Slaughter NativesはJouni Havukainenを中心に結成されたバンドです。
これまでコンスタントに作品を発表してきたIn Slaughter Nativesですが、2005年の「Split with Voice of Hate」を発表してから動きがありませんでした。
しかし、2014年に約10年ぶりに新作「Cannula Coma Legio」を発表してダークアンビエント界に舞い戻ってきました。

この手のジャンルは市場になかなか出回ってなく入手しずらく、見つけても万単位のお値段なんてことがざらです。
なので聴いたことのある人は少ないのではないでしょうか。

In Slaughter Nativesの音世界は、世界から秩序が無くなり、街には屍が転がっていてゾンビだらけの街で細々となんとか生き延びてるというような、まぁ早い話がバイオハザードの世界を音楽にしましたって感じです。

アルバム

本作の何が良いかというと、とにかく暗く退廃的で聴いていて救いがないし、最後まで絶望しかない。
良く聞こえないと思いますが、こういう音楽が好きな人は必ずいると思います。

軽快なドラミングの代わりに重く苦しいハンマービート、コーラスの代わりに悲鳴、光なんて一切入って来ない音世界です。
わかってくれる人だけでいいので是非聴いて頂きたい。

部屋で独り再生ボタンを押して瞼を閉じれば、暗く不気味な世界へ誘われるはずです。

もう全てがどうでもよくなってとことん堕ちたい時、この名盤を是非。

Sacred Worms


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