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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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ICO / ICO 〜霧の中の旋律〜 (2001年)



今回紹介する名盤は日本よりむしろ国外から賞賛されたゲームのサントラです。

ジャンル

アンビエント
サントラ

日本

大島 ミチル
Pentagon


ゲーム

このICOというゲームのキャッチコピーは「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」というもので、この言葉は本当にこのゲームを表現していると思います。

今までのゲームには無くICOの大事なアクションである「手を繋ぐ」というのがあります。
手を繋いでヒロインのヨルダと共に先へ進んだり、時には手を放して主人公だけで進んだりして謎を解いていき、閉じ込められている古城から脱出し自由を手に入れるというゲームです。

セーブするのには二人でソファに座るというアクションも世界観と合っていていいんです。
日本では一部のゲームファンからは熱烈な評価を受けましたが、売り上げはあまり伸びませんでした。

しかし、日本国外での評価はとても高いものでした。
そのファン達から「安易に続編を出さないでほしい」という声があるほど作品として完成しているものでした。

そんなICOの音楽を担当する大島 ミチルは「失楽園」「ロストクライム -閃光-」などシリアスな映画から「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」「ゴジラxメカゴジラ」など子どもも楽しめる映画といった幅広い映画の音楽を担当しています。

またドラマ人気シリーズ「ショムニ」「ごくせん」NHK連続テレビ小説「あすか」大河ドラマ「天地人」やアニメ「花より男子」「鋼の錬金術師」、ゲーム「レガイア伝説」「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」といったこれだけでも氷山の一角で、ここでは書ききれないほどいろんなところで大島 ミチルの音楽は使われています。

Pentagonは山崎 耕一という人で、この人も映画やゲームの音楽を数多く作曲しています。
特に「beatmania」シリーズでの活動が有名かと思います。

アルバム

ICOをやられた方ならわかると思いますが、無音だったりBGMの無い時間がとても多いゲームで、主人公達の呼吸音や足音だけが響き渡るくらい静かな世界なんです。

そんな中、微かに流れてくる音は環境音のみで本当に孤独感溢れる世界観なんです。

変にBGMを使わないのでゲームの世界に入り込んでしまうのです。

そして、ラストで流れてくる「You were there」の美しさに皆が感動し涙します。
また、「You were there」を歌っているのは聖歌隊Liberaで活躍していたSteven Geraghtyです。

CDの裏面には「You were there」の楽譜が載っているので、それだけでも買う価値はあると思います。

音楽だけでなく、ゲーム自体を体験してほしいと切に願います。

無音の世界に流れる静かな音を大切に収めた名盤を是非。

You were there


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久石譲 / Piano Stories Best '88-'08 (2008年)



今回紹介する名盤はジブリ映画の数多くの音楽を担当している作曲家のアルバムです。

ジャンル

クラシック
アンビエント
サントラ

日本

藤澤守

アーティスト

久石譲という名前を本名と思っている方もいるかもしれませんが、これは実は音楽家として活動するための名前なのです。
大学生の時に友人と話し合い自分も有名な作曲家になれるようにと、当時アメリカで活躍していたQuincy Jonesの名前「ク→久」「イシ→石」「ジョーンズ→譲」とこのように漢字に変えてつけました。

久石譲といえばやはりジブリ映画の音楽でしょう。
久石譲が初めて音楽を手掛けたジブリ作品は1984年に発表され、ジブリファンの中でも人気の高い「風の谷のナウシカ」なのです。

ナウシカの音楽は当初、細野晴臣が手掛ける予定だったのですがナウシカのイメージと合わないという理由で宮崎駿と高畑勲が採用を取りやめて、映画に先行して発売されていたイメージアルバムを担当していた久石譲に話がいきました。

ナウシカの音楽を担当するはずだった他の候補には坂本龍一、高橋悠治、林光などがいたそうです。

今でこそ世界でも広く知られる久石譲ですが、当時そんなに知名度があったわけでもないのに一流作曲家を差し置いて選ぶほど宮崎駿はイメージアルバムを気に入っていたのです。

ナウシカの音楽を担当したことで一躍有名になり、その後のジブリ作品「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」などジブリの名作映画の全ての音楽を担当していて、今やジブリ作品には久石譲の音楽はなくてはならない存在になっています。

また、ジブリ作品以外の映画でも数多く音楽を担当していて、日本映画史上初のアカデミー外国語映画賞を受賞した「おくりびと」や北野武の映画「あの夏、いちばん静かな海。」や「菊次郎の夏」なども手掛けています。

2004年にはカンヌ国際映画祭において日本の作曲家としては史上初となるオープニングセレモニーの音楽と指揮を担当し注目を集めました。

アルバム

本作はそんな久石譲のピアノをフューチャーしたベストアルバムになっていて、1988年に発表された「Piano Stories」は人気が高くシリーズ化されました。

そして、本作はPiano Storiesシリーズ4作品目にあたります。

ジブリ作品の音楽は勿論のこと、CMや他の映画で使用されていた音楽のピアノバージョンはまた違ったピアノならではの味わい深い作品になっています。

また、選曲は久石譲自身が厳選したこだわりの1枚になっているので、必ず聴いたことのある曲があるはずです。

久石譲の音楽を手っ取り早く知るにはぴったりの名盤を是非。

Fantasia (for ナウシカ)



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すぎやまこういち / 交響組曲「ドラゴンクエスト VII エデンの戦士たち」 (2000年)



今回紹介する名盤は今や知らない人はいないくらい有名なゲームの作曲家のアルバムです。

ジャンル

ゲームサントラ

日本

すぎやまこういち
堀井雄二
鳥山明


ゲーム

ドラクエシリーズの素晴らしい点は鳥山明がキャラクターデザインを担当しているところだと思います。
鳥山明の描くキャラクターや世界観は本当に少年心をくすぐり、ワクワク感が溢れています。

ドラクエシリーズは「プレイヤー自身がゲームの主人公になりきり、ゲーム内の世界の出来事を体験する」というコンセプトで作られているので、どの作品も主人公は「はい」「いいえ」しか話しません。
このコンセプトは「ポケットモンスター」など様々なRPGで使われています。

ドラクエシリーズはこれまでに10作品出ていて、これ以外にもモンスターズなどの関連作品を含めると数えきれないほど世に出ております。


アルバム

そして、今回はシリーズ7番目となる作品で主人公が勇者らしくない見た目と鬱ストーリーでシリーズ中ではあまり人気は高くありませんが私は1番好きです。

鬱ストーリーにぴったりな哀しげな旋律が染み渡ります。

今回はゲーム音源の他にロンドンフィル盤も付いている2枚組になっていてゲームと同じく大ボリュームになっています。

ロンドンフィルバージョンのオーケストラの録音環境も良くまた違った魅力があります。

ゲーム体験者はオープニング曲が流れた瞬間、石盤集めに頭を悩ませていた頃の記憶がフラッシュバックするでしょう。

ドラゴンクエストの世界を体験できる名盤を是非。

やすらぎの地


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BT / This Binary Universe (2006年)



今回紹介する名盤は複雑なプログラミングを施したリズムの変則的な「もたつき」や「溜め」などを巧みに操ることからシンセサイザーの魔法使いと呼ばれるアーティストのアルバムです。

ジャンル

エレクトロニカ
トランス
アンビエント
ハウス

アメリカ

Brian Transeau


アーティスト

Brian Transeauは幼少期から音楽への圧倒的な才能を開花させていて2歳からピアノを演奏し、6歳までにショパンとバッハを軽々と弾きこなしてしまいます。
青年期にはNew OrderやDepeche Modeなどのエレクトロニカ系の音楽を好んで聴いて過ごし、バークリー音楽院に入学し作曲を学ぶも、クラシックは自分には閉鎖的過ぎたという理由で中退します。

1990年代前半から音楽活動を開始するものの、自国アメリカではなかなかヒットに恵まれませんでした。
しかし、イギリスでは有名DJ達によってクラブでBTの曲がプレイされ、徐々にファンが増えていきました。

そして、BTは招待されイギリスに飛び自身の曲で数千人の聴衆が熱狂していたを目の当たりにし、DJではないのにも関わらず、世界DJランキングに名前を連ねたりしていることを知ります。

BTはエレクトロニカに始まりトランス、ブレイクビーツ、クラシック、ポップス、ロック、アンビエント、ヒップホップ、ジャズといった様々なジャンルを融合した独自の音楽を発表しています。

また、Kaistar、Libra、Dharma、Prana、Elastic Reality、Elastic Chakra、GTB、2 Phat Cuntsなどの別名義で活動もしていました。

最近では「ワイルドスピード」「モンスター」「ステルス」などの映画音楽の方でも活動しています。


アルバム

本作はトランス以外のジャンルでも成功した「Movement in Still Life」とグラミー賞にノミネートされた「These Hopeful Machines」に挟まれ地味な作品とされますが、「100年後には、おそらく新世紀初期の主な電子音楽として研究されるだろう」と評価を受けるほどの作品なんです。

BTは生まれたばかりの娘を膝の上に座らせながら製作したので、本作は子守唄のような音楽と言っています。

その影響なのか、BTの作品の中でも特にアンビエント色が強いので私は1番好きなアルバムです。

また、音楽に合わせたDVDも見物です。

お父ちゃんが愛娘に贈った愛に溢れた子守唄を収めた名盤を是非。

All That Makes Us Human Continues


Good Morning Kaia


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Biosphere / Substrata (1997年)



今回紹介する名盤は北欧ノルウェーから透き通る音を届けてくれるアーティストのアルバムです。

ジャンル

アンビエント
エレクトロニカ

ノルウェー

Geir Jenssen

アーティスト

Geir Jenssenはアンビエント ミュージックの発案者Brian Enoの影響で音楽活動を始めます。
そして、Geir Jenssenは当時人気絶頂だったイギリスのバンド「Depeche Mode」に影響からAnneli DreckerやNils Johansenとシンセポップバンド「Bel Canto」を結成し、活動し始めます。

しかし、1989年に新しい音楽を追求するためバンドを脱退します。

脱退してすぐにBleep名義で一枚のアルバムを発表した後、1991年ついにBiosphereでの名義でアルバム「Microgravity」を発表します。

この作品は当時、アンビエントテクノミュージックの先駆けとして高い評価を受けました。

そして、1994年に発表したアルバム「Patashnik」の4曲目「Novelty Waves」はアメリカのアパレルメーカー「リーバイス」のキャンペーンで使用されました。

1997年に発表された「Substrata」は今までの作風とは違い抽象的な音世界へ変化しました。

それが功を奏し各音楽メディアから評価され、90年代最高のアンビエントアルバムとまで言われました。

しかし、そこで小さくまとまること無く、2006年に発表された「Dropsonde」ではジャズやフュージョンといった要素を取り入れ新しい音空間を作り出しました。

Biosphereは当初から掲げていた「新しい音楽の追求」を続けています。

因みにGeir Jenssenは2001年に富士山二つ分以上の高さもある標高8,201 mのチョ・オユーの登山に成功しているそうです。

アルバム

本作は上記したように90年代最高のアンビエントアルバムとまで言われた作品です。

アンビエント作品なのでメロディーを聴くのではなく、流れてくるサウンド全体を聴いてみてください。
すると、ジャケット通りの冬山登山をしているかのような絶対零度の音世界が広がるはずです。

テントの外で吹き荒れる吹雪のような音も聴こえます。

凍てつくノイズ、凍えるサウンド、絶対零度の音世界を聴ける名盤を是非。

Chukhung


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