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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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近藤浩治 / ヨッシーアイランド (1995年)



今回紹介する名盤は「でっていう」の鳴き声で有名な恐竜が主役のゲームのアルバムです。

ジャンル

ゲームミュージック
サントラ

日本

近藤浩治


アーティスト

これまでに最も売れたゲームは4000万本以上を売り上げた「スーパーマリオブラザーズ」です。
因みに第2位は「初代ポケットモンスター」で第3位は「テトリス」でそれ以降も任天堂が無双しています。

そして今回紹介するゲームは皆ご存知マリオの相棒ヨッシーが主人公のゲームになります。

あらすじを少し話しますとマリオとルイージが赤ちゃんだった頃、カメ一族の魔法使いカメックの占いで将来カメ一族の脅威となることがわかったカメックはこの双子の赤ちゃんをさらってしまおうと企みます。

そして、ベビールイージをさらうことに成功したカメックですが、ベビーマリオはヨッシー達が住むヨッシーアイランドに落っこちてしまいました。
ヨッシー達がこの赤ん坊についてどうしようかと会議しているとベビーマリオが「あっち、あっち」と指を差し始めたのです。

そこでヨッシー達はマリオを交替で運びながらこの赤ん坊の指差す方向を目指して冒険することになったのでした。

つまり、マリオ作品のプロローグ的作品といえます。

因みに「乗り捨てドラゴン」やら「でっていう」などの愛称で呼ばれているヨッシーですが、「T.ヨシザウルス・ムンチャクッパス」という歴とした名前があるのです。

当時の次世代ゲーム機では映像が綺麗な3Dゲームが注目を集めていましたが、本作は絵本のような手描きタッチのグラフィックが話題になりました。

全てクリアした後でも満点取ろうともう一周遊べるやり込み要素も当時とても画期的でした。

アルバム

本作は絵本のような手描きタッチのグラフィックに負けないくらいにメルヘンチックな音楽でゲームの世界観にピッタリなんです。

ゲーム経験者だったらこれを流すだけで「ワンワンに追われたのはトラウマだったな」とか「ベビーマリオの泣き声で凄く焦ったな」みたいな昔の楽しかった記憶が蘇ること間違い無しです。

ゲームサントラは高クオリティなのにも関わらず絶版でプレミア化してしまうという宿命を背負っているのです。

本作も例に漏れず絶版プレミア化してしまっています。

まるで寝る前にお母さんに読んでもらう絵本のような暖かい子守唄の名盤を是非。

フラワーガーデン


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Tony O'connor / Summer Rain (1997年)




今回紹介する名盤は癒し、安らぎ、和みを音楽で表現するアーティストのアルバムです。

ジャンル

ヒーリングミュージック
ニューエイジ
アンビエント

オーストラリア

Tony O'connor


アーティスト

Tony O'connorはヒーリングミュージックの作曲家で1987年に発表した「Journey」でヒーリングミュージックというジャンルは話題を呼びました。
それ後も鳥のさえずりや川のせせらぎ、雨音、虫の音など自然の音をバックにギターやピアノを奏でるサウンドは世界中の病院やヒーリングセンター、カイロプラクティック、ヨガ教室などで広く使用されているのでした。

ヒーリングミュージックの歴史はとても古いのです。
古代ローマでは音楽を「心の薬」として活躍しており、大きな縦笛のような楽器を患者の胸に押し当てながら演奏して直接心に音を届けて治療するという方法です。

実際に病気に効果があったかどうかはわかりませんが、優しい音楽を聴いて幸せな気持ちになることで辛い気持ちを和らげることができるのです。

現在では認知症患者に音楽が良い刺激となることがわかっています。
特に認知症患者本人が青春の頃によく聴いていた曲を聴く効果が強いそうです。

また、妊婦さんの胎教のために音楽を聴くといいとも言われています。

Tony O'connorはヒーリングミュージックの世界で第一線で活躍していたアーティストで1989年に発表した「In Touch」はプラチナアルバムアワードを獲得し、1990年に発表した「Mariner」は世界中で150万枚以上売れた大ヒットを記録しました。

その他にも、Tony O'Connorが約1年オーストラリアの熱帯雨林を旅して自然音を録音した「Rainforest Majic」アボリジニの民族楽器ディジェリドゥーを使用した「Uluru」水中写真家David Hannanとのコラボ作「Aqua Zone」など次々と発表し、その全てがヒットしました。


アルバム

本作のタイトル「Summer Rain」直訳すると「夏の雨」日本人の私からすると夏の雨は湿度を上げるだけのジトジトした雨か夕立やゲリラ豪雨的な どしゃ降りのイメージなのですが、本作の音はそのような不快感は一切ありません。

夏というより夏の終わりや秋の始まりをイメージする音です。
遠くから聞こえてくる雨音がとても涼しげで、虫の音色も心をクールダウンしてくれます。

それに寄り添うようにTony O'ConnorのピアノやフルートとPaul Clementのクラシックギターのアルペジオが風のように流れるんです。

この2人の相性は抜群でこれ以降も数作品共演しております。

実際に風鈴の音色を聴いて体温が下がったという話もあるので、音楽でも涼しくなれるはずです。

寝苦しい夏の熱帯夜に心も身体もクールダウンしてくれる癒しの名盤を是非。

本作に収録されている曲の動画が無かったので、Tony O'connorの別の曲をお聴き下さい。


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Manuel Göttsching / E2-E4 (1984年)




今回紹介する名盤はテクノミュージックの発展に多大な貢献をしたアーティストのアルバムです。

ジャンル

クラウトロック
アンビエント
ミニマルミュージック
テクノ

ドイツ

Manuel Göttsching


アーティスト

Manuel Göttschingは10代からクラウトロックの代表的なバンドと言われるAsh Ra Tempelの中心人物として頭角を表していました。

初期のAsh Ra TempelはPINK FLOYDのようなスペーシーなサイケデリックロックでしたが、後期にはまだ世界にテクノと言われる音楽がなかった時代にテクノの原形のようなサウンドを鳴らしていました。
Manuel Göttschingはいつも時代の1歩先を歩いていたのです。

しかし、世間は彼の音楽センスに着いていけず正当に評価されませんでした。
というのも、Manuel Göttschingの代表作「E2-E4」は1981年にレコーディングしたものの、あまりに先進的過ぎてお蔵入りになりました。

そして、時間が約3年過ぎてようやく1984年に発表まで漕ぎ着けました。
ところが、待っていた評価は「こんなもの音楽とは言えない」「あまりに展開のない駄作だ」などの酷評ばかりでした。

80年代前半の世間の聴衆にはまだ、ミニマルミュージックやテクノ、エレクトロニカなどの音楽は存在しなかったので「E2-E4」という存在は当時、オーパーツともいえるものだったのです。

さらに時間を進めて1989年にSueño Latinoを始めとする様々なDJにサンプリングされて脚光を浴び、ついに時代が追いついてきたのでした。

イージーリスニングやアンビエント、ニューエイジ界に多大な影響を与えたギタリストでもありますが、同時にテクノやハウスの創始者として後の音楽界に多大な影響を与えました。

2006年と2008年には日本のエレクトロニック ダンス ミュージックフェスティバル「METAMORPHOSE」に参加し来日もしました。

アルバム

本作はテクノミュージックの発展に大きく関わった超重要なアルバムです。

シングルでもカップリングとか合わせると少なくとも2曲はあるのに、本作に収録されている曲はたったの1曲なんです。

約1時間の「E2-E4」が1曲のみ。

旨いラーメン屋のメニューに「ラーメン」しかないような姿勢に好感を持ちます。

しかも、シンセとリズムマシンの打ち込みを流しながら、Manuel Göttschingのサイケ的なギターは一発録りなのです。

ジャケットとE2-E4というタイトルを見ると勘のいい人ならわかるかもしれませんが、本作のコンセプトは「チェス」なんです。

また、当時話題になっていた「コンピューターチェス同士のエンドレス対戦」を音楽で表現するというものでした。

徐々に音の数が増えていき、少しずつ盛り上がりグラデーションのような曲展開、後半のサイケギターは唯一無二です。

現在、特に日本人はAメロ-Bメロ-サビという流れがないと聴くに堪えないという人が多いかと思いますが、音楽の歴史を遡るとメロディー何てものはなく、手拍子や打楽器を鳴らしながら歌うだけです。
そう考えると音楽の本質にとても近い音楽なのではないでしょうか。

音の予言者が誰に理解される訳でもなく、独りで作り上げたオーパーツ的名盤を是非。

E2-E4


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Smith & Mudd / Le Suivant (2009年)



今回紹介する名盤は優良バレアリックレーベルClaremont 56の設立者が組んでいるユニットのアルバムです。

ジャンル

バレアリック
チルアウト
アンビエント

イギリス

Benjamin Smith
Paul Murphy


アーティスト

ジャンルに書いてある「バレアリック」ってなに?って思われる人もいると思うので説明します。

バレアリックとはスペインの地中海に浮かぶバレアレス諸島の島の1つで世界遺産にも登録されている「イビサ島」発祥の音楽なんです。
イビサ島にはバーやクラブが多く、世界中の超有名DJ達がプレイするのでヨーロッパのクラブカルチャーの中心地となりました。

ではどんな音楽かというと、地中海で一番美しい海と称される海岸線に沈む夕日の風景を眺めながら聴く音楽なんです。
かなり抽象的ですが、これ以上の表現は持ち合わせていません。
つまり、心地好い音楽ってことです。

サンセットを楽しみながらバレアリックミュージックを聴ける場所がイビサ島のカフェ・デル・マールというバーで、DJがかける心地好い音楽の影響で世界で最も有名なバーの1つとも言われるほどの観光スポットなりました。

さてSmith & Muddですが、Muddはソロで2007年に発表した「Claremont 56」が高く評価され、同名のレーベルを設立しました。

このレーベルはバレアリック系の美しい音楽を発表することをコンセプトに活動していき、欧州などで月間100万人に及ぶ読者がいると言われるレジデント アドバイザー誌で月間注目レーベルに選ばれたりしました。

Muddはソロ活動やSmith & Muddの他にも制作活動と自身のレーベル運営をこなしながら世界中のクラブやパーティーでプレイしている売れっ子DJです。

SmithはFUGやKost Effectiveのメンバーとしても活躍している実力者なんです。
そして、Smith & MuddはClaremont 56発表の作品の半分以上を占める看板ユニットなんです。

アルバム

本作は哀愁と透明感が溢れる前作「BLUE RIVER」から約1年半ぶりのアルバムになります。

カッコいいリフがあるわけでもなく、素晴らしい歌詞があるわけでもなく耳馴染みのいい美しいメロディーがゆったりと流れるだけなので、若い人には物足りなく感じるかもしれません。

しかし、私くらいの歳になるとこういう物言わない音楽が染み渡るのです。

マーブルチョコレートのようなカラフルな音色ではなく、夕焼け空のグラデーションのような音色なんです。

ジャケットのような薄暗い森の中で焚き火を囲みながら聴くと不思議な世界に連れていってくれるでしょう。

私にとってとてもリラックス効果がある音楽なので心が疲れたり、脳が興奮状態の時によく流してチルアウトしてます。

普段の忙しい日々でアドレナリン出まくりで火照った身体をチルアウトさせてくれる名盤を是非。

Le Suivant


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Gavin Bryars / The Sinking of the Titanic 邦題 タイタニックの沈没 (1994年)



今回紹介する名盤は豪華客船タイタニック号の隠れた秘話に元に作られたアルバムです。

ジャンル

アンビエント
現代音楽
クラシック

イギリス

Richard Gavin Bryars


アーティスト

現代音楽と呼ばれるジャンルは不協和音を多用する聴き辛いジャンルなのですが、Gavin Bryarsは比較的入りやすい音楽を作曲することで知られています。

Gavin Bryarsが大学卒業後に3年間音楽を学びます。
その時はジャズベーシストとして活躍していて、オーソドックスなジャズばかりを演奏していましたが、せっかく可能性のある若い音楽家なのに形式にはまった演奏ばかりしていることに疑問を持ち始めます。

そして、John Coltraneに影響を受け自由な即興演奏に変わっていき、さらに作曲の方に興味を持ち始めMorton FeldmanやEarle Brown、Steve Reichなどの現代音楽家やミニマルミュージックに影響を受けながら作曲していました。

そして、1969年にGavin Bryarsが長い年月付き合っていく作品「The Sinking of the Titanic 邦題 タイタニックの沈没」が始まります。
これは沈みゆくタイタニックの上で最後まで演奏を止めなかった音楽家たちの演奏を生き残った乗客や船員たちの証言や記録を元に再現するという作品でGavin Bryarsの名前は世界に知れ渡りました。

これは実に20年以上かけて制作され、新しい資料や情報が入れば随時変えていきました。
また、環境の整ったスタジオではなく実際の状況に近い貯水塔やプールで演奏を録音し、沈み行く船を表現するために様々な効果音を加えました。

Aphex Twinは「26 Mixes for Cash」でRaising The Titanicのリミックスをしています。

偶然性の音楽を作るために素人の学生たちを集めクラシック音楽を演奏させるなど新しいことに挑戦していました。

そして、こういった感性はBrian Enoにも影響を与えました。

アルバム

本作は上記したようにGavin Bryarsの出世作になります。

これは実話に基づいていてタイタニックが氷山に衝突し沈没するまでの間に演奏していたであろう曲を再現したものです。

船員達が救助活動をしている間、乗客が少しでも落ち着けるように演奏を続け船と運命を共にしました。

その勇姿ある演奏家達はWallace Hartley、Roger Bricoux、John Clarke、Percy Taylor、Georges Krins、Theodore Braile、Jock Hume、John Wesley Woodwardの8人でリーダーであるWallace Hartleyの遺体を引き上げてみるとバイオリンを大事に抱え込みながら亡くなったそうです。

映画のタイタニックではレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのラブストーリーですが実際は映画よりドラマチックな事が行われていたのです。

偉大なる8人の演奏家が死を覚悟して奏でた鎮魂曲を再現した名盤を是非。

The Sinking of the Titanic


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