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『私的名盤おすすめ処』

私が聴いて『これは名盤だ!』と感じたものをひっそりとレビューするブログです。

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羊毛とおはな / LIVE IN LIVING '07 (2007年)



今回紹介する名盤はおしゃれのカフェや洋服屋でよく耳にするアコースティックデュオのアルバムです。

ジャンル

アコースティック
フォーク
カントリー

日本

千葉はな
市川和則


アーティスト

羊毛とおはなは2003年にインターネットのバンドメンバー募集サイトで知り合い、その時の市川和則のハンドルネームが「羊毛」だったので二人の名前を合わせた「羊毛とおはな」で活動開始します。

2007年にヴィレッジヴァンガード限定のデビュー盤を発売し、このCDが売れない時代に全国で3000枚を売り上げました。
たったの3000枚と思う方もいるかもしれませんが、これは凄いことなんです。

なぜなら、紅白歌合戦の常連とも言える和田アキ子が2010年に発表された「人生はこれから」は500枚に届きませんでした。 
また、日本のヒップホップ界の重鎮Zeebraも2010年に発表された「Fly Away」と2011年に発表された「 Blue Feat. AI」は共に600枚前後ということを考えると、無名のアーティストのデビュー作がヴィレッジヴァンガード限定という縛りで3000枚は大健闘と言えます。

羊毛とおはなは「まるでリビングルームでライブをしているかのよう」というコンセプトで音楽活動をしているのですが、本当にこのコンセプト通りのサウンドが盛りだくさんです。
このコンセプトならではなのか、邦楽洋楽問わずいろいろな名曲をカバーしているのも特徴の1つと言えます。

4月8日に千葉はなは乳がんのため36歳の若さで逝去しました。

御冥福をお祈り致します。


アルバム

本作は上記したようにヴィレッジヴァンガード限定で販売され3000枚を売り上げたデビュー作です。

本作のカバー曲はCarole Kingの「So Far Away」とStingの「Englishman in New York」そしてPaul McCartneyの「Wonderful Christmastime」です。

どれも羊毛とおはならしいカバーになっていて、知らない人が聴いたらどれがカバー曲なのかがわからないと思います。

マスタリング エンジニアに山下達郎や竹内まりやの作品を手掛ける原田光晴が起用されています。

羊毛のような暖かく柔らかいギターの音と、おはなのような可愛らしく力強い歌声が聴ける名盤を是非。

Englishman in New York


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José González / Veneer (2003年)



今回紹介する名盤はGilles Petersonに「ハウス・ミュージックの未来だ」 と謳われる、注目のシンガーソングライターからのアルバムです。

ジャンル

フォーク
インディーフォーク
ボサノヴァ

スウェーデン

José González

アーティスト

José Gonzálezはアルゼンチンの両親の間に生まれスウェーデンで育ちます。
少年時代はBob MarleyとMichael Jacksonを好んで聴いて大きくなり、やりたい時にすぐに手にとって出来るからという理由からアコースティックギターをよく弾いていました。

青年時代にはBlack Flagなどに影響を受けたハードコア系のバンド「Back Against the Wall」でベースを担当したりなど積極的に音楽活動を行っていましたが、そのバンドでは中々芽が出ませんでした。
その結果José Gonzálezはバンド活動を一旦辞めて、学業に専念しました。

しかし、その間もアコースティックギターを弾くことは欠かしませんでした。
その経験から一人でも音楽は出来ると気付き、今のスタイルが出来上がりました。

それは幼少の頃の感性を育ててくれた北欧の歌声と血流を使い身体の隅々まで流れる本能的南米のリズム感を併せ持つ音世界です。

Prefuse 73のScott Herrenが2007年に発表した「Golden Pollen」にゲスト参加したりもしています。

2007年にはサマソニで来日したり、2013年公開の映画「LIFE!」にも数曲使用されるなど今注目のアーティストの1人でしょう。

アルバム

本作はそんなJosé Gonzálezのソロ初の作品になります。

心地良いサウンドを反復することで、アコースティックギターだけで作られているとは思えないグルーヴを作り出し、そこに暖かく優しい歌声に乗せて耳にメッセージを届けられます。

アコースティックギターと歌声というシンプルな構成だからこそ、聴き損じることなく全ての音が味わえるのです。

因みに4曲目の「Heartbeats」はThe Knifeのカバーです。

これは新時代のBob Dylanと言っても過言ではない名盤を是非。
Heartbeats


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Cloud Cult / The Meaning of 8 (2007年)



今回紹介する名盤はアメリカのインディーロックシーンで20年ものキャリアを誇る重鎮バンドのアルバムです。

ジャンル

アートロック
インディーロック
プログレッシブフォーク

アメリカ

Craig Minowa


バンド

Cloud CultはシンガーソングライターのCraig Minowaを中心として様々なアーティストが参加して活動しているバンドです。

Cloud Cultの特徴はなんと言っても芸術的音世界です。

キャンパスの代わりに真っ白な譜面を、画材の代わりに様々な楽器を、そして色の代わりに音色を描きます。

そして、Cloud Cultの芸術性が遺憾なく発揮させる場がライブです。

Cloud Cultのライブでは、バンドメンバーであるビジュアルアーティストが1枚の絵を描き、最後にそれを競売にかけるというパフォーマンスをしています。

2004年にCloud Cultはインディーズなのにも関わらず5枚目のアルバム「Aurora Borealis」は「ミネソタミュージックアワード」にノミネートされました。

2006年には6枚目のアルバム「Advice from the Happy Hippopotamus 」はアメリカの辛口音楽誌ピッチフォークで「非常識な天才」と評され8,3点という高得点を獲得しました。

そして、2007年に発表された7枚目のアルバム「The Meaning of 8」はアメリカの代表的な新聞デンバーポストではModest MouseやThe Flaming Lips、Radioheadといった有名バンドと並び「過去10年のアルバム Top10」に選ばれました。

アルバム

本作は上記したように「過去10年のアルバム Top10」に選ばれたアルバムです。

生の楽器の演奏を大事にしながら、コンピュータを使い電子音を溶け込ませるその音世界は言うならばプログレッシブフォークといった感じです。

1曲1曲は短いにも関わらず、その中で何度も展開される音楽は唯一無二です。

Arcade Fireの音世界にひねくれたポップセンスを加えたような感じ、または21世紀に甦ったThe Velvet Undergroundとでも言いましょうか。

ロック、フォーク、プログレ、ポストロック、サイケ、オルタナ、いろんな色を使った芸術的名盤を是非。

Pretty Voice


Chain Reaction


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Crosby, Stills, Nash & Young / Deja Vu (1970年)



今回紹介する名盤は1969年の伝説の野外フェス「ウッドストック」にてテーマソングを披露したグループのアルバムです。
ジャンル

フォーク
ロック

アメリカ

David Crosby
Stephen Stills
Graham Nash
Neil Young


バンド

Crosby, Stills, Nash & Youngはメンバーの名前をくっつけただけのとてもわかりやすいグループ名です。
安易に付けられたと思われがちですが、これには意味が込められています。

The Byrdsで活動していたDavid Crosby
Buffalo Springfieldで活動していたStephen Stills
The Holliesで活動していたGraham Nash
この3人がグループを組んだことに世間で「スーパーバンドが誕生した」と話題になりました。
(そこに最強の助っ人Neil Youngが加わりました。)

しかし、彼等の発想は違い「1つのバンド」ではなく「個人の持ち味を尊重して活動するグループ」として活動していました。

なので、一緒に出来る時は一緒にするし、個人で活動したい時は個人で活動するという当時では珍しいスタンスでした。

また、アコースティックギターでロックをするというスタイルはEaglesやLed Zeppelinを始め、多くのフォロワーを生みました。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第七部 スティール・ボール・ランの主催者スティーブン スティールの元ネタはメンバーのStephen Stillsです。

アルバム

本作は全米で1位全英で5位を記録するウェストコーストロックの歴史的名盤です。

本作は上記したように個人を尊重した結果、1曲1曲にそれぞれの個性が表れていて聴いていて飽きが来ません。

しかし、一人ひとりの声が重なるハーモニーは1つの美しい和音となり耳に流れてきます。

4曲目の「Helpless」はThe BandのThe Last Waltzで演奏していたりするので聴いたことがある人も多いのではないかと思います。

そして、5曲目の「Woodstock」は名前を見てわかるようにウッドストックのテーマソングとしてJoni Mitchellが提供した作品です。

各人の個性が衝突して出来た魔法のようなハーモニーに多彩なサウンドが聴ける名盤を是非。

Helpless


Woodstock


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Joni Mitchell / Blue (1971年)



今回紹介する名盤は伝説のフェス「Woodstock」のテーマ曲をCrosby, Stills, Nash & Youngに提供した女性のアルバムです。

ジャンル

フォーク
ジャズ
アートロック

カナダ

Joni Mitchell


アーティスト

Joni Mitchellの経歴を上げると切りがありませんが、まとめて書いていきます。

⚪ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストでは第75位

⚪ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーでは第42位

⚪ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティストでは第62位

⚪Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーでは第36位

⚪これまでにグラミー賞を9回受賞している

⚪1997年にロックの殿堂入りを果たしています

彼女は年代によってフォークだったり、ジャズだったりとジャンルが異なりますが、内容の質はどれも同じく素晴らしいものばかりです。

彼女の才能は音楽だけでなく、写真や絵画など多彩です。

自らCDジャケットをデザインしたアルバムが、グラミー賞のベストアルバムパッケージ部門を受賞したりしました。

神は二物、三物与えてしまったパターンの人ですね。

因みにジョジョの奇妙な冒険 第七部 STEEL BALL RUNの8thステージのサブタイトル「ボース・サイド・ナウ」の元ネタです。

アルバム

本作はJoni Mitchellのフォークアルバムの中で一番の秀作です。

というのも、ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500において30位に選ばれた作品で、これは女性ソロアーティストでは最高位になるのです。

タイトル曲の「Blue」はBob Dylanに影響を与え、Bob Dylanは「Tangled Up in Blue」という曲を作ったという逸話があるほどです。

また、「River」はHerbie Hancockがオマージュ作品を作ったり、「A Case Of You」はDiana KrallやJames Blakeにカバーされ話題になりました。

当時交際していた人と別れた時期に製作されたので、本作はとても内省的です。

悲しい時、哀しい時、寂しい時の心の色を描いたセンチメンタルな名盤を是非。
Carey


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